ロンド風ガヴォット ~リュート組曲ホ長調(第4番)BWV1006aより
リュート組曲第4番と呼ばれているが
バッハのリュートのための組曲は計4つあり、BWV996=第1番、 BWV997=第2番、 BWV995=第3番、 BWV1006a=第4番と一般に呼ばれていますが、これは以前にも触れた20世紀の音楽学者、H.D.ブルーガーが出版の際に付けた番号です。
この番号は、もちろんバッハ自身には関係なく、また特に根拠があってのことではないようです。新バッハ全集にはこの番号は付いていません。そうしたことで、最近ではこの番号では呼ばずに、BWV番号で表記することが多いようですが、ブルーガー番号のほうがピンと来ると言う人の多いのではないかと思います(私のその一人です)。
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番の編曲だが、何の楽器のための編曲か明記されていない
このホ長調の組曲は「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番BVW1006」からのバッハ自身による編曲です。この作品には、バッハの自筆譜が残されていますが(例のごとく鍵盤譜で)、何の楽器のための作品かは表記されていません。
かつてはチェンバロのための作品と考えられたこともあったようですが、内容的に鍵盤楽器ではあり得えないようです。またハープのための曲ではとも言われましたが、それもおかしいということで、旧バッハ全集では「楽器不明の作品」とされていました。
新バッハ全集になって、様々な研究の末、「リュートのための作品」以外にありえないと結論付けられたようです。
4つの組曲のうち最も華やかで、ギターとの相性もよい
リュートのための4つの組曲の中で、このホ長調のものが最も華やかで、そうした理由から前述のブルーガーも4つの組曲を閉める意味で、この組曲を「第4番」としたのでしょう。特にこの組曲のプレリュードは華麗なもので、バッハはカンタータのシンフォニアとしても転用しています。
またホ長調と言う調を考えると、リュートよりも、むしろギターの方にによく合い、ギターで演奏するのはとても自然のように思えます。
ガヴォットは人気の小品、セゴヴィアの愛奏曲でも
この組曲の第3曲「ロンド風ガヴォット」は、明るく親しみやすい曲で、バッハの作品の中でもたいへん人気のある曲です。ヴァイオリンでも古くから単独で演奏されており、ギターではセゴヴィアの愛奏曲にもなっていました(ただしセゴヴィアはリュートのための譜面からではなく、無伴奏ヴァイオリン・パルティータのほうから編曲しています)。なお「ロンド風」とは最初のテーマが何度か繰り返して登場する形の曲です。
リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロBVW998
バッハの自筆で「リュートのための」と書き込まれている
この作品はバッハの自筆譜も残され、またバッハのてによって「Prelude pour la Luth. o' Ce'mbal. ParJ.S.Bach」、つまり「リュート・チェンバロのための曲」と書き込まれています。正真正銘のバッハのリュートのための作品といえるでしょう。正確には”リュートの音の出るチェンバロ”のためですが、まあよしとしましょう・・・・・
ソナタの出来損ない?
この曲については前回のコンサート(アコラでの)の時にも書きましたが、この3曲セットというのも、ちょっと珍しい形で、フーガとアレグロの後にアンダンテなどの楽章が入れば立派に(?)”リュートのためのソナタ”となるでしょう。この作品は、本来ソナタになるはずだったのが、何かの事情でソナタになりきらなかったのでしょうか。
この形、意外といい
その辺のところはよくわかりませんが、しかしこの形で、長大なフーガの後、一気にアレグロへとなだれ込む感じは何ともスリリングで、バッハがあえてアンダンテなどのゆっくりした楽章を入れなかったと考えることも出来ます。
また演奏時間も13分前後ということで、コンサートのプログラムに入れやすく、そういったところもこの曲が現在たいへんよく演奏される理由の一つなのでしょう。
私の版だが
今回演奏する譜面のほうは私自身の版ということになりますが、基にした資料は、CDのオマケについていた旧バッハ全集の鍵盤譜(変ホ長調)と、現代ギター誌の2010年7月の臨時増刊号の鍵盤譜を通常ギターで弾く調に移調して一段譜にした譜面です(新バッハ全集による)。

現代ギター誌 2010年7月 臨時増刊号
この現代ギター社版は、一見普通のギター譜のようですが、全く編曲しておらず、原典の音をそのままギター譜にしたものです。この譜面には通常のギターにはない音域の低音(ミ以下の音)があったり、またどうやっても押さえられない和音も出てきます。また運指も全く付いていません。
これはなかなか便利
つまり購入者が自分でアレンジしないと演奏することが出来ないわけですが、でもこれは自分の版を作るにはとても便利なものです。また自ら編曲しなくとも、市販の実用版の比較検討にもたいへん便利です。なんと言ってもヘ音記号だのハ音記号だのを読まなくてすむし、また頭の中で移調しなくてもすむ。
バッハのリュート曲を練習しようと思っている人は是非購入してみるとよいでしょう。特に多弦ギター(7弦以上のギター)で弾く場合は最適です(また宣伝にになってしまったかな?)
リュート組曲第4番と呼ばれているが
バッハのリュートのための組曲は計4つあり、BWV996=第1番、 BWV997=第2番、 BWV995=第3番、 BWV1006a=第4番と一般に呼ばれていますが、これは以前にも触れた20世紀の音楽学者、H.D.ブルーガーが出版の際に付けた番号です。
この番号は、もちろんバッハ自身には関係なく、また特に根拠があってのことではないようです。新バッハ全集にはこの番号は付いていません。そうしたことで、最近ではこの番号では呼ばずに、BWV番号で表記することが多いようですが、ブルーガー番号のほうがピンと来ると言う人の多いのではないかと思います(私のその一人です)。
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番の編曲だが、何の楽器のための編曲か明記されていない
このホ長調の組曲は「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番BVW1006」からのバッハ自身による編曲です。この作品には、バッハの自筆譜が残されていますが(例のごとく鍵盤譜で)、何の楽器のための作品かは表記されていません。
かつてはチェンバロのための作品と考えられたこともあったようですが、内容的に鍵盤楽器ではあり得えないようです。またハープのための曲ではとも言われましたが、それもおかしいということで、旧バッハ全集では「楽器不明の作品」とされていました。
新バッハ全集になって、様々な研究の末、「リュートのための作品」以外にありえないと結論付けられたようです。
4つの組曲のうち最も華やかで、ギターとの相性もよい
リュートのための4つの組曲の中で、このホ長調のものが最も華やかで、そうした理由から前述のブルーガーも4つの組曲を閉める意味で、この組曲を「第4番」としたのでしょう。特にこの組曲のプレリュードは華麗なもので、バッハはカンタータのシンフォニアとしても転用しています。
またホ長調と言う調を考えると、リュートよりも、むしろギターの方にによく合い、ギターで演奏するのはとても自然のように思えます。
ガヴォットは人気の小品、セゴヴィアの愛奏曲でも
この組曲の第3曲「ロンド風ガヴォット」は、明るく親しみやすい曲で、バッハの作品の中でもたいへん人気のある曲です。ヴァイオリンでも古くから単独で演奏されており、ギターではセゴヴィアの愛奏曲にもなっていました(ただしセゴヴィアはリュートのための譜面からではなく、無伴奏ヴァイオリン・パルティータのほうから編曲しています)。なお「ロンド風」とは最初のテーマが何度か繰り返して登場する形の曲です。
リュートのためのプレリュード、フーガ、アレグロBVW998
バッハの自筆で「リュートのための」と書き込まれている
この作品はバッハの自筆譜も残され、またバッハのてによって「Prelude pour la Luth. o' Ce'mbal. ParJ.S.Bach」、つまり「リュート・チェンバロのための曲」と書き込まれています。正真正銘のバッハのリュートのための作品といえるでしょう。正確には”リュートの音の出るチェンバロ”のためですが、まあよしとしましょう・・・・・
ソナタの出来損ない?
この曲については前回のコンサート(アコラでの)の時にも書きましたが、この3曲セットというのも、ちょっと珍しい形で、フーガとアレグロの後にアンダンテなどの楽章が入れば立派に(?)”リュートのためのソナタ”となるでしょう。この作品は、本来ソナタになるはずだったのが、何かの事情でソナタになりきらなかったのでしょうか。
この形、意外といい
その辺のところはよくわかりませんが、しかしこの形で、長大なフーガの後、一気にアレグロへとなだれ込む感じは何ともスリリングで、バッハがあえてアンダンテなどのゆっくりした楽章を入れなかったと考えることも出来ます。
また演奏時間も13分前後ということで、コンサートのプログラムに入れやすく、そういったところもこの曲が現在たいへんよく演奏される理由の一つなのでしょう。
私の版だが
今回演奏する譜面のほうは私自身の版ということになりますが、基にした資料は、CDのオマケについていた旧バッハ全集の鍵盤譜(変ホ長調)と、現代ギター誌の2010年7月の臨時増刊号の鍵盤譜を通常ギターで弾く調に移調して一段譜にした譜面です(新バッハ全集による)。

現代ギター誌 2010年7月 臨時増刊号
この現代ギター社版は、一見普通のギター譜のようですが、全く編曲しておらず、原典の音をそのままギター譜にしたものです。この譜面には通常のギターにはない音域の低音(ミ以下の音)があったり、またどうやっても押さえられない和音も出てきます。また運指も全く付いていません。
これはなかなか便利
つまり購入者が自分でアレンジしないと演奏することが出来ないわけですが、でもこれは自分の版を作るにはとても便利なものです。また自ら編曲しなくとも、市販の実用版の比較検討にもたいへん便利です。なんと言ってもヘ音記号だのハ音記号だのを読まなくてすむし、また頭の中で移調しなくてもすむ。
バッハのリュート曲を練習しようと思っている人は是非購入してみるとよいでしょう。特に多弦ギター(7弦以上のギター)で弾く場合は最適です(また宣伝にになってしまったかな?)
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