譜忘れの心配をするくらいなら
前回まではステージでの暗譜のトラブルの話でした。しかしステージで演奏する場合、どうしても譜忘れの心配が付いて回るということなら、いっそ暗譜ではなく、譜面を見て弾けばよいのではないかということになります。確かにそのとおり!
話はそれほど簡単ではない
なんだ、それで問題解決! と思うのはちょっと早計、話はそれほど簡単ではありません。譜面を見て弾いても途中でわからなくなることはよくありますし、ステージで譜面を見て弾くにはそれなりの要領と練習が必要です。譜面を正確に目で追って弾くこと自体人によっては難しいことですし、譜面を見ているとフレットを外しやすくもなります。少なくとも練習の段階だったら暗譜で弾いたほうがずっと簡単ということもあるでしょう。
楽譜を見ながら弾くのは不真面目?
また一般には、ピアノやギターのリサイタルでは暗譜で行なうのが通例で、ステージで譜面を見ながら弾くことは、特にプロの演奏家の場合、真剣さが足りないと思われたりするようです。しかし私自身はそうしたことはあくまで外見上の問題で、音楽や演奏の本質とは関係ない問題と考えています。結果がよければどちらでもよいのではと思います。
私自身の場合では、明らかに暗譜の方が弾き易いとか、暗譜でなければ弾けないという曲の場合は、もちろん暗譜で弾きます(十分準備をした上で)。しかし曲によっては視奏(譜面を見ながら弾く)でも全く問題ない、あるいはその方が良い演奏に繋がりやすいと思った場合は視奏します。
記憶のことばかりに頭を使いたくない
視奏で弾く曲の場合でも、実質上は暗譜している場合が多いのですが、前述のとおり、「完全な暗譜」と「とりあえずの暗譜」とでは大きな開きがあります。「完全な暗譜」をするということは、やはりかなりの時間と労力が必要となります(必要でないギタリストもいますが)。また演奏中も記憶を呼び起こすことにかなりの神経を使うことになり、表現のほうに意識が行かなくなることもあり、さらに私の場合、テンポの不安定に繋がることもあります。そうしたことから曲によっては“視奏”を選択しています。
視奏出来ない曲もある
逆に視奏出来ない、あるいは向かない曲としては、まずポジション移動が多い曲。視奏の場合どうしてもポジション移動の時にトラブルが発生しやすくなります。次にテンポの速い曲で、テンポが速い曲では目で譜面を追うことがかえって難しくなります。
かえってキケン
またどちらでも弾けるが、長年のレパートリーになっていて、暗譜で問題ないという曲もあります(例えば「アランブラの想い出」など)。しかしこういう曲の方のほうがかえってキケンということは前にも言ったとおりで、前述のとおり、しっかりとした暗譜対策は必要です。
バッハの平均律は、音楽の旧約聖書?
実際には暗譜で弾くのだが、気持ちを落ち着かせるために一応譜面を前に置いておく、などという場合もあります(いわゆる“お守り”的に)。有名なピアニストのリヒテルも、ステージでは平均律クラヴィア曲集の分厚い楽譜を表紙も開けずに前に置いていたのだそうですが、これなどまさに聖書に手を載せるようなものかも知れません。大ピアニストといえどもやはりステージというのは不安なのでしょう。
わからなくなってからでは遅い
またその曲は譜面がなくてもよいのだが、前後の曲の関係で譜面を置いておくなどという場合もあります。こうした場合でも“視奏”なのか“暗譜”なのかは、はっきりさせます。「とりあえず暗譜で弾いて、わからなくなったら譜面を見る・・・」 などというのは絶対に不可能です。暗譜で弾く頭の使い方と視奏のそれでは全く違うので、急には切り替え出来ません。また“わからなくなった場所”を演奏中に探すこと自体不可能です。視奏の場合は完全に最初から最後まで譜面を目で追う必要があります。
見るか、見ないか、はっきりさせる。 ページごとに決めることも
仮に譜面を前に置いたとしても(“お守り”せよ“いきがかり”にせよ)、暗譜と決めたら暗譜で弾き、当然それを前提に練習をします。ということは比較的早い段階でそのどちらかを決める必要があります。ただし1曲の中でも大きな段落で区切り、前半は視奏、後半は暗譜と決める場合もあります。
弾きやすい方を選ぶ
教室の発表会の場合ですが、教室によっては発表会は”必ず暗譜で”としているところもあるようですが、私の場合、基本的にその生徒さんの弾き易い方を選んでもらっています。傾向としては、小さい子や若い人(20代くらい)の場合は暗譜を、比較的年齢の高い人には視奏を薦めています。
前回まではステージでの暗譜のトラブルの話でした。しかしステージで演奏する場合、どうしても譜忘れの心配が付いて回るということなら、いっそ暗譜ではなく、譜面を見て弾けばよいのではないかということになります。確かにそのとおり!
話はそれほど簡単ではない
なんだ、それで問題解決! と思うのはちょっと早計、話はそれほど簡単ではありません。譜面を見て弾いても途中でわからなくなることはよくありますし、ステージで譜面を見て弾くにはそれなりの要領と練習が必要です。譜面を正確に目で追って弾くこと自体人によっては難しいことですし、譜面を見ているとフレットを外しやすくもなります。少なくとも練習の段階だったら暗譜で弾いたほうがずっと簡単ということもあるでしょう。
楽譜を見ながら弾くのは不真面目?
また一般には、ピアノやギターのリサイタルでは暗譜で行なうのが通例で、ステージで譜面を見ながら弾くことは、特にプロの演奏家の場合、真剣さが足りないと思われたりするようです。しかし私自身はそうしたことはあくまで外見上の問題で、音楽や演奏の本質とは関係ない問題と考えています。結果がよければどちらでもよいのではと思います。
私自身の場合では、明らかに暗譜の方が弾き易いとか、暗譜でなければ弾けないという曲の場合は、もちろん暗譜で弾きます(十分準備をした上で)。しかし曲によっては視奏(譜面を見ながら弾く)でも全く問題ない、あるいはその方が良い演奏に繋がりやすいと思った場合は視奏します。
記憶のことばかりに頭を使いたくない
視奏で弾く曲の場合でも、実質上は暗譜している場合が多いのですが、前述のとおり、「完全な暗譜」と「とりあえずの暗譜」とでは大きな開きがあります。「完全な暗譜」をするということは、やはりかなりの時間と労力が必要となります(必要でないギタリストもいますが)。また演奏中も記憶を呼び起こすことにかなりの神経を使うことになり、表現のほうに意識が行かなくなることもあり、さらに私の場合、テンポの不安定に繋がることもあります。そうしたことから曲によっては“視奏”を選択しています。
視奏出来ない曲もある
逆に視奏出来ない、あるいは向かない曲としては、まずポジション移動が多い曲。視奏の場合どうしてもポジション移動の時にトラブルが発生しやすくなります。次にテンポの速い曲で、テンポが速い曲では目で譜面を追うことがかえって難しくなります。
かえってキケン
またどちらでも弾けるが、長年のレパートリーになっていて、暗譜で問題ないという曲もあります(例えば「アランブラの想い出」など)。しかしこういう曲の方のほうがかえってキケンということは前にも言ったとおりで、前述のとおり、しっかりとした暗譜対策は必要です。
バッハの平均律は、音楽の旧約聖書?
実際には暗譜で弾くのだが、気持ちを落ち着かせるために一応譜面を前に置いておく、などという場合もあります(いわゆる“お守り”的に)。有名なピアニストのリヒテルも、ステージでは平均律クラヴィア曲集の分厚い楽譜を表紙も開けずに前に置いていたのだそうですが、これなどまさに聖書に手を載せるようなものかも知れません。大ピアニストといえどもやはりステージというのは不安なのでしょう。
わからなくなってからでは遅い
またその曲は譜面がなくてもよいのだが、前後の曲の関係で譜面を置いておくなどという場合もあります。こうした場合でも“視奏”なのか“暗譜”なのかは、はっきりさせます。「とりあえず暗譜で弾いて、わからなくなったら譜面を見る・・・」 などというのは絶対に不可能です。暗譜で弾く頭の使い方と視奏のそれでは全く違うので、急には切り替え出来ません。また“わからなくなった場所”を演奏中に探すこと自体不可能です。視奏の場合は完全に最初から最後まで譜面を目で追う必要があります。
見るか、見ないか、はっきりさせる。 ページごとに決めることも
仮に譜面を前に置いたとしても(“お守り”せよ“いきがかり”にせよ)、暗譜と決めたら暗譜で弾き、当然それを前提に練習をします。ということは比較的早い段階でそのどちらかを決める必要があります。ただし1曲の中でも大きな段落で区切り、前半は視奏、後半は暗譜と決める場合もあります。
弾きやすい方を選ぶ
教室の発表会の場合ですが、教室によっては発表会は”必ず暗譜で”としているところもあるようですが、私の場合、基本的にその生徒さんの弾き易い方を選んでもらっています。傾向としては、小さい子や若い人(20代くらい)の場合は暗譜を、比較的年齢の高い人には視奏を薦めています。
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