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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

中村ギター教室発表会

 11月19日(土)14:00

 ひたちなか市文化会館小ホール




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 先日お知らせしましたが、今度の土曜日(19日)、ひたちなか市文化会館で中村ギター教室の発表会を行います。 いつものとおり、入場無料で、特に予約等の必要もありませんので、ぜひお気軽にお立ち寄り下さい。 演奏者と曲目もお知らせしておきましょう。




1.<三重奏> キラキラ星、不思議ななポケット    徳永章啓  徳永誠之  徳永寛之

2.<二重奏> 見上げてごらん夜の星を(いずみたく)    加藤護  中村俊三

3.<独奏> ハバネラ(アルバ)    徳永寛乃

4.マリア・ルイサ(サグレラス)    矢部貴大

5.シシリアーナ、カプリッチョ(カルカッシ)    澤畑敦史

6.ショーロ「鐘の響き」(ペルナンブコ)    根本滋

7.エストレリータ(ポンセ)    赤沼増美

8.ひまわり(マンシーニ)    甲斐洋

9.前奏曲第1番(ヴィラ=ロボス)    須沢紀夫

10.組曲ニ短調より(ド・ヴィゼー)    大村顕史

11.フゲッタ、 ブロークン・カップ(中村俊三)     中居直也  中村俊三




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12.パヴァーナ(サンス)、イタリアーナ(不詳)    市毛哲

13.哀しみの日々、 この道わが旅(すぎやまこういち)     及川英幸

14.ガヴォット・ショーロ(ヴィラ=ロボス)     米沢洋樹

15.魔笛の主題による変奏曲(ソル)    中居直也

16.ショールス第1番(ヴィラ=ロボス)    佐藤眞美

17.ゲッティンゲン(バルバラ)、 澄み切った空(シネシ)     久保田浩

18.亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)、マドローニョス(モレーノ・トロバ)   中村俊三

19.<合奏> ギター協奏曲ホ短調作品140(カルリ)    水戸ギター・アンサンブル   独奏 久保田浩




 *なお、今回もご来場の方にはコロナ対策として、受付で検温、消毒等、お願いいたします。
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中村ギター教室発表会


 11月19日(土)14:00
 ひたちなか市文化会館小ホール



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久々の発表会

 またコンサート告知ですが、来月19日にはひたちなか市文化会館で教室の発表会を行います。 コロナでこのひたちなか市文化会館で行う教室発表会も久々となります。

 このところ教室の生徒さんの数は一時期よりだいぶ少なくなっているのですが、発表会の出演者のほうはあまり変わりありません。相対的に長く習っている人が多くなっているのですね。

 久々の発表会ということで、出場者も張り切って(たぶん)います。気合いの入った演奏が出来るのではと思います。チラシにも書いてありますが、演奏曲目を改めて書いておきましょう。



<独奏>
アルバ : ハバネラ
サグレラス : マリア・ルイサ
マンシーニ : ひまわり
カルカッシ : シシリアーナ、カプリッチョ
ペルナンブコ : 鐘の響き
サンス : パヴァーナ、 作者不詳 : イタリアーナ
すぎやまこういち : 哀しみの日々
ド・ヴィゼー : 組曲ニ短調より
ポンセ : エストレリータ
ソル : 魔笛の主題による変奏曲
ヴィラ=ロボス : 前奏曲第1番、ガヴォット・ショーロ、ショールス第1番
バルバラ : ゲッティンゲン  キケ・シネシ : 澄み切った空
ラヴェル : 亡き王女のためのパヴァーナ  モレーノ・トロバ : マドローニョス


<二重奏>
いずみたく : 見上げてごらん夜の星を
中村俊三 : フゲッタ、 ブロークン・カップ


<合奏>
カルリ : ギター協奏曲ホ短調作品140 (独奏=久保田浩)





ぜひお気軽に

 いつも通り入場無料で、特に予約の必要もありません。ぜひお気軽にお越しください。
第3回ICG演奏会

10月27日(木) 14:15~  石岡市ギター文化館

入場無料



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3年ぶりに開催

 ICG(Ibaraki University Ckassical Guitar Club)は私と同期の茨城大学クラシック・ギター部の卒業生で行っているギター・アンサンブルですが、今月27日にギター文化館で演奏会を行います。

  2018年から始まり、翌年の2019年にも演奏会を行いましたが、2020、2021年とコロナ蔓延で行うことが出来ず、今年3年ぶりに演奏会を行います。

 曲目はチラシからも読み取れると思いますが、以下の通りです。



<合奏>
碧空(リクスナー)
パリの空の下(ジロー)
いい日旅立ち(谷村新司)
コーヒー・ルンバ(ペローニ)
アリア~管弦楽組曲第3番より(バッハ)
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク(モーツァルト)
ペルシャの市場にて(ケテルビー)

<二重奏>
フーガ(ヘンデル)
フール・オン・ザ・ヒル(レノン&マッカートニー ブローウェル編)
火祭りの踊り(ファリャ)

<独奏>
グラン・ホタ(タレガ)





昔やった曲が多いが

 再結成的なアンサンブルなので、曲目はやはり昔演奏した曲が多くなりがちなのですが(コーヒー・ルンバ、ペルシャの市場など)、今回は若干昔やらなかった、新たな曲もプログラムに入っています。


お気軽にお立ち寄りください

 なお、二重奏は私と圷英子さん、独奏は私です。 入場無料で、とくに 予約の必要もありません、ぜひお気軽にお立ち寄りください。 ・・・・・場所的には気軽の立ち寄るところでもないかも知れませんが。 開演時間は2:15と、やや中途半端な時間になっているのは、最近バスの(関東鉄道)の時刻が変わったことによります。 

 ギター文化館の場合、基本的に車で来る人が多いのですが、電車、バスの場合はJRはとり駅から関東鉄道バスに乗ります。発車時間やバスの乗り降りなど、詳しいことはギター文化館のホーム・ページをご覧ください。石岡駅からだとバスはなく、タクシーということになります。
中村俊三ギターリサイタル ~ギター文化館を応援しよう


 9月16日(金)14:00  石岡市ギター文化館


曲目解説 6




フェデリーコ・モンポウ : プレリュード、カンション ~コンポステラ組曲より  



隣国とは

 フランス音楽の次はスペイン音楽です、やはりスペイン音楽とギターとの関係は深いですね。 フランスとスペインはお隣同士ですので、似たようなところもあれば、また違う点もあります。お隣同士の国といえば、仲がいい場合もあれば、そうでない場合もありますね。

 わが国の場合も他人事ではない面もありますが、そこはちょっと置いておいて、フランスとドイツは過去に何度も戦争していて、若干 ”うまがあわない” ところもあるのでしょう(今現在はそうでないといいのですが)。音楽においてもドイツ音楽とフランス音楽は対照的なものとなっています。



相思相愛?

 その点、フランスとスペインは、多分ナポレオン戦争以来戦争はなく、少なくとも ”犬猿の仲” ではなさそうです。 スペイン出身で、パリに留学し、またパリで活動したという音楽家もたくさんいますし(ソルもその一人)、またフランスの作曲家で、スペイン風の音楽を作曲した人もたいへん多いです。 その例としては、ラヴェルの「スペイン狂詩曲」、「ボレロ」。 シャブリエの「スペイン狂詩曲」。 ラロの「スペイン交響曲」などが挙げられます。

 フランスの音楽家にはスペインへの憧れみたいなものがあったようですが、その一方で、スペインの作曲家、特に近代以降の作曲家はドビュッシーなどの印象派音楽の強い影響を受けています。 ギターでお馴染みのスペインの作曲家、マヌエル・ファリャ、ホアキン・トゥリーナ、そしてこのフェデリーコ・モンポウなどがその例です。



ただ茶色い大地が拡がる

 しかし、フランス印象派の影響を受けたと言っても、やはりスペインの音楽はフランス音楽とだいぶ異なります。何十年か前にスペインに旅行に行ったことがありますが。3月頃だったこともあってか、スペインの大地には緑が非常に少なく、たまにややくすんだ緑のオリーブをみかけるくらいです。

 また林とか畑地とかもほとんどなく、一面に茶色い地面がずっと遠くまで続いている感じでした。スペインはアフリカと同じ風土という話もあって、たいへん乾燥したところであるは確かでしょう。 その分日差しも強く、日の当たっているところと当っていない所の差が激しいです。



スペインの光と影

 スペインという国を形容する言葉として 「光と影」 というものがあります。この言葉はそうしたことからきているのでしょう。 このことは音楽にも当てはまり、スペインの音楽は暗いものはより暗く、明るいものは底抜けに明るい傾向があります。

 その点フランス音楽はめちゃくちゃ明るくはないが、暗くもない、常に淡い中間色的です。確か2~3日パリにいましたが、その間ずっと、雨が降っている訳でもなく、晴れている訳でもなく、なんとなくどんよりした日、そんな感じでした。



神秘的な世界

 この「コンポステラ組曲」にも印象派音楽の影響が強く表れていますが、フランス音楽のように中間色で、浮揚感というより、暗く、神秘的な感じがします、不思議な世界観ですね。

 モンポウは主にピアノのための作品を書きましたが、ほとんどの曲が静かな感じの曲となっています。華やかな曲というものがほとんどないようですね。 この「コンポステラ組曲」 はスペイン北西部にあるキリスト教の巡礼地の一つとなっているコンポステラという町で行われていたマスター・クラスで、アンドレス・セゴヴィアと出会い、1962年にセゴヴィアのために書かれた作品です。

 この組曲は6曲からなりますが、今回演奏するのは第一曲「プレリュード」と第5曲「カンション」です。




フェデリーコ・モレーノ=トロバ : マドローニョス



江戸っ子ならぬマドリッド子?

 マドローニョスとは生粋のマドリッド人を指す言葉だそうで、”江戸っ子” みたいなイメージなんでしょうか。 江戸っ子といえば粋でいなせである一方、”宵越しの金はもたねえ” とかやたら熱い風呂に入るとか、蕎麦のつゆはほんのちょっとだけつけるとか、変なところにこだわったりしますね。



光の部分

 ”マドリッド子” のほうはどうかわかりませんが、おしゃれで、こだわりが強く、人情にも篤いと、江戸っ子とちょっと似た面もあるようです。 こ曲はそうしたマドリッド子を描いた作品とされ、軽快なリズムで明るい曲です。 






イサーク・アルベニス : キューバ、 セビージャ (スペイン組曲作品47より)


ギターではおなじみの作曲家

 アルベニスは19世紀末から20世紀初頭にかけてのスペインの作曲です。「アストゥリアス」、「グラナダ」、「入り江のざわめき」 などギターではおなじみの作曲家ですね。作曲したのは主にピアノ曲ですが、実際にはピアノで演奏されるよりもギターで演奏される方が多いという作曲家です。

 「スペイン組曲作品47」 は、前述の「アストゥリアス」、「グラナダ」、そして今回演奏する「セビージャ」など、アルベニスの作品の中では、ギターで最もよく演奏される曲が含まれます。 原曲どおり、ピアノで演奏されることも、まあまあありますが ・・・・・本来逆だが。



8曲からなる組曲として完成するはずだったが

 この組曲は 1.グラナダ  2.カタルーニャ  3.セビージャ  4.カディス  5.アストゥリアス  6.アラゴン  7.カスティーリャ   8.キューバ の8曲で構成されているのですが、若干いわくつきで、アルベニスはこれらのうち最初の4曲、つまりグラナダ、カタルーニャ、セビジャ、カディスまでを作曲したところで他界してしまいました。

 しかし曲名だけは8曲とも生前に決め、最終的にこの8曲で出版する予定だったようです。つまり曲名だけが決まっていて、中身のほうは作曲されないままになってしまったのですね。 



出版社で他の作品を当てはめた

 アルベニスの没後、出版社のほうでこの作品をそのままにしておくのはもったいないと、アルベニスの他の作品の中から適当なものを選んで、その曲名に当てはめて全8曲の組曲に完成して出版しました。 アストゥリアス、アラゴン、カスティーリャ、キューバの4曲は、もともと別の組曲の曲だったり、あるいは単独の作品だったもので、曲名も違うものが付けられていました。

 ギターでよく演奏されるアストゥリアスも本来は「スペインの歌」の「プレリュード」だったのですね。 しかし皮肉にも、結果的にはこの組曲が他の組曲などよりも有名になってしまったのですね。



中身はキューバに関係なさそう

 今回演奏する「キューバ」もこの ”後から編入された” 曲なのですが、元の曲名とかは何だったかちょっと忘れました(調べればわかることだが)。 そのような関係なので、曲名と中身はほとんど関係がなく、特にキューバ風の音楽というわけではありません。 スペイン組曲にいきなりキューバが出てくるのはピンとこない所と思いますが、キューバはスペインの植民地だったのですね。

 曲のほうは8分の6拍子、変ホ長調で書かれ、軽快なリズムの曲です。 変ホ長調(♭3つ)では弾きにくいので、マヌエル・バルエコは半音上げてホ長調にしています。 一方、私のアレンジでは半音下げてニ長調にしています。



フラメンコのリズムで

 セビージャのほうはもともとこの曲名で作曲されたので、中身と曲名はある程度関係あるでしょう。おそらくセビージャナスというフラメンコのリズムで書かれているのではないかと思います。 フラメンコにあまり詳しくないので、はっきりしたことはわかりませんが。



フランスの淡い光とスペインの光と影

 華やかな曲で、まさにスペインの ”光” といったところです。 ・・・・・後半のプログラムはフランスの淡い光から始まり、スペインの影からまばゆい光へ・・・・・・    まあ、そんな感じになっているのですが。



ぜひご来場を!

 以上で解説終了です。 まだまだ空席があると思いますので、気が向いた方はぜひご来場ください。 入場料はギター文化館への支援金となります。
中村俊三ギターリサイタル ~ギター文化館を応援しよう


9月16日(金)14:00



曲目解説 5




M.ラヴェル : 泣き王女ノためのパヴァーヌ



フランス印象派の音楽

 後半のプログラムはフランスとスペインの音楽です。 ラヴェル、ドビュッシーといえば印象派の音楽とされています。 印象派といえば、一般的には音楽より絵画の方がよく知られています。セザンヌ、マネ、ルノアール、モネなどが有名ですね。 印象派絵画の特徴としては、明るい色とか浮揚感とかがありますが、そういった点では音楽も絵画も共通している部分もあるように思います。

 古典的、あるいはロマン派的な音楽においては、協和音と不協和音を明確に区別し、不協和音は基本的に不快なものであるから、必ず協和音へと進む、つまり ”解決” をしなければならないことになっています。和音の不協和度が強ければ強いほど、その解決へと進む力は大きくなり、そのことにより、音楽によりいっそうダイナミズムが生まれるということになります。



ダイナミズムよりは浮揚感

 そういった意味では印象派の音楽では協和音と不協和音の概念がやや曖昧です。したがって和声的解決によるダイナミックな進行にはあまりこだわらず、力強さよりは浮揚感、あるいは濃厚な響きよは透明感が特徴となります。

 ラヴェルののこの「亡き王女のためのパヴァーヌ」はは比較的初期の作品だそうですが、「ボレロ」と並んでラヴェルの作品としてはよく知られています。 当初はピアノのために作曲されましたが、評判がよかったため、ラヴェル自身でオーケストラに編曲されており、オーケストラ曲としても親しまれています。 またヴァイオリン、フルート、ハープなど様々な楽器に編曲され演奏されています。



教会旋法ぽいところも

 原曲はト長調ですが、メロデイは主音の「ソ」よりも3度上の「シ」に落ち着く傾向があって、教会旋法の一つである「フリギア調」のようにもなっています。そうしたところもこの曲の浮揚感に繋がっているでしょう。 色合いとしては原色系ではなく、まさにパステル・カラーといったところでしょうか。

 ギターへのアレンジは私自身によるもので、ト長調を2度上げてイ長調にしています。といっても原曲からすると7度低くしていると言った方がよいかもしれません。この調だとハーモニック奏法がうまく使えます。 メロディの美しさに加え、響きの美しさも味わい深い曲です。





E.サティ : ジュ・ト・ヴ(あなたが欲しい)



梨の形をした前奏曲?

 エリック・サティは印象派の音楽家とはされていませんが、ドビュッシー、ラヴェルと同世代のフランスの音楽家です。非常に個性的な作曲家で、ロマン派とか新古典派とか言われることもあるようですが、そのような ”なんとか派” といったことはあまり似合わなそうな音楽です。

 サティの作品は、主にピアノ曲ですが、「犬のためのぶよぶよした前奏曲」、 「干からびた胎児」、 「梨の形をした前奏曲」 などよく意味の分からに曲名が多いです。

 この 「ジュ・ト・ヴ」 はカフェで歌われるシャンソンとして作曲されましたが、ピアノ曲としても出版されています。 なとなく19世紀末から20世紀初頭にかけて、まさに黄金期であった芸術の都パリの香りがする・・・・・かな?





Cドビュッシー : 亜麻色の髪の乙女(前奏曲集第1巻第8曲)



まさに天才としか

 ドビュッシーのおなじみの曲です。 シンプルな曲だが、ともかく美しい。 音に全く濁りを感じさせませんね。 シンプルで、美しく、透明感のある音  ・・・・・・・まさに天才としか言いようはない。   

 ドビュッシーといえば印象派の音楽家を代表する人、いや、本当に印象派の音楽家と呼べるのはドビュッシーしかいないのかも。 ラヴェルも印象派の音楽家の一人とされますが、それでも伝統的な音楽というか、ロマン派的な音楽を踏襲している部分も少なくありません。そういった意味ではドビュッシーはそれまでの音楽を一掃し、全く新しい音楽を開拓した人といえるでしょう。

 ドビュッシーはアンチ・ロマン派、 アンチ・ドイツ音楽 の旗手といったところですが、しかしドビュッシーは若いころ熱狂的なワグネリアンだったとか。 ・・・・・決して食わず嫌いというわけではなかったようです。