祝!! 日本代表アジア・カップ4冠
ついに優勝しましたね、前回は「オーストラリア若干優勢だが、どちらがかつかはわからない」といったようなことを書きましたが、内心日本のほうが勝つのではと思っていました(こうした結果が出たからいえることかも知れませんが)。サッカーの大会ではこのように苦戦を続けてきた方が良い結果を出せる可能性が高い、Wカップのスペイン代表もその例ではないかと思います。サッカーの大会に限らず人生でもよくあることでは。
決勝のプレッシャーか
それにしても何度も「やられた」と思うシーンがありましたね、特に試合開始当初の日本代表は固かったですね、ボール・コントロールやパスに小さなミスの連続で、連戦の疲れというよりは決勝のプレッシャーなのでしょうか。また足元だけでなく、判断も遅く、いつものワンタッチ・パスはほとんど見られませんでした。
ザッケローニの実力
それでも長友のいる左サイドからは何度かチャンスが作れていたのですが、右サイドはまったく機能せず。普段はテレビを見ていても興奮したりすることのない私ですが、思わず「柏木入れて、岡崎右に戻せ!」と叫んでいました。
ザッケローニは後半から岩政を入れて長友を前に出しましたが、ここからかなりよくなりましたね、相手のクロスに対しての守備が安定しましたし、長友の攻撃もより活発になってきました。これが決勝点を生み出した大きな要因だと思います。
川島がピンチを防ぐ度に
それでもピンチの連続で、前述のように「優勝を逃した」と何度も思う場面が何度もありました。それらをことごとく川島が防ぎ、それを重ねる度に、逆に優勝に近づいていったのでしょう。
決める男
でもやはりこ試合の最大の勝因は前田に代わって入った李が、最も大事なところで、最もすばらしいプレーをしたことでしょう、フリーとは言え、決して易しいシュートではありません。日本代表にとって、日本のサッカー・ファンにとって、また李選手自身にとって、極めて大きなボレー・ショートとなりました。
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昨日のコンサート
後になってしまいましたが、前回告知したとおり、昨日は日立市の神峰公園にある吉田正記念館でコンサートがあり、私も出演しました。この記念館の5階の展望カフェでコンサートが行われましたが、会場は超満員で、立ち見の方もかなりいて、たいへん申し訳なかったように思います。百数十名の方に聴きに来ていただきました。
当日はアンプ使用ということで、本来のギターの音を聴いてもらうことは出来ませんでしたが、会場の音響や聴衆の数などを考えるとやむを得なかったことでしょう。
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Petrit Ceku ~旧ユーゴ出身、2007年ミハエル・ピッタルーガ国際ギター・コンクール優勝

J.S.バッハ : ソナタBWV1003(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番)
ジュリオ・レゴンディ : 練習曲第6番、第4番
ヴィンセント・アスンシオ : ヴァレンシア組曲
ホアキン・ロドリーゴ : ギターのための牧歌
さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回は2008年の2月に録音されたペトリット・チェクのCDの紹介です。チェクは現在セルビア共和国のコソボ地区にあるプレズレンという町で、1985年に生まれました。チェクの生まれた当時はユーゴスラビアということになるのでしょうか、録音時には23歳です。
作らない自然な音
最初のバッハを聴き始めると、これまでのCDとちょっと違う感じがします、音色が違うのです。これまで紹介したCDで、は多少音質に違いはあってもほとんどのギタリストが磨きぬかれた美しい音を持っていました。その点このCDから聴こえてくるギターの音は決して汚いといったような音ではないのですが、いわゆる”美音”というか、ふっくらとした豊かな音とか、繊細で柔らかい音、あるいは明るくはじける音といったような音とは傾向が違うようです。若干細身で、練る上げたというよりは、作らない自然の音といったところかも知れません。
難解な曲のはずだが
さらにもう一つ「おや?」と思ったことは、このバッハの「ソナタ第2番」の第1楽章「グラーヴェ」はバッハの曲の中でも難解な曲だったはずなのですが、不思議と聴きやすい曲に聴こえます。その理由は低音の追加にあり、曲全体を通じて8分音符で低音が追加され、それによって和音もわかりやすく、自然に聴こえ、また音楽も自然に先に進むように聴こえます。
通奏低音付きのヴァイオリン・ソナタのよう
元々はこの曲はたいへん細かい音符で書かれ、また和声的にも難しい曲だと思うのですが、このアレンジでは何か通奏低音付きのヴァイオリン・ソナタを聴いているようで、耳に馴染み易いものになっています。因みにアレンジは演奏者自身のものではなく、Walter Despaljと言う人のものだそうです。
知性的な演奏
第2楽章の「フーガ」も若干の低音の追加と、多少ですが音域、音形の変更なども行っています。演奏者のチェクは、各声部の進行を的確に弾き分け、また対位法的な部分は明確に、16分音符などの装飾的なパッセージは軽めに弾いています。知性的な演奏と言えるでしょう。
旋律がオクターブ上
第3楽章の「アンダンテ」は、旋律(最上声部の)が1オクターブ高められています。しかし部分的にはポジションが高くなりすぎて演奏が困難になってしまいますので、そうした箇所はオクターブ上げずにオリジナルの音域のままにしてあり、また場合によっては旋律の形を若干変更しているところもあります。
第4楽章の「アレグロ」も適度に低音が追加され、ごくわずかですが、音域や音形の変更もあります。前半の最後に加えられた接続的な低音はなかなか印象的です。テンポはアレグロにふさわしく、速すぎも、遅すぎもしない速度でしょう。
レゴンディ : 二つのエチュード
1822年に生まれた、ジュリオ・レゴンディの作品はそれほど多く残されていませんが、このシリーズでフローリアン・ラルースが演奏していた「序奏とカプリッチョ」など最近ではよく演奏されています。練習曲は10曲余り残されていますが、概して難易度は高いものになっています。
このCDでは「第6番二短調」と「第4番ホ長調」を演奏しています。どちらもテクニカルな曲というより文字通りロマン派風のメロディを歌わせる曲になっていますが、演奏は決して容易なものではありません。メロディは高音を中心に歌われ、チェクはヴィヴラートも使用して美しい音で弾いていますが、やはり細身の音には聴こえます。
アスンシオ : ヴァレンシア組曲
この曲はスペインのヴァレンシア生まれの作曲家、ヴィンセント・アスンシオの作品で「プレリュード」、「カンツォネッタ」、「ダンサ」の3曲からなります。「スペインの光と影」などという言葉がありますが、その「影」をイメージさせる曲といえるでしょうか。「プレリュード」はアルペジオにのせてメロディを歌わせる曲。「カンツォネッタ」は歌うというよりは瞑想するような曲で、フリギア調によるものでしょうか。「ダンサ」はスペイン舞曲、つまりフラメンコ的な感じで、ロドリーゴ的な感じもします。
ロドリーゴ : ギターのための牧歌
「アレグロ」、「アンダンテ」、「アレグロ」の3曲からなる曲ですが、最初の「アレグロ」はロドリーゴ自身の「ファンダンゴ」や「小麦畑にて」、ファリャの「7つのスペイン民謡」などに似たようなパッセージが現れ、初めて聴いてもどこかで聴いたことのあるような曲です。「アンダンテ」はメランコリーな雰囲気の曲。最後の「アレグロ」は最初のものと雰囲気的には近いものですが、動きはより活発になり、ユーモラスな感じもします。
チェクは音量や音色の変化を適切に付けながらそういった曲想をよく出していますが、音色の幅としてはこのシリーズの他のギタリストよりは若干狭いようです。
ついに優勝しましたね、前回は「オーストラリア若干優勢だが、どちらがかつかはわからない」といったようなことを書きましたが、内心日本のほうが勝つのではと思っていました(こうした結果が出たからいえることかも知れませんが)。サッカーの大会ではこのように苦戦を続けてきた方が良い結果を出せる可能性が高い、Wカップのスペイン代表もその例ではないかと思います。サッカーの大会に限らず人生でもよくあることでは。
決勝のプレッシャーか
それにしても何度も「やられた」と思うシーンがありましたね、特に試合開始当初の日本代表は固かったですね、ボール・コントロールやパスに小さなミスの連続で、連戦の疲れというよりは決勝のプレッシャーなのでしょうか。また足元だけでなく、判断も遅く、いつものワンタッチ・パスはほとんど見られませんでした。
ザッケローニの実力
それでも長友のいる左サイドからは何度かチャンスが作れていたのですが、右サイドはまったく機能せず。普段はテレビを見ていても興奮したりすることのない私ですが、思わず「柏木入れて、岡崎右に戻せ!」と叫んでいました。
ザッケローニは後半から岩政を入れて長友を前に出しましたが、ここからかなりよくなりましたね、相手のクロスに対しての守備が安定しましたし、長友の攻撃もより活発になってきました。これが決勝点を生み出した大きな要因だと思います。
川島がピンチを防ぐ度に
それでもピンチの連続で、前述のように「優勝を逃した」と何度も思う場面が何度もありました。それらをことごとく川島が防ぎ、それを重ねる度に、逆に優勝に近づいていったのでしょう。
決める男
でもやはりこ試合の最大の勝因は前田に代わって入った李が、最も大事なところで、最もすばらしいプレーをしたことでしょう、フリーとは言え、決して易しいシュートではありません。日本代表にとって、日本のサッカー・ファンにとって、また李選手自身にとって、極めて大きなボレー・ショートとなりました。
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昨日のコンサート
後になってしまいましたが、前回告知したとおり、昨日は日立市の神峰公園にある吉田正記念館でコンサートがあり、私も出演しました。この記念館の5階の展望カフェでコンサートが行われましたが、会場は超満員で、立ち見の方もかなりいて、たいへん申し訳なかったように思います。百数十名の方に聴きに来ていただきました。
当日はアンプ使用ということで、本来のギターの音を聴いてもらうことは出来ませんでしたが、会場の音響や聴衆の数などを考えるとやむを得なかったことでしょう。
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Petrit Ceku ~旧ユーゴ出身、2007年ミハエル・ピッタルーガ国際ギター・コンクール優勝

J.S.バッハ : ソナタBWV1003(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番)
ジュリオ・レゴンディ : 練習曲第6番、第4番
ヴィンセント・アスンシオ : ヴァレンシア組曲
ホアキン・ロドリーゴ : ギターのための牧歌
さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、今回は2008年の2月に録音されたペトリット・チェクのCDの紹介です。チェクは現在セルビア共和国のコソボ地区にあるプレズレンという町で、1985年に生まれました。チェクの生まれた当時はユーゴスラビアということになるのでしょうか、録音時には23歳です。
作らない自然な音
最初のバッハを聴き始めると、これまでのCDとちょっと違う感じがします、音色が違うのです。これまで紹介したCDで、は多少音質に違いはあってもほとんどのギタリストが磨きぬかれた美しい音を持っていました。その点このCDから聴こえてくるギターの音は決して汚いといったような音ではないのですが、いわゆる”美音”というか、ふっくらとした豊かな音とか、繊細で柔らかい音、あるいは明るくはじける音といったような音とは傾向が違うようです。若干細身で、練る上げたというよりは、作らない自然の音といったところかも知れません。
難解な曲のはずだが
さらにもう一つ「おや?」と思ったことは、このバッハの「ソナタ第2番」の第1楽章「グラーヴェ」はバッハの曲の中でも難解な曲だったはずなのですが、不思議と聴きやすい曲に聴こえます。その理由は低音の追加にあり、曲全体を通じて8分音符で低音が追加され、それによって和音もわかりやすく、自然に聴こえ、また音楽も自然に先に進むように聴こえます。
通奏低音付きのヴァイオリン・ソナタのよう
元々はこの曲はたいへん細かい音符で書かれ、また和声的にも難しい曲だと思うのですが、このアレンジでは何か通奏低音付きのヴァイオリン・ソナタを聴いているようで、耳に馴染み易いものになっています。因みにアレンジは演奏者自身のものではなく、Walter Despaljと言う人のものだそうです。
知性的な演奏
第2楽章の「フーガ」も若干の低音の追加と、多少ですが音域、音形の変更なども行っています。演奏者のチェクは、各声部の進行を的確に弾き分け、また対位法的な部分は明確に、16分音符などの装飾的なパッセージは軽めに弾いています。知性的な演奏と言えるでしょう。
旋律がオクターブ上
第3楽章の「アンダンテ」は、旋律(最上声部の)が1オクターブ高められています。しかし部分的にはポジションが高くなりすぎて演奏が困難になってしまいますので、そうした箇所はオクターブ上げずにオリジナルの音域のままにしてあり、また場合によっては旋律の形を若干変更しているところもあります。
第4楽章の「アレグロ」も適度に低音が追加され、ごくわずかですが、音域や音形の変更もあります。前半の最後に加えられた接続的な低音はなかなか印象的です。テンポはアレグロにふさわしく、速すぎも、遅すぎもしない速度でしょう。
レゴンディ : 二つのエチュード
1822年に生まれた、ジュリオ・レゴンディの作品はそれほど多く残されていませんが、このシリーズでフローリアン・ラルースが演奏していた「序奏とカプリッチョ」など最近ではよく演奏されています。練習曲は10曲余り残されていますが、概して難易度は高いものになっています。
このCDでは「第6番二短調」と「第4番ホ長調」を演奏しています。どちらもテクニカルな曲というより文字通りロマン派風のメロディを歌わせる曲になっていますが、演奏は決して容易なものではありません。メロディは高音を中心に歌われ、チェクはヴィヴラートも使用して美しい音で弾いていますが、やはり細身の音には聴こえます。
アスンシオ : ヴァレンシア組曲
この曲はスペインのヴァレンシア生まれの作曲家、ヴィンセント・アスンシオの作品で「プレリュード」、「カンツォネッタ」、「ダンサ」の3曲からなります。「スペインの光と影」などという言葉がありますが、その「影」をイメージさせる曲といえるでしょうか。「プレリュード」はアルペジオにのせてメロディを歌わせる曲。「カンツォネッタ」は歌うというよりは瞑想するような曲で、フリギア調によるものでしょうか。「ダンサ」はスペイン舞曲、つまりフラメンコ的な感じで、ロドリーゴ的な感じもします。
ロドリーゴ : ギターのための牧歌
「アレグロ」、「アンダンテ」、「アレグロ」の3曲からなる曲ですが、最初の「アレグロ」はロドリーゴ自身の「ファンダンゴ」や「小麦畑にて」、ファリャの「7つのスペイン民謡」などに似たようなパッセージが現れ、初めて聴いてもどこかで聴いたことのあるような曲です。「アンダンテ」はメランコリーな雰囲気の曲。最後の「アレグロ」は最初のものと雰囲気的には近いものですが、動きはより活発になり、ユーモラスな感じもします。
チェクは音量や音色の変化を適切に付けながらそういった曲想をよく出していますが、音色の幅としてはこのシリーズの他のギタリストよりは若干狭いようです。
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