中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

落ちる話 2




しきたりを守らねえやつは


  「隕石として空から落ち来るものには、小惑星以外に、彗星というのもある。 尻尾の付いた、いわゆる “ほうき星” ってやつだね」 


Halley’s20Comet_20Credit20NASA



 「小惑星と彗星はどう違うんすか?」



  「小惑星は岩石で出来ていて、大ざっぱに言えば地球や火星などと同じで、さっき言った通り、主には火星と木星の間の軌道を回っている。 その軌道も他の惑星と同じく円に近い楕円で、他の惑星の軌道と一面上にある。 

 ほぼ同じ軌道にたくさんの小惑星が回っているわけで、時々小惑星どうしが近づき過ぎたり、衝突したりして軌道が乱れ、他の惑星に近づいたりするものもある。 そうしたものが地球へとやってくるわけだ。

 彗星の方は、岩石成分も少しはあるが、主に氷で出来ている。 太陽に一番近い水星から金星、地球、火星、小惑星、木星、土星、天王星、海王星の太陽系の惑星は、ほぼ同一平面上をほぼ相似形の軌道を周回しているが、彗星の場合はそれ等とは違った軌道を取ることが多い。




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 ただし、ケプラーの法則といって、太陽系に属する天体は、皆太陽を一つの焦点とした楕円軌道を取る。 惑星の場合は円に近い楕円だが、彗星の場合はかなり細長い楕円になっていることが多い。 太陽系の天体は楕円軌道でさえあれば、別に同一平面上でなくても可能なのだが、惑星などの主要な天体はお互いの引力の影響でほぼ同一平面上になっている。

 惑星の場合は、円軌道の関係で、常に太陽との距離はほぼ一定だが、彗星の場合は太陽から非常に離れる場合と、接近する場合が極端になる。 つまり彗星は一般的な太陽系の天体といろいろ違ったふるまいをする。 それで惑星などとの衝突も多くなる訳だ」



 「要するに、彗星は太陽系の ”しきたり” をあまり守らねえってことですかね、だからあっちこっちで喧嘩沙汰になるんすかね」





一見さんお断り


 「そうかもしれないねえ。 彗星は基本氷で出来ているから、太陽に近づく度に水分などが蒸発してしまう。 それが彗星独特のあの長い尾になるわけだ。 彗星も太陽から遠いところにある場合は尾を曳かない。 そして太陽に近づくたびにやせ細ることになり、ある程度の回数、太陽に近づくと水などの揮発成分を失い、完全に尾を曳かなくなる。

 なかには非常に大きな軌道で回っている彗星もあり、太陽系の果てまで言ってしまうこともある。 また数百万年に一度くらいしか太陽に近づかないものもあり、そういったものは一度きりしか観測されない」

 太陽に近づく時もあるのだが、かなり遠くにまで言ってしまう時もある。 中には数百万年に一度くらいしか太陽、つまり地球の近づかないものもあって、たった一度しか観測されない彗星も結構ある」



 「“一見さん”ってやつですね、そう言うのは 『一見さんお断り』 っていって、断わっちゃいましょう、常連さんの紹介がねえとダメだって。 で、小惑星と彗星、どっちの方が恐いんで?」



 「それはなんとも言えんな。 印象的には、彗星は氷だから、衝突の威力は岩石で出来ている小惑星より弱そうな感じがするが、地球への影響は、かえって重大かもしれない。

 6500万年前の話も、これがもし小惑星ではなく、同じくらいの大きさの彗星だとすると、多量の水分、つまり水蒸気を大気中にばらまくことになり、強烈な温暖化をもたらし、生物への被害はさらに大きかったろうとも言われている。 



「ただの氷の塊だなんて、バカにはできねえってことすね」






恐竜長屋

 「落下したのが小惑星だったので70%の絶滅で済んだのかもしれないね。 ともかく、当時はネズミくらいの大きさだったと言われている、我々の先祖の哺乳類は生き残ったわけだ。 恐竜の方では、鳥類の先祖となるものだけが生き残ったようだ。 もしその時落下したのが彗星だったとしたら、我々の先祖たちもどうなったかわからない。

 まあ、恐竜たちには気の毒かも知れないが、私たち人間を含む哺乳類が現在生態系の頂点にいるのは、あの小惑星の衝突のおかげといってもよい。あの隕石衝突がなかったら、地球は今でも恐竜に支配されていたかもしれない」



 「じゃあ、小惑星がおっこってこなかったら、この長屋には恐竜の大家さんと、恐竜の熊公や、あっしなんかが住んでいたってことですかね?  そうすると大家さんはちょっとばかし動きが鈍いので、草食恐竜の ”ブロントサウルス” ってとこですかね、 あっしは結構すばやいから ”ヴェロキラブトル”  熊公は肉食系の代表、ティラノで決まりかな?」




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  体長40メートルにもなる最大の草食恐竜。 かつてはブロントサウルスの名で親しまれてきたが、最近ではアパトサウルスと同種であるとされ、この名では呼ばれなくなった。





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ヴェロキラブトル  体長2メートルほどの小型恐竜だが、極めて機敏で、獰猛。 鋭い鍵爪が武器。 小型の動物にとってはティラノサウルスなどよりも脅威だったかも。





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肉食恐竜というより、恐竜の代表とも言えるティラノサウルス。 かつてはこのように頭を上げて、ゴジラのような姿で描かれていたが、最近では下のようにT字型のやじろべえのゆな姿に描かれる。 このように描かれると、恐竜と鳥類は非常に近く感じる。


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こまけえこといっちゃいけねえ

 「八つぁん、やたら詳しいね?  さっき 『トカゲのお化けみたいの』 なんて言ってなかったっけ?   ・・・・ううん、何だか怪しいね、小惑星を小学生と言い間違えたのも。   なんか、妙にわざとらしかったし」



 「まあ、いいじゃないですか、落語なんだから。 そう言うこまけえこといっちゃいけね」



 「でも、そういう見え透いたボケはだめだよ、見え透いたやつはね。 最近の落語のお客さんは目が肥えているんだから」



 「まあ、まあ、  おかげで大家さんの大好きな ”うんちく” を好き放題語ることが出来るってもんすよ。 うれしいでしょ。 それはそうと、その大昔におっこってきたみてえな ”でかいやつ”  またおっこてきたりはしねえんすかね。 今じゃアメリカの方にナサだか、カサだかあって、その辺はちゃんと見張っていると違うんすか?」



 「懲りずにやっているね。 確かに最近では地球に近づきそうな小惑星などは主要国の研究機関などで監視するようになった。 でもそれは本当に最近になってからだ。

 アリゾナのクレーターや、20世紀に起こったシベリア・ツングースの大爆発、例の恐竜の絶滅が、小惑星などの落下によるものとはっきり断定されたのはわりと最近で、信じられないかもしれないが、ちょっと前まで、6500万年前の大絶滅が、隕石の落下によるものということを、ほとんどの学者は本気にしていなかった。 素人が面白半分に考えたことくらいにしか思ってなかったようだ。

 それらのことが小惑星などの落下によるものとはっきり断定されるようになったのは1990年代になってからだが、ちょうどその頃、木星に “シューメーカー・レヴィ第9彗星” というのが衝突した、1994年だ。



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他人事ではない

 衝突した場所が地球とは反対だったので、衝突そのものは観測出来なかっが、木星の自転で衝突地点が地球の方を向いた時、その破壊の影響が直径12000キロの範囲に及ぶことがわかり、天文学者や各国政府機関などが、改めてその破壊力に驚いたと言う訳だ。 直径12000キロといえば、地球の大きさにも匹敵する。




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 この彗星はかなり前から木星のすぐ近くを回っていた訳だが、木星の非常に大きな重力による潮汐力により砕かれ20個以上の破片になったので、地球から見ると細長くなった。 その映像などはテレビでも放映していたから、見た人も多いと思う。

 木星には、その後もこの彗星ほど大きなもはないが、かなり頻繁に彗星が落下していることがわかった。 木星は地球の300倍以上の質量があるので、それだけ彗星などを弾きよせやすいということはあるのだけれど、しかしこうした事を、理屈ではなく、実際の映像として見せられると、当然我が地球も他人事とは言えなくなってくる。 そうしたことで、現在は地球に近づきそうな小惑星や彗星はいろいろな機関で監視されるようになった」




「じゃあ、とりあえずは安心てとこなんすか」



 「今現在は、比較的大きな天体なら把握出来ているようだが、4年前のロシアの隕石落下は、実際に落ちてくるまで、全くわからなかった 。落ちたのが昼間だったこともあるが、直径10メートル程度だと全くのお手上げ状態だ。

 それにしても地球には大気があってよかったね、この程度の天体なら、たいていの場合、大気の摩擦熱により空中で爆発して小さな破片となって落ちてくる。 ロシアの隕石だって、空中で爆発せず直接おちてきたら相当な衝撃だったろうね、人的被害の可能性は十分にあった」


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楽譜制作ソフト 7 Scoremakere




楽譜認識



たいへん便利な機能だが

 これらのソフトは印刷されている楽譜をスキャンすることにより、データを取り込むことが出来ます。 確かにこれが出来れば、既存の楽譜を、いちいち手打ちする必要がなくなるので、たいへん便利です。




なかなか完全にはスキャン出来ない

 しかし、実際にやってみるとやはり完全に読み取るjことは出来ず、たいていの場合不完全なものになります。 しかし仮に不完全なものであっても、ある程度読み取ってくれれば、あとは手で修正するだけなので、一から打ちこむよりはだいぶ手間は省けます。
 
 Finale でやってみたところ、小節線がなくなっているなどかなり不完全なものになってしまっただけでなく、それを修正することがなかなか出来ず、結局使い物にはなりませんでした。




 Scoremaker は比較的修正しやすい

 Scoremaker では同様に不完全なものでしたが、修正は出来たので、一応使えると思います。 しかし指番号が♭として認識されてしまったり、丸以外の音符は音符として認識されなかったり、誤認識はかなりあるので、使う時にはかなり注意が必要です。

 おそらく、単旋律などの比較的簡単な楽譜だと十分にその機能を発揮するのかも知れません。 この機能がどれだけ実用的なのかはいろいろ使ってみないとわからないところもあります。




再生


 再生に関しては、最近のソフトはかなりよく出来ていると思います。 もしかしたらそのことにこだわるので、譜面の書き方やレイアウトが自由に出来ないようになっているのかも知れません。 しかし、どのソフトも肝心のギターの音に関しては、私のイメージとはずいぶん違うようです。




強弱記号やリタルダンドなども再生に反映される

 このScoremaker では、再生の際、ピアノやフォルテなどの強弱記号、およびクレシェンド、ディミヌエンド、リタルダンドなどがそのまま効果として音に表れます。 これもたいへん便利ではありますが、若干こだわれば、こうした曲想に関することは非常に感覚的なものなので、想像力を働かせるほうが重要かなとも思います。





久々にMusic Time を使ってみて


 この1か月ほどいろいろなソフトを使っていたのでが、そろそろ今年合奏でやる楽譜を作らないといけないので、久々にMusic Time を使いました。 XPの入ったパソコンが使える間はなんとか使えます(テキストボックスが開けないが)。 



使い慣れているだけに作業は速い

 今回は以前に編曲した「くるみ割り人形組曲」の数曲を、今回のメンバーに合わせて改編したわけですが、使い慣れているだけに作業は速いですね。 ほぼ2日で3曲編曲し直しました。 もっともさらによく見直してパート譜を作ったり、運指を入れたりしないといけないので、かえってこれからの方が時間がかかるかも知れません。



不出来なソフトだが

 このソフト、何といっても不完全なものなので、いつエラーをおこしてもおかしくないので、頻繁に保存する必要があります。 また装飾音などは最近のソフトに比べると少し面倒です。 またコピーや修正の際には、かなり混乱も生じます。



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合奏の譜面(スコア)は、なるべくページ数を多くしないために小節をたくさん詰め込まないといけない。なおかつ音符をあまり小さくしないためには、いろいろ工夫が必要。 今のところ、こんな譜面はMusic Time でないと難しい。  曲は「花のワルツ」



1枚の用紙にごちゃごちゃ詰め込むには

 しかし、何といってもこのソフトが使いやすいのはレイアウトが比較的自由に行えるということでしょう。 合奏の楽譜の場合、パート数も多く、なるべくページ数が多くならないように、A4の紙面を余すことなくすべて有効に使わないといけません。 

 1ページの中になるべく多くの小節を治め、なお且つ音符自体が小さくなり過ぎないようにするのは結構難しいところです。 こんな譜面を作るのは、Music Time でないと難しいところかも知れません




今年の水戸ギター・アンサンブル

 ・・・・話はちょっと変わりますが、前述のとおり、今年の水戸ギター・アンサンブルはチャイコフスキーの 「くるみ割り人形組曲」 から何曲かやります。 今現在、「花のワルツ」、「行進曲」、「トレパック」 の3曲の編曲が終わりました。 ほかに1~2曲やるかも知れません。 

 以前の編曲ではほぼ原曲どおりに編曲したのですが、今回は人数も多いので、なるべく簡単に、それでもなるべく原曲の感じが出るようにと工夫しました。 3月頃からぼちぼち練習始めようかと思っています。    
宮下祥子さん




水戸に引っ越してきた

 宮下祥子さんが昨年(一昨年だったかな?)ご結婚なされたことは、以前当ブログでも紹介しましたが、ご主人が水戸芸術館に勤めることになり、数日前水戸に引っ越して来ました。 昨日は私のところにお引越しの挨拶にいらっしゃいました。 



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ご主人の仕事の関係で水戸に引っ越してきた宮下祥子さん。 私のレッスン・スタジオで。



 宮下さんのようなギタリストに水戸に来ていただくのは、たいへん心強いことです。 札幌にはお母さんがいらっしゃって、またお仕事で海外を含め、各地を回ることも多く、「半分くらい水戸にいられればいいのですが」 といったことでした。 今後こちらでの演奏や、レッスンの機会も多くなりそうですね。







Scoremaker を使ってみて ~2



運指、スラー、タイ、グリサンド記号など




音符の垂直線上にしか指番号が打てない

 運指については、MUsic Time 意外のソフトはすべて音符と連動する形になっているので、なかなか思ったところに打ち込みにくいところがあります。 特にこの Scoremaker では音符の垂直線上にしか打てず、まずそこに打ってから、後で位置を修正しないといけません。 

 単音の場合はそれほど問題ではないのでですが、和音に打ちこむのが若干問題で(特に和音に運指が必要!) 最高音と最低音は打ちこむ場所がありますが、内声部の音の場合には、その音符に”かぶせて”打つしかありません。 そのあとでマウスで移動させるわけですが、運指が音符と重なっていると、マウスで捕まえるのが難しいです。




指番号がかなり小さい

 さらに、Scoremaker の指番号はかなり小さく、たいへん読みにくなっています。 他のソフトではそれほど小さくないので、このソフトだけですが、これでは多少目が良い人でも読みにくいのではと思います。 

 なんとか運指の大きさを変えることが出来ないかと、いろいろ試したのですが、そうしたことは出来なそうです。 これまでも生徒さんなどから(最近は高齢者が多い) 「音符が小さくて読めない」 とか 「運指が読めない」 といった苦情が多いので、 この運指では教材としては難しいでしょう。




タイ、スラー記号

 スラーやタイの記号に関しては Scoremaker では大きな問題はありませんが、記号の形が変えられたらもっとよいと思います。また和音にタイを付ける場合(これもよくある)、1音ずつ付けなければならないのはちょっと面倒です。



グリサンド記号としては制限があるが

 グリサンド記号については、”グリサンド記号” として打つといろいろ制限があり、なかなか思ったようには打てないのですが、その代わりに 図形的に直線が簡単に打てるので特に問題ありません。 これもこのソフトを選んだ理由です。 Sibelius、Finale ではグリサンド記号がなかなか思ったようには打てませんでした。






テキスト




テキストの書き込みは自由に出来るが


 このScoremakerではテキスト(文章など)はかなり自由に書きこめます。 フォントや大きさの選択も問題ありません、コピーも出来ます。 ただし問題なのは、テキストは音符や小節に固定されるわけでなく、どうやらページに固定されているようで、レイアウトを変更した時、これらのテキストは全然違う小節に移動してしまいます。




レイアウトを変えると、とんでもないところに行ってしまう

 つまり、運指や、強弱記号は音符と一緒に移動するのですが、自由なテキストとして書きこんだ弦の番号や、セーハ、ハーモニックス記号などはページに固定されるので、レイアウトを変えた時、最初に打ちこんだ音符や小節からかなり遠いところに行ってしまいます。

 運指の数字が小さくて使えないとなると、この自由テキストを使って番号を打ち込むしかないのですが、途中でレイアウトを変えたりすると、相当たいへんなことになってしまいます。 レイアウトが完全に決まってから運指などをを書きこめばよいのですが、なかなかそうは行かず、レイアウトを変更しなければならないことはしばしば起きます。



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このような弦の番号やハーモニックスに記号などは、レイアウトを変えるごとにとんでもないところに移動してしまう。 ピアノやフォルテなどの強弱記号、dim.などの記号は小節に固定されているので、移動することはない。 それならなぜ自由テキストは同じようにしなかったのか?




小節に固定するのが良いと思うが

 これらの記号はレイアウトが完全に決まってから打てばよいのですが、しかし楽譜はその都合に合わせてレイアウトを変える必要は必ず出てきます。 そうした場合にはたいへん不便です(修正出来なくもないが)。 Finale などはテキストも音符に固定する形になっていますが、小節に固定するのが最も使いやすいのではと思います。






楽譜制作ソフト  5  <Scoremaker> 河合楽器




クラシック・ギターの譜面を書く人の参考になれば

 Scoremaker を購入して10日以上経ちます。 その間、二重奏曲を含め、4曲ほど楽譜を書いてみました。 確かにそれまでよくわからなかったこともわかってきて、意外とやりやすいことがわかった部分もありますが、しかし逆にやりにくいところや、このソフトでは出来ないなどもわかってきました。

 この1カ月ほど楽譜制作ソフトと苦闘してきたのですが、そろそろ、暫定的ではありますが、一応の結論を出しておこうと思います。 ただし、これらのソフトは、特にクラシック・ギターの独奏や合奏などの譜面を書くためのものではなく、ジャンルが違えば、使いやすさも全く違ってくると思いますので、これらのソフトの絶対的な評価ではありません。

 もとより私には絶対的な評価を出すほどの力はありませんが、 多少なりとも、クラシック・ギターの譜面を書く人の参考になればと思います。 もちろんかなり個人的な偏った感想ではあります。




河合楽器 <Scoremaker>  を使ってみて




◎楽譜設定



ギターとして設定するよりも

 楽譜設定とは、楽譜を書き出す前に白紙の5線を出すことですが、その時 <クラシック・ギター>(このソフトではナイロン・ギターとなっている)として設定しても、タブ譜が付いてきます。 消すことも出来ますが、ト音記号の前にカギ括弧が付いてしまい、ちょっと邪魔な感じがします。 

 また、音色がクラシック・ギターというよりアコースティック・ギターに近く、ちょっと言葉が悪いのですが、ペン・ペンというような音に聴こえます。

 したがって、私の場合は楽器の指定のない5線にグランド・ピアノの音を付加して書き始めます。 ピアノの音の方が自然で、私にはギターのイメージに近く感じられます。 こうしたことはMisic Time の場合と同じです。 しかしそのままだと1オクターブ高い音が出てしまいますので、オクターブ低い音が再生されるように設定します。 



アルト・ギターなど移調楽器を含む合奏の譜面も一応書けそう

 まだ本格的に合奏の譜面は書いていませんが、アルト・ギターやバス・ギターなどの移調楽器を含む譜面を設定するのは少々ややっこしいですが、出くなくもありません。




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 アルベニスの「タンゴ」の譜面。 このような曲ではレイアウトなども特に問題はなかった。 しかし運指の番号がかなり小さい、読めないと言う人は多いかも。  また音符の配置は見て分かる通り、4分音符などは数学的に考えれば小節の半分のスペースを占めるはずだが、それよりもかなり狭くなっている。 確かにその必要はあるが、数学的に比例するスペース配分の選択もあってよいのでは。







◎レイアウト


なかなか思い通りのレイアウトが出来ない

 結局、これがどのソフト(Music Time以外)も問題だったわけですが、 この Scoremaker は最初に各段の小節数が指定出来る点、Sibelius や Finale よりはやりやすいようです。 しかし、ページあたりの段数が指定出来ないとか、途中から各段の小節数を設定しなおせないとか、Music Time に比べるとかなり不自由です。

 そうした場合は、各段ごとに改行の操作をしないといけないのですが、これがかなり面倒で、なかなか簡単には行きません。 譜めくりの関係でページが変わる場所を変えようと思ってもなかなか上手くゆかず、結局あきらめました。 Sibelius、Finale などもだいたい同じで、基本的にレイアウトはソフトに従わないと面倒なようです。








◎音符の書き込み



音符の打ち込み自体は問題ない

 音符を書きこむことはどのソフトも特に問題ありません。 間違って打ってしまった音もどのソフトでもマウスで修正出来ますが、Finale は音符の選択がややしにくいところもあります。



画期的な自動声部割なのかも知れないが

 <声部割り> については、Sibelius も Finale も初期設定は4声になっていますが、ギター独奏の譜面の場合はほぼ4声で事足りるでしょう。 

 この Scoremaker は声部分の設定がなく、音符の上下で打ち込みソフトの方で各声部に振り分けると言う、かなり変則的な (開発者的には画期的?)システムになっているのは以前にも言った通りです。 書き手の方がいちいち声部を気にしなくても、ソフトの方で自動的に行うと言ったように出来ています。

 一見便利なようですが、書き手の方は実際に打ちこんでみないとどの声部になっているかわからず、場合によってはあり得ないような声部割りになっていることもあります。



”普通” でもよかった


 確かに打ち込んでから声部を変更したり、あるいは事前に声部を指定して音符を打ちこむことも出来るのですが、このソフトに使い慣れていないとかなり面倒、あるいはややっこしいと思います。 やはり他のソフトのように最初から声部を指定して音符を打ちこむ方が使いやすいのではないかと思います。




音符の左右の位置の調整は重用なことなのだが

 また、以前に書いた通り、Sibelius、Finale では打ちこんだ後の音符を左右に移動させることが出来ないのですが、このソフトは一応出来ます。 これは楽譜を書く方にとってはたいへん重要なことです。 まず多声部の譜面で、場合によっては音符と譜尾(音符の棒や桁)が重なってしまうことがあるので、それを調整しないといけません。

 またほとんどのソフトは16部音符などの短い音符が接近し過ぎてしまわないように数学的な比例配分よりは短い音符を長めに、長い音符を短めにスペーシングが設定されています。 さらにシャープなどの変化記号が付く場合には短い音符でもさらにスペースを取ることになります。




教材の場合は


 すると結果的に短い音符の方が長い音符よりも広くスペースを取ってしまうこともあります。 そうすると、ギターを習っている人の場合、”見た目どおりに” 長い音符を短く、短い音符を長く弾いてしまうこともあり、初中級クラスの教材では問題が生じます。

 教材として使う場合はそうしたことも修正して、なるべく長い音符は長く、短い音符は短く表記しないといけません。 この Scoremaker では限定的にではありますが、一応音符の移動が出来るので、このこともこのソフトにした理由でもあります。 しかしやはりそうしたことが非常に自由に出来た Music Time に比べるとやりにくい、こうした点では Music Time の方がずっと優れていると言えます。

  

楽譜制作ソフト 4


河合楽器 スコアメーカー



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パッケージ版を取り寄せ

 前回の記事のとおり、<スコアメーカー Elements > を購入しました。 ダウンロード版もありますが、”モノ” があった方がなんとなくほっとするので、パッケージ版を買いました。

 2年ほど前 Music Time のアメリカ版をダウンロードで買ったのですが、なかなかダウンロード出来ず、結局フォントが合わないということで結局使うことが出来なかったという、苦い経験も影響しています。  ・・・・・こういうのを 「熱物に懲りてなますを吹く」 というのでしょう。




買ったのはシリアル番号?

 パッケージの中にはディスクとシリアル番号などが書いていあるカードが入っていましたが、体験版がパソコンに入っているので、そこにカードにあったシリアル番号を打ち込むだけですぐ使えるようになりました。

 シリアル番号だけがあれば、ディスクの方は別になくてもいい訳ですね、つまりシリアル番号を約2万円ほどで買ったことになります。 ・・・なるほど、わざわざパッケージを取り寄せなくても言い訳だ。




このような譜面になった

 さてこのスコアメーカーを使って本格的に楽譜を書いてみたのですが、まあ、とりあえずは、ほぼ思った通りの譜面は作れそうです。 下の赤丸のように音符の位置をずらして見やすくすることも一応出来ます。

  

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運指は一度打ち込んでから位置を修正しないといけない

 運指の方は、打ち込む際には場所が限定されてしまい、一度打ち込んでから位置を調整しないといけなので、やや手間がかかります。 また番号も小さいので、このように縮小した譜面の場合はやや見にくい感じがあります。 運指については、自分で弾くだけなら、手で書き入れた方が手っ取り早く、見やすいですね。




音符は打ち込んでみないと、どの声部になっているかわからない?

 このソフトと他のソフトと最も違っている点は、声部分の仕方なのですが、通常、つまり他のソフトでは、まずユーザーが声部を決めて音符を打ち込む訳ですが、これは当然と言えば当然だと思います。

 このスコアメーカーでは、ユーザーが音符の向きを上向きか下向きかを決めるだけで、それをソフトの方が各声部に振り分けます。 つまり音符を打ち込んでみないと、どの声部になっているのかがわかりません。




タイが付けられないことも

 別にどの声部になっていようとも一応ユーザーの意志に従って音符の上下が決められるわけですから、特に困らないのかも知れませんが、ただし、タイを付けるとなると、当然同じ声部でないと付けられず、同じ向きの音符でも小節が変わったら別の声部になってしまうことがあり、タイがつけられないこともあります。 声部を変更することは出来、そうするばタイが付けられるのですが、やはり面倒なのは間違いありません。 




いいアイデアなのかも知れないが、ちょっとやり過ぎ!

 このソフトの開発者としては、おそらくユーザーが声部の振り分けをするのはたいへん面倒なことだから、「そういったことはソフトの方でやってあげますよ」 といった考えなのだろうと思います。

 もしかしたら、このやり方は他のソフトよりも、速く音符を打ち込める可能性もありますが、やはり ”やり過ぎ感” はあるでしょう。 ギター独奏曲のように一つの5線の中にたくさんの音を書く場合にはあまり向かないように思います。




ダ・カーポやコーダなどの記号の位置が変えられない

 他にコーダなどの記号の位置が変えられないのはちょっと困ります。 そうすると、どうしても音符は他の記号などとかぶってしまい。レイアウト的にはイマイチになってしまいます。 他のソフトではこうしたことはありませんでした。




いいところも探さないと

 相変わらず ”グチ” が多くなってしまい、やはりこのソフトのよいところも探してやらないといけないでしょう。 これまで使っていたMusic Time に比べてよい点をいくつか挙げるとすると、まずエラーを起こさないというこでしょう。

 Music Timeの場合は、時々エラーを起こし、強制終了と言うことになってしまいます。 そうするとそれまでやった作業がすべて消えてしまい、かなりの時間ロスとなってしまいます。  ・・・・その度に心の中で 「この出来損ないのソフト!」 と叫んでいました。




音符を修正するのはわりと楽

 エラーを起こさないなど、今では当たり前の事かも知れませんが、それだけでもだいぶ助かります。 他に修正するのがわりと楽で、Music Time では音符を消したりするとその小説内の他の音符の位置などが変わってしまうので、やや面倒です。




ページのレイアウトはやりやすいかも

 他にページ全体のレイアウトも比較的自由に出来そうです。 最近はコンサートで譜面を使うことが多く、その際多少長い曲でも譜めくりしないで済むように2ページに無理やり納めないといけません。 こうしたことも、このソフトはやりやすいかも知れません。