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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

令和時代のギター上達法  ~ギター演奏の新常識



プロローグ



かつてはいつも子供たちの声が聞こえていたが

 今さらながらに、最近は若い人がすくなくなりましたね、特に子供たちが少ない。 家の近所でも、かつては私の家も含めて子供がたくさんいて、よく近所の子供たちが遊びに来ていました。

 そして子供の声はいつもどこからとなく聞こえていましたが、最近では家の周囲でも子供を見かけることが少なくなり、ほとんど声も聞こえて来なくなりました。 もっとも、家の防音などがよくなったこともあるでしょうね。  ・・・・・・・・私の耳が遠くなった?

 教室の方でも1980年代では子供たちもそれなりにいて、小中生のみ数十人で合奏をやっていた時もありました。 今では小中生など発表会に一人か二人といった感じです。



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かつては子供たちだけ10数人の合奏があったが、今では考えられない。 1984年頃のアンサンブル演奏会




ギターを弾いている人は私と同世代が多い

  最近ではどこに行っても大体私と同年代くらいの人、つまり60~70代くらいの人が多く、子供たちだけでなく、20~30代、あるいは40~50代の人も少なくなったように感じます。

 私の教室の生徒さんも、やはり私と同年代、つまり60~70代くらいの人が多いです。 これにはいろいろ理由がありますが、まず私たちの世代は何といっても団塊世代といって、絶対数が多い。 

 さらに私たちの世代では若い頃にギターが流行し、何らかの形でギターを弾いたことがある人が多く、またギターが好きな人も多い。 それらに加え、定年退職している人も多く、時間もあるので、結果的にギターを習う人が多い。

 今現在では若い人の絶対数が減少しているだけでなく、ギターを弾く人、興味ある人の割合も少ないようで、さらに仕事や子育てなどあまり時間に余裕がない人が多い。 そういったことなのでしょう。



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最近の発表会は60~70代の人が中心



10年後はみんな80代?

 私20歳頃からギター教室の講師をやっていましたが(大学生の頃からアルバイトでギターを教えていた)、 その当時は私と同じく20代の生徒さんが多く、 当時は漠然とギターを習い始める人って、20代に人が多いのかなと思っていたら、私が30代になると30代の生徒さん、40代になると40代の生徒さんというように、いつも私と同じ世代人が多く習いに来ていました。

 そしてそろそろ私も70歳になる今現在の生徒さんの多くはアラウンド70!    ・・・・・・「アラ・セブ」っていうのかな? 

 ということは10年後はみんな80歳?   80過ぎてギター弾けるの?




ギターのピークは何歳くらい?

 一般の常識やイメージからすれば、スポーツほど年齢にシビアではないとしても、ギターの場合でもピークは40代、高くても50代くらいといったところではないかと思います。

 50歳過ぎると、誰しも徐々に指の運動能力、記憶力、思考力、意欲などが衰えて、次第に若い頃と同じようには弾けなくなるのでは、と私もかつて、というより比較的最近まで思っていました。




セゴヴィアは50代でもバリバリ弾いていた

 高齢でも積極的に演奏活動し、またその評価も大変高かったギタリストとしては、アンドレス・セゴヴィアがいます。94歳まで生きましたが、90代でもコンサートを行ってました。 

 セゴヴィアはギタリストとして活動していたすべての時期がピークだったとも言えますが、私個人的には60~70代頃の演奏が最も素晴らしいと思います。 人によっては、30^40代のSP録音時代のほうを評価する人もいます。

 因みに、セゴヴィアの50代 (いや60代だったかな?) のライブ録音は円熟というよりバリバリ弾いている感じです。



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近代ギター史上の最高のレジェンド、アンドレス・セゴヴィアは94歳で世を去るまで演奏活動をしていた。



 多少なりとも技術的な衰えを感じさせるようになったのは80歳も過ぎた頃だったようです。 さすがに80歳過ぎてからは演奏活動もやや少なくなり、録音なども残さなかったようです。 

 もちろんセゴヴィアはギター界においてはレジェンド中のレジェンドで、一般の人と同じようには語れないでしょう、確か70代でお子さんが生まれていた? そういった意味でも偉人中の偉人です。

 


トレモロなどはなるべくテンポを押さえて弾いていた

 私自身について言えば(急に話のスケールが小さくなるが)、20代や30代の頃でもあまりギターが上手くなかったこともあり、私のギター歴の中では、今現在がギタリストとしてのピークだと思っています。

 ・・・・・・・そう思い込んでいる、あるいは自己暗示を行ってだけかもしれませんが。

 しかし、冷静に考えれば、速いアルペジオや、特にトレモロなどは若い頃に比べると、だいぶ弾けなくなっています。 最近では若い頃弾いたアランブラなどの録音を聞くと、 「よく弾けているな」 と思うようになっていて、 確かにトレモロなど、単純な指の動きは以前のようには行かなくなっています。

 当時はトレモロなどは速く弾きすぎると美しくなくなるので、なるべくテンポを押さえて弾くように心がけていました。 それでも今現在全力で弾いたトレモロより速いです。 速いだけでなくよく粒もそろっていて、音量もありました。

 さらに若い頃はトレモロの曲はどんなに緊張していても、あるいは全く指ならしなどできない状態でも全く問題なく弾けました。   さらに1曲トレモロの曲を弾くと、指の調子も、また気持ちも上向くので、よくコンサートの最初に弾いたりしていました。

  ・・・・・・・今では絶対にできない!




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30代で10弦ギターを弾いていた頃。 トレモロ奏法に関してはこの頃がピーク。 トレモロの曲に関しては事前の指ならしなど不要で、いつでも、どこでも弾けた。




頭の中では弾けている?

 ではどの曲も弾けなくなったかというと、そうでもなく、スケールなどはまり変わらず、左手の使い方は今のほうがよくなっています。

 なんだかんだと言っても、身体的なものに関しては年齢とともに老化することを拒めませんが、それ以外のことについては今現在のほうが能力が高くなっていると思います。

 若い頃と圧倒的に違うのは譜面を読む力で、初見演奏だけでなく、その曲の理解の仕方などがだいぶ深くなりました。 作曲の意図とか、その作品背景なども含めて理解できるようになりました。

 また、最近では実際にギターを持って弾かなくても、頭の中だけでギターが弾けるようにもなりました。 教材等の運指もギターを実際には弾かずに行けています。 もっとも頭のなかでは弾けていても、指の方では弾けない?
   



だんだん弾けなくなった人はいない

 生徒さんに関しても、私と同じ世代の人でも、ずっとギターを続けている人であれば、以前は上手に弾けたけど、今はあまり弾けなくなった、 なとという人はいません。

 もちろん長くギターをやっていれば、私と同じ譜面を読む力などは間違いなく進歩しますし、正しい練習法や表現法などもだんだん身に着けてゆきます。 指の方も重大な故障などがなければ特に衰えるといった印象はありません。

 それぞれの生徒さんとも以前よりは難しい曲に取り組みんだり、また以前弾いた曲でも今現在のほうがより音楽的演奏できているように思います。

 さらに高齢の生徒さんでも、ギターを続けている以上は、最悪でも現状維持で、少なくとも歳とともにだんだん弾けなくなっている人というは見当たりません。



完全に逆転現象

 ギター文化館で毎年行われているシニア・コンクールでも(昨年は行われなかったが)、10年くらい前までは55歳以下のミドル・エイジ部門のほうが、それより上の年齢のシニア・エイジよりレヴェルは高く、したがって課題曲などもシニア・エイジのほうが比較的易しい曲が選ばれていました。

 50代後半以降の愛好者よりはそれより若い愛好者のほうが技術が高いと、誰しも思い、それおを疑問を感じる人はいなったでしょう。

 しかし最近では逆転現象が起きて、シニア・エイジは55歳以上から60歳以上に上がったにもかかわらず、入賞者のレヴェルは55歳以下のミドル・エイジよりも高くなっています。

 またシニア・エイジはエントリー者の数も多く、かなりの実力者でも予選通過するのが大変難しくなっています。

 逆に言えば、かつてはレヴェルの高かったミドル・エイジは、最近エントリー者の数が減り、比較的入賞は楽なので(あくまで比較的です)、”ねらい目”ではあるかも知れません。 その年代に属する方、ぜひチャレンジしてみてください。  ・・・・・今年はやるのかな?





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 シニア・ギターコンクールにおいては、かつては55歳以下のミドルエイジ部門のほうがレヴェルが高かったが、最近では60歳以上のシニア・エイジ部門のほうがレヴェルが高くなっている。 因みに受賞している人は2019年シニア部門1位の黒田さん




本来は若い人で上手な人がたくさん出てほしいところだが

 ともかく、最近では年齢の高い愛好者のレヴェルが大変高くなっていることが顕著です、この現象は10年ほど前から出てきたものですが、今後もこうしたと傾向は続くと考えられます。

 これがいいことなのか、そうでないかということは何とも言えないところで、マイナス面で考えると、若い世代のクラシック・ギター人口がどんどん減ってきて、クラシック・ギター界が縮小してゆくことを意味しているかもしれません。

 プロ、アマチュアを問わず、若い人からどんどん優れた人が出てくるのが、本来は理想なのでしょう。

 その一方で、ギターはそれほど早い時期にピークが訪れてしまうわけではないということも示されています。 歳を取ったら、ギターは上手くなりたいなど全く考えず、適当に、のんびりと弾いていいればよいということでもなさそうですね。

 ギターが上手になりたいというモチベーションと正しい練習法、あるいは優れた指導者につくなどすれば、かなりの年齢でも上達が期待できるということになるでしょう。 
 



80歳過ぎてもギターが上手くなる?

 では、80歳過ぎてもギターは上達する?  ・・・・・・ウウン、 チョット待ってくださいね、チョット。  その答えを70歳(正確には69歳)の今の私がしてしまうと、やはり無責任だと思うので、その話は私が80歳過ぎたらにしましょう。     


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令和時代のギター上達法 ~ギター演奏の新常識  予告編



お願いだから

 相変わらずというか、さらにというか、コロナ情勢はますます深刻になっています、こんな記事の書き始め、このところ毎回のようですね。

 今後の当教室の行事予定など、ますます分からなくなってきましたが、それどころかこれ以上状況が悪化すれば、教室の個人レッスン自体、続けてゆけなくなるかも知れませんね。 

 早く収束してほしい、などいう高望みは出来そうもありませんが、お願いだからこれ以上悪くならないでほしい。   




令和になってから

 今年は令和3年ということで、元号が変わってから足掛け3年ということになりました(実質1年と8か月くらいかな)。 どうも令和時代になってからあまりいいことありませんね。

 あの時色紙を掲げた人に問題があったのかな? いやいや、そんなことあるわけありません、今度の難はなんと言っても全人類、世界全体の問題で、そういう矮小的な問題ではない。 あの方も今は全国民のために身を粉にして対策に奔走しているのですから(時々読み間違えるが)。 ・・・・・八つ当たりもほどほどに。




バブル真っ盛りで始まった平成

 平成時代の始まりは1989年といことで、バブルの真っ盛りでした。 お金があり余り(私の方はそんなこと全くありませんでしたが)、あの頃は世の中というものは、だんだん良くなることしかないとみんな思っていましたね。 

 でもあっという間にはじけてしまいました、なんといってもバブルですから。

 それから2度の震災、やオウム真理教事件、湾岸戦争に9.11、イラク戦争。 ソ連崩壊なども平成時代でしたね。 地球温暖化、少子高齢化も進みました。

 確かにいろいろありましたが、あの人類史上例を見ることができない大戦争があった昭和に比べると、平成という時代はまあまあ穏やかな時代だったともいえるでしょうね。




今後は良くなるしかない

 バブル絶頂期で始まった平成に比べると、スペイン風邪以来の感染症パンデミックというあまりさい先の良くない令和ですが、今が ”底” ということであれば、今後は上昇するしかない、令和時代は発展と希望と上昇の時代と考えましょう!   ・・・・・ちょっと無理があるかな。




この機会を逆に好機と捉え

 さて、こんな時期、ギターを習おうかなと思っても、今は通うのはやめておいて、とりあえずは家で独習しようかなと、思っている方も多いのでは。

 あるいはコンサートや発表会、コンクールなどもなく、欲求不満の溜まっている愛好者も少なくないのでは思います。 この機会を逆に絶好の機会ととらえ、この際しっかりと基礎を固めし、さらなる上達を目指しましょう。

 そういった向上心旺盛な独習者の方々に向けて、この機会に当ブログでも 「令和時代のギター上達法」 といタイトルで独習サポート、およびさらなる進化を目指す愛好者の方々のための記事を書いてゆこう思います。 




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2007年からの「中村俊三ギター上達法」のリメイク版

 当ブログを始めて間もない頃の2007年から数年間にわたり、 「中村俊三ギター上達法」 の記事を断続的に書きました。 今回はこの記事のリメイク版といったことになりますが、 その際にはまだまだ説明不足やよくまとまっていなかった点、また読みにくい部分などもあり、改めてなるべくわかりやすく書き直そうと思います。

 また私自身でもその当時とは考えも変わった部分などもありますので、そうした点も改めたいと思います。




ギターの常識は刻一刻と変わっている

 一般的にクラシック音楽は、そのレパートリーや演奏技術などすでに完成された状態ともいえますが、クラシック・ギターというジャンルについてはまだまだ未完成な部分もあり、その演奏技術にせよ、レパートリーにせよ、刻一刻と変化しています。

 私がギターを始めた60年前、あるいはギターを教え始めた50年前のギター演奏、練習に関する常識は、今では全く通用しなくなっています。 そして今後もまだまだ常識が変わってゆくことだと思います。

 やはり令和時代には令和時代のギター上達法があるのでしょう。 そうした最先端のギター演奏法、あるいは練習法を今後、数年間にわたり、断続的に書いてゆきます。 



出来れば動画も

 今回は出来れば動画なども載せたいとは思っているのですが、そのためには編集などの動画の取り扱いに慣れないとといけないのですが、なんとか実現したいと思います。

 当面は以前と同じく文章と静止画像という形ですが、いずれは後付け的にでも動画を貼り付けたいと思っています。
   
 

今年の予定




 明けましておめでとうございます。  本年もよろしくお願いします。



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予定通りにできるかどうかは

 年は明けたもの、相変わらずコロナは猛威をふるっています。 毎年恒例の今年の予定ですが、今年の場合はあくまで ”予定” ということになります。

 今年もいくつかコンサートの予定はあるのですが、予定だけで終わるか、予定通り開催できるかは今後のコロナ情勢次第といったところでしょう。

 来月くらいには我が国でもワクチン接種が開始されるそうですが、そのワクチンの実際の効果や、普及の状況なども気になるところです、まさに藁にもすがる思いといったところでしょう。





4月25日(日)  中村ギタ―教室発表会   ひたちなか市文化会館小ホール

 昨年はこじんまりと発表会を行ったので、今年はひたちなか市文化会館で ”盛大に” と思ったのですが、予定通り開催できたとしても、まだまだ十分に警戒を要する時期なのは確かでしょうね。 開催できれば独奏に加え、合奏なども行う予定です。




6月20日(日) 中村俊三ギター・リサイタル   ひたちなか市文化会館小ホール



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 昨年4月に行う予定だったリサイタルの延期開催ですが、プログラムなどは若干変更して、バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」とグラナドスの「私的ワルツ集」などとなります。

 昨年会場を予約した時には十分余裕をもって、このくらいな時期ならまず大丈夫と思って予約したのですが、そんなに安心もしてはいられないようですね。 でも何とか実行したいと思います。




7月   水戸市民音楽会  水戸芸術館

 毎年この時期に行われる水戸市民音楽会ですが、昨年はコロナで中止となりました。 今年についてはまだはっきりしていないようですが、他のコンサートと違って出場者が多く、楽屋やステージ裏の通路などが込み合うコンサートだけに、よほど状況がよくならない限り、開催は難しいのではと思います。




10月23日(土)   水戸ギター・アンサンブル演奏会   ひたちなか市文化会館小ホール




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 昨年の10月に行う予定だった水戸ギター・アンサンブル演奏会の1年延期開催です。 さすがにこの時期なら予定どおり開催の可能性は高いと思いますが、ただアンサンブルの練習がいつから始められるかははっきりしないところです。
   
 出来れば2月くらいから始めたいと思っているのですが、これも情勢次第ということでしょう。 プログラムは一昨年ひたちなかGMフェスティヴァルで演奏した「カルミナ・ブラーナ」と「タンゴ」などです。




11月   ICGアンサンブル演奏会

 これも昨年は中止になってしまいましたが、ことしは出来れば開催したいと思っています。 ただしそのためにはあつまって練習しないといけないので、いつ頃から皆で集まれるかということにすべてがかかっています。 このコンサートももうしばらく様子をみなと開催するかどうか決められないところですね。



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 その他、コロナ情勢が好転すればいくつかコンサートなどを行う可能性があります。 すべてがコロナ情勢次第という、年明けから困った状況は続いていますね。

 こんな時期は、地道に基礎技術を磨きましょう!  それでは今年もよろしく。
 
今年のまとめ




コロナに尽きた1年

 令和2年も、もうすぐ終わりです。 それにしても今年はコロナで明けて、コロナで暮れた年でしたね。

 我が国の犠牲者数では9年前の震災ほどではないものの、世界的に見れば大変大きな犠牲者数となり、経済活動、オリンピックを含む各種イヴェントなど、多方面に計り知れない悪影響を及ぼしました。

 また犠牲者としては志村けんさんなど、著名人が多数亡くなっているのも特徴ですね、さらにいろいろな面での自粛続きとなり、精神的な負担も大きく、多数の自死者も報道されています。

 ともかく、この2020年は歓迎できないでほうで、大変記憶に残る1年となってしまいました。 いや1年ではとうてい終わりそうもなく、来年もまたコロナとの闘いが続きそうですね。

 では、気を取り直して、この時期当ブログ恒例の今年のまとめということですが、今年はコンサートなどのイヴェントも少なく、寂しいまとめとなります。
 




★1月12日(日)   銘器コンサート    ギター文化館




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アントニオ・パフェス・ロペス(1795 スペイン)と松村雅亘 ~今年唯一のコンサート(1997)

 今年の私個人のコンサートとしては唯一のものになってしまいました。 ギター文化館所蔵の二つの楽器、 アントニオ・パフェス・ロペス(1795 スペイン)、 松村雅亘(1997) を用いてのコンサートでした。

 パフェス・ロペスはギター文化館所蔵の楽器の中で最も制作年が古いもので、5コース複弦のバロック・ギターから6単弦に変わった、最初期のもと思われます。




館所蔵の楽器中、最も古く、修理の痕も多いが、ボディなどはオリジナル

 この制作家はカディスに工房を持っていたということ以外にほとんど情報がありません。 この楽器はその後修理された箇所が多数あり、ボディ以外は制作時のものより大幅に変わってしまったものと思われます。

 指版とヘッドは明らかに後からつけられたもので、糸巻もちょっと変わっていますがおそらく20世紀のものと思われます。 しかし、表面版にフレットを打ち込んだ痕があり、少なくとも表面版は19世紀初頭以前のものであるのは確かです。

 つまり修理の後はたくさんありますが、ボディとネックはオリジナルのものでる可能性は高いようです。

 形としてはかなり細長く、その結果なかなか膝の上に収まらず、ちょっと苦労しました。最終的には右足にダイナレットを使って弾きました。 また弦の間隔も狭く、いろいろな意味で弾きにくい楽器でしたが、大変貴重な体験でした。




当館にもゆかりの深い松村さん

 松村さんは 生前にはよくこのギター文化館にも訪れていて、私も何回かお会いしました。我が国では大変著名な制作家ですが、とても気さくに声をかけていただきました。 

 松村さんは2014年に亡くなれてしまいましたが、この機会に松村さんの楽器を演奏する事が出来て幸せでした。 松村さんの楽器は派手に鳴るタイプではありませんが、低音などとても深い響きがします。




★前立腺などの手術で入院



手術の1か月後に大量出血があり再処理、再入院 ~個人的なことだが

 前記の銘記コンサートを行っていた時点では、コロナの件は重慶市の問題として報道されていましたが、まだ国内では感染者も出ておらず、現実の問題といった認識はありませんでした。 コンサートの際にもそういった話題は全く出なかったと思います。

 1月末にかねてから予定されていた結石と前立腺の手術で入院しました。7時間にわたる手術だったそうで(自分では全く自覚も記憶もない)、終わってからちょっと辛かったです。

 5日ほどで退院したのですが、せれから約1か月後に手術の個所から大量に出血し、また入院となってしまいました。 この時も出血で尿道が塞がれ、辛かったです(ちょっとどころではない!)。 今は特に問題がなくなとか完治したようです。




★リサイタル中止(4月25日ひたちなか市文化会館)



3月ころからコンサートなどが相次いで中止に

 この3度目の入院、つまり2月末から3月上旬のころになって、コロナ・ウィルスの件大きな問題となってっきました。

 ギター文化館などで予定されていた3月のコンサートなどが相次いで中止となりましたが、まだこの時点では2~3か月もすれば収まり、5月くらいに延期すれば行えるんじゃないかといったような雰囲気でした。

 私のリサイタル(4月25日)も3月上旬ころはまだ予定通り行うつもりでいましたが、3月半ばころだったと思いますが、それまでゼロだった県内でも感染者が出始め、開催できる状況ではなくなり、やむを得ず中止にしました。




★発表会中止、アンサンブル練習できず

 また5月にギター文化館で教室の発表会も予定していましたが、それもしばらくして中止となりました。 また水戸市の市民センターも使用することができなくなり、水戸ギター・アンサンブルの練習もできない状態となりました。

 7月くらいには始められるかなとも思ったのですが、状況はあまりよくならず、市民センターも70歳以上は使用できないということだったので、結局ことしのアンサンブル練習はなくなりました。




★ICG活動もほぼ休止

6月ころ予定していたICG(茨大ギターの同期によるアンサンブル)の合宿も、県外在住のメンバーが出席できず、とりあえず県内のメンバーだけ集まりましたが、結局今年は演奏会無理ということで、例年10~11月に行っていたICGアンサンブル演奏会も中止となりました。




★水戸市民音楽会中止

 毎年7月に水戸芸術館で行われていた水戸市民音楽会も中止となりました。 最初の実行委員会は2月上旬にあったのでうが、その時には開催中止といったことは全く議題に上がりませんでした。

 なんといっても非常にたくさんの出場者がいて、特にステージ裏などが大変込み合うコンサートなので、やはり開催は困難でしょうね。 来年状況が若干好転したとしても、開催は危ぶまれるところでしょう。




★水戸・ギターアンサンブル演奏会(10月31日)中止

 アンサンブルの練習ができなくなった結果、10月31日に予定していた水戸ギタ・アンサンブル演奏会も必然的に中止なってしまいました。 




★10月21日 中村ギター教室発表会  ギター文化館


今年唯一の教室のイヴェント

 今年唯一の教室のイヴェントでしたが、これはけ決行しました。 あまり宣伝もせず、また生徒さんにもそれほど積極的に参加を呼びかけず、本当に出演したい人と、どうしても聞きたい人だけといった感じでなるべく地味に行おうと思ったのですが、出演者17名で、観客を合わせると40名を超えるイヴェントとなりました。



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検温、消毒、マスクは今年のイヴェントには欠かせない



 検温、消毒、マスク、 間隔を空けての着席と厳戒態勢だったのですが、参加者が意外と多く、内心ちょっと心配しました。 そのご特に連絡はないので、どうにかセーフだったようです。

 この10月21日というのは第3波の直前で、これがもうちょっと時期が遅かったら実行できたかどうかわからなかったところです。 
 



★教材の手直し

 1月のコンサートを除いて今年はコンサートらしいコンサートもなく、また生徒さんも休みなどが多く、また芸文センターも一時休止となり、仕事のほうではかなり暇な1年となりました。

 この機会に教材の整備(基本的に教室の教材は自分で作っている)などを行いました。 これまでの教材は音符や運指などが小さく、最近私自身を含め、高齢者が多くなったので、「楽譜が小さくて読めない」といった苦情も多くなりました。

 そこでこれまでの教材を今までとは別のソフト(KAWAIのスコア・メーカー) を用いて見やすく直しました。 といっても教材は非常にたくさんあるので、全部とまでは行きませんでしたが、主要なものは見やすくなおしました。 またさらにいくつかの教材は模範演奏のCDも制作しました。





★スター・ダスト 中村俊三ポピュラー&オリジナル・アルバム発売



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スターダスト、第3の男、サマータイム、ラ・クンパルシータ、ハナミズキなどのほか、私のオリジナル3曲も入っている



一人ギター二重奏、合奏

 以前から自作の曲をCDにしたいと思っていたのですが、この機会に自作の3曲を11曲のポピュラー曲(一部クラシック曲もあるが)と共に録音、発売しました。

 私の曲、「ホワイト・ローズ」、「7月の風」、「Broken Cup」 の3曲はすべて二重奏曲だったので、それぞれのパートを別に録音し、編集によって二重奏曲としたもです。

 ポピュラー系の曲は当初独奏のバージョンだったのですが、こちらのほういくつかは ”一人二重奏” の形で録音しました。 さらにバーチャルでオーケストラの音を入れたり、エレキ・ギターの音を入れたりもしました。

 チャイコフスキーの「花のワルツ」は3重奏バージョンですが、聞いた感じはまさに ”一人ギター合奏” といった感じです。 なんといっても編集で制作しているので、”生” のギター合奏よりもテンポも速く、またズレが全くないので、よくも悪くも ”生では出来ない” 演奏に仕上がっています。

 こうした時期なのでまだ購入していただいた方は少ないのですが、購入したいただいた方々からは 「変わっていて、なかなか面白い」 と言っていただいています。



★来年は

 それでは、今年はこんな年でしたが、来年は今年の反動で大変良い年になるといいですね。
目で見るギターの音 5




3弦と6弦



 これまで①弦の各フレットのグラフを見てもらいましたが、今回は3弦と6弦のグラフを見てもらいます。

 まず3弦ですが、今回は16個の音を一つのグラフにしたので、間隔が狭くなっていますが、1個の音は時間にしてだいたい2~3秒くらいです。



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3弦の開放から15フレット(シ♭)までのグラフ。 上がハウザー、下がジェイコブソン やはり開放と1フレット、12フレットと13フレットの「ソ」、「ソ#」 は3弦でも突出している




やはり「ソ」と「ソ#」は突出している

開放1フレット、12フレットと13フレットの 「ソ」 と 「ソ#」 が突出している点は1弦の場合と同じです。 ハウザーでは 「ソ」 と 「ソ#」 の差があまりありませんが、ジェイコブソンの 「ソ#」 はかなり突出しています。

 1弦ではあまり鳴らなかったハウザーの「ド」とジェイコブソンの「シ」はそれほどへこんではいません。 前述の「ソ」と「ソ#」が突出していること以外はわりと均等ですね。



「ソ」、「ソ#」に食われている?

 でも突出した 「ソ」 と「ソ#」 の両隣の 「ファ」、「ファ#」、「ラ」、「ラ#」 が凹んでいます。 まるでこの「ソ」と「ソ#」に音が持ってゆかれているみたいですね。



2台とも傾向は同じ

 それにしてもこの二つの楽器、この3弦を見る限りではかなりよく似ています。 どうしても同じような傾向の楽器を好む傾向があるのでしょう。 因みに3弦はどちらもサバレス・アリアンスのノーマル・テンションを使用しています。




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6弦の開放から12フレット 1弦に比べると各音の差が小さい。 12フレットの音はどちらの楽器も変な形をしているが、他の弦の共鳴を拾っていると思われる。




低音弦は、やはり余韻が長い

 次は6弦ですが、やはり6弦となると余韻が長く、減衰が少ないですね。 放っておくとまだまだ余韻が続くでしょう。 ちょっと見た感じでも1弦とはだいぶ違ったグラフになっています。



高音弦ほど各音で差がない

 それにしても、6弦の場合は、1弦に比べると各音であまり差がないですね。 相変わらず4フレットの「ソ#」がやや突出している以外は、ほぼ同じような振幅です。 またハウザーとジェイコブソンの差もあまり顕著ではないようです。

 ハウザーの低音の「ラ」、つまり6弦の5フレットの音はいつもよく鳴らなくて苦労するのですが、グラフを見た限りではあまり凹んでもいないようですね。

 また1弦では7フレットの「シ」が鳴って、8フレットの「ド」が鳴らなかったのですが、6弦ではその逆のようにも見えます。「シ」のほうは減衰が速いようです。

 どちらの楽器も12フレットのグラフは乱れた形をしていますが、おそらく他の弦が共鳴していたのでしょう。



よく鳴る音は減衰も速い

 ところで、よく鳴る音の 「ソ」 と 「ソ#」 ですが、確かに発音時の振幅は高いのですが、減衰も速いです。 あまり鳴らない5フレットや6フレット(「ラ」と「ラ#」)ほうが減衰が遅く、音が伸びるようです。

 特に低音は発音時に鳴るかどうかというより、持続する方が大事なので、そういった意味ではこの「ソ」とか「ソ#」はやや困った音ともいえるでしょう。



よく鳴る楽器はウルフトーンも顕著に出るのか

 こうした音は前に言いましたとおり「ウルフトーン」と言って、楽器の製作上、どうしても現れてしまうことだそうですが、これらを押さえようとすると、どうしても楽器全体としてならなくなり、また楽器全体の音量を上げようとすると、このウルフトーンも顕著に現れてしまうということなのかも知れません。



楽器を選ぶ際には

 確かに楽器を買う時に、よく鳴る楽器を選ぶか、バランスの良い楽器を選ぶかで悩むところですね。 よく鳴るといっても瞬間的に鳴るよりも、余韻が長続きする楽器が良いのは間違いありません。



中音域が太い楽器は近くでは大きく聴こえるが

 また、中音域がよく鳴る楽器は聴いて大きな音に聴こえるのですが、どうしても離れたところには届きにくい面もあります。 遠達性を考慮すると中音域よりもやや高い音域の倍音をよく拾う楽器のほうがいいようです。

 しかし高音域をよく拾う楽器というのは弾き方によってはノイズっぽく聴こえるので、こうした楽器で美しい音を出すのはかなり技術が必要です。



思った以上に差が大きかった

 さて、このようにギターの音を編集ソフトによりグラフで見てもらいましたが、今回こういったことをやってみて改めて気が付いたこととしては。まずグラフで見ると各音によって相当差があるということです。

 確かに、同じギターでも鳴る音と鳴らない音があるということは日頃からわかってはいる事ですが、グラフで見るとこんなに違うものかと思いました。



グラフには現れない部分も


 それは特に高音で顕著で、低音弦ではそれほど差がないこともわかりました。 しかし実際に耳で聴いた感じではグラフで見るよりも差が小さく、鳴る音とならない音の差が2倍以上もあるようには聞こえないのも事実です。 おそらくは人間の耳にはグラフ通りには感じられない他の事情もあるのかも知れません。



固有振動

 ギターの場合、特になる音、つまりウルフトーンが現れるのは、ボディ自体に固有の振動数があるからで、それは楽器製作上避けられないものだそうです。 
 
 そうしたことからすると、録音の際にも、デジタル録音とは言え、空気の振動をデジタルのデータに置き換える際、やはり物理的な媒体で空気の振動を感知するしかありません。となればその物理的媒体にも固有の振動があって、拾いやすい振動数とそうでないものもあるのかなとも考えられます。

 さらには人間の耳も鼓膜という物理的な媒体によって空気の振動を感知するので、その鼓膜の固有振動なども関係する可能性もあるでしょう。 結論としては、人間の耳も完全ではないが、こうしたグラフもまた完全ではないということでしょう。



お店で

 何はともあれ、私たちがギターを選ぶとき、こうしたグラフはたいへん参考になるでしょうね。 

 しかし楽器店にICレコーダーとノート・パソコンを持って行って、その場で録音しパソコンでグラフを見ながら、 「この音の凹み酷いな」 とか、「この音、なることは鳴るけど、減衰早すぎ!」  「うあー、ヤバイ! こんなところにウルフトーン! きついな」 

 なんてやっていたら店の人に追い出されるでしょうね。 くれぐれも当ブログを参考にしたなんて言わないで下さい。