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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

ギター教室の先生になるには? 8




すべて順調に進んで

 音楽学校も卒業し、海外留学も終え、恩師をはじめ、いろいろな人の尽力もあり、音楽教室、及びカルチャー・センターなどの仕事も決まり、また自宅での教室で生徒さんも集まり始め、ギター教師としての人生も無事スタート!  めでたし、めでたし・・・・・

 仮にこのようにすべて順調に進んで、仕事がスタート出来たとしても、これで「めでたし、めでたし、一件落着」とゆくほど人生そんなに甘くはありません。 むしろここからが問題になる訳です。 最初に言いましたとおり、ギター教室の仕事というのは始めるのは難しくないが、それを続けるのが非常に難しい仕事なのです。

 


音楽的な環境で育った人が多いが

 ギター教師になろうと言う人は、当然小さい頃からギター、あるいは音楽が好きで、感性も豊かで、意欲的に学び、また音楽などに関する潜在能力も他の人に比べれば高いでしょう。 また友達なども音楽をやっている人が多く、家族もまた何らかの形で音楽に接していることが多いでしょう。 

 こういった人がギター教室でレッスンをする際、無意識にその対象を自分のような、あるいは自分の周囲にいるような人を前提としてしまいます。 しかしギター教室にギターを習いに来る人はそうした音楽的な環境に育った人ばかりではありません。

 むしろ 「今まで音楽的なことは何もしてこなかったので、ギターでも始めようと思います」 とか「うちの子は音楽が苦手みたいなので、ギターを習わせようと思います」 などといった理由でギターを習い始める人の方が多いのではないかと思います。



本当にいろいろな人が習いに来る

 さらに、ギターなんて2、3週間もやればたいていの曲は弾けると思っている人、 家での練習など全く考えない人、 楽譜を初めて見たという人、 基礎などどうでもよいから好きな曲だけ教えてほしいと言う人、 生まれて70年間、音楽に関しては全くなにも経験がないと言う人・・・・・・

 もちろんそのギター教師が、すでにギタリストとしての知名度や高い評価などがある場合にはそれなりに選ばれた人が習いにくるでしょうが、一般のギター教室では本当にいろいろな人が習いに来ます。 おそらく初めてギター教室の現場に立った若いギター教師は、このような人たちに戸惑うのではないかと思います。

 特に最近では年齢の高い人が習いにくることが多く、ギター教師の仕事に就くとすぐに、自分の父親、場合によっては祖父と同年代の生徒さんを持つことになります。




そうしたことは学校では教えてくれない

 普通、何かを教える仕事の場合、自分が習ってきたことを、生徒さんに教えることになると思いますが、ギター教室の場合、自分が習ってきたことを教えればよいと言ったことは、あまり通用しません。 おそらくそのギター教師も若い頃自分のギターの先生から楽譜の読み方とかリズムの取り方とか細かく指導された経験はないでしょう。

 また音楽学校などで音楽未経験の人や、高齢者に音楽やギターの弾き方を1から教えるノウハウは授けられてはいないでしょう。 そうしたことは現場で失敗や試行錯誤などを重ねつつ、見よう見まねで体得してゆくしかありません。  



 
これまでの教材は基本的に
 
 確かに、歴史的にこれまでいろいろな作曲家がギターの演奏技術を体得するために練習曲を書き、またいろいろなギタリストがトレーニング法などを提案していますが、それらは基本的に意欲があって、若く、音楽的潜在能力も有していることを前提としたものと言ってよいでしょう。 つまり従来の教材や、トレーニング法では、上手くレッスンが進められないことが多いと言うことになります。 





・・・・・・・・・・・・・




シメもオチもない?

 一応これで「ギター教室の先生になるには」のアンサーが終わりなのですが、 読み返してみると、どうもイマイチ答えになっていませんね。 シメもオチもないし。 なんだか結局自分も若い頃の苦労話みたいになって・・・・・・・

 たぶん今の若い人たちはこうしたことなどさらりとやってしまうのかも知れませんね、器用に。 この記事を読んだ若い人(ホントにいるかどうかはわかりませんが) の多くは、多分ギター教師などなりたくなくなったのではと思いますが、しかしやはり ”街のギター教室の先生”  は非常に重要な仕事であるでしょう。 

 トップ・ギタリストと一般愛好家を繋ぎ、我がギター界の興廃を担う極めて重要な立ち位置なのではと思います(言葉がちょっと古い?)。  

 さあ、君も街のギター教室の先生になろう! 

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Q : ギター教室の先生になるには? 7


 前回に記事では、ギター教室の先生になる場合、特に音楽大学などを卒業する必要は必ずしもないが、しかし総合的に音楽を学んだり、他のジャンルの音楽家との交流を持つ意味でも、やはり音楽大学や、音楽専門学校で学ぶことは有益だと言った内容のことを書きました。



コンクールもチャレンジしておきたい

 今回は、まずコンクールについてですが、将来ギターの演奏家として活動することを目指すとすれば、日本国内、および世界の著名なコンクールに出場して一定の評価を得ることは絶対に必要なことでしょう。 ギター教師を目指すと言った場合には、必ずしもその必要はない訳ですが、でも出来ることならやはりチャレンジしておきたいところです。

 もちろんコンクールに出場して入賞などすれば、教師の仕事に就く場合でも有利に働くのは間違いないでしょう。 また仮にそうした結果が出なかったとしても、コンクールに出場するという経験は貴重でしょう。 将来教師の仕事に就いた時に、コンクールを受けたいと言う人を指導する可能性は大きく、そうした場合では自分にコンクール出場の経験があるかないかは大きなこととなるでしょう。



エントリーはしたが、気後れして・・・・

 私自身の話をするのはたいへん恥ずかしいのですが、20代前半の頃、2度ほどコンクールにエントリーし、テープ予選なども通過したのですが、2次予選直前になって、「まだ自分のレヴェルはコンクール出場するほどには達していいない」と思い、欠場してしまいました。 

 もちろん今ではたいへん後悔しています。 仮にコンクールで入賞できなかったとしても、また自分の実力を十分に出せなかったとしても、あるいは他の出場者に比べて自分の能力がはっきりと劣っていたとしても、やはりそのことから学ぶものはたくさんあったのではないかと思います。



代わりに息子が

 その代わりと言っては何ですが、私の場合は自分の代わりに創(長男)が小学生の頃から学生ギター・コンクールに出ていて、最終的にはクラシカル・ギターコンクールや東京国際、ミケーレ・ピッタルーガ(アレッサンドリア)コンクールなどに出場しました。 そうした息子を通して疑似体験したと言え、直接の体験ではないのですが、それによっていろいろ学ぶことが出来ました。 



準備は整った、さて、いよいよ

 さて、小さい頃からギターを習い、プロのギタリストを目指して音楽学校で学び、あるいは海外留学などもし、コンクールにも出場して入賞歴もあるとなれば、いよいよプロのギタリストとしての仕事が始まるわけです。 プロのギタリストといっても主な仕事がCD録音や、リサイタルなどの演奏を主とする場合と、ギター教室、あるいは音楽学校などでギターのレッスンをする場合とがあります。

 しかし前者のような演奏を主とするようなギタリストは、現実には非常に少なく、クラシック・ギターに限定すれば、日本では数えるほどしかいないでしょう。 つまりプロのギタリスト=ギター教室の先生といった式は95パーセントくらいは成り立つわけです。



まず講師の仕事を探す

 そこで、まず講師として受け入れてくれるギター教室や音楽教室を探すわけです。 かつては楽器店などに併設されている音楽教室などが主流で、現在でもそうした教室は健在ですが、他にカルチャ-・センターとか、クラシック・ギター専門店、およびギター関連諸施設といったものが考えられます。

 本人の実力がギター界で高く評価されていたり、海外の有名音楽学校卒業、評価の高いコンクールでの優勝、入賞歴などのキャリアがあれば、自然といろいろなところから講師としての依頼があると思いますが、 そうでない場合は自分の先生などいろいろな人からの紹介と言ったものが重要となるでしょう。



幅広い人脈を持てれば

 直接自分で音楽教室などに当たってみる、いわゆる”飛び込み”という方法もありますが、それによって採用される可能性はあまり高くなく、やはりいろいろな人からの紹介といった形の方が有効でしょう。

 そのためには、ギターを学んでいる間もいろいろな人と交流を深め、人脈を拡げておかなければなりません。これはギター教室の先生だけでなく、どんな仕事にも言えることなのでしょうが、人脈は一つの財産と考えるべきでしょう。



音楽教室の講師と並行して自宅などでも教室を開く

 ギター教室の先生になると言うことは、そうした音楽教室やギター教室で講師として勤める以外に、自宅などで教室を開いて生徒さんを募集する方法もあります。 私含め、多くのギター教師はこの両方を行っています。



インターネットが有効だが、愛好者などに認めてもらうことが重要

 かつては、こうした自宅の教室で生徒さんを集めるのは、宣伝手段などがあまりなく、なかなか難しいところもありましたが、最近ではインターネットを用いて宣伝が出来るようになったので、かつてよりは生徒さんを集めいやすくなっているでしょう。

 こうしたイターネットを通じて多くの生徒さんに来てもらうようにするには、見やすく、魅力的なホーム・ページを作ることも大事ですが、コンサート活動などによって、ギタリストとしての自分の存在をギター愛好者や地域社会に認めてもらいうといったことが最も重要ではないかと思います。

 





Q&A ギター教室の先生になるには 6



正しい、ギター教室の先生のなりかた




 今回は”正しい、ギター教室の先生のなりかた” についてです。 ギター教室の先生になるには、まず当然比較的早い時期からギターを習わなければなりません。 少なくとも10歳前後、広く言えば4~12才くらいといったところでしょうか。

 ただし、小学生や幼児期などからピアノやブラス、ソルフェージュなどを学ぶことで音楽の基礎を身に付けていれば、中学生くらいからギターを始めても問題ないでしょう。



10歳前後までにはギターに触れてほしい

 確かに現在の第一線級のギタリストの多くは、3~5歳くらいからギターを学んでいますが、演奏家ではなく、ギターの指導者と限定すれば、もう少し遅くてもよいでしょう。 むしろ少年期や幼少期にはギターだけに絞らず、他の音楽をやったり、他の趣味をやっておく方が、指導する際にはよいかも知れません。

 一般に絶対音感が育つのは3~5歳くらいと言われますが、私の経験では、リズム感や音色感が育つのはもう少し後、つまり10歳前後くらいのようです。 ギターの場合、演奏するにせよ、指導するにせよ、音色感はとても大事なので、少なくともこの時期にはギターに触れてほしいところです。



あまり性急に将来の目標を決めないほうが良い

 しかしながら、プロの演奏家にせよ、指導者にせよ、この時期(小、中学生)から将来の職業をプロのギタリストのみに絞ってしまうのは、あまりよいことではないように思います。 仮にギターがとても好きで、それに応じた能力も備わりつつあるとしても、まだまだ広い可能性は残しておくべきでしょう。

 現実的には、高校生、あるは大学生となれば、進路もある程度決定しなければならないと思いますが、その時期になれば、いろいろなことを総合的に考慮して、自分の職業を決める判断力も付くのでは思います。



プロのギターリストを目指すのは、個人的にはお薦め出来ない

 しかし私個人的には、ギターを職業にするということは、やはり特殊なことなので、あまり、いや絶対にお薦めは出来ません。 どう考えてもプロのギタリストなど、それにかける才能や労力に見合った収入の期待できる職業ではありません。 もし、将来普通の生活を望むなら、当然他の職業を選択すべきです。

 そうしたことを踏まえて、それでもやはり、ギターの演奏家、あるいは指導者になりたいと思う人(当然それだけの能力が必要だが)、だけが、その道を目指すべきでしょう。



プロのギタリストの90%以上は、レッスンが主な収入源

 さて、何はともあれ、高校生くらいでギターの演奏能力も一定のレヴェルに達し、将来の職業をプロのギタリストに決めたとしましょう。 まだこの段階では演奏家になるか、指導者になるかは決めなくてもよいと思いますが、しかし現実にはギターを職業とする人の90%以上は演奏ではなく、ギターのレッスンを主な収入源としています。

 つまりプロのギタリストのほとんどは”ギター教室の先生”だということになります。 そのことは十分に考慮した上で、この道を目指さないといけません。 



まずは音楽大学か音楽専門学校

 プロのギタリストを目指すと決めた時に、今現在なら、まずやはり音楽大学や音楽専門学校に入学するのが最も良い選択でしょう。 かつてはギターに関しては音楽学校等とはほとんど無縁でしたが、今では音楽大学や音楽専門学校にギター科がかなり存在します。

 音楽大学などでは一般教養や、ギター演奏の実技の他に、ソルフェージュの試験もあるところもありますので、年少のうちからギターのレッスンと合わせて、ソルフェージュを習っておくとよいでしょう。 これはもちろん入試だけでなく、自分の演奏や将来指導者になった時にたいへん役立ちます。



音楽的教養を身に付け、他の楽器の学生との交流もある

 ギターの演奏技術だけだったら、特にこうした音楽学校でなく、個人的に先生についても問題ありませんが、これからのギターの指導者は音楽全体の知識がたいへん必要になってきます。 そうした音楽的教養を身に付ける意味では、こうした音楽学校で学ぶことはたいへん有用でしょう。

 また音楽学校ではピアノや弦楽器、声楽といった他の楽器の学生などとも交流があり、それもまたたいへん貴重なことでしょう。



卒業したからといって、すぐに仕事があるわけではない

 ただしこうした音楽学校を卒業したからといって、すぐに演奏や、教育の仕事に就けるわけではないことは理解しておくべきでしょう。 ギターの世界はよくも、悪くも学歴社会でも、資格社会でもありません。



海外留学も良い

 さらには海外留学するのもよいでしょう。 日本国内でも十分に音楽の勉強が出来ますが、やはり音楽はインター・ナショナルなものですので、海外の生活を経験したり、海外のギタリストの卵たちと交流を持つのはたいへんよいことでしょう。

 海外留学する場合、高校卒業してからすぐに海外の音楽学校に留学する場合と、国内の音楽学校である程度学んだり、卒業したりしてから行く場合とあります。 中には中卒で海外に渡り、高校も海外の高校に入学する人もいます。 



ドイツで先生になる人も

 ドイツなどでは、前にも話した通り、”ディプロマ”という制度があり、これを得るとドイツ国内でギターの指導の仕事に就くことができるようです。 日本人でもディプロマを獲得してドイツでギターの先生になっている人もいます。

Q&A ギター教室の先生になるには? 5



今現在は

 前回は私の経験などをとおして、これまで、特に1960~1970年代頃、どのようにしてギター教室の先生が誕生してきたかをお話しました。 今回は今現在、1990年代以降はどのようになっているか、について書いてゆきましょう。

 1960年代~1970年代では、私も含めて、十分な能力、知識、技術を持たないままギター教師になってしまった人が少なくなかったわけですが、今現在の30~40代のギターの先生は、少なくとも私の知る限りでは、そうした人は非常に少ないようです。

 今現在30代くらいでギターの先生をしている人は、小さいうちから(少なくとも中学生くらいまでに)ギターを習い、 将来プロのギタリストになることを目指して熱心に練習し、さらに音楽学校などで音楽を総合的に学び、海外留学をする人も多く、国内外のギター・コンクールでも入賞している人も少なくありません。




今のギター教師はレヴェルも上がっていて手ごわいライバル


 そういった若い人たちは、ギター教師の仕事に就いてからも積極的にリサイタルやコンサートを行い、また演奏技術もさることながら、音楽的知識、教養もしっかりと身に付けた人が多く、リサイタルを聴いたり、また一緒にコンサートを行ったり、話をしたりなどすると、私の方がいろいろと勉強させられます。

 そういった点で、数十年前と比較すれば、現在はギター教師のレヴェルも格段に上がっていて、ギター界全体を考えるとたいへん心強いところですが、同時に私にとってはそうした若いギタリストたちは手ごわいライバルでもあり、若干複雑な心境でもあります。 



いよいよ”正しいギター教室の先生のなりかた” だが

 さて、今回のテーマも、いよいよ結論ということで、今後ギター教室の先生になりたいと思う人は、どのように学んでゆけばよいかといったことについての話となります。

 ・・・・・あえて断らなくてもよいかも知れませんが、これは国内外で演奏活動を仕事とするような”一流のプロ・ギタリスト”になるため、ということではなく、あくまで”ギター教室の先生”になるための道筋ということです、念のため。

 それでは・・・・ おっと、ここでCM。     ・・・・都合上、本文は次回(出来れば明日)書くことにして、今日はとりあえず、ここまで。
明日は水戸ギター・アンサンブル演奏会


 明日(11月30日 日曜日)は、ひたちなか市文化会館小ホールで第16回水戸ギター・アンサンブル演奏会を行います。開場は17:30で、開演は18:00、入場無料です。

 お近くで、お時間のある方、是非のお越しをお待ちしています。 明日はお天気のほうはよさそうですね。






Q : ギター教室の先生になるにはどうしたらよいでしょうか?



当時のレッスン時間は10~20分くらい

 私がギターの先生をやるようになったのは大学在学中ですが、私の先生(荻津先生)の紹介で音楽教室のギター科講師になる際、それまで大学の後輩などは教えたことはあるものの、一般の社会人は子供たちなどを教えた経験は全くなかったので、荻津先生や、他の先生のレッスンなどを見学させてもらいました。 

 当時(1970年代の初めころ)はギターを習う人が多く、そうした先生方は、1日20人くらいの生徒さんを教えていました。 そうなると当然一人当たりのレッスン時間は短く、10~20分くらいと言った感じでした。



かつての歯医者さんと同じく

 現在ギター教室では、それぞれの生徒さんのレッスン時間が決まっているのが普通ですが、当時はそれぞれの生徒さんのレッスン時間が特に決まっていなく、”来た順”にレッスンを行ってゆく形でした。

 そういえば歯医者さんなども今ではほとんど予約制になっていて、診療時間が決まっていますが、かつては予約制でなく、この受付順で、場合によっては2~3時間くらい待たなければならないこともありましたね。

 要するにギター教室もそれと同じシステムで、自分のレッスンが回ってくるまで5,6人くらい待つのは普通でした。 つまり1時間以上待って、自分レッスン時間は10分と少々といった感じになるわけです。 もちろん苦情を言う生徒さんもいましたが、ほとんどの生徒さんはその待ち時間に練習したりしていて、そうしたことは当然のことと受け入れていたようです。



雑談の方が長い?

 課題とされている曲もだいたい1曲で、生徒さんがその曲を弾き終えた後、先生がコメントを言うと、その後は雑談になる場合が多く、時には雑談の方が長いこともあるようでした。 正味のレッスン時間としてはさらに短くなるわけですが、しかし生徒さんのほうも結構それを楽しんでいるようです。

 生徒さんのほうもギター上達のためだけでなく、そうしたふれあいみたいなものを求めて通ってくる人も少なくないのでしょう。 もっともそれにはその先生の人柄とか、人格といったものが必要なのでしょう。



当時は世間話が出来なかった(今も?)

 ギターを教え始めた当初の私は(今も?)その雑談や世間話が苦手で、レッスンを始めても、結局レッスン、あるいはギターや音楽の話しか出来ませんでした。 レッスンの際には結構言葉は多く(今でも!)、よくしゃべっている方と思うのですが、でもよく 「中村先生は無口な方ですね」 などと言われることもありました。 要するにレッスンのこと以外はあまりしゃべらない、いやしゃべれなかったということなのでしょう。



レッスン時間は長いが、くどい

 当初、私のクラスは生徒さんもそれほど多くなく、その結果一人あたりのレッスン時間は、そうした先生方よりは長くとりました。

 先輩各の先生方の場合、生徒さんがまだよく弾けていないと「 じゃあ、今度までにしっかり練習して来てね」 といった感じでレッスンが終わるのですが、私の場合、なぜそこが弾けないか、とか、どんな方法で練習すればよいかとか、くどくどとレッスンを続けることがよくありました。 要するに生徒さんからすれば、ちょっとめんどくさいタイプの先生だったでしょう。



生徒さんが増えないのは時代のせい、それとも不人気のせい?

 愛想はない、レッスンはうるさい、人格、人柄最低・・・・   もっともそういった声は直接は聴こえてきませんが、新しく入学する生徒さんはどちらかと言えば私ではない先生を選んでいたのは確かで、私のクラスはあまり生徒さんが増えませんでした。

 もっとも私がギター教師になってから2、3年すると、つまり1970年代の半ば頃からは日本全体として、少なくともクラシック・ギターをやる人は徐々に少なくなり、同じギターでもフォーク・ギターとかエレキ・ギターを指向する人が多くなってきました。 誰にでもなれたギター教師の時代から、1970年代半ばを境に、ギター教師の淘汰の時代へと進んでゆくことになります。
 


街の中心街の音楽教室主導の時代

 このように私がギター教室の先生になった頃、つまり1950年代から1970代の前半くらいまでは、ギター教師になるは、まず楽器店などが併設している音楽教室のギター科の講師になることから始まるのが一般的でした。 

 また、そうした音楽教室で講師をしている先生も、自宅などでギター教室をやっている訳ですが、その場合も「○○音楽教室でギターの先生をやっているから」ということで信頼されていたと思います。

 私も当時、見た目はまるで学生みたいでしたが、地元のK音楽院や、全国展開のY音楽教室(Yだけでわかってしまうが)の講師をしているということで、ささやかな信用を得ていたのでしょう。

 当時は繁華街や商店街などにある楽器店併設の教室に通う人の方が多く、 住宅地にあるギター教師の自宅の教室に来る生徒さんの方が少なかったようです。 ギター教室においては、いろいろな意味でこの時代は街の中心街にある音楽教室主導の時代とも言えるでしょう。