クラシック・ギター名曲ランキング
<第12位> 前奏曲第1番(エイトール・ヴィラ=ロボス)
1960~70年代ではたいへん人気が高かった
ヴィラ=ロボスのギター曲は、今現在でも人気のレパートリーで、その中でもこの「前奏曲第1番」は最も演奏されることが多いといってよいでしょう。しかし、1960~70年代では今以上に話題性も人気もあり、私が大学生の頃はみんなこの「前奏曲第1番」を弾いていました(例のごとく弾ける人も、弾けない人も)。この曲もその時代のランキングだったら、もっと上位となっていたのは間違いないでしょう。私自身も当時よく演奏していました。
多作家だが、ギター曲はそれほど多くない
ブラジルの作曲家、エイトール・ヴィラ=ロボスについては、当ブログでも何度か書いていますが、かなりの多作家で、交響曲、協奏曲、ピアノ曲、各楽器の協奏曲などたくさんの作品を残しています。しかしギター曲としては「5つのショーロ(ブラジル民謡組曲)」、「5つの前奏曲」、「⒓の練習曲」、「ギター協奏曲」などといったところで、がんばれば1枚のCDに収まり、特に多いというほどでもありません。
低音弦を歌わせる曲だが、類似曲とは一味違う
この「前奏曲第1番」は低音弦(⑤、④弦)のハイ・ポジションでメロディを歌わせる曲で、ギターの低音、あるいは低音弦の魅力を十分に引き出した曲といえます。これと類似した曲はいろいろありますが、この曲はただメロディを美しく歌わせるだけでなく、力強さとか、野性味も加わり、他の類似曲とは一線を画するところです。

以前にも書いたが、ヴィラ=ロボスの譜面は弦の指定やハーモニックスの表記など独特なので、慣れないと分かりにくい。私の場合、初めて弾いた時(大学生の頃)には、LPを聴いて使用弦や、ハーモニックスを予測していた。
親しみやすさと新鮮さ
特に前衛的な書法で書かれているわけではなく、作風からすればロマン派風といってもよいのですが、実際にこの曲を聴くと(あるいは弾くと)、たいへん新鮮な印象を受けます。
作曲上の特徴と言えば、減7の和音、連続5度、8度の多様といったことが挙げられ、基本的には古典的な調性音楽なのですが、モード・ミュージック(教会旋法)的な感じもあります。
つまり普通ぽいところもあるのだが、ちょっと普通じゃないところもあるといった”微妙”な音楽ですね。親しみやすさと新鮮さを同時に味わえる曲と言えるでしょうか。
最近では
最近のリサイタルやCDなどでは単独で演奏されることよりも「5つの前奏曲」としてまとめて演奏されることがく、また同じヴィラ・ロボスの作品では、1960~70年代にはあまり知られていなかった「5つのショーロ(ブラジル民謡組曲)」の方に人気がややシフトしているようです。
個人的には
録音は、おそらく1952年のセゴヴィアの録音が最初と思われます。以後文字通り数えきれないくらいのギタリストが録音していると思いますが、私個人的には1960年頃のイエペス野録音に愛着があります。まだ6弦時代(イエペスは1960年代後半からは10弦ギターを使用)の録音ですが、独特のヴィヴラートで、異次元の世界から聴こえて来るような深い響きがします。

イエペスの1960年頃の録音で、何度も再発され、多くのギター愛好者に親しまれたもの。上は現在CDとして発売されているもの。写真では10弦ギターだが、中身の方はまだ6弦ギターを弾いていた頃のもの。日本国内の録音のようで、音質は年代からすればなかなかよい。他に「禁じられた遊び」「魔笛の主題による変奏曲」などが入っているが、その中でもこの「前奏曲第1番」は印象的で、50年以上経た今でも色あせない。
最近では前述のとおり「5つの前奏曲」、あるいはヴィラロ=ボスのギター曲まとめての録音のほうが多く、それらのうち現在入手しやすいものでは、フレデリック・ジガンデ、 福田進一、 ノバート・クラフト、 ジュリアン・ブリームなどが挙げられるでしょう。
<第12位> 前奏曲第1番(エイトール・ヴィラ=ロボス)
1960~70年代ではたいへん人気が高かった
ヴィラ=ロボスのギター曲は、今現在でも人気のレパートリーで、その中でもこの「前奏曲第1番」は最も演奏されることが多いといってよいでしょう。しかし、1960~70年代では今以上に話題性も人気もあり、私が大学生の頃はみんなこの「前奏曲第1番」を弾いていました(例のごとく弾ける人も、弾けない人も)。この曲もその時代のランキングだったら、もっと上位となっていたのは間違いないでしょう。私自身も当時よく演奏していました。
多作家だが、ギター曲はそれほど多くない
ブラジルの作曲家、エイトール・ヴィラ=ロボスについては、当ブログでも何度か書いていますが、かなりの多作家で、交響曲、協奏曲、ピアノ曲、各楽器の協奏曲などたくさんの作品を残しています。しかしギター曲としては「5つのショーロ(ブラジル民謡組曲)」、「5つの前奏曲」、「⒓の練習曲」、「ギター協奏曲」などといったところで、がんばれば1枚のCDに収まり、特に多いというほどでもありません。
低音弦を歌わせる曲だが、類似曲とは一味違う
この「前奏曲第1番」は低音弦(⑤、④弦)のハイ・ポジションでメロディを歌わせる曲で、ギターの低音、あるいは低音弦の魅力を十分に引き出した曲といえます。これと類似した曲はいろいろありますが、この曲はただメロディを美しく歌わせるだけでなく、力強さとか、野性味も加わり、他の類似曲とは一線を画するところです。

以前にも書いたが、ヴィラ=ロボスの譜面は弦の指定やハーモニックスの表記など独特なので、慣れないと分かりにくい。私の場合、初めて弾いた時(大学生の頃)には、LPを聴いて使用弦や、ハーモニックスを予測していた。
親しみやすさと新鮮さ
特に前衛的な書法で書かれているわけではなく、作風からすればロマン派風といってもよいのですが、実際にこの曲を聴くと(あるいは弾くと)、たいへん新鮮な印象を受けます。
作曲上の特徴と言えば、減7の和音、連続5度、8度の多様といったことが挙げられ、基本的には古典的な調性音楽なのですが、モード・ミュージック(教会旋法)的な感じもあります。
つまり普通ぽいところもあるのだが、ちょっと普通じゃないところもあるといった”微妙”な音楽ですね。親しみやすさと新鮮さを同時に味わえる曲と言えるでしょうか。
最近では
最近のリサイタルやCDなどでは単独で演奏されることよりも「5つの前奏曲」としてまとめて演奏されることがく、また同じヴィラ・ロボスの作品では、1960~70年代にはあまり知られていなかった「5つのショーロ(ブラジル民謡組曲)」の方に人気がややシフトしているようです。
個人的には
録音は、おそらく1952年のセゴヴィアの録音が最初と思われます。以後文字通り数えきれないくらいのギタリストが録音していると思いますが、私個人的には1960年頃のイエペス野録音に愛着があります。まだ6弦時代(イエペスは1960年代後半からは10弦ギターを使用)の録音ですが、独特のヴィヴラートで、異次元の世界から聴こえて来るような深い響きがします。

イエペスの1960年頃の録音で、何度も再発され、多くのギター愛好者に親しまれたもの。上は現在CDとして発売されているもの。写真では10弦ギターだが、中身の方はまだ6弦ギターを弾いていた頃のもの。日本国内の録音のようで、音質は年代からすればなかなかよい。他に「禁じられた遊び」「魔笛の主題による変奏曲」などが入っているが、その中でもこの「前奏曲第1番」は印象的で、50年以上経た今でも色あせない。
最近では前述のとおり「5つの前奏曲」、あるいはヴィラロ=ボスのギター曲まとめての録音のほうが多く、それらのうち現在入手しやすいものでは、フレデリック・ジガンデ、 福田進一、 ノバート・クラフト、 ジュリアン・ブリームなどが挙げられるでしょう。
スポンサーサイト