中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

1969年入学茨城大学クラシック・ギター部同窓会

 5月28日(土)と29日(日)に茨城大学クラシック・ギター部1969年入学の同窓会が、筑波山の青木屋ホテルで行なわれました。現地集合ということで、私はヤフー・マップを見て石岡方面から県道42号線で筑波山に向かったのですが、これがとんでもない道路! 


1.9メートル?

 筑波山に近づくにつれてだんだん傾斜が急になるのはやむを得ないとしても、道幅がどんどん狭くなり、途中の標識で”大型車通行止め”と”1.9メートル”の文字が目に入るが、その数字が何の意味かはよくわからない。先に進むと、ますます急勾配、急カーブで、ますます道幅は狭くなってくる、おまけに”もや”もかかり、頭上には樹が覆いかぶさってまるで夜のよう。どうやら先ほどの”1.9メートル”というのは道幅らしい。 うん? 車の幅ってどれくらいだっけ?


道を間違えたようだ

 そういえばさっき1台の車が道脇で止まってどこかに電話していた、おそらく道を間違えたと思い、引き返そうとしていたのかも知れない。どうやら道を間違えてしまったらしい。こんな県道あるはずがない。比較的直線のところで一度車を止めてみた。しかしUターンなど出来るはずもなく、先に進む以外に方法はない。どこに行くのかわからないが、登っている以上山頂の方だろう。


気が付くと心臓の鼓動が

 サイド発進したが、気が動転しているせいか、タイヤが空回りしてしまい激しく音を立てる、どうにか発進したが、ますます暗く、狭く、曲がり、路面は濡れ、勾配も急、よくは見えないが両脇は崖のよう。気が付かなかったが心臓の鼓動がだいぶ速くなっている・・・・ 



あれ?

 突然、本当に突然ですが、いきなり広く、平らで、明るいところに出ました。目の前には広い何本かの道路が交差している、どうやら”風返し峠”というところに出たらしい。



間違えたわけでなく

 ここで同級生に電話をしてなんとか目的地までたどりついた訳ですが、後から地図を見直してみると、道を間違えた訳ではなく、私が通った道路は正真正銘の”県道42号線”のようです。


正しくは

 正しく石岡方面から筑波山に行くには42号線から小幡付近から150号線に入り、つくばね国民宿舎の方からこの”風返し峠”に出なければならないようです。でもヤフー・マップにはその道路が記されてなく、また市販の地図でもその道筋はかなり遠回りになるので、地図だけ見たのでは誰しもこの42号線を直進してしまいそうです。


気を付けよう

 今更ながらに、こうしてパソコンの前に座っていられるのは幸運だったと思います。ハンドルさばきが多少なりとも狂えば脱輪では済まなかったのでは! 県道とインターネットの地図には気を付けよう!


・・・・・・・・・・・・・




まるで合宿

 前置きが長くなってしまいましたが、この1969年入学の「ギター部同窓会」は2002年に引き続き2回目となります。同期入部者は約50名ほどいましたが、そのうち3年間以上在籍した人は10数名でそのうち今回参加した人は8名でした。何分台風と梅雨前線で両日とも雨というわけで、外に出ることはあまり出来ず、部屋でおしゃべりの他はギターの合奏と、まるでかつての合宿のよう。



今でこそ話せる・・・・

 夜はもちろん宴会というわけですが、その後は部屋での”昔話の会”。当時は口に出せなかった話などもいろいろ飛び出して、ようやく終わりになったのは午前1:30。


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今回の同窓会の参加者8名
かつて茨大では、ギター部の女子部員は美女ぞろいと噂されていた。
40年前の話ですが・・・・


ミニ定期演奏会?

 29日にはギター文化館行き、私の独奏と圷英子さんとの二重奏を皆に聴いてもらったり、8人で前日の続きの合奏などを行ないました。40年の月日が嘘のような2日間でした。


大島さんのリサイタル

 なお29日の3時からは大島直さんのリサイタルがあり、結果的に大島さんの貴重なリハーサルの時間をいただいてしまいました。大島さんにはたいへん申し訳なく、また感謝しています。残念ながら同窓会の解散が遅くなってしまいリサイタルのほうは聴けなくなってしまったのですが、たいへんよいコンサートだったようです。
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アガり方いろいろ


あなたはどこにくる?

 アガリ方も人それぞれで、ステージでの演奏中に、指が震えたり、力が入り過ぎたりなど、主に指の方にその影響が来る人と、どちらかと言えば譜忘れの心配のほうが大きい人がいます。指が震える場合でもその影響は主に右手の方に現れ、左手のほうは多少震えたとしてもある程度弾けますが、ポジション移動の場合は、その距離感が狂ってフレットを外したりはよくするところでしょう。

 場合によっては「指」ではなく「足」が震えたりすることもありますが、私自身では若い頃経験がありました。この場合直接演奏に支障をきたさないこともありますが、聴いている人にわかってしまうと不安感を持たせてしまうので、やはり困ったことです。当時木製の足台を使用していたのですが、ガタガタと音がする可能性もあるので、それ以後はステージではスチール製の足台を使用することにしました。

 演奏時のトラブルとしては音の外れや、抜けよりも譜忘れの方が大きく、場合によっては演奏を中断しなければならなくなったり、極端な場合はその先が弾けなくなったりしますから、出来るだけ避けたいものです。しかし、この「譜忘れ」に関しては指の震えよりも対策は立てやすく、そうしたことを未然に防ぐ方法はあると思います。これらの点については後で詳しく書いてゆきます。



年齢によって

 年齢によってもアガリ方は異りますが、基本的に小さい子はアガるということを知りません。成長するに従って徐々にアガるようになるのですが、小学生低学年くらいからアガリ出す子もいれば、大学生くらいまでアガることとを知らない子もいます。

 繊細な感覚の子や、周囲を気遣ったりする子は比較的アガるようになるのが早いのですが、負けず嫌いの子もライバルたちを意識してアガリやすいようです。あまり周囲のことに関心がなく、マイ・ペースで「自分は自分、他人は他人」といったような子はアガるようになるのが遅いようです。



実力や経験にはそれほど関係がない

 ある程度の年齢、10代後半くらいになると、多かれ、少なかれほとんどの人はステージなどでギターを弾くとアガるようになります。これは前述のとおり、ギターの実力に関係なくそうなるようです。私の実感としてはギターが上手な人ほどアガるようにも思えます。しかしそうした実力者はやはりステージでも良い演奏をしますが、それはアガリ対策も十分に出来ているということなのでしょう。

 またその人のギター暦が長くなるほど、あるいはいろいろな経験を積むほどだんだんアガらなくなるのかというと、どうもそうでもないようです。あまりアガらないか、極端にアガるかは、その人の持って生まれた性格のようなものが最も関係してくるのでしょうが、過去にひどい経験をした人はアガりやすくなり、緊張する場でも上手くギターが弾けた経験がある人はあまりアガらなくなるといったこともあるでしょう。



発散するほうが

 男女の差も基本的にはあまりありませんが、女性の場合は出番前にはよく「困ったわ、私、緊張して弾けない」などと言いながら、演奏を始めると堂々と弾いている場合などがよくあります。反対に男性の場合は、あまり口や態度には出さないのですが、その緊張がストレートに演奏に出てしまうことがあります。緊張も内にためずに、発散する方がよいのかも知れません。



小さな会場のほうが

 普通大きな会場で、たくさんの人が聴いている場合のほうがよりいっそうアガると思われがちですが、これも単純にそうではないようです。意外と私の教室のスタジオで5~6人程度で発表会のリハーサルなどをやる時のほうが本番のホールでの演奏よりも緊張して上手く弾けなかったりします。

 少人数の場合や狭い会場のほうが聴いている人との距離が狭くなってしまうということもあるのでしょう。大きな会場でたくさんの人を前にする場合は自然とその距離も離れるので意外と弾きやすく感じます。またあまり聴いている人の人数が多いとかえって感覚が麻痺してあまり感じなくなるのかも知れません。



どうせならアガリきったほうがよい

 若干話が変りますが、演奏自体の出来としては、中途半端にアガるよりも極端にアガった時の方が結果的にはよいような感じがします。そのことも後であらためて述べると思いますが、極端にアガる場合、つまりコンクールや重大なコンサートなどの場合は、たいてい前もって練習などを十分にするでしょうし、リハーサルなどもやっておくでしょう、またステージに立った(座った)瞬間からアガるのではなく、かなり前から、場合によっては1ヶ月くらい前から緊張を感じはじめるので、演奏を始めたときには、すでに緊張になれてきている状態になっているとも言えます。

 その反対に気楽なコンサートやその場の流れでギターを弾くようになった場合などは、弾き始めてから急に緊張が来るので、その緊張感に慣れずに対応できなくなるようです。


<中村俊三のギター上達法>  アガらない薬



オレの実力はプロ並なのだが・・・・

 皆さんの中に、「オレはどうもアガリ性で、人前になると指が震えたり、ド忘れしたりしてなかなか上手く弾けない。ステージでの演奏ともなると心拍数は上がるし、もう普段の半分も弾けなくなってしまう。アガリ性でさえなかったらオレは相当弾けるのだけれどな・・・・ そこそこプロ並かも・・・・ でも自分ひとりの時にしか本領を発揮できないので、残念ながらそのことは誰にもわかってもらえない・・・・」などと日頃思っている方いませんか?

 思い当たる方はきっとたくさんいらっしゃるのではないかと思います。いやほとんどの人はそう思っているかも知れません。ステージでは絶対にアガらないとか、これまで1回もアガったことがないという人の方が圧倒的に少ないでしょう(そう言う人も稀にはいるようです)。



演奏の1時間前に3錠、漢方タイプも?

そんな時「アガリ防止剤」とか「演奏会用精神安定剤」などといった“アガらない薬”があったらいいのになとお思いの方もいるはず。演奏の1時間前に3錠飲めば、どんなに観客が多くてもステージで全く普段どおりにギターが弾ける錠剤とか・・・・ また漢方タイプもあって、即効性はないが、半年間毎日1包ずつ服用すると、徐々にステージでもアガリにくい体質に変り、また副作用もない・・・・ なんてそんな薬があったらいいですよね、もちろん私も真っ先に買いに行っているでしょうね。



未来のコンクールではドーピング検査?

もちろん現実にはそんな薬は販売されていません。もしそういったクスリがヤミで販売されるようにでもなったら、各コンクールではドーピング検査などが必須になるかも知れませんね、さらにそのドーピングをかいくぐるための薬が開発されたりして・・・・



縁が切れないなら上手く付き合ってゆくしかない

結局のところやはりアガリには自力で克服するしかない、久々となります今回の「ギター上達法」はこの「アガリ」に関してですが、先に申しておきますが、当記事を最後まで注意深く読んだとしてもステージでアガらないようにはなりません。それじゃ読んでもしょうがないから、こんな面倒くさそうな記事読むのやめとこう・・・・ などと言わず、まあ、少し付き合ってみてください。

 確かにアガらないようにはならないかも知れませんが、少なくともアガリ方のいろいろとか、アガった時のための対策とか予防、またアガルのは自分だけでないということを知るだけでもずいぶんと違ってくるように思います。これも以前書いた「ミス」と同じく縁を切ることが出来ないなら、何とか上手く付き合ってゆくしかありません。



アガらない薬、本当はある?

 ここまで書いてきて、ふと思い出したのですが、確か数年前現代ギター誌に熊沢さん(名前が違っているかも知れません)という医師でギター愛好家の方が「アガらない薬」のことを書いていて、ステージで指が震えたり、動悸を押さえる薬があるということで、ご自身でその薬を飲んで実際の演奏で試したということが書いてありました。一定の効果はあったようです。普通に買える薬で、特別な薬ではないと書いてあったように記憶しています(もちろん違法なクスリではない!)。

 一応その記事を探してみたのですが、見つかりませんでした。時間をかけて探せば見つかるとは思いますが、興味のある方は、申し訳ありませんが自分で探してみて下さい。ただしド忘れ的なことにはあまり効き目がないかも知れません。

      CDコンサート   選曲、話  中村俊三

21世紀のギタリストたち ~ナクソス:ローリエイト・シリーズより
      
      これを聴けば21世紀のクラシック・ギターがわかる!


6月5日(日) 14:00~17:00  中村ギター教室スタジオ
    聴講予約受付中



 前にお話したとおり、当ブログで紹介してきた「新進演奏家シリーズ」のCDによるコンサートを、6月5日(日)14:00~から私の教室で行ないます。あまり広いところではないので、定員は約10名といったところですが、興味のある人で聴きに来られる人はぜひ来てみてください。

 特に会費などはなく、時間はティー・タイムなどを含めば、約3時間くらいになると思います。もちろんCDの全部を聴く時間はないので、それぞれのギタリストの演奏のうち、印象的なものの1部分を聴くといった感じになります。

 聴講ご希望の方はメール、TEL、ブログ・コメント、または直接などの方法で連絡下さい。ただし今日現在で6名の方が予約しているので、あと5~6名といったところです。


 
 ・・・・CDコンサートをやるなどと言い出しながら、若干言いにくいことなのですが、私の持っている再生装置は、あえて皆さんに来ていただいて聴いてもらえるようなものではなく、心苦しい限りです。私の場合、ハードに回るべきお金がどうしてもCDの購入の方に回ってしまうのでしょう。

 それでもアンプとプレーヤーは高価なものではありませんが比較的最近のものですが、スピーカーのほうは、なんと40年近く前、1973年頃に買ったものです。「ダイヤトーン」などとその響きを懐かしく感じる人もいるでしょう。このスピーカーは一時期現役を離れ、しばらくは物置の中で眠っていたのですが、その後に買ったスピーカーがイマイチで、結局また現役復帰しました。もっともその現役復帰からもすでに20年くらい経ってしまいました。

 そういった若干残念な状況ではあるのですが、聴き様によっては1970年代の懐かしい響きを感じるかも知れません。またこれらのCDそのものの音質はかなり良いので、ある程度カヴァーしてくれるのではと思います。
石岡市ギター文化館で行なわれているシニア・ギター・コンクールは昨日の予選に引き続き、今日は本選会が開かれました。本選演奏曲と結果は以下のとおりです。


<シニア・エイジ(55才以上)>

第1位  種谷信一  モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(ソル)

第2位  鹿野誠一  ラルゴ(幻想曲第7番より)、タキラリ(南米組曲より~アジャーラ)

第3位  杉澤百樹  アストゥリアス(アルベニス)

第4位  見原邦子  ワルツ・ショーロ(ヴィラ・ロボス)

第5位  田中英夫  大聖堂(アウグスティン・バリオス)

第6位  中島和志夫 モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(ソル)



<ミドル・エイジ(35才以上)>

第1位  上原 淳  アリア(ロジー)、 舞踏礼賛(ブローウエル)

第2位  坂本 亮  ソナタK208(スカルラッティ)、 グラナダの花(アンヘル・バリオス)

第3位  小西邦明  ワルツOp.32-2(ソル)、 アランブラの思い出(タレガ)

第4位  中島 祝  アンダンティーノOp.31-5、 メヌエットOp.25(ソル)

第5位  守賀津雄  カンタータ第29番より第1曲シンフォニア、カンタータ第147番より第10曲コラール(バッハ)


 シニア・エイジでは第1回目から当コンクールに出場している種谷さんは落ち着いた演奏で第1位を獲得しました。2位の鹿野さんはたいへんよい演奏だったのですが、チューニングの乱れが惜しまれます。3位の杉澤さんはほぼノーミスに近かったのですが、和音などに入る前の中断が若干目立ってしまいました。

 ミドル・エイジでは昨年に引き続き「舞踏礼賛」を演奏した上原さんが、持ち前の重厚で美しい音とメリハリのきいた表現で1位となりました。2位の坂本さんもたいへんよい演奏で、上原さんとの差は僅差でしたが、音の細さなどで上原さんに1歩譲った形になりました。3位の小西さんの「アランブラの思い出」もなかなかきれいでした。

 守さんの「カンタータ第29番より第1曲シンフォニア」は聴いた限りではリュート組曲第4番(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番)のプレリュードに聴こえ、なぜこのような曲名にしたのかはちょっと疑問でした。確かに同じ素材を用いてバッハがこのシンフォニアを作っているのですが、守さんの演奏ではそのシンフォニアから編曲したもののようには聴こえませんでした。




 受賞された方本当におめでとうございます。何分今回は大震災の直後ということで、出場者も例年の半数にも及ばないといった状況でしたが、こうした状況にあってもあえて出場した方々を称賛したいと思います。しかし一方ではこのような状況で、例年通りには行かない点はいろいろあり、特にシニア・エイジのほうでは1位を出すべきかどうかという議論が審査員の中でありました。

 出場者の方々はそれぞれもっとよい演奏する力は十分あると思いますので、自分に合った曲を、正しい方法で勉強してゆくことが必要なのだろう思います。どの審査員も、「技術的に難しい曲を弾いた人が、より実力が高い」 ・・・・などとは全く考えません。

 またよりミスを少なく弾いた人が、より上位になるというわけでもありません。やはり日頃いかに正しくギターを学んでいるかと言うことが最も重要なことであると、藤井審査委員長をはじめ、審査員の方々の共通した意見でした。もちろん私も全く同感です。



 来年はいっそう多くの方々が出場されることを期待します。来年の課題曲もすでに下のように決定しています。



シニア・エイジ   アンダンティーノOp.31-5(F.ソル)

ミドル・エイジ   アメリアの遺言(カタルーニャ民謡~リョベート編)

   楽譜はどちらも「ギター名曲170選A」 ドレミ出版
 


ぜひチャレンジしてみて下さい。
 今日(5月4日)、石岡市のギター文化館で第6回シニア・ギター・コンクールの予選が行なわれました。予選を通過したのは以下の方々です。


シニアの部(55才以上)

種谷信一  中島和志夫  見原邦子  田中英夫  鹿野誠一  杉澤百樹



ミドルの部(35才以上)

上原淳   小西邦明   坂本亮   中島祝   守賀津雄



コンクール出場者は例年の半数以下になってしまいましたが、会場はいつもどおりの熱気に包まれていました。なお、ミドルの部では予選出場者全員が通過となりました。




 また17:00より宮下祥子さん、北口 功さん、藤井敬吾さんの3人のギタリストにより「マヌエル・カーノ・コレクションによる銘器コンサート」が行われました。演奏曲目と使用楽器は次のとおりです。


<宮下祥子>

悲歌風幻想曲作品59番  F.ソル
      使用楽器 アントニオ・パフェス(1795)


練習曲24番        D.アグアド 
マルヴィーナへ      J.K.メルツ
この道          山田耕筰~佐藤弘和編曲
      使用楽器 F.ゴメス・ラミレス


トゥリアエラ       R.ディアンス
  1楽章 ライトモチーフ ~ブラジルのタケミツ
  3楽章 クラウンダウン~サーカスのジスモ
      使用楽器  A.マリン(飛騨春慶塗)   



<北口 功>

クリスマスの歌
祈り
前奏曲ハ短調
神の愛に免じて施しを(最後のトレモロ)   以上 アグスティン・バリオス
      使用楽器  A.トーレス 1882



トロイメライ             シューマン(バリオス編曲)
      使用楽器  J.ラミレスⅠ 1912


セレナーデ
仮の宿
郵便馬車               シューベルト(メルツ編曲)
      使用楽器  D.エステソ 1923



<藤井敬吾>

幻想曲“別れ”          F.ソル 
      使用楽器  S.エルナンデス 1924
  

4つのマズルカ          F.タレガ 
      使用楽器  M.ロドリゲス 1952


グラナダの花
トナディージャ          アンヘル・ バリオス
      使用楽器  M.バルベロⅠ 1936    



<三重奏> 

グラナダ  アルベニス作曲(藤井敬吾編曲)

また、アンコール曲として 「オソレミオ」~藤井、 タンゴ・アン・スカイ(ディアンス) ~宮下、 ロンドンデリーの歌(武満編) ~北口が演奏されました。


明日の本選会は13:30より行なわれます。


 この「新進演奏家シリーズ」もかなり長くなってしまいましたが、今回は最終回としてこれらの14枚のCDの中から私自身の好みと誤解によるベスト3を、もちろん当事者の了承を得ず勝手に決めてしまおうと思います。
 
 「ベスト3」と言ってもそれは演奏の優劣などではなく、あくまでも私の趣向に合ったものと言う意味です。優劣といった意味では彼らはそれぞれ世界の最高ランクのコンクールで1位を(しかも複数)獲っているわけですから、14人とも当然同率1位ということになります。また私などには彼らの能力の優劣を見極められる力があるはずもありません。

 またそのギタリストの特徴などをたった1枚のCDなどで掴みきれるものではなく、生の演奏聴いたり、また別のCDを聴いたり、また別の楽器を使ったりすると全く違った印象を持つのは当然です、全く正反対の印象ということもあり得るでしょう。

 そう言ったわけで、私の偏向的ベスト3の発表! ・・・・と行きたいところですが、その前に惜しくもベスト3を逃したギタリストからの発表です(別に惜しくもないか)。  



次点  マルティン・ディラ

 このギタリストの音は本当に美しい。透明感があり、高貴さが漂います。1曲目、2曲目のロドリーゴとタンスマンの曲ではまさにそのとおり、単音が美しいだけでなく和音や重音も美しい。ポンセの「ソナタ・ロマンティカ」はこれまで聴いたどの演奏よりもすばらしく、曲の内容もしっかり伝わってきます。この曲の演奏の一つの指標になるのではと思います。

 当初は3位以内に考えていたのですが、最終的に外れてしまったのは3位以内のギタリストの演奏に比べて、どこかで強い印象を残しきれないものがあったのでしょう(相当勝手なことを言っていますが)。曲目などが違えばまた別のランキングになったのではと思います。



次点  トーマ・ヴィロトー

 この人の演奏はギター的というよりピアノ的な演奏を感じます。タンスマンの作品では曲の内容とも重なって、それが顕著に出ています。ヒナステラの「ソナタ」では音量の幅も大きく、またクリヤーに演奏され、頻繁に出てくる特殊奏法もたいへん効果的でとてもスリリングで面白く聴けました。一方、クライマックスでもコントロールを乱すこともありません。

 特殊チューニングの「トリアエラ」もたいへん印象的、このCDも迷った末での「次点」ですが、出来れば別の楽器での演奏も聴いてみたいと思いました。



  *音の美しいギタリスト

 前にも書いたとおり、音色の美しいギタリストは多く、その中でもラファエル・ミニャーロ、 ジェローム・ドゥシャーム、 ニルセ・ゴンザレスなどが挙げられます。ミニャーロはこの14人中でも一、二を争う美しい音の持ち主。ドゥシャームは何度か書いたとおり穏やかでくつろげる音。ゴンザレスのタレガの小品は「これぞギター」といった印象です。





第3位  アドリアーノ・デル・サル

 いよいよベスト3ですが、第3位は最も新しく発売されたこの「アドリアーノ・デル・サル」のCDです。聴きようによっては「何もそこまでしなくても」と思える演奏で、多くのギタリストが作曲家の意図や音楽の自然さを大事にしているところ、あくまでも自分の表現にこだわる演奏です。その気持ちの入れ方には一種の執念を感じます。

 その気迫に押されてのベスト3入りとも言えますが、何度か書いたとおり、演奏次第では長くて冗漫にも聴こえるソルの「幻想曲作品7」を、最後まで集中と好奇心を欠くことなく聴きとおすことが出来、さらにこの曲のすばらしさを再発見することが出来たということが、私がこの順位にした最も大きな理由です。

 表現にこだわるといっても、それは決して直感的なものではなく、その音楽を徹底して考え抜いた結果の表現といえるでしょう。「主題と変奏」が室内楽的に聴こえるのはその結果なのだと思います。またあえて言うまでもありませんが、タレガ、ロドリーゴ、モレーノ・トロバの演奏も秀逸です。



第2位  イリーナ・クリコヴァ

 クリコヴァの演奏についてはこれまで書いたとおり、豊かで弾力性のある音で、旋律の歌わせかたには特にすばらしいものがあります。テンポやアーティキュレーション、音色、音量など音楽表現上のすべてのことがその音楽の要請に応じて極めて適切に行なっているのでしょう。

 クリコヴァの演奏はヨーロッパの音楽の伝統を感じる、といったことも書きましたが、プロフィールによるとチェリストの母親により、幼少時から音楽を学んだとのこと。持って生まれた素質に加え、音楽的にはたいへん恵まれた環境にあったのでしょう。クリコヴァの演奏にはそれらのことがよく反映されています。

 ”新進ギタリスト”と言っても、クリコヴァはすでに十分に成熟したギタリストと言え、おそらくその演奏は多くのギター・ファンに支持され、また高く評価されてゆくものだと思います。21世紀のギター界をリードしてゆくギタリストになることは間違いないのでは。




第1位  フローリアン・ラルース

 このシリーズのギタリストは、「上手い」とか「技術が高い」などということは当然ですが、こんな感性を持ったギタリストがいたと言うことにはたいへん驚きました。まさに”想定外”のギタリスト! 思い過ごしかも知れないと何度か聴きなおしてみても、その印象は変らず私の中では他を圧倒しての1位。

 レゴンディの「序奏とカプリッチョ」は演奏次第ではなかなかよい曲なのではと思っていたのですが、これまで納得できる演奏には遭遇せず、やはり”イマイチの曲”かなと思っていたのですが、このラルースの演奏を聴いて、これこそ私の望んでいた演奏、いやそれをはるかに上回る演奏と感じました。まさに妖艶な魅力がほとばしる演奏。

 ホセの「ソナタ」はこれまで特に興味のある曲ではなかったのですが、ラルースの演奏で、その真価を初めて理解出来たように思います。またダンジェロの曲は”この世のもとは思えない”演奏。

 いずれこのギタリストの生演奏とか、別のCDを聴く機会もあると思いますが、それは楽しみではありますが、同時に聴くのが怖い気もします。生演奏を聴いてみたらまるで別人だった ・・・・そんなことにならなければ。




ギターの未来は明るい
 
 結局のところベスト3には2009年以降録音したCDが入りました。ということは年を追うごとにすばらしいギタリストが登場しているということになります。正しくは年々私の好みにあった演奏家が育っているということでしょうか。最近ともすれば暗い話題が多いのですが、ことギターの未来に関しては、極めて明るい ! 21世紀はまさにギターの世紀では。

 ギタリストだけでなくその作品も年々優れた作品が作られていて、ギターのレパートリーはますます充実してゆくでしょう。こういったことは同じクラシック音楽でもオーケストラやピアノなどにはあまり見られないことではと思います。重ねて言っておきましょう、 ギターの未来は明るい !!



CDコンサート

 といった訳でこの「新進演奏家シリーズ」の記事も終わりになりますので、前に言っていた「CDコンサート」を私のギター・スタジオでささやかに行ないたいと思います。日にち的には、6月5日(日曜日)を考えていますが、詳細については後日また案内させていただきます。特に会費等は考えていませんが、10名前後くらいで、時間はティー・タイムなどを含めて3時間くらいと考えています。対象者としては、当ブログを読んでいる方、当教室の生徒さんその他ということになります。