前回、および前々回の記事で、この「セゴヴィアと同時代のギタリストたち vol.12」に収録されている録音からタレガ自身の録音、およびタレガの親密な弟子だったダニエル・フォルテア、ホセフィーナ・ロブレドの録音についてコメントしましたが、今回は他の録音にも触れておきましょう。
リョベットの4曲は以前紹介したもの
このCDに最初に収録されているのはリョベットの演奏による4曲ですが、これは1925~1929年に録音されたもので、以前に紹介したCDに収録されていたものと同じものです。
マジョルカ島出身で、タレガ弟子
Bartolome Calatayud(1882~1973)というギタリストのオリジナル曲(ハンガリー行進曲、ガヴォット)2曲が収録されています。このギタリストはマジョルカ島の生まれで、バレンシアでタレガに師事したと紹介されています。2曲とも舞曲らしく切れよく演奏しています。「ガヴォット」の方はタレガの「マリーア」に似た部分が出てきます。
「タレガの生涯」の著者でもあるプジョールは古楽の研究でも知られている
「タレガの生涯」の作者でもあるエミリオ・プジョールの演奏は、独奏が3曲(ミランのパバーナ)、歌曲の伴奏が3曲(ミランなど)、ギター二重奏が2曲(ファリャの粉屋の踊り、スペイン舞曲第1番)が収録されています。もちろんプジョールも若い頃からタレガの指導を受けたギタリストですが、その後ビウェラ音楽などの古楽の研究に進んだこともあってか、この演奏からはタレガ的なところはあまり感じ取れません。
本来の主役であるセゴヴィアの演奏は2曲
もともとこのCDの企画はセゴヴィアの中心としたものですが、その主役セゴヴィアの演奏は2曲だけ(ファリャの「ドビュッシー賛」、リョベットの「エル・メストレ」)収録されています。
現在では作曲者として知られているレヒーノ
レヒーノ・サインス・デラ・マーサの演奏は2曲(タレガの「マリーア」、バッハの「ブーレロ短調」)収録されています。1931年の録音ということですが、「マリーア」はタレガの演奏が脱落が多く、ほとんど曲になっていないので、その埋め合わせかも知れません。タレガ自身のものよりは速めに弾いていますが、SP盤の収録時間の関係か、曲全部を丸ごとリピートしています。
驚異のテクニックのローデス
Roita Rodes(1906~1975)はリョベットの弟子のようですが、セゴヴィアよりも13歳若く、このCDに納められたギタリストの中では最も若い(最近のと言うべきか)ギタリストのようです。タレガの2曲(グラン・ホタ、アランブラの想い出)を演奏していますが、「グラン・ホタ」は2分台の聴いたことのないバージョンで、私たちしているものよりもかなりテクニカルなものです。タレガの異稿なのか、演奏者のアレンジなのかはわかりません。

ロシータ・ローデス
「アランブラの想い出」はかなり速く、イエペスの演奏よりも4秒(3:01)ほど速く演奏していますが、きれいに粒が揃っています。相当なテクニシャンのようです。もしリョベットがタレガの曲を弾いていたら、こんな感じで弾いていたのでしょうか。
ワックス・シリンダーによる録音がもう一つ
このCDの最後はすでに紹介したタレガ自身の録音が収められているわけですが、その前にもうひとつ蝋管による録音が収録されています。
ソルの練習曲?
演奏はSimon Ramirezというギタリストで、「ソル(F.Sort)作曲練習曲と紹介されているようですが、曲は要するに「禁じられた遊び」です。録音時期は1897~1901年頃となっていますが、ノイズの彼方からかすかに「禁じられた遊び」のメロディが聴こえてきて、伴奏部分はほとんど聴こえません。

エジソンが発明した蝋管蓄音機
この曲はこの時代でもよく演奏されていたようだが、この頃から作曲者が曖昧になっていた
おそらくギターの録音として世界初のものだろうと紹介されていますが、確かにそんな感じです。それにしてもこの「禁じられた遊び」、この時代から有名な曲だったことが確認されます。それと同時に、少なくともスペインでは、この曲の作曲者が曖昧になってきているのも確かなようです。おそらくイエペスも誰の作品かわからず演奏していたのでしょう。
リョベットの4曲は以前紹介したもの
このCDに最初に収録されているのはリョベットの演奏による4曲ですが、これは1925~1929年に録音されたもので、以前に紹介したCDに収録されていたものと同じものです。
マジョルカ島出身で、タレガ弟子
Bartolome Calatayud(1882~1973)というギタリストのオリジナル曲(ハンガリー行進曲、ガヴォット)2曲が収録されています。このギタリストはマジョルカ島の生まれで、バレンシアでタレガに師事したと紹介されています。2曲とも舞曲らしく切れよく演奏しています。「ガヴォット」の方はタレガの「マリーア」に似た部分が出てきます。
「タレガの生涯」の著者でもあるプジョールは古楽の研究でも知られている
「タレガの生涯」の作者でもあるエミリオ・プジョールの演奏は、独奏が3曲(ミランのパバーナ)、歌曲の伴奏が3曲(ミランなど)、ギター二重奏が2曲(ファリャの粉屋の踊り、スペイン舞曲第1番)が収録されています。もちろんプジョールも若い頃からタレガの指導を受けたギタリストですが、その後ビウェラ音楽などの古楽の研究に進んだこともあってか、この演奏からはタレガ的なところはあまり感じ取れません。
本来の主役であるセゴヴィアの演奏は2曲
もともとこのCDの企画はセゴヴィアの中心としたものですが、その主役セゴヴィアの演奏は2曲だけ(ファリャの「ドビュッシー賛」、リョベットの「エル・メストレ」)収録されています。
現在では作曲者として知られているレヒーノ
レヒーノ・サインス・デラ・マーサの演奏は2曲(タレガの「マリーア」、バッハの「ブーレロ短調」)収録されています。1931年の録音ということですが、「マリーア」はタレガの演奏が脱落が多く、ほとんど曲になっていないので、その埋め合わせかも知れません。タレガ自身のものよりは速めに弾いていますが、SP盤の収録時間の関係か、曲全部を丸ごとリピートしています。
驚異のテクニックのローデス
Roita Rodes(1906~1975)はリョベットの弟子のようですが、セゴヴィアよりも13歳若く、このCDに納められたギタリストの中では最も若い(最近のと言うべきか)ギタリストのようです。タレガの2曲(グラン・ホタ、アランブラの想い出)を演奏していますが、「グラン・ホタ」は2分台の聴いたことのないバージョンで、私たちしているものよりもかなりテクニカルなものです。タレガの異稿なのか、演奏者のアレンジなのかはわかりません。

ロシータ・ローデス
「アランブラの想い出」はかなり速く、イエペスの演奏よりも4秒(3:01)ほど速く演奏していますが、きれいに粒が揃っています。相当なテクニシャンのようです。もしリョベットがタレガの曲を弾いていたら、こんな感じで弾いていたのでしょうか。
ワックス・シリンダーによる録音がもう一つ
このCDの最後はすでに紹介したタレガ自身の録音が収められているわけですが、その前にもうひとつ蝋管による録音が収録されています。
ソルの練習曲?
演奏はSimon Ramirezというギタリストで、「ソル(F.Sort)作曲練習曲と紹介されているようですが、曲は要するに「禁じられた遊び」です。録音時期は1897~1901年頃となっていますが、ノイズの彼方からかすかに「禁じられた遊び」のメロディが聴こえてきて、伴奏部分はほとんど聴こえません。

エジソンが発明した蝋管蓄音機
この曲はこの時代でもよく演奏されていたようだが、この頃から作曲者が曖昧になっていた
おそらくギターの録音として世界初のものだろうと紹介されていますが、確かにそんな感じです。それにしてもこの「禁じられた遊び」、この時代から有名な曲だったことが確認されます。それと同時に、少なくともスペインでは、この曲の作曲者が曖昧になってきているのも確かなようです。おそらくイエペスも誰の作品かわからず演奏していたのでしょう。
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