美術の沖山先生 11
50数年の歳月が流れ
あれから50数年の歳月が流れ、21世紀になってからしばらく経ちます。 中学生だったナカムラ君は、その後紆余曲折を経てギター教師となりました。
中学生当時のナカムラ君からすると、美術関係はともかくとして、少なくとも理数系の仕事にはついているのではと想像されるところですが、なぜかクラシックのギタリストという仕事を選びました。
その辺の事情を説明すると長くなるので、それは置いておくことにして、そのギター教師になったナカムラ君は最近、なぜか一時期ほとんど脳裏から消え去っていた沖山先生のことを、しばしば思い出すようになりました。

メガネで坊主頭のナカムラ君は、なぜか今現在はギター教師。 当時のナカムラ君からは想像すらできない。 やはり別人?
長年ギターを教えている中で
67才になったナカムラ君、いや、もう面倒くさいので私でいいでしょうか、その私は長年ギターを教える仕事をしている訳ですが、そのわりには教え方がイマイチ上達しません。
教材はすべて自分で作ったり、またレッスンのシステムなども何度も考え直したり、 いろいろと工夫したり頑張ったりはしているのですが、思ったように生徒さんを上達させるのはなかなか難しいようです。

最近作った教材用のCD。 ギターの教え方にはいろいろ工夫はしているが。
特に話の仕方があまり上手くないのでしょうか、無駄な話が多いわりには、なかなか真意が伝わらないようです。
そんな、こんなで、指導することの難しさを、よりいっそう身に染みるようになった昨今、美術的才能など皆無だった中学生の私を、仮にも県の美術展で金賞を受賞させた沖山先生とは、いったい、どんな先生だったのだろう? と思うようなりました。
年月が経つとわかる沖山先生の指導力
当時、沖山先生といえば何といってもあの強烈なキャラ、女王様みたいなキャラの方に目が行ってしまいますが、よくよく考えてみれば、たいへん優れた先生だったのでは。
何といってもそれまでろくに絵も描けなかった生徒を美術展で金賞を取らせるまでにした指導力は、決して普通ではないでしょう。
真面目に先生の話を聴かなかった私が、真剣に耳を傾けるようになった
また授業中先生の話を真面目にに聴くことはなかった私が、沖山先生についてだけは真剣に話を聴き、自ら積極的に指導を受けるようになったわけです。
そのことだけをとっても並の先生ではなかったのでしょう。
あの女王様キャラは天然? それとも人工?
そしたまた、何といっても、あの非常に個性的で強烈なキャラ! あれってなんだったのだろう?
あのキャラクは生まれ持ったもの、つまり天然だったのだろうか? それとも種々の理由により意図的に作り上げたもの?
男性的で、一見凶暴にも見える沖山先生のキャラですが、しかし、ほんのちょっとした瞬間、とても優しく感じる時もあり、また、たいへん細やかに周囲に気配りをする先生でもあったということはこれまで書いたとおりです。

状況証拠からは
そうした状況証拠からすると、沖山先生は意図的に自分のキャラを作り上げたのでは、という可能性も十分に出てきます。
生徒たちを指導する上で作り上げられたキャラとも考えられますが、 仮にそうだったとすれば、沖山先生は自分で作り上げたキャラを完璧に演じきったことになるでしょう。
また、沖山先生は自分が女性として見られること、特に美人だとか言われるのが嫌だったのかも知れません。
そうしたこともあのような言葉使いに反映したとも考えられます。 一種の”テレ”とも言えるでしょう。
私たちが入賞したことを喜ばなかったのか?
常にクールだった沖山先生で、私たちが美術展で入賞したことを全く喜んだ様子はなく、私たちに 「おめでとう」 とか 「よくやったね」 といったような言葉一切かけませんでした。
しかし沖山先生は美術展の会場で、私たちの版画が飾ってあるところまで、ほとんど迷わず案内してくれました。
つまり沖山先生はすでに会場を下見していると考えられます。
また、彼氏らしき美術の先生と一緒に行ったのも、自らの生徒を誇らしく思う気持ちもあったのではと思えます。
私たちにはそういった素振りは全く見せませんでしたが、やはり嬉しい気持はあったのでしょう。
教師としての義務だけではあのような行動はとらなかったのではと思います。
何といっても、私たちに良い作品を作り出すことの喜びをよりいっそう感じさせようといった意図があったことは間違いないでしょう。

よい思い出であってくれれば
沖山先生とその男性が、その後どうなったかは全くわかりませんが、もし結婚とか、そういったことになっていれば、あの時4人で美術展に行ったことが、沖山先生の中にもとてもよい思い出として残っているのでは。
・・・・・・妄想にもほどがある?
熱い心と極度のシャイさが
クールな女王様キャラをかぶった熱血教師! なんちゃって。
もしかしたら、あの賞金の件にも、何らかの形で沖山先生がからんでいるのかも?
誰かが積極的に動かなければ役場や校長先生だって、あるいは高度経済成長期真っ盛りだったとはいえ。
心の熱さと、極度のシャイさが、女王様キャラを生んだ?
完
50数年の歳月が流れ
あれから50数年の歳月が流れ、21世紀になってからしばらく経ちます。 中学生だったナカムラ君は、その後紆余曲折を経てギター教師となりました。
中学生当時のナカムラ君からすると、美術関係はともかくとして、少なくとも理数系の仕事にはついているのではと想像されるところですが、なぜかクラシックのギタリストという仕事を選びました。
その辺の事情を説明すると長くなるので、それは置いておくことにして、そのギター教師になったナカムラ君は最近、なぜか一時期ほとんど脳裏から消え去っていた沖山先生のことを、しばしば思い出すようになりました。

メガネで坊主頭のナカムラ君は、なぜか今現在はギター教師。 当時のナカムラ君からは想像すらできない。 やはり別人?
長年ギターを教えている中で
67才になったナカムラ君、いや、もう面倒くさいので私でいいでしょうか、その私は長年ギターを教える仕事をしている訳ですが、そのわりには教え方がイマイチ上達しません。
教材はすべて自分で作ったり、またレッスンのシステムなども何度も考え直したり、 いろいろと工夫したり頑張ったりはしているのですが、思ったように生徒さんを上達させるのはなかなか難しいようです。

最近作った教材用のCD。 ギターの教え方にはいろいろ工夫はしているが。
特に話の仕方があまり上手くないのでしょうか、無駄な話が多いわりには、なかなか真意が伝わらないようです。
そんな、こんなで、指導することの難しさを、よりいっそう身に染みるようになった昨今、美術的才能など皆無だった中学生の私を、仮にも県の美術展で金賞を受賞させた沖山先生とは、いったい、どんな先生だったのだろう? と思うようなりました。
年月が経つとわかる沖山先生の指導力
当時、沖山先生といえば何といってもあの強烈なキャラ、女王様みたいなキャラの方に目が行ってしまいますが、よくよく考えてみれば、たいへん優れた先生だったのでは。
何といってもそれまでろくに絵も描けなかった生徒を美術展で金賞を取らせるまでにした指導力は、決して普通ではないでしょう。
真面目に先生の話を聴かなかった私が、真剣に耳を傾けるようになった
また授業中先生の話を真面目にに聴くことはなかった私が、沖山先生についてだけは真剣に話を聴き、自ら積極的に指導を受けるようになったわけです。
そのことだけをとっても並の先生ではなかったのでしょう。
あの女王様キャラは天然? それとも人工?
そしたまた、何といっても、あの非常に個性的で強烈なキャラ! あれってなんだったのだろう?
あのキャラクは生まれ持ったもの、つまり天然だったのだろうか? それとも種々の理由により意図的に作り上げたもの?
男性的で、一見凶暴にも見える沖山先生のキャラですが、しかし、ほんのちょっとした瞬間、とても優しく感じる時もあり、また、たいへん細やかに周囲に気配りをする先生でもあったということはこれまで書いたとおりです。

状況証拠からは
そうした状況証拠からすると、沖山先生は意図的に自分のキャラを作り上げたのでは、という可能性も十分に出てきます。
生徒たちを指導する上で作り上げられたキャラとも考えられますが、 仮にそうだったとすれば、沖山先生は自分で作り上げたキャラを完璧に演じきったことになるでしょう。
また、沖山先生は自分が女性として見られること、特に美人だとか言われるのが嫌だったのかも知れません。
そうしたこともあのような言葉使いに反映したとも考えられます。 一種の”テレ”とも言えるでしょう。
私たちが入賞したことを喜ばなかったのか?
常にクールだった沖山先生で、私たちが美術展で入賞したことを全く喜んだ様子はなく、私たちに 「おめでとう」 とか 「よくやったね」 といったような言葉一切かけませんでした。
しかし沖山先生は美術展の会場で、私たちの版画が飾ってあるところまで、ほとんど迷わず案内してくれました。
つまり沖山先生はすでに会場を下見していると考えられます。
また、彼氏らしき美術の先生と一緒に行ったのも、自らの生徒を誇らしく思う気持ちもあったのではと思えます。
私たちにはそういった素振りは全く見せませんでしたが、やはり嬉しい気持はあったのでしょう。
教師としての義務だけではあのような行動はとらなかったのではと思います。
何といっても、私たちに良い作品を作り出すことの喜びをよりいっそう感じさせようといった意図があったことは間違いないでしょう。

よい思い出であってくれれば
沖山先生とその男性が、その後どうなったかは全くわかりませんが、もし結婚とか、そういったことになっていれば、あの時4人で美術展に行ったことが、沖山先生の中にもとてもよい思い出として残っているのでは。
・・・・・・妄想にもほどがある?
熱い心と極度のシャイさが
クールな女王様キャラをかぶった熱血教師! なんちゃって。
もしかしたら、あの賞金の件にも、何らかの形で沖山先生がからんでいるのかも?
誰かが積極的に動かなければ役場や校長先生だって、あるいは高度経済成長期真っ盛りだったとはいえ。
心の熱さと、極度のシャイさが、女王様キャラを生んだ?
完
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