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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

落ちる話 7




地球はどうなる? 50億年後太陽に飲み込まれると言われているが

  「では、非常に幸運が重なり、また人類が予想以上に賢かったと考えて、

 何億年でも生存し続けた場合、 私たちの住む地球に寿命があるのかどうか考えてみよう。

 地球自体の寿命はないが、太陽はこの先50億年くらいすると、

 現在核融合の燃料としている水素を使い果たし、

 その代わりにヘリウムを燃料とするようになる。

 そうすると太陽の温度が上がり、

 その結果太陽が現在の地球の軌道くらいまで膨張すると言われている。

 つまりその頃には地球は太陽に飲み込まれて、跡形もなく蒸発してしまうということになる」





 「間違いなく、それで 『一巻の終わり』 ちゅうことすね」





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 赤色巨星   

 太陽は約50億年後、赤色巨星となり、地球を飲み込むと言われている(最近では異説も)。

 地球に最も近い赤色巨星はオリオン座のベテルギウスで、いつ超新星爆発をしてもおかしくない常態だそうだ。

 超新星爆発をすると月くらいの明るさになり、昼間でも見えるようになるそうだ。

 私たちが生きている間にそれが見られる可能性は十分にあるそうだが、

 地球環境への悪影響も考えられる。





 「と、まあ。 ちょっと前まではこんな風に言われていたのだが、最近では若干ニュアンスが変わってきて、

 太陽が膨張する際に何度も爆発をくりかえして、その質量のかなりの割合を放出することになる。

 その結果、太陽の引力が弱くなって、地球の軌道が大きくなる、つまり太陽から離れてゆくことになる。 

 そこで、太陽が膨張したとしても、最後まで地球は飲み込まれないという説が有力らしい」



 「ギレギレ、セーフもあるっちゅうことすか?」




毎日、毎日、焼かれて

 「とはいっても、太陽が小刻みに爆発するということは、地球にとってはあまりありがたくないことだ。

 大爆発ではなかったとしても、その影響は大きく、それだけでも地球上に生物は住めないかも知れない。

 また飲み込まれないとしても、鼻の先にやたら大きい太陽があって、見上げた空のほとんどが太陽ということだから、

 相当熱いのはまちがいない。 

 どう転んでも地球上に生物は住めそうもないね。



 飲み込まれる場合でも、膨張した太陽の表面温度はだいぶ下がり、瞬時に地球が蒸発するような温度ではなく、

 また基本的に太陽は気体だから、飲み込まれても、衝突して粉々になるわけではない。 

 太陽に吸収された地球は、しばらくは球体を維持し、太陽の表面付近を浮きつ、沈みつつ、

 ぐるぐると公転するという話もある。 

 なんか、地獄に落ちた亡者が血の池地獄で浮いたり、沈んだりみたいだね」





 「ていうか、「およげたいやきくん」 みたいすね。

 『まあいにち~まあいにち~てっぱんのお~ 上で焼かれえてえ~』  なんて感じの」。





海が消える?

 「しかし、その地球が太陽に飲み込まれる前、今後10億年か、20億年後くらいすると、

 地表の水、つまり海が消え去ると言われている。 

 要因としては、今後太陽の温度は上昇してゆき、その熱で地表の水分が蒸発してしまうということが考えられるが、

 それ以外に、地球内部、つまりコアの温度が下がり、

 マントル対流で地球の内部に運ばれた海水が地表に戻されなくなるともいわれている。

 マントル対流、つまりプレート・テクトニスが地球にあるのは、地球内部に熱が蓄えられているからなのだが、

 この熱は当初は地球が出来た頃の微惑星の衝突の熱で、

 それを地球内部に取り込まれた放射性物質の核分裂によるエネルギーで維持している。





火山の噴火は地球内部に入り込んだ海水を地表に戻す役割をしている

 しかしこれらの放射性物質は新たに補充されることはなく、次第に半減期を過ぎ、

 10億年以上するとあまり熱を発しなくなる。 

 地球内部がある程度冷えてくると、

 マントル対流で地下深くに引きずり込まれた海水などが、マグマなどとして地表に戻されることがなくなる訳だ。 

 火山の噴火は、実は地球内部に取り込まれた水を地表に戻す、とても大事な役割をしているんだ」

 



他の星に移住は可能?

 「そうなったら、他の星に移住すればいいんじゃねえですかねえ」




 「この太陽系で、地球と最も環境が近いのが火星で、火星に移住することを真面目に研究している人もいるようだ。

 確かに火星では、シェルターの中で生活するくらいのことは出来そうだけど、

 地球上のように生身の体でそとを歩き回るのは今現在では不可能だ。 

 そうなると火星に住んで、地球と同程度に生産活動をするのは非常に難しいだろうね。

 火星に大気を作ればいいんだけど、引力が地球の10分の1くらなので、

 大気を作ったとしても、その大気を捕まえておくのが難しい。 

 火星が地球のようになれなかったのは、そもそも、質量が足りなかったからだ。 

 太陽系の他の惑星に住むのは、まず無理だろうね」





太陽系以外の惑星は

 「最近では、太陽系以外の惑星も次々と発見されているらしいすけど」





 「本当によく知っているね。 

 そういったものを系外惑星っていうんだけど、そうした中には地球とたいへんよく似た惑星もあるらしい。

 いざとなったら、そうした地球によく似た系外惑星に移住すればいいんだけど、

 最も近くの系外惑星でも光速で飛んで数年以上かかる。

 また、人間を載せた宇宙船のように、ある程度質量のあるものを光速近くまで加速するためには、

 非常に大きなエネルギーを必要とする。 

 系外惑星に旅行することは、今現在では全く不可能なことだけれど、

 この先1億年以上科学技術が発達すれば、そうしたことも可能になるのかもしれないね。

 SFのように旅行中、人間の生命活動を停止させておいて、

 目的地についたら、電子レンジで解凍するように生命活働を再開させる・・・・

 なんてこともあるかもしれないね。

 それだったら、何百年、あるいは何千年でも旅行出来るってわけだ」





 「人間の冷凍保存ってとこすね、なんだかマグロって感じすね。 

 でも、もしそれで、また地球に戻ったりすると、ホントに浦島太郎状態すね。

 帰ってみれば、こはいかに、もといた家も、村もなくう・・・・・・・・   なんて。

 最近までこの歌、 『竜宮城から帰ったら、恐ろしいカニがいた』 っていう歌だと思ったんすが、

 ホントは違うみたいすね」






下りもの


 「私も子供の頃そう思っていたね。

 ・・・・・・ところで、八つぁん、もう腹減ったろ、だいぶ長く話、聴いてもらったからね。

 上方から取り寄せた羊羹があるんだ。 

 滅多には口に入らないものだから、食べてゆきな、宇治のお茶も付けとくよ」




 「そうこなくっちゃ、だから大家さん、大好きなんすよ!」




京の老舗、虎屋の羊羹

 「そりゃまた嬉しいね。 私の話ちゃんと聞いてくれるの、八つぁんくらいだからね。

 これは京でも老舗中の老舗、 「とらや」 さんの羊羹なんだ。 とらやさんは関ケ原以前からのお店らしい。

 普通だったらお大名か、大店の旦那衆しか食べられないものだよ。 

 上方の親戚に頼んでやっと手に入ったもので、私もたべるの初めてなんだよ」




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室町時代創業の老舗、虎屋の練羊羹。 

 パッケージは江戸時代からのデザインらしい。 

 江戸時代には特にこの練羊羹は超高級菓子として上流階級の贈答用に使われと言われている。 

 現在でも1本で2~3千円くらいするようだ。




 「なんか、黒光りして凄そう・・・・・・ 

 ウン?  甘い!  こんな甘いの、始めてっす。 

 やっぱし下りものは違うね、

 その辺の芋羊羹とは、まるで比べもんになんねえ。 

 ・・・・ウウン、お茶もうめえ」




 「これ少しだけど、カミさんにも持って行ってやんな、カミさんも、きっと好きだろ、こういうの」




 「大家さん、気ィ使わせちまって、 ホントありがてえ。  ウチのやつ、涙ながして喜びそう」




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 とらやの練羊羹は、江戸の庶民の口にはなかなか入らなかったようで、

 当時の江戸庶民は、同じ羊羹でも、芋羊羹、蒸し羊羹、水羊羹などを食べていたようだ。 

 因みに、室町時代では、砂糖は中国からの輸入のみで、非常に高価なものだった。 

 江戸末期には輸入ものに加えて、国内生産も多くなり、比較的手に入りやすくなった。

 料理やお菓子などに普通に使われるようになったのもこの頃かららしい。






オチるの? オチないの?

 ・・・・・・まさに大家と店子は親と子も同然といったところでございます。 

 二人仲良く、室町時代からの老舗、虎屋の羊羹をほうばっております。 

 それでは今日の話は、これでおしまいとしましょう。



 ・・・・・・・え、なんですって?  オチはないんかいって?   

 オチ・ですか?  オチ?  なるほど。  

 えー、 そのう、 本日、 そういったものは、 特にご用意してはございませんが。

  

 ・・・・・・『落ちる話』 ってタイトルに書いてあるじゃないかって?  

 それに、 オチのない落語なんて、 フーガを書かないバッハと同じ? 

 なんか、 また、 すごい例えだねえ。  




 まあ、いろいろご不満もあるとは存じますが、

 いえ、いえ、決してお客さんのことクレーマーだなんて、そんなつもりは! 



 でも、 この地球、 やはり、 何も  『 オ・チ・な・い 』  のが何よりでございます。



 お後がよろしいようで。 




 テケテンテン テンテテッ  ドドン
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落ちる話 6




1億年は?

 「話が脱線してしまったが、話を戻すと、人類があと10万年生存する確率を0,9とすると、

 100万年まで生存する確率は0.3486・・・・。 1000万年では0.00002758・・・・ということだったね。

 では1億年というのも計算してみよう。 

 0.00002758・・・・だと面倒だから、ここは大盤振る舞いということで、ひとケタあげて

 0.0001、つまり1万分の1としておこう、

 凄いだろ、ほぼ4倍だ、 どんな安売りだって、こんなにオマケしてくれることはない」
 



 「あんまり得した気にはなれねえけど」




 「1億年の生存確率は 0.0001の10乗で、

 言い換えると10のマイナス4乗の10乗 = 10のマイナス40乗となる」




 「それなんすか? 10のマイナス40ナントカって?」




 「0.00000・・・・と小数点以下の0が40個あるということだ」




 「なんだか、もう、大きいんだか、小せえんだか、さっぱり見当がつかねえ」




京、垓、抒、溝、潤 ・・・・・・・・・無量大数

 「そうだね、この数字がどれだけ小さいかということは、

 なかなか実感しにくいね、逆に大きい方で言えば、

 1億は10の8乗、1兆は10の12乗、 1京は10の16乗、 1垓は10の20乗、 

 さらに抒、溝、澗となって10の40乗は 「正」 というらしいが、これじゃ余計にわかりにくいね。

 ついでに最も大きい漢数字は『無量大数』で、10の68乗ということだが、

 これは具体的な数字じゃなくて、これ以上大きな数はないと言った意味らしい。





プランクの長さ


 さらに、別の言い方をすると、“もの”の小ささには限度があって、

 物理学的には最小の大きさというのがある。 

 プランクの長さっていうんだが、それがだいたい10のマイナス35乗メートルとなっている。

 この10の40乗というのはそれよりも小さい数字ということになるね」





 「余計わかなくなっちまったけど、要するに“ゼロ”ちゅうことがねえんすか? 

 そんな風にゴチャゴチャいわねえで、ゼロっていってもらったほうがさっぱりすらあな、

 江戸っ子でえ、宵越しの金はもたねえ!」




幸運な場合で数百万年

 「江戸っ子じゃなくても確かにほとんど可能性ゼロで、1億年は絶対に無理となるかな。

 結論としてこの仮定(10万年生存する確率が0.9)では、とても運がよかったとしても、

 私たち人類の寿命は、せいぜい数百万年くらいといったところかな」





 「そうっすね、あんまり歴史が長いと続くと、試験がたいへんなことになっちまう。

 第一、 『西暦395876431年』 なんてなると、まず覚えられなくなる。

 語呂合わせだって簡単じゃなくなる。 

 まあ、そんなところでいいっしょ」





これは他種との生存競争がある場合

 「八つあんに納得してもらったところで、何なんだが、

 この計算の大前提が「生物の一つの種の平均寿命は30~40万年」ということだったのだが、

 この数字というのは、あくまで他の種との生存競争がある状況での数字と言える。 

 今現在では、私たち現生人類には生存競争する相手はいない。

 かつてはヒト属にはたくさんの“種”があって、同じ時期に複数の人類がいた。

 しかし今現在は私たち以外のヒト属は絶滅してしまい、

 私たちホモ・サピエンス・サピエンスだけになっている。





今現在は私たちに取って代わる種は存在しない

 種が絶滅する場合は、多くの場合、他の同属異種によって置き換えられることが多い。

 今現在は私たちに取って代わるヒト属は存在していないので、

 私たちの人類が他のヒト属にとって代わる可能性はない。

 また映画のように人類が他の霊長類などに取って代わることもあり得ないだろうし、

 他の動物についても同じだろう。 

 このような状況下では30万年~40万年という、

 一般的な生物の平均の生存期間はあまり意味を持たないだろうね。

 例えば、カンガルーなどの有袋類はユーラシア大陸やアメリカ大陸では絶滅してしまったが、

 オーストラリアでは生き残っている。 

 これは数千万年前にオーストリア大陸が他の大陸と離れて、

 他の哺乳類との生存争いが起きなかったからだ。





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アウストラロピテクス(400万年=200万年前)




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ホモ・ハピリス(240万年~140万年前)




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ホモ・エレクトス(150万年~100万年前)




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 ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人 25万年~3万年前) 

 私たち現生人類とほぼ同時代を生きてきたが、3万年前に絶滅した。 

 わずかだが、現生人類もネアンデルタール人のDNAを引き継いでいると言われる。 

 少なくとも3万年前まではこの地球上に複数の人類が生存していた。





永遠に不滅?

 そうした淘汰圧がかからない場合では数千万年くらいでも、

 その形をあまり変えることなく生存することもあると言うことだね。 

 とすれば、人類はかつての巨人軍じゃないけど 『永遠に不滅』 なんてこともあるのかも」





 「でも、最近の巨人は13連敗とか、あんまりそんな感じじゃねえけど」





 「そうだね、永遠に不滅なんてことはないかもしれないけど、

 人類は地球環境を変える力を持っている。 

 今後はその力は、よりいっそう大きくなるだろうね。 

 他の種との生存争いだけじゃなく、地球環境の悪化とか、未知の病気とか、

 そういったものも乗り切れる可能性がある。

 しかしその一方、人間自身が地球環境を壊滅的な状況にしてしまう可能性もある。

 つまり自滅の可能性もあるということだね」






日頃の心がけが良ければ


 「一番怖いのはトラやライオンとか巨大隕石じゃなくて、人間自身ということすね。 

 この地球を大事に、大事に使って行けば、もっと、もっと長く生存出来ることもあるっちゅうことすね。 

 何事も日頃の行いが大事だ」





 「そういうことになるかな。 

 人類が思ったよりも賢ければ、計算のもとになる数字を10万年が0.9じゃなくて、

 100万年が0.9、あるいは1000万年が0・9とかといった数字に取ることも出来る。 

 そうなれば、人類が1億年生存する確率もかなり現実的な数字となるね」


落ちる話 5




10万年は”だいたい”大丈夫とすると

 「この10万年というのは適当言った数字で、ほとんど根拠のあるものではないが、

 仮に、仮にだね、人類はあと10万年 “だいたい” 生存出来ると仮定すると、

 最大で人類はどれくらい生存できる可能性があるかを考えてみよう。 

 逆に言えば、どんなに幸運だったとしても 

 “それ以上生存し続けるのは絶対無理” という年数もあるだろう。

 計算するためには、当然 “数字” を使わなければならない。

 この『だいたい』ということを数字に置き換えると 『9割』 ということになるかな、

 そんなもんでどうかね、八つぁん?」





 「どうかね? って言われても」





降水確率10パーセントの場合

 「天気予報で 『明日の降水確率10%』 ってのは9割は雨降らないと言いうことだね。

 9割雨降らないという時は、たいていの人は 『明日は雨が降らないんだな』 って考えるよね。

 八つぁんもそんな日には傘もってゆかないだろ?」




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 「うちのカミさんに、

 『お前さん、いつも傘忘れてくるんだから、多少の雨くらいでは傘持ってゆかないで』

 っていつも言われてるんすよ、40パーでも持たせてもらえねえかな。 

 10パーなんて、もう、問題外の外すよね」





 「もし、それでも雨が降ったとしたら、皆、天気予報が外れたと思うよね」




 「そりゃそうすね、そんな時には、『あの太眉毛、また予報外したな』 

 と文句いってやりたくなりますね」





降水確率なんて言葉は

 「でも、別に予報が外れた訳じゃない。 『雨は降らない』 と言っている訳ではなく、

 『10回に1回は雨が降る』 と言っている訳だから、

 たまたまその日がその1回になっただけだ」





 「そうですかい、なんか、また騙されているように気もするけど」





 「まあ、だましているかも知れないね、数字なんてそんなものだよ。 

 将来、天気予報がもっと正確に出来るようになると、

 降水確率などいう言葉は死語になるかも知れないね。 






”だいたい”という言葉を、確率0.9という数字に置き換える


 といった訳で、あと10万年くらいは “だいたい“ 大丈夫ということを、

 人類がこのあと10万年生存出来る確率が9割、つまり0.9ということに置き換えよう。

 もちろんこの数字は、不運にも10万年を待たずに人類が滅亡することも十分あり得る、という意味も含む数字だが」





「よくわかんねけど、まあ、そういうことにしておきましょう」





 「そう話がきまると、あとは簡単。 

 単純な計算で難しいことはない。 

 人類が10万年生存出来る確率を90パーセント、つまり0.9として、

 その先の生存確率を計算してみよう。





100万年後は

 今から10万年後まで人類が生存出来る確率が0.9とすると、

 10万年後の10万年後、つまり今から20万年後まで生存できる確率は0.9×0.9で0.81となる。 

 さらに30万年後までは0.9×0.9×0.9で0.729。 

 40万年後はさらに0.9をかけて0.6561。

 100万年後まで生存する確率は、0.9を10回かければよい。 

 ということは100万年後まで人類が生存出来る確率は、0.9の10乗で、0.3486・・・・となる。 

 つまり3割4分9厘ということだね」





イチローの全盛期の打率くらいの確率

 「へえ、思ったよりいいんすねえ、100万年後なんて想像もつかないくらい先のことなので、

 そのへんあたりは、もう無理かと思ってたけど。 

 3割4分9厘と言ったら相当な確率すね、

 これなら何といっても首位打者は確実! 人類の未来は結構明るい!」




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人類が100万年後まで生存する確率は、イチローの全盛期の打率と同じくらい?




 「確かにイチローの絶頂期の打率だね。 

 逆に、それまでに滅亡する確率も6割以上あるんだけど、

 確率が約3分の1という事は、十分に希望の持てる数字と言える。 

 後は我々の努力次第かな。





1000万年後は

 それでは、1000万年後も計算してみよう。 

 0.3486・・・・だとちょっと面倒なので四捨五入して0.35としておこう。 

 さっきと同じ計算をすればよい、つまり人類が1000万年生存する確率は0.35の10乗。

 計算するのちょっと大変だけど、答えは0.00002758」




 「 ? なんだか0がいっぱい過ぎてよくわからねえ。 

 1割とか2割とか、そんな感じで言ってもらえるとありがてえんですが」




「毛」の次って?

 「1割とか2割とかといったものからはちょっと遠いのだけれど、

 「割」の次は「分」で、その次は「厘」、「毛」、その後は何て言うんだっけ? ちょっと出てこなくなった。

 とりあえず、その「毛」の次ということかな。  


 ・・・・・・え? 『糸』 って書いて 『し』 って読む? お客さん、よくご存じで、 え、 常識?  

 いえ、私は知っていますよ、忘れたのは大家さんで、ええ・・・・・


 まあ、それはそうと、別な言い方をすると、くじを10万回引いて、2回、または3回当たるくらいの確率かな」





 「大家さん、誰と話してるんすか?  

 そんなことより、10万枚宝くじ買ったら1000万円超えちまいますね、

 それで100万円くらい当たってもしょうがねえ、どう考えても割のいい籤じゃねえな。 

 大家さん、またなんかごまかしているんじゃねですか?  

 当たりくじを、そおっと引き抜いているとか」





皆から受け取った家賃は

 「またごまかしているなんて人聞きの悪い。

 私はちっともごまかしてないよ。

 ちゃんと皆から受け取った家賃は、そっくり、そのまま家持さんに渡していてるよ」





 「別に、そんなこと言っちゃねえすよ。 

 でも、大家さんなんて、いい仕事だよね、重たいもの担いだり、汗かいたりするわけでもなく、
 
 ただ、こうやって座り込んで店子相手に蘊蓄並べているだけで・・・・・」





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 江戸時代の長屋には木戸があって、夜、時間になると閉まってしまう。

 その他、江戸の町人には細かい規則がたくさん課せられていた。 

 窮屈と言えば窮屈だが、江戸の治安はたいへんよく、

 現在の東京よりも犯罪率が低くく、検挙率も高かったと言われる。






大家も結構たいへん

 「何言ってるのかね、油売りに来ているの、八ツあんのほうだろ? 

 長屋の大家なんて、はたで見るほど楽な仕事じゃないよ。

 やれ、雨漏りだ、道路がぬかる、ほこりが立つ、夫婦喧嘩の仲裁、捨て子だ、行き倒れだと、

 面倒なことは、皆こちらに回ってくる。

 家持さんの方からは、家賃を期日までにちゃんと集めろとか。

 町名主の旦那からは、またおかみ(奉行所)から新しいお触れが出たから来いと、

 しょっちゅう呼び出され、長講釈を聴かされる。




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 それを店子の皆にわかるように説明するのが、また一苦労。

 何といっても一番困るのは、店子の誰かがそのお触れを守らなかったり、

 また何か悪さでもしようものなら、私までお咎めを受ける!

 たまったものじゃないね・・・・・・   

落ちる話 4




人類って、あと何年?

 「でも、まあ、人類って、あっしら人類って、

 この後どれくらい生存出来るんすかね? 

 あっし自身はどんなに頑張ってもあと何十年かだろうけど、

 あっしらの子孫は、あと何代くらい続くんでしょうね。 

 なんとかの大予言じゃあねえけど、

 『二千何年、人類滅亡』なんてことにはならねえんですかね」




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 「そうだね、それは誰もよくわからことだね。 

 なんとかの大予言どおりだったら、人類はすでに何回も滅亡しているよね。

 でも実際には、今現在人類は70億人もこの地球にいる訳だからね。

 とても幸運だったのか、それとも当然のことなのかねえ。





一つの種の平均生存期間は30~40万年

 生物学的に言えば、一つの“種”の生存期間は、だいたい30~40万年くらいといわれている。

 生物分類学上の“種” とは大ざっぱに言えば、同じ特徴を持ったグループということになるが、

 生殖が可能な範囲で、持続的に子孫を残すことが出来るグループとも定義されるようだ。

 例えば、トラとライオンの間に子供は生まれるが、その子には生殖能力がなく、

 持続的に子孫を残すことが出来ない。

 つまりトラとライオンは別の種ということになる、当たり前のことだが。

 現在のヒト、つまり現生人類は同じ人類でもネアンデルタール人とは別の種ということになっている。

 しかし現生人類とネアンデルタール人とが交配した可能性もあるとも言われていて、

 実は種の定義は難しいらしい。

 とりあえず、その辺さておくとして、

 我々人間、正確にはホモ・サピエンス・サピエンスは、誕生してから約20万年と言われている。 

 確かな数字ではないが、仮にそうだとすると、

 人類は平均で、あと10万年か、20万年は生存すると言うことになる、仮定に仮定を重ねてだが」
  




環境を変える力もあるが

 「10万年とか、20万年って、長げえんだか、短けえんだか、わかんねえけど、

 なんか、ちょっとばかし物足りねえような気がする。

 医学の進歩だとか、住環境の整備だとか、人間てえのは他の動物とはちょっとちげえんじゃねえですか。

 もっとずうずうしく長生きしている植物や動物、他に結構いると思うんですよね」





 「確かに人間は他の生物とちょっと違ったとこもある。 

 種が絶滅する原因としては、圧倒的に環境の変化によるものが多い訳だが、

 人間には環境を変える力もある。

 何といってもマイナス50度くらいになるシベリヤやアラスカから、

 日中には50度にもなるアフリカの砂漠地帯にだって人間は生きて行ける。 

 そんな動物、特にある程度大きい動物では他にはいないんじゃないかな? 

 動物の中ではかなり “しぶとい” ほうだよね、人間って」






喰うだけ喰うと


 「そらそうですよね、あの熊公なんて、本当にしぶといのなんて、

 何食っても腹壊さねえし、どこでもイビキかいて寝られるし、借りたものは返さねえ、

 人のものは自分のもの、自分のものは自分のもの・・・・・・」





 「お前さんだって人のことは言えないんじゃないの。 

 いつも私がおいしいものを食べようすると、必ずやってくるし。 

 今日だって、これから羊・・・・・

 いや、いや、なんでもない。 八つぁん、なんでもないよ」





 「なあんか、 ・・・・怪しいすね。

 一人でおいしいもの、こっそり食べようなんて思ってねえでしょうね。 

 大家さんも歳なんだから、一人でおいしいものをたくさん食べていると、

 それだけ早くお迎えがきちまいますよ。

 喰うだけ喰うと、お蚕さんみたいに “あがっちまう” って、

 いつもおふくろが言ってたなあ。 

 あっしは、大家さんに少しでも長生きしてほしいと思っているんすよ」





かなり長期の可能性も、短命の可能性も

 「そりゃまあ、 親切に、 ありがとね、 涙が出るくらい嬉しいよ。

 でも、どうせ気を使ってくれるなら、もっと他のことにしておくれ。

 この歳になったら食べることくらいしか楽しみがないもんでね。

 それはそうと、人間という種はこれまでの生物とだいぶ違っている点も多いので、

 今後の予測は難しい。 

 環境を変える力があるということは、

 上手く使えばかなり長期にわたって生存できる可能性もあるだろうが、

 また逆に自らが行った環境変化をコントロールできなくなれば、短命に終わる可能性もある」





 「よくわかんねえけど、いろいろあっても、とりあえずは、この先10万年か、20万年くらいはなんとか大丈夫ってことなんすか?」





 「そううだね、私にわかることではないが、まあ、とりあえずあと10万年は大丈夫としておこうか、“希望的”ってやつだが」




 「そう言ってもらえると少しは安心なんすけど、でも、まあ、もうちょっとなんとかなんねえすかね?

 いくらかオマケとか。 きゅうりだって10本買えば、

 1本や2本オマケに付いてくるのが常識ってもんじゃねえですか」






日本の歴史が始まってから


 「私がオマケすればなんとかなるもんじゃないと思うけどね。

 でもね、10万年は短いって思うかも知れないが、私たち現生人類が誕生してから20万年前と言われている。

 そして、この日本列島に人が住み始めてからは、数万年から、せいぜい10万年くらいらしい。

 1万5千年前くらいになると人骨や土器、住居跡など、いろいろなものが各地で発掘され、

 情報量が多くなり、この15000年前から2400年前くらいまでを縄文時代と呼び、

 一応、日本の歴史が始まるんだ。 




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 でも “歴史” というのはその字からも分かる通り、

 残された文献などを基にした学問なので、

 本当に日本の歴史が始まるというのは西暦500年くらいの飛鳥時代頃からといってよい。

 厳密に言えば、縄文時代のように発掘を基本とするものは、“歴史学”ではなく、“考古学”という。
 
 要するに、学校の歴史の試験に出るもの、特に年号や人物名が問題となる範囲は、約1500年くらいの間となる。

 でもたった1500年くらいの歴史を勉強するのだって、結構たいへんだろう? 八つぁん。 

 中学生や高校生の頃、年号や人物名など覚えるの苦労しなかったかな?」





ヒトナミニオゴレヤ?

 「こう見えて、歴史の年号覚えるの、結構得意なほうなんすよ、

 『ナクヨ・ウグイス・平城京』 とか 『イイクニ・ツクロウ・室町幕府』 とか、

 そう、そう、『ヒトナミニオゴレヤ・徳川家康』 なんてのもあったかな、家康って本当にケチで、

 絶対に人のおごらなかったらしいっすよ。


 でも不思議と、いざ試験となると緊張してというか、

 度胸がねえっていうんか、

 自分では結構出来たと思っても、点のほうは不思議と20点くらいなんすよ」




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”イイクニツクロウ” の1192年と覚えてきた鎌倉幕府成立の年は、今では1185年とされている。 源頼朝像として親しまれてきたこの肖像画も別人らしい




 「それで20点も取れれば、度胸だけはたしたもんだ、

 第一それ、年号じゃなくて √3  何じゃないの?  また勝手に作っているね。 

 ついでに言うと、“ヒトナミニ”つまり1732が年号だとすると、

 その時代は同じ徳川でも、家康じゃなくて、吉宗の時代だけどね。 


 もし人類があと10万年生存していたとしたら、

 10万年後の学生たちは10万年と2千年の歴史を勉強しなければならない、

 今の70倍の年号や人名を覚えなければならないことになるね」





現役選手の背番号は、皆、1万以上?


 「10万年分の歴史を覚えなければならないなんて、考えただけでもぞっとする、地獄だね。

 その頃には、プロ野球の巨人軍じゃあ永久欠番だらけにになって、

 現役選手は、皆1万以上の背番号になっているかも知れねえですね、

 『4番サード○○、 背番号160301』 なんてことになって、

 選手の背番号覚えるのだってひと苦労になっちまいますね。 

 ほんとに、今の時代に生まれてよかった!」





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10万年後は、日本中のいたるところが世界遺産に登録されているかも?






ワールカップが2万5千回?


 「その頃には、地球上のいたるところが世界遺産になって、

 世界遺産じゃないところを探すのがたいへんなくらいになっているかも知れないね。 

 日本は何回くらいサッカー・ワールドカップで優勝しているのかな? 

 2万5千回ワールドカップがあるのだから、

 最低でも250回、いや500回くらいは優勝しておいてほしいね」





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10万年後までに、日本は何回くらいワールド・カップで優勝するのだろうか。





 落ちる話  3




もし、衝突するとわかったら

 「それでもし、 『もしかして、この大きめの小惑星、地球にぶつかるんじゃねえのって』 

 ってなった時、どうすんですか? 

 みんなで火星かどっかに逃げようったって、そう簡単に逃げられるもんじゃなさそうだし、

 しょうがねえからみんなで最後の晩餐でもやるしかねえんすかね。

  ・・・・そん時は何食おうかな」




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 「そううだね、大きな小惑星などが地球に衝突する可能性が非常に高いと分かった時、

 どうすればいいのかってことになるね。

 ただ黙って運命に身を任せるでは人間らしくないかも知れない。

 その点については、今現在いろいろ議論されたり、いろいろな考えが出されているが、

 決定的な対処法はまだないといっていい。

 こうした天体の衝突を真面目に議論されるようになったのはごく最近だから、

 やむを得ないところだろうね。 

 そこで、まず考えられることとしては、核ミサイルで破壊するか、

 すくなくともその爆発の威力で軌道を変える、という方法だろう」






 「その手があったか、違った意味で“核の平和利用”ってやつですね」





 「しかしそれほど簡単ではない。

 この前、例のお隣さんでミサイルを高度2000キロまで上げたといって驚異となっている。

 確かに人工衛星や宇宙ステーションなどの高度からすると、2000キロというのはだいぶ高いけど、

 地球の直径、約13000キロからすれば、キュウイ・フルーツの毛の先みたいなもんだ。

 そんなところで核ミサイルを小惑星に当てたら、

 すべて地球に降り注ぎ、被害を拡大することになって、絶対に使えない。

 核を使う場合は、まずは地球からは十分に遠いところで使うしかない。 

 軌道を変えるにしても、かなり遠いところでないと効果がないだろう」





 「やっぱり、核を使うと、回りまわって自分のところにも災いが降ってくるというところですかね」





送りオオカミ

 「核を使う場合の最善の方法としては、その小惑星が地球に衝突するとしたら、

 その前に何回か地球の近くを通ることが多い。

 その帰り道、つまり地球から遠ざかる時を狙うのが、最も効果的と言われている。

 この方法だと破壊した惑星の断片などは地球から離れてゆく方向に進むので、

 放射能を帯びた物質などが地球に降り注ぐことはない。 

 またそれほど地球から離れてなくてもよい。 

 ミサイル、ないしはミサイルを搭載した宇宙船が小惑星に接近するのも、

 この方法のほうが最も確実だろう」





 「帰り道を狙うなんて、まるで “送りオオカミ” っすね。

  『お嬢さん、夜道はあぶねえから、あっしが家までお送りしましょう、 まあまあ、遠慮なんかいりやせん』

 ・・・・なんてのが一番あぶねえ」





 「この際、人類の存亡がかかっているからね、

 卑怯だの、やり方が汚いとか言ってられないだろうね」





ちょっとばかし道を

 「核とか、そう言う物騒なもの以外に、もっと穏便な方法はねえんですかね、穏便なものは。 

 例えば・・・・・・・・・

 『こらまた、彗星の旦那! 今日はどちらへ? 

 相変わらずこちらの旦那はいつも見ても粋で、いなせで! ええ、

 それにしてもまた、ほれぼれする見事な尻尾で。 

 その長さと言い、色と言い、つやと言い、ええ、 ホントに。 

 ハレーだの、ヘールポップだの、目じゃないすね、

 彗星といったら、もうこちらの旦那で決まりで、ええ、ホントに。

 ハレーの旦那なんかも、一時期、えらく羽振りもよかったんでげしょうが、

 この前見た時なんぞ、本当に評判倒れで、ええ。 

 落ち目になっちゃおしまいっすね。 

 そこいくとこちらの旦那は、まさに売り出し中、人気絶頂っすね。

 地球の女連中も、あの尻尾に巻かれてみたいって、

 そりゃあ、もう、メロメロですよ、ええ、ホントに。


 ところで、ほんのちょおっとばかし、おねげえ ・・・・ちゅうてもなんすが、

 この先、ちょっとばかし取り込んでおりやして、ええ。  

 ちょっとばかし通り道を変えていただけねえでしょうか? 

 ええ、もう、そりゃあもう、ほんのちょっとで結構なんで、ええ。

 まあ、このまま進んで行っちまうと、

 こちらの旦那のほうにもいろいろ、ご迷惑をおかけすることになるんじゃねえかって、

 ええ、 いろんな人が言うもんで。 

 こちらの彗星の旦那にもしものことでもあれば、

 この太陽系の町内は火が消えたようになっちまいますんでで、 ええ、 ええ、ええ・・・・ 』


 ・・・・・・・・・・なあんて、説得できねえんでしょうかね」






Halley’s20Comet_20Credit20NASA





 「真面目に答えることじゃなさそうだけど、

 もちろん説得出来る相手でも、おだてに乗る相手でもないのは確かだ。 

 また彗星の意志で地球に近づく訳でもなく、彗星とすれば、

 ただ太陽の大きな引力に引っ張られているだけだ。 

 地球から見れば彗星がぶつかってくるということになるが、彗星からみれば、

 自分の公転軌道に地球が入り込んできて、地球こそ迷惑な相手かも知れない。





猫の首に鈴

 それはともかくとして、仮に衝突の可能性がある天体が彗星だとすると、

 その彗星に太陽の熱を吸収するパネルを張って氷を少しずつ融かし、

 その彗星の質量が変化することにより軌道が変化することを狙う、

 などと言ったことも考えられているようだ。

 また、帆を取り付けて太陽風の圧力で軌道変える方法なども考えられている」






 「でも、どうやってパネルや帆を、彗星に取り付けるんすかね? まるで“猫の首に鈴”ですね」





 「ちょっと前、例の「ハヤブサ」が、小惑星「イトカワ」から試料を持ち帰ってきた訳だから、

 技術的には十分可能なじゃないかな。 他に、宇宙船をそっと、その天体のそばに寄せて、

 その宇宙船との引力で若干軌道を変えると言う方法も考えられている、かなり小さな引力だが」





 「また地味なやりかたですね! 熊公のカミさんの着ている物くらい地味だ!」




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江戸時代には頻繁に贅沢禁止令が出され、庶民の着物の色は茶色や灰色などの地味な色に限定された。





結局、神頼み

 「結論としては、さっきも言った通り、今のところは決定的な対処法がないのが事実のようだ。

 多分、あと50年か100年くらいしたら、なんとか具体的な対策が出来るようになるじゃないかな。

 それまでは、ただ、大きな天体が落ちてこないように祈るしかない」





 「結局は神頼みすか、まだまだ世の中、進んでいるようで進んでねえなあ」