ギター独奏曲集
この7枚組のアルバムの中の1枚は、私たちには馴染みの深いギター独奏曲集になっています。曲目については皆さんもよくご存知と思いますので、詳しい説明は省きますが、ヴィラ・ロボスの全ギター独奏作品である以下の曲が収録されています。
5つの前奏曲 (1940年)
ブラジル民謡組曲~5つのショーロ (1912年~1923年)
12の練習曲 (1929年)
ショールス第1番 (1920年)
最近発見され、話題となったもう一つの「ヴァルサ・ショーロ」は含まれていません。また「ショールス第1番」はショールス集のところにも、別のギタリスト(Favio Zenon)の演奏が収録されており、このアルバムの中には二人のギタリストによる演奏が収められています。
演奏は、Anders Miolin と言うスウェーデンのギタリストですが、たいへん譜面をよく読みこみ、ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現しているように感じました。例えば、有名な「前奏曲集第1番」では、セゴビアを始め、多くのギタリストがやるように伴奏部分のリズムを崩して演奏したりせず、イン・テンポを基調とし、楽譜の指示に従って必要な分だけルバートしています。

ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現
もちろん演奏の良し悪しなどと言うのは聴く人によって様々で、どういった演奏を高く評価し、また共感するかはかなり違うところだと思います。ただこれまで様々なヴィラ・ロボスのギター以外の作品を聴いた後でこの演奏を聴くと、このギターための作品と他のジャンルの作品とのギャップみたいなものはあまり感じません。つまりアルバム、すなわち「ヴィラ・ロボス作品集」としての一貫性が感じ取れます。
この演奏ではルバートなどを控えめにしている他、全体にテンポはゆっくり目に取られています。特に練習曲などでは一般に自らの技術の高さをアピールすべく、必要以上に速く弾く傾向がありますが、ここではそうしたことは避けられ、その曲の要求するテンポに適切に従っているように感じます。おそらくこのギタリストはこれらの作品を演奏する時に、「ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現する」ということを最優先に考えているのではないかと思います。
奇をてらったものではない
私たちは、これまで、ヴィラ・ロボスのギター作品、特に練習曲集などは、斬新的で、シャープな響きの音楽、あるいはギターの演奏技術の新境地、などと考えて、何となく非日常的な音楽といったイメージを持ってきました。しかしこの演奏を聴いていると、何かもっと素朴でロマンティックな音楽、少なくとも”奇をてらう”音楽とか、ましてグロテスクな音楽ではありえないと思えてきます。
そう考えるとこれまでよく聴かれたような、異常なスピードで演奏したり、不協和音をヒステリックに強調したり、あるいはその曲の内容よりも自らの技術のアピールの方に重点を置いた演奏というのは、ヴィラ・ロボスの音楽の本当の姿とは若干違ったものにも思えてきます。
ギタリストならば
私自身はヴィラ・ロボスの独奏曲集は、7~8種類ほどCDを持っていますが、その中では、いろいろな意味でこの演奏が最も私自身のヴィラ・ロボスのイメージに近いと感じました。また他のジャンルのヴィラ・ロボスの作品との整合性も最もあるのではないかとも感じます。前述のとおり、どういった演奏を好むかはもちろんその人次第ですが、ヴィラ・ロボスの音楽に取り組んでいる人、あるいはこれから取り組もうとしている人には是非聴いてほしいと思う演奏です。
このアルバムはCD7枚組で、ヴィラ・ロボスの二つの代表作、「ショールス集」と「ブラジル風バッハ」それぞれ全曲とギター独奏曲全曲、およびショールスの名の付いた作品数曲、さらに「ショールス第1番」は2種類の演奏 ・・・・といった内容で確か価格は5000円台。ギター愛好家ならぜひとも座右に置きたい一組! ・・・・・また宣伝になってしまいました。
この7枚組のアルバムの中の1枚は、私たちには馴染みの深いギター独奏曲集になっています。曲目については皆さんもよくご存知と思いますので、詳しい説明は省きますが、ヴィラ・ロボスの全ギター独奏作品である以下の曲が収録されています。
5つの前奏曲 (1940年)
ブラジル民謡組曲~5つのショーロ (1912年~1923年)
12の練習曲 (1929年)
ショールス第1番 (1920年)
最近発見され、話題となったもう一つの「ヴァルサ・ショーロ」は含まれていません。また「ショールス第1番」はショールス集のところにも、別のギタリスト(Favio Zenon)の演奏が収録されており、このアルバムの中には二人のギタリストによる演奏が収められています。
演奏は、Anders Miolin と言うスウェーデンのギタリストですが、たいへん譜面をよく読みこみ、ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現しているように感じました。例えば、有名な「前奏曲集第1番」では、セゴビアを始め、多くのギタリストがやるように伴奏部分のリズムを崩して演奏したりせず、イン・テンポを基調とし、楽譜の指示に従って必要な分だけルバートしています。

ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現
もちろん演奏の良し悪しなどと言うのは聴く人によって様々で、どういった演奏を高く評価し、また共感するかはかなり違うところだと思います。ただこれまで様々なヴィラ・ロボスのギター以外の作品を聴いた後でこの演奏を聴くと、このギターための作品と他のジャンルの作品とのギャップみたいなものはあまり感じません。つまりアルバム、すなわち「ヴィラ・ロボス作品集」としての一貫性が感じ取れます。
この演奏ではルバートなどを控えめにしている他、全体にテンポはゆっくり目に取られています。特に練習曲などでは一般に自らの技術の高さをアピールすべく、必要以上に速く弾く傾向がありますが、ここではそうしたことは避けられ、その曲の要求するテンポに適切に従っているように感じます。おそらくこのギタリストはこれらの作品を演奏する時に、「ヴィラ・ロボスの音楽を忠実に再現する」ということを最優先に考えているのではないかと思います。
奇をてらったものではない
私たちは、これまで、ヴィラ・ロボスのギター作品、特に練習曲集などは、斬新的で、シャープな響きの音楽、あるいはギターの演奏技術の新境地、などと考えて、何となく非日常的な音楽といったイメージを持ってきました。しかしこの演奏を聴いていると、何かもっと素朴でロマンティックな音楽、少なくとも”奇をてらう”音楽とか、ましてグロテスクな音楽ではありえないと思えてきます。
そう考えるとこれまでよく聴かれたような、異常なスピードで演奏したり、不協和音をヒステリックに強調したり、あるいはその曲の内容よりも自らの技術のアピールの方に重点を置いた演奏というのは、ヴィラ・ロボスの音楽の本当の姿とは若干違ったものにも思えてきます。
ギタリストならば
私自身はヴィラ・ロボスの独奏曲集は、7~8種類ほどCDを持っていますが、その中では、いろいろな意味でこの演奏が最も私自身のヴィラ・ロボスのイメージに近いと感じました。また他のジャンルのヴィラ・ロボスの作品との整合性も最もあるのではないかとも感じます。前述のとおり、どういった演奏を好むかはもちろんその人次第ですが、ヴィラ・ロボスの音楽に取り組んでいる人、あるいはこれから取り組もうとしている人には是非聴いてほしいと思う演奏です。
このアルバムはCD7枚組で、ヴィラ・ロボスの二つの代表作、「ショールス集」と「ブラジル風バッハ」それぞれ全曲とギター独奏曲全曲、およびショールスの名の付いた作品数曲、さらに「ショールス第1番」は2種類の演奏 ・・・・といった内容で確か価格は5000円台。ギター愛好家ならぜひとも座右に置きたい一組! ・・・・・また宣伝になってしまいました。
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