中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

クラシック・ギター名曲ランキング


なるべく主観を交えず

 さて、それでは今回は本当にランキングに入りましょう。「名曲」とは一般的に「優れた曲」ということも意味するでしょうが、ここでは「知名度の高い曲」または「人気のある曲」といった意味で捉えます。

 なるべく私の主観を含めないように努め、ランキング上位の曲についてはギターを趣味とはしない一般の人の知名度も考え、下位になるにしたがって、ギターに詳しい人の人気度といったものによってランキングしてゆこうと思います。




一般的にクラシック・ギターの曲として演奏されているもの

 また「クラシック・ギター」のカテゴリーについても厳密には定義しにくいものですが、これも一般的に現在クラシック・ギターで演奏されるもの、あるいはクラシック・ギターのコンサートのプログラムに載るもの、クラシック・ギターのCDに収録されるものといったことで考えます。



堂々と第1位から

 前述のとおり、なるべく自分の主観は交えないように心がけますが、なにぶんはっきりとしたデータや根拠がないことなので、これも下位になるにしたがって若干の主観が紛れてしまうことはご容赦ください。それではテレビなどのように下位から発表するなどと言った姑息な手段はとらずに、正々堂々と第1位から発表して行きましょう。




<第1位>    禁じられた遊び (ロマンス、練習曲ホ短調 ~アントニオ・ルビラ)


20年ほど前に生徒さんにアンケートを行った

 クラシック・ギター曲の知名度ランキングということだったら、もう皆さんも1位と2位についてはおわかりと思います。後はどちらを1位とするかだけだと思います。

 客観的なデータはないと言いましたが、じつは20年ほど前、私の曲室の生徒さん25人に「クラシク・ギターの有名な曲、知っている曲を10曲まで書いてください」といったアンケートを行いました。

 これは基本的に「好きな曲」や「優れた曲」といったものではなく、「有名だと思う曲」「知っている曲」を書いてもらうといった趣旨で行いました。とはいってもやはり生徒さん自身の好みなどは含まれるものだったと思います。



「アランブラの想い出」が1位

 その集計では「アランブラの想い出」が満票の25票、「禁じられた遊び」が24票でした。さすがにギターを習っている人で「アランブラの想い出」を知らない人はいませんでした。

 一人の人だけ「禁じられた遊び」を書かなかったわけですが、これはもちろんこの曲を知らなかったわけではなく、この曲はクラシック・ギターの曲ではないと判断したか、あるいは内容的な問題で書かなかったのではないかと思います。



アランブラの想い出と言えど、一般的には絶対的知名度ではない

 といった訳で、実際にギターをやっている人では、クラシック・ギターを代表する曲としては、まず「アランブラの想い出」が挙げられるのは間違いないと思います。

 文字通りクラシック・ギターの看板曲といってよいでしょう。しかし特にギターに興味がない一般の人まで含めると、「アランブラの想い出」といえど、絶対的な知名度と言う訳には行かないようです。



一般の人の知名度を考えれば

 私のところにギターを習いにくる人で、これまで「禁じられた遊び」を知らなかった人はさすがにいなかったのですが(幼児などを除いて)、「アランブラの想い出」を知らない人は時折います。

 そうしたことから、クラシック・ギター曲の”知名度”と定義すれば、第1位は「禁じられた遊び」となるでしょう。



これまで何度か書いているが

 この曲の話については当ブログでも何度か書いていますし、また皆さんもよくご存じかなと思いますが、この際なので、一通りおさらいしておきましょう。

 まず日本でこの曲が知られるようになったのは、1950年、ルネ・クレマン監督による映画「禁じられた遊び」によってであるのは言うまでもないことでしょう。

 しかし、この曲は「禁じられた遊び」より前に、別の映画の音楽としても使われ、また戦前からこの曲の譜面を持っている人もいたようで、我が国で、全く知られていなかったわけではないようです。

 とは言え、ギターをやっている人も、やっていない人も、ほとんどの人はこの映画でこの曲を知ることになり、この映画の人気とともに、この曲の知名度や人気が高まり、そしてそれ以前は無名のギタリストだった、ナルシソ・イエペスも一躍著名なギタリストとなりました。


特に曲名表示もなく、自然に「禁じられた遊び」と呼ばれるようになった

 映画の中ではこの曲のタイトルなどは一切表示もなく、となればごく自然に、この曲が映画のタイトルの「禁じられた遊び」と呼ばれるようになります。

 そしてこの「禁じられた遊び」の影響により多くのギター・ファン、あるいはプロのギタリストが誕生したのも事実でしょう。



ギター世界初録音はこの曲だった、ただしソルの練習曲として

 この曲の原曲については一昨年の現代ギター誌に譜面が掲載されましたが(1920年頃アルゼンチンで出版されたもの)、19世紀のスペインのギタリスト、アントニオ・ルビラの「練習曲」ということになります。

 19世紀末から20世紀初頭頃では、特に南米やスペインでは結構有名な曲だったらしく、クラシック・ギターにおける、史上初録音(蝋管録音)の曲としてこの曲が選ばれています(CD入手可能)。そのアナウンスでは、どうも「フェルナンド・ソル」と言っているようです。


耳コピーで広まったのでは

 しかしおそらくこの曲を演奏したイエペスはこの曲の作曲者や正しい曲名はわからなかったようです。当時のスペインでは、この曲が、曲名や作曲者名がわからないまま有名になっていたようです。私の勝手な想像では、この曲は比較的シンプルな曲なので、楽譜がなくても演奏出来、伝言ゲームのように”耳コピー”で広まっていったのかも知れません。



原曲とはメロディは全く変わらないが、その他の点では若干違っている

 イエペスが弾いているものと現代ギター誌に掲載された1920年の譜面(おそらく原曲に近い)とを比べると、メロディは全く変わりなく、低音や和音が少し違っています。最も違うのはアルペジオの順番で、イエペスの演奏では①②③弦の順ですが、1920年版では①③②の順になっています。



漠然と聴けば大きな違いはない

 つまり伝言ゲームの際に、メロディは正しく伝わったが、和音や低音、そしてアルペジオの順には多少の誤差が生じたと言う訳です。これらの違いは漠然と聞けば特に違和感のない程度で、自分でこの曲を弾いていない限り、その違いには気づかない程度でしょう。特にアルペジオの順が違ってもほとんど印象には差はありません。



原曲、それとも流通版、どっちで弾く?

 しかし、これからこの曲を演奏する人(特にプロのギタリスト)はなるべくアントニオ・ルビラの原曲に近いほうで演奏するか。あるいはイエペスの演奏のコピーによる一般流通版で演奏するか迷うところでしょう。



今後この曲はどう呼ばれるようになるのか

 因みに、この曲の曲名としては、「禁じられた遊び」の他に、海外では「ロマンス」と呼ばれ、日本では「愛のロマンス」とも呼ばれます。またスペイン民謡とかイエペス作曲とか言われることもありますが、全く事実ではありません。

 作曲者の功績をたたえれば、アントニオ・ルビラ作曲「練習曲ホ短調」となるでしょうが、それが今後一般に認知されて行くのかどうかは、何とも言えないところでしょう。

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クラシック・ギターの名曲ランキング


かつてはリサイタルもLPも超有名曲が中心だった

 私がギターを始めた頃(1960~70年代)は、ギターのリサイタルというと、「アランブラの想い出」や「魔笛の主題による変奏曲」など、いわゆるクラシック・ギターの名曲を中心としたプログラムが主でした。ギタリストが違っても演奏する曲目はそれほど変わらなかったものです。

 LPも同様で、ギタリストが違っても、やはり同じような曲目のもの多く、LPを2~3枚くらい持っていると、そこそこ「クラシック・ギターに詳しい」と言うことも出来ました。





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私の最初のリサイタルのプログラム(1976年、25歳の時) 読めませんね、曲目を書き出しておきます。

ラモー : メヌエット
ガスパル・サンス : ガリヤルド
ヘンデル : サラバンド
スカルラッティ : ソナタホ短調
タレガ : アラビア風奇想曲、 アランブラの想い出
ソル : モーツァルトの主題による変奏曲

ヴィラ・ロボス : 練習曲第1番、第11番、第12番
グラナドス : スペイン舞曲第5番
アルベニス : 入り江のざわめき、グラナダ、アストゥリアス


 当時はこんなプログラムのギター・リサイタルは多かった。「アランブラ」、「魔笛」、「アストゥリアス」「スペイン舞曲」といった超有名曲が並んでいる。曲目を年代順に並べるのも、この時代の特徴。当時はヘンデルやスカルラッティなどのバロック時代の曲もよく演奏された。

 ヴィラ・ロボスの曲を、よく演奏される「前奏曲集」ではなく、当時まだそれほど演奏されなかった「練習曲」にしたのがやや工夫したところだが、こちらもその後たいへんよく演奏されるようになった。「魔笛」を序奏なしで演奏したり、最後に「アストゥリアス」を置いたりするのも当時の流行。結果的には1970年代というより、1960年代の典型的なギター・リサイタルのプログラムになっている。






最近では個性的なもの、コンセプトを持ったものが多い

 しかし時代を経るごとにだんだんそうしたものは、「工夫がない」とか「ありきたり」とかというように批判的に語られるようになり、最近ではもっと個性的なプログラムや、一つのテーマに絞った内容のもの主流となりました。

 ギタリストの技術も近年かなり上がって、プログラムも、また演奏内容自体もレヴェルが高くなっているわけですが、それは同時にかつてよりは聴き手にも高い鑑賞能力を要することにもつながっているでしょう。そういった意味では一般の人(特にギターやクラシック音楽に詳しくない人)には最近のギターのリサイタルやCDは、ややハードルの高いものになってきているかも知れません。

 そういった意味では、かつてはクラシック・ギターの曲といっても、少数の有名曲が中心で、ギター・リサイタルを聴きに行っても、またLPを買っても大体同じ曲なので、特にクラシック音楽に詳しくない人でも親しみを感じやすかったでしょう。

 

小数の有名曲よりポピュラー系の曲
 
 しかし現在のギタリストでも、当然クラシック音楽に詳しくない一般の人にでもアピールできるように、ということには気を配っています。ただしその方法がかつてのように小数のクラシック・ギターの超有名曲に走るのではなく、主にポピュラー音楽を取り入れる方向に進んでいるということです。
 
 最近ではロック、ジャズ、ボサ・ノバといったジャンルの曲をクラシック・ギターで弾くギタリストはたいへん多くなっています。1960~1970年頃はほとんどなかったことです。




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2011年の私のコンサートのチラシ。 こちらも曲目を書き出しておきましょう

マイヤーズ : カヴァティーナ
マンシーニ : ひまわり
イエペス編 : 禁じられた遊び
カラス : 第3の男
キング : スタンド・バイ・ミー
マッカートニー : レット・イット・ビー
シムス : チェンジ・ザ・ワールド
カーペンター : トップ・オブ・ザ・ワールド
ヨーク : 日曜、朝、曇り、 サンバースト
 
メルツ : かわいい変奏曲、ハンガリー幻想曲
ラウロ : マリア・カロリナ、 アディオス・オクマレ、 ベネズェラ風ワルツ第3番
バリオス 人形の夢、 蜜蜂、 大聖堂

 ポピュラー&クラシックというタイトルのコンサートだが、前半のプログラムには、年齢の高い人にも、若い人にも取り入ろうとする下心が見え隠れ(?)。メルツ、ラウロ、バリオスなどの曲もどちらかといえば最近人気が高くなっている曲。こう見ると私もだいぶ巷の流行に左右されているようだ。





禁じられた遊びでギターを始めるのは過去のこと

 かつてはクラシック・ギターを始めるきっかけとしては「禁じられた遊び」や「アランブラの想い出」などの超有名曲っだたわけですが、最近ではそうした有名なクラシック・ギターの曲に関係なく興味を持ち始める人も多くなっているのではと思います。

 そうしたことも最近ギターをやっていてもクラシック・ギターの曲がよくわからないという人を多くしている理由の一つかも知れません。

クラシック・ギターの有名な曲って?

Q : 最近クラシック・ギターを習い始めました。今現在は比較的簡単な練習曲といったものをやっていますが、クラシック・ギターの曲ってどんなものがあるのかよくわかりません。クラシック・ギターの有名な曲、あるいは定番的な曲にはどんな曲があるのか教えてください。

 また何かCDを買いたいと思うのですが、どれを買ってよいかわかりません。「これ1枚聴けばクラシック・ギターがわかる」といったようなCDがあったら教えてください。

                                            20代男性


A : 



先週になってしまったが

 もう先週になってしまいましたが、15日に東京国際ギター・コンクールがありましたね。今回はコンサートがあって行けませんでしたが、昨年時間オーバーで失格になってしまった、ウクライナのギタリスト、Topchiiが優勝したようです。

 やや記憶が曖昧なので、昨年の私のブログを読み直してみました、ブログってこんな時に便利ですね。そこには「音がちょっと遠いが、優勝してもおかしくない実力者、軽快さが目立つ」なんて書いていました。

 2位なしの1位だそうで、他を圧倒しての優勝だったようです。昨年よりさらに内容の優れた演奏だったのでしょう。会場は東京文化会館ではなく、キャパのやや小さいハクジュ・ホールだったそうで、そうした点も有利に働いたのかも知れません。

 来年はちゃんと出かけて、ギター専門誌とはちょっと違ったレポートを書きたいと思います。



バーチャルQが目白押し?

 いろいろあってこのバーチャルQ&Aもしばらくぶりになってしまいました。Windows8にも少し慣れたところで、そろそろ再開しましょう、バーチャル・クエスチョンもどしどし寄せられていますし(?)。



クラシック・ギターを習っていても、クラシック・ギターの曲がよくわからない

 さて、クラシック・ギターを始めたが、クラシック・ギターの曲がわからないといったことですね。確かにクシック・ギターを習う人は、今現在決して少なくはないと思いますが、しかし実際にクラシック・ギターに精通していたり、クラシック・ギターの曲が好きで、よく聴いているという人は決して多くはないでしょう。

 したがって、クラシック・ギタリストの本格的なリサイタルなどを聴きに行くと、さっぱりと聴いたことのない曲ばかり、解説などを聴いたり、読んだりしても何を言っているのかよくわからない・・・・・・ なんていうことはよくあるのではないかと思います。



メッシやクリ・ロナを知らないサッカー少年はいない

 またサッカーに例えて何ですが、サッカー・スクールで学んでいる子供たちにバルセロナFCやマンチェスターUの有名選手のことを聴いたら、おそらくかなり詳しく教えてくれると思います。サッカーをやるのは好きだが、テレビでサッカーの試合は全然見ないなどという子はほとんどいないのではないかと思います。



ロドリーゴやブローウェルを知らないギター愛好者はたくさんいる

 しかしギターに関していえば、毎週必ずギター教室に出かけ、家でもしっかりと練習し、ギターを弾くのは結構好きだという人の中にも、クラシック・ギターのコンサートやCDはあまり聴かない人、あるいはあまり曲のことなどを知らないという人は決して少なくないようです。

 しかし本格的なクラシック・ギターの曲は確かに演奏するのは難しく、ギターを習っている人の中でもそうした曲に取り組む人はごく少数であるのも確かです。ギターを長年習ったが、実際に弾いたり、習ったりするのは比較的簡単な練習曲か、比較的かんたんにアレンジされたポピュラー曲だけで、結局のところそうしたクラシック・ギターの名曲は全くやらなかったということはよくあることです。



誰でもメッシのチーム・メイトになれるわけではない

 そうしたことを考えれば、ある程度やむを得ないということはありますが、サッカー・スクールに通う子たちがすべてメッシのチーム・メイトになれるわけではない。自分では弾けないからといって、クラシック・ギターの名曲を鑑賞すのに何の障害にもならないのでは。



もちろん次回からです 

 と言った訳で今回のアンサーについては、まずクラシック・ギターの曲を、知名度、および人気の順に20~30位くらいまでをリスト・アップしようと思います。次に「これ1枚でクラシック・ギターがわかる」かどうかはわかりませんが、今までクラシック・ギターを聴いたことがない人、クラシック・ギターのCDを1枚も持っていない人におススメのCDを紹介したいと思います。 ・・・・・・もちろん次回からです。
 
ギター文化館の講師の先生によるクリスマス・コンサート

 昨日(12月15日 日曜日)ギター・文化館でクリスマス・コンサートがあり、私も出演しました。出演は大島直さん、北口功さん、高野行進さんの各ギタリスト。オカリナ奏者の小川ゆみこさん、ピアニストの谷島あかねさん、そして私の6人です。

 このコンサートは当館の講師の先生により毎年行われているものですが、今年は私にも声をかけていただいたと言う訳です。私の独奏は一番最初だったので元気の出る「凱旋行進曲」を演奏しました。その後は北口さん、大島さんの二重奏、オカリナの小川さんと谷島さん、高野さんのデュオなどで、クリスマス・コンサートらしく親しみやすい曲が演奏されました。



ほぼぶっつけ本番の四重奏

 最後は大島さん、北口さん、高野さんと私による4重奏で、「上を向いて歩こう」他の演奏でしたが、音合わせはコンサート前の約1時間のみということで、その練習中はイマイチ合わせる要領がつかめなかったのですが、なんとか本番ではこつがつかめた気がします。

 合わせたことのない人と合わせるのも楽しみの一つでしょう。画像等がなくて申し訳ありませんが、ギター文化館の方のブログを見ていただければと思います。
ありがとうございました。


 昨日(12月8日)ひたちなか市アコラで、愛好者のコンサートの後に私のコンサートを行いました。ご来場下さった方々、本当にありがとうございました。曲目などは前回までの解説に書いたとおりです。

 演奏の方は相変わらずイマイチのところもありますが、来ていただいた方たちに少しでも楽しんでいただけたらと思います。パガニーニはヴァイオリストとしては近寄りがたい超絶技巧の持ち主といった面がありますが、ギタタリストとしては庶民的で馴染みやすいといった両方の面を持っていると思います。そんなところを感じ取ってもらえればと思います。



それって狙い?

 たぶん私の演奏もギターのオリジナル曲では幾分余裕をもって弾けたのではと思いますが、一方、ヴァイオリン曲からのアレンジでは若干必至さがにじみ出てしまったかも知れません。その分超絶技巧的な感じがよく出たのではと思います(それって狙い? それとも言い訳?)。

 楽器の方は音色が明るく、迫力も出るポール・ジェイコブソン(米)を使用しました。大ソナタの第1楽章ではカデンツァに第1主題のモチーフに加え、「カンパネラ(リスト編)」の一部分も挿入してみました。



1音~2音~3音トレモロ

 アンコール曲は、同じイタリアの作曲家のヴェルディのオペラ「アイーダ」から「凱旋行進曲(中村編)」、および当ブログでも書きました「1音トレモロ~pi」と「2音トレモロ~pmi」、および「通常の3音トレモロ~pami」による「アランブラの想い出」でした。
37のソナタより「第6番ヘ長調」、「第8番ト長調」、「第12番イ長調」


ギター独奏曲はCD3~4枚分ある

 パガニーニはギター独奏のための曲もたくさん書いています。その中でも比較的演奏されるのが、この「37のソナタ」で、他に43の短い曲からなる「気まぐれ(Ghiribizzi)」、「5つのソナチネ」などCD3~4枚分ほどが残されています。


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フレデリック・ジガンデのパガニーニ独奏曲全集



 ほとんど曲は短いもので、技術的にも特に難しいものではありません。現在では何種類かの全集などが出ていて聴くことができます。パヴェル・シュタイドルはこれらの独奏曲の抜粋を華麗にアレンジして、パガニーニのヴァイオリン曲のようなヴィルトーゾ的な曲に仕上げています。


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奇才パヴェル・シュタイドルのパガニーニ独奏曲集。 原曲とはだいぶ違うが、中級者クラスの曲が華麗な曲へとなっている。


それぞれよく似ているが

 今回演奏する「37のソナタ」は各曲とも2~3ぺージで書かれ、後の方になるにつれて技術的に高度なものになりますが、最後の方でもそれほどは難しくなっていません。どの曲も似ているといえば似ているのですが、今回は調の違う3つの曲を選んでみました。



調の違う3つの曲を選択 ~すべてメヌエット―アレグレットの組み合わせ

 「第6番」はヘ長調で比較的短い曲ですが、シンプルですっきりとした味わいを持っています。「第8番ト長調」はしとやかな感じを持っていて、後半のアレグレットは教材などにもされています。


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第6番ヘ長調の譜面


 「第12番イ長調」はこの3曲の中では最も長く、またスケールの大きさも感じられます。前半のメヌエットは中間部が短調になり、ダ・カーポが付けられ、他の曲に比べて変化のあるものになっています。

 なお3曲ともメヌエット―アレグレットの組み合わせになっていて、アレグレットの方は3曲とも3部形式で中間部は短調になっています。曲の印象が近い分だけ、それぞれの曲の個性や、特徴が十分に出るように演奏しなければならないでしょう。


・・・・・・・・・・・・・・・


突貫工事

 パソコン買い替え騒動(?)のおかげでいつもコンサートの前にやっている曲目解説が間に合わなくなり、最後の方は突貫工事的、無理やり間に合わせた感じになってしまいました。1日に2回もブログを更新するのはこれまであまりありませんでした。

 あまり見直す時間もなかったので、誤字、脱字、変換間違いなどおそらく多発しているのではないかと思いますが、ご容赦ください(落ち着いたら見直しましょう)。
「24のカプリース作品1」より第24番「主題と変奏」


超絶技巧の集大成

 パガニーニの代表作にもなっている「24のカプリース」は無伴奏のヴァイオリンの曲で、まさにパガニーニの超絶技巧の集大成と言えます。パガニーニが本当に自らの超絶技巧を盗まれないようにしたかったのなら、この曲は絶対に出版はしないはず、またそうしてはいけない作品だったでしょう。

 「作品1」となっているのは最初に作曲された曲という意味ではなく、最初に公式に出版されたという意味で、こうしたことからも、パガニーニにこの作品にかける意気込みが感じられます。自らの肖像画的な作品と考えられるでしょう。


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カプリース第1番。 譜面を見るだけでも恐ろしい!


 譜面を見るだけでも恐ろしい曲で、ある意味ヴァイオリンの譜面とは思えません。これを弾きこなすには相当技量の高いヴァイオリストでないと無理で、おおそらく出版当時はパガニーニ以外にはこの作品を演奏できる人はいなかったのではと思います。



17歳で録音した天才五嶋みどりの録音

 もちろん今現在では様々なヴァイオリストがこの曲を演奏、録音していますが、その中では1988年、17歳の時に録音した五嶋みどりの録音がたいへんすばらしいものです。この超難曲をごく普通に演奏している感じで、余裕さえ感じられます。2003年の音楽之友社の「21世紀の名曲名盤」でもパガニーニ弾きとして知られているサルバトーレ・アッカルドを抑えて第1位となっています。


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この超難曲にたいしても余裕すら感じられる五嶋みどりのCD



ギターでもよく演奏される

 この「第24番主題と変奏」は、この主題を用いてラフマニノフがピアノとオーケストラのための「パガニーニの主題による狂詩曲」を作曲するなど、24曲の中ではよく知られています。ギターのほうでもジョン・ウィリアムスや山下和仁さん、村治佳織さんなどが演奏、録音していて、なじみの深いものと言えるでしょう。またエリオット・フィスクがこの「24のカプリース」全曲をギターで録音しています。


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村治佳織さんは、1993年のデビュー・アルバムでこの曲を弾いている。 ・・・・・もう20年前のことになってしまった。





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第24番の私のギターへのアレンジ譜。 私専用なので運指などは入っていない。記されている音域も実際の演奏とは少し違う。 他の曲の譜面を見ると、この24番が簡単そうに見えるから恐ろしい


私自身の編曲

 曲は簡潔な12小節の主題に11の変奏とフィナーレが付いています。今回の演奏は私自身の編曲で、若干低音を追加する程度で、ほぼヴァイオリンのオリジナルの譜面を弾いている感じです。フナーレでは若干音域を縮小しています。
ヴァイオリンと「ギターのための6つのソナタ作品3」より 第6番ホ短調


 この「ギターのための6つのソナタ」は他にもう一つ全く同じ作品番号の付いた「6つのソナタ」があり、「作品10」があてられることもあることは前に書きました。なぜ同じ作品番号の作品が複数存在してしまうかということについては、当時は作品番号というのは作曲された時点ではなく、出版の際に付けられるのが普通だったからです。

 その際出版する地域や出版社などによって独自に作品番号が付けられたりするので、こうしたことが起きるわけです。ハイドンなどにも同様なことが起きています。作品番号が厳格に管理されるようになったのはベートーヴェン以後のようです。



作品番号があるということは出版されたということ

 また当時は出版の際には6曲や12曲、あるいは3曲など、まとまった曲数で出版することが多く、「6つのソナタ」などというように括られることが多いわけです。

 作品番号が付いているということはその作曲家の生存中に出版されたことを意味するといってもよく、パガニーニにはこうした作品が多数あるので、パガニーニが自分の作品の出版に消極的だったとは言えないでしょう。



6曲、12曲などの単位で作曲されている場合は出版の意図があった

 また作品番号が付いてなくとも6曲などまとまった数の作品を書いているということは出版の意図があったとも言えます。特にギターに関する曲についてはそうしたものがたくさんあり、出版には積極的だったことが窺われます。



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パールマンとウィリアムスの1970年代の録音

人気曲


 このホ短調のソナタは数多いパガニーニの同種の曲の中でも大変人気が高く、多くの演奏によって演奏され、録音されています。よく知られているところでは、イツァーク・パールマン&ジョン・ウィリアムス、 ギル・シャハム&イェラン・セルシェルなどが挙げられます。


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ギル・シャハムとセルシェルの1990年代の録音




バルエコもソロで弾いている

 またギター独奏へのアレンジではマヌエル・バルエコの録音が知られています。今回演奏するのは私自身のアレンジですが、2008年のリサイタルの際にアレンジしたものです。曲は美しく感傷的なメロディのホ短調のアンダンテと、爽快なホ長調のアレグロ・ヴィーヴォ・エ・スピリットからなります。

 3度の和音で出来ているパッセージをアレグロ・ヴィーヴォのテンポで弾くのは、ギターでもまた、おそらくヴァイオリンでも相当難しいのではと思います。


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私のギター・ソロへのアレンジ このアレグロ・ヴィーヴォ(下から2段目より)はバイオリンでもギターでも難しい

大ソナタイ長調

 基本的にパガニーニのヴァイオリンとギターのための曲は、ヴァイオリンが主旋律、およびヴィルトーゾ的なパッセージを受け持ち、ギターがそれを和音でサポートするといった形のものですが、この「ヴァイオリンの助奏を伴うギターのための大ソナタイ長調」はちょっと変わっています。


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大ソナタイ長調のギター・パート これだけでも独奏曲として成り立つ



ヴァイオリンはほんのちょっと音を加えているだけ

 譜面からもわかるとおり、ギターのパートはこれだけでもギター独奏曲として成り立つくらい充実したものですが、一方ヴァイオリンのパートはかなり地味でギター・ソロにほんのちょっと音を加えているだけです。これなら初心者でも弾けそうです。


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大ソナタのヴァイオリン・パート ギター・ソロにほんの少し音を加えている程度


パガニーニのVnとGのための曲のなかでも最大の規模

 また他のヴァイオリンとギターのためのソナタはほとんど、いやすべての曲が2楽章構成で、演奏時間も数分程度のものですが、この「大ソナタ」は3楽章構成で、演奏時間も多少テンポを上げて演奏しても20分以上かかる、かなり規模の大きい作品となっています。パガニーニのヴァイオリンとギターのための作品の中でも最大規模の曲といえるでしょう。



パガニーニがギターの方を弾いたと考えられる

 パガニーニのヴァイオリンとギターのためのソナタは、基本的にパガニーニがヴァイオリンを担当したと考えられますが、この曲についてはパガニーニがギターを弾いたといわれています。そのとおりかも知れません、この”地味”なヴァイオリン・パートをパガニーニが担当したとは考えにくいでしょう。

 パガニーニの相手をしたギタリストはイタリアのギタリストのレニャーニと言われ、確かにレニャーニはパガニーニの24のカプリースに影響を受けたと思われる「36のカプリース」を作曲しています。



相方は誰?

 一説にはスペインのギタリストのデシオド・アグアードだとされることもありますが、状況的にその可能性は低いのではと思います。いずれにせよ、この曲に関しては、そのギタリストと楽器を交換して、つまりギタリストの方がヴァイオリンを担当したと言われていますが、納得しやすいところでしょう。



実際にパガニーニがこの曲を弾いたかどうかということは不明だが

 実際にこの大ソナタをパガニーニが公開の場で演奏したという記録は残されていないようですが、パガニーニがカリスマ的超絶技巧のヴァイオリストとして一般に知られるようになったのは晩年の1828年(46歳)からだそうで、仮に演奏したとしてもそれ以前かも知れません。もし1828年以降にこの曲を演奏していればそれなりに話題となって、何らかの記録が残されるでしょう。

 もっとも、作曲して、譜面に書いた以上、何らかの形で演奏した、おそらく公開の場で演奏したと考えるのが妥当でしょう。書いただけで演奏しないというような無駄なことはしないでしょう。



ヴァイオリン的な技法で弾いた?

 この曲のギターパートは結構難しく、オクターブで動き回るところや、非常に高い音域の音が用いられています。これらの高い音はハーモニックス奏法でないと演奏不可能ですが、パガニーニは、おそらく今日一般的に行われているギターのオクターブ・ハーモニックス奏法ではなく、ヴァイオリン的なフラジオレット奏法を用いていたのではないかと想像出来ます。



第1楽章は堂々たるソナタ形式

 この曲の第1楽章アレグロ・リソルトは堂々たるソナタ形式の曲で、この楽章だけでも10分以上かかります。旋律を歌わせるところと、ヴィルトーゾ的なパッセージと、聴きどころは満載です。展開部では嬰ヘ短調などの短調の傾向が強く、前後の明るい部分と対照的になっています。再現部では第1主題は再現されず、第2主題のみの再現で、最後は華やかに終わります。



第2楽章「ロマンス」はよく知られている

 第2楽章は「ロマンス」ですが、この曲は溝渕編カルカッシギター教本などにも載せられ、愛好者にもなじみのある曲と思います。シチリア舞曲風で、感傷的な美しいメロディの曲で、単独でもよく演奏されます。



第3楽章は軽快な変奏曲

 第3楽章は軽快感溢れる魅力的なアンダンティーノの主題と6つの変奏からなります。華やかな変奏が多くなっていますが、ヴァイオリンの曲のような超絶技巧というほどではありません。ギター曲としては常識的な範囲と言えるでしょう。



私の編曲では

 この曲、確かにギターのパート譜だけでも曲になりますが、やはり音は少な目なので、この曲をギターのみで演奏する場合、多くのギタリストはヴァイオリンのパート譜を参考に音を付け加えています。そうした形での演奏として、ジュリアン・ブリームやジョン・ウィリアムスなどが知られています。



自作のカデンツァを挿入

 私のアレンジも控えめではありますが、ギター・ソロの譜面に若干音を加えてあります。さらに第1楽章(展開部と再現部の間に)と第2楽章にはカデンツァ(即興的な部分)を挿入しています。第1楽章では再現が省略された第1主題の断片を、再現の代わりにあしらってみました。第2楽章の方は譜面にもカデンツァを弾くように指示があります。
ユーザー登録を二重にしてしまった

 前回パソコンが勝手に初期設定に戻ってしまい、データが消えてしまったという話をしましたが、それがいつの間にかに戻っている! 何が何だかわからずに呆気にとられていたが、どうやら別なユーザー登録をしてしまい、最初の登録とは違うユーザーのパソコンになってしまったらしい。


おちょくられて

 つまり二重にユーザー登録をしてしまったようで、違うユーザー名で同じデータを二重に取り入れてしまった。完全にパソコンに遊ばれてしまっている。コンサートも近いのでこんなことをしている場合ではない、とりあえずはそっとしておこう、なんとかメールも送受信出来、こうしてブログも更新できることでよしとしなければ・・・・・ 曲の解説も遅々として進んでいない!



パガニーニのギターを含む室内楽

 前回の話はパガニーニのオーケストラを含む作品についてでしたね、今回はパガニーニの室内楽についてはんしをします。パガニーニの室内楽といってもあまりピンとこない人も多いと思いますが、パガニーニは室内楽もかなりたくさん作曲しています。なお且つその大半はギターを含むものです。



ギター四重奏曲が15曲もある

 まず「弦楽とギターのための四重奏曲=ギター、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ」が15曲。 ヴィオラ、チェロ、ギターのための三重奏曲が長短5曲。CDの枚数にして計6枚分ほどあります。ギターを含まないものとしては3曲の弦楽四重奏曲、および弦楽器のための二重奏、三重奏曲。さらにマンドリンとギターのための曲など、CD枚数にして4枚分ほどあります。


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パガニーニの15曲のギター四重奏曲など、室内楽10枚組のCD。 確か4000円前後で、お買い得だが、プレーヤーによっては読み取れないものもある


ボッケリーニにもギター五重奏曲が12曲あると言われているが

 それにしてもギター四重奏曲、15曲とは大変多い曲数ですね、これに匹敵するとしたらボッケリーニのギター五重奏曲で、これは消失したものを含めると12曲あるそうですが(パガニーニの場合はすべて現存)、これらは新たに作曲されたものではなく、弦楽五重奏曲からの編曲です。ボッケリーニがこれらを編曲したのは、雇い主の国王からの要望によるもので、自分の意思や好みで編曲したわけではなさそうです。



小遣い稼ぎにギター曲を作曲していたわけではない

 その点パガニーニの場合は自らの意思で”作曲”したと考えられ、ボッケリーニとは逆にギター四重奏曲から弦楽四重奏に編曲したものもあります。 こうしたことからもパガニーニのギターへの強いこだわりが表れています。あえて言うまでもありませんがヴァイオリンの片手間にギターを弾いていたり、小遣い稼ぎにギター曲を作曲していたわけではありません。



しかしギターはほとんど目立たない

 ただし、これらのパガニーニのギター四重奏曲を聴いてみると、ギターはほとんどの場合、低音と和音を担当するだけで特に目立つこともなく、主旋律など重要なパートを担当することはほとんどありません。大部分はヴァイオリンが主旋律を担当し、時折ヴィオラやチェロに主旋律が割り当てられ、またベートーヴェンの室内楽のように各楽器が対位法的に絡み合うこともあまりありません。

 いってみれば、主役のバイオリンをヴィオラ、チェロ、ギターの3つの楽器が伴奏するといった感じで、内容的にはヴァイオリンとギターのための曲そう変わりないものです。



ギターの音を聴こうと思わなければ

 そういった意味ではこれらのパガニーニのギター四重奏曲が今日あまり演奏されないのは、わかる気もします。こうした曲の演奏ではギター好きの愛好者を満足させることはかなり難しいでしょう。

 そう言った訳で、数の割にはパガニーニのギターを含む室内楽はあまり演奏される機会がないのですが、あえてギターの音を聴こうとしなければなかなか心地よい作品ではあります。興味のある方は是非CDを買って聞いてみてください。


 

ヴァイオリンとギターのための作品

 パガニーニはヴァイオリンとギターを弾いていたわけですから、当然ヴァイオリンとギターの曲はたくさんあり、これらは今日でもよく演奏されれいます。仮にヴァイオリンとギターでコンサートを行うとしたら、その曲目として真っ先にこのパガニーニの曲が考えられるところでしょう。


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ヴァイオリンとギターのための作品集(9枚組)


 これらのヴァイオリンとギターのための曲で、これまでよく演奏されている曲としては作品2、および作品3の「6つのソナタ」、「チェントーネ・ディ・ソナタ(全18曲)」「ソナタ・コンチェルタータ」、「カンタービレニ長調」などといったところです。



作品3の「6つのソナタ」は2種類存在する

 しかし作品3の「6つのソナタ」は他にも存在し、これまで「作品3」とされていたほうは現在では「作品10」とされることもあります。他に作品8の「6つのソナタ」もあります。さらにいくつかの変奏曲、「6つの二重奏曲」、なといっても今回演奏する「ヴァイオリンの助奏を伴う、ギターのための大ソナタイ長調」があります。

ゴミ箱を探しても見つからない

 パソコンを買い換えた話をしましたが、いくらか慣れてきたかなと思っていたら、いつの間にかメールが送受信できなくなってしまった。どうやら消してはいけないデータをいつの間にか消してしまったようです。もちろん自覚はありません。ゴミ箱(もちろんパソコン内の)を探しても見つかりません。

 販売店の方に電話してみたら、パソコンを初期化して再セット・アップするしかないと言われました。再セット・アップとなれば店にまでパソコンを持ってゆかなければならないし、これまで苦労しいれたデータも消去されてしまう、おまけに有料(1万円弱)ということで、これはなるべくやりたくない。



なんと、パソコンが勝手に再セット・アップしてしまった!

 創に電話で相談したら、「年末に帰るから、その時なんとかしてあげる。それまで古いパソコン使っていて」
と力強い言葉。 創が帰るまであまりいじくらないようにすれば良かったのですが、ついつい気になっていろいろやっているうちに、スタート画面にロックがかかってしまった。それを解除しようとあれこれやっていたら、なんと、パソコンが勝手に再セット・アップしてしまった!

 おかげでメールは出来るようになったのですが、これまでに取り入れたデータは皆消去されてしまい、特にこのブログの管理者ページ(書き込むページ)が戻らなくなってしまった。最初はメールでこのパソコンに送れたのが、今度は送れない。ログインしようと思っても、パスワードが間違っていると出てしまう・・・・・・



子離れは遠い

 これまでパソコンの買い替えはすべて創に頼んでいたので、今回は何とか自力で使いこなそうと思ったのですが・・・・・・・    私の子離れにはまだちょっと時間がかかりそうです。

 コンサートも近いので、こんなことをしている場合ではないのですが・・・・  パガニーニの話に戻りましょう。
 


ブログ
パガニーニの6曲のヴァイオリン協奏曲と「ベニスの謝肉祭」などの管弦楽を含む曲が収められた8枚組のアルバム


最も人気があるのはやはりヴァイオリン協奏曲

 パガニーニの作品のうちで最も人気があり、演奏される機会が多いのは当然のことかも知れませんが、ヴァイオリン協奏曲でしょう。現在は6曲残されていますが、元々は12曲存在したとも言われています。

 6曲中「第1番ニ長調作品6」と「第2番ロ短調作品7(カンパネラ)」は生前に出版され、古くから演奏されていましたが、他の4曲は残されたソロ譜やパート譜、あるいは聴いた人の記憶などを基に再現された譜面となっています。3~6番が演奏されるようになったのは比較的最近のようですが、それほど頻繁に演奏されるわけではありません。



自らの技術が盗まれるのを恐れて出版しなかったとも言われているが

 これらの協奏曲はパガニーニのコンサートのメイン・デッシュとして演奏されたものですから、当時から人気が高かったもので、積極的に出版されてもよかったはずですが、パガニーニは自らの技術が盗まれるのを恐れて出版しなかったともいわれています。

 一般にはこのように言われている訳ですが、私自身としては総合的に考えてもっと別な理由もあるのではないかとも思います。もし本当に自らの技術を盗まれるのを嫌ったとしたら、作品1の「24のカプリース」など出版する訳はないと思います。



譜面上でも自らの超絶技巧をアピールしていた

 この「24のカプリース」は協奏曲以上に超絶技巧のかたまりのような作品で、むしろ自らの超絶技巧を譜面のうえでも誇示しているようにしか思えません。 そのステージ同様に譜面上でも自らの能力の高さをアピールしていたと考えられます。

 また後から述べるようにパガニーニは出版に消極的だったわけではなく、かなり積極的だったとも言えます。特にギターを含む作品についてはそう言えます。



採算面もあったのでは

 協奏曲を出版しなかった理由としては、まず協奏曲はパート数も多く、出版に手間とお金がかかります。もちろんそれだけの販売部数があれば採算は合うわけですが、協奏曲の譜面は個人ではあまり買う人は少なく、出版したとしてもそれほど利益は望めません。

 第一にパガニーニの協奏曲はパガニーニにしか演奏出来ないわけですから、出版してもあまり意味がない訳です。もちろん自分では演奏出来なくても手元に譜面を置いておきたいという愛好者や音楽家も少なからずいたでしょうが、おそらく当時から人気もあった「第1番」と「第2番」があればそれで十分だったのではないでしょうか。



ただエントランスをぶらぶらしていただけだったのかも

 「コンサートが終わるとパート譜を回収して、次の演奏会場に向かった」という話についても、これはある意味当然のこと、当時はどの音楽家もやっていたことではないかと思います。もちろんコピー機などない時代ですから、そのパート譜を持って次の会場に向かわなければそこで演奏は出来なくなります。

 「入り口で入場券をチェックしていた」という話も、案外、パガニーニがただ何となく受付付近にいただけだったのかも知れません。 普通にしていたことが、普通のことには思われないところに、パガニーニの特別なカリスマ性が表れているのでしょう。



他には「ベニスの謝肉祭」が有名

 パガニーニの協奏曲以外のヴァイオリンとオーケストラのための曲としては、「ベニスの謝肉祭」が有名で、タレガもこの主題をもとに変奏曲を作曲し、自らのリサイタルでよく演奏していました。