中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

    <第30回中村ギター教室発表会> 

9月28日(日) 14:00~  石岡市ギター文化館  入場無料





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        ギター文化館



   <演奏曲目>                        <演奏者>

1.ロンド ニ長調 (F.カルリ)                   中村俊三  佐藤智美  
2.ロマンス (J.メルツ)                     奥山 論
3.二つのギター (ロシア民謡)                小池清澄
4.ラグリマ、アデリータ (F.タレガ)              赤沼増美
5.島唄 (宮沢和史)                       澤畑敦史
6.禁じられた遊び (A.ルビラ他)                鈴木俊彦
7.悲しみの礼拝堂 (V.ゴメス)                清水和夫
8.ラリアーネ祭 (L.モッツアーニ)                甲斐 洋
9.エチュード (N.コスト)、ラグリマ (F.タレガ)       根本 滋
10.アランブラの想い出 (F.タレガ)              関 義孝
11.プレリュード (チェロ組曲第1番より~J.S.バッハ)   有我 等
12.ベニスの舟歌、春の歌(F.メンデルスゾーン)       中村俊三  佐藤眞美
13.エストレリータ (M.ポンセ)、ロシータ(F.タレガ)     及川英幸
14.イタリア風舞曲 (H.ノイジトラー)             石川博久
15.練習曲イ長調 (F.ソル)                  佐藤智美
16.リュートのための4つの小品(作者不詳)         佐藤眞美
17.グラナダ、アストゥリアス(I.アルベニス)         岩田英典
18.クリスマスの歌、 ワルツ第4番(A.バリオス)      中川真理子
19.悲しみの恋人たち(S.ワンダー)
   ヘイ・ヘイ・ヘイ(W.ブルーンジー)
   サンバの歌、森に夢見る(A.バリオス)          中村俊三




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第29回中村ギター教室発表会  2013年11月10日 ひたちなか市文化会館

 


ぜひご来場ください

 以上、私および私の教室の生徒さん16名によるコンサートです。上記のプログラム中1.と12.は二重奏で、他は全て独奏となっています。 11月30日にひたちなか市文化会館で合奏の演奏会を行いますので、今回は独奏が中心になっています。

 入場無料で、どなたでも聴いていただけます。 ぜひ足をお運びいただければと思います。 なお開場は13:30で、16:00頃終わると思います。
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<音階練習の仕方 7>


 これまでいろいろな音階練習の仕方についてお話してきましたが、今回はそのまとめということで、音階を基にした練習曲をいくつか紹介します。



コストの音階練習

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 コストの音階練習はカルカッシのものとよく似ていますが、ハイポジションを用いて、よりレヴェルが高いものになっています。 調の方もカルカッシのものとほぼ同じですが、♭2個のト短調の音階もあります。




ジュリアーニの練習曲

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 譜面のとおりスラー奏法を用いた音階練習ですが、 スラーを外して練習すれば通常の音階練習にもなります。





バッハの2声のインヴェンション第1番

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 バッハの鍵盤のための練習曲である2声のインヴェンションをギターの二重奏で練習してみるのも、たいへんよい音階練習になるでしょう。 譜面の方を見れば、この曲は実質ハ長調の音階練習といってよいのがわかります。 また、こうした曲の練習は単に指のトレーニングだけではなく、相手のパートをよく聴いて合わせる練習としてもよいでしょう。 

 ある程度ギターが弾ける人でもこれが苦手な人も少なくありません。 相手のパートにちゃんと合わせるには、まず正確なテンポで弾けなくてはなりませんが、 さらに自分のパートを弾きながら、同時に相手のパートが聴けなければなりません。 

 また、ちょっとしたミスをきっかけにその先が合わせられなくことなどがよくありますが、ミスをしてもタイミングを失わない、あるいは多少間違えてもその先で合わせるような練習も必要でしょう。



発表会などで弾いてもよい

 バッハの曲にはこのような曲がたくさんあり、単にトレーニングだけでなく発表会やコンサートで弾いてもよいと思いますので、一通り基礎が出来たらぜひやってみるとよいでしょう。  ・・・・・・でも相手がいない?  

 もしギター教室で習っているのでしたら、先生にお願いすればよいのでは。   ・・・・・でもウチの先生、 「右手はちゃんと交互に弾きなさい」 とか、 「音色がよくない」、 「音小さい」、 「テンポ走らないで」、 「そこずれてるでしょ、私のパートもよく聴きなさい」、 「休符は正確に消音する」、 とか、いちいちうるさくて。     ・・・・・・・・・






そんなの無理に決まっている

 何はともあれ、もし1年間でこれだけで来たとしたら、相当実力が付いたと言えるでしょう。 さらに今後の上達のスピードも格段に上がるでしょう。 だいぶ長くはなりましたが、以上のように、「最初の1年間は音階練習だけをやる」 というのは確かに「手っ取り早いギター上達法」の☆5つと言ってよいのではないかと思います。   

 ・・・・・・・えっ、 「地道とか努力とかじゃなくて」とお願いしたはず?  そんなの無理に決まっているでしょ!





  
< 音階練習の仕方 6 >

 いろいろな音階練習



 前回までいろいろな調の音階や、低音の付いた音階練習などの話をしました。 今回はさらにいろいろな種類の音階や、音階練習についての話です。  下はハ長調の音階ですが、使用弦や、運指を変えたものです。


ハイポジションを用いたハ長調の音階

ハ長調の音階2


 ②③弦のハイポジションを用いたもので、左手のトレーニングとしてはより効果的でしょう。 2小節目の「シ」―「ド」の間にポジション移動があります。 移動の際には人差し指は弦から離さず(下行の時も同じ)、また親指も同時に移動するのがポイントです。 



半音階

 下のような半音階の練習もよく行われます。 練習内容としては一層シンプルなので、純粋な指のトレーニングとしては適しているでしょう。 方法などはいろいろ考えられますが、このようなものがよく用いられます。

半音階


 ポジション移動が頻繁にあるので、ポジション移動の練習によいでしょう。 また一つ一つの音が正確に押さえられるかどうかもポイントです。 もちろん右指の練習としてもシンプルでよい練習です。 アポヤンド、アルアイレ奏法、親指、ゆっくり、速くなど、いろいろ指や弾き方を変えて弾くとよいでしょう。



長短調以外の音階

 これまで音階と言うと、暗黙のうちに長調、短調の音階としてきましたが、実は音階はそれだけではありません。この長短音階以外のものも練習しておくと、さらに良いでしょう。



5音音階(ペンタトニック・スケール)  ~演歌にも、ロックにも

ペンタトニック

 5音音階というと、主に演歌とか日本の歌などで使われますが、 海外でも民族的な音楽などによく使われます。 またロックなどのアドリブでもよくこの5音音階が使われます。 有名なところではビートルズの「レット・イット・ビー」=最近のカタカナ表記だと「レリビー」かな? などがあります。


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レット・イット・ビーのエレキギターのアドリブ部分(たぶんジョージ・ハリスン?)





教会旋法  

 教会旋法には「ドリア調」、「フリギア調」、「リディア調」、「ミクソリディア調」などがありますが、その中でギター曲などで比較的よく使われる「ドリア調」と「フリギア調」の譜例を載せておきましょう。




ドリア調(ドリアン・スケール)  ~果物ではない!

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 ドリア調の音階とは、長音階の第2音、つまりハ長調の「レ」から始まる音階です。 ただし「ニ長調」のように#などは付けません。 代表的なものとしては「スカボロフェアー」などがあります。 「ドリアン・スケール」といっても果物ではありません、もちろん匂いもしません。


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ドリアン・スケールで出来たメロディとしては有名な「スカボロフェアー」。  この譜面では E-ドリアン・スケールになっている。 「ド」に#が付かなければ普通に「ホ短調」




フリギア調(フリギアン・スケール)  ~フラメンコでよく使われる

 フリギア調は長音階の第3音、つまりハ長調の「ミ」から始まる音階で、スペインの民族音楽(つまりフラメンコ)などでよく使われます。 短調よりもさらに暗い感じがするでしょうか。



蛇に足は不要

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 上は「入り江のざわめき」のギター編曲譜です。  調号(#など)が付かないところから、一見イ短調に見えるが、「ミ」を主音としたフリギア調で出来ています。 かつてのギタリストの中にはこの曲をイ短調とみて、最後にAmのコード、つまりイ短調の主和音(ラドミ)を弾いている人がいました。 これこそまさに蛇の足を描くようなもの。 私の好みのギタリストであるクリストファー・パークニングがこれをやっていたのはたいへん残念です。




ブルーノート・スケール  ~ブルースをやるなら

 ブルーノート・スケールはその言葉どおりブルースなどでよく用いられます。 ブルースなこをやる人はもちろん覚えておかなければならないでしょう。

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ドリアン・スケールに1個音が加わった

 ブルーノート・スケールはちょっとわかりにくいかも知れませんが、下のようにドリアン・スケールの第4音と第5音の間に1個音が入ったと考えるととわかりやすいでしょう。 この「ラ♭」を「ブルーノート」と言います。

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<音階練習の仕方 5>


アルアイレ奏法での練習


独奏の場合、圧倒的にアルアイレ奏法の方が多い

 これまで右手は基本的にアポヤンド奏法使用ということで話を進めてきました。 アポヤンド奏法はアルアイレ奏法に比較し、単音の場合、弾き易く、確実にしっかりした音が出しやすいので、まずはこのアポヤンド奏法から始めるほうが合理的なのは前述のとおりです。 また一般的にも 「音階=アポヤンド奏法」 というイメージもあるでしょう。

 しかし実際の独奏曲では圧倒的にアルアイレ奏法で弾くことが多く、アポヤンド奏法弾く音はかなり限定されます。 そこでアルアイレ奏法での音階練習はたいへん現実的なのですが、アルアイレ奏法は一般にアポヤンド奏法に比べて音が細く、不安定になるといった欠点もあります。
 


欠点は克服しなければならない

 もちろんこれをこ克服しなければギターは上手になれません。 特に最近の優れたプロのギタリストは豊な音から繊細な音までアルアイレ奏法のみで自在に出すことが出来ます。 またそうでなければ現代のプロ・ギタリストは務まらないでしょう。 そこで今回はアルアイレ奏法で美しく、大きな音を、しかも安定して出す方法についての話をします。



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人差し指で①弦をアルイレ奏法で弾くところ。 爪が弦にあたる部分や、角度などはアポヤンド奏法の場合とほぼ同じだが、大きくて柔らかい音を出した場合は、アポヤンド奏法よりもさらに弦に斜めになるようにする。 また手のひら全体をなるべく①弦に近づけるのも重要。



角度などはアポヤンドと同じだが

 上の写真は①弦をアルアイレで弾くところ(弦を弾く直前)です。 爪が弦にあたる部分、角度などは基本的にアポヤンド奏法の場合と同じですが、アルアイレ奏法で強く弾こうとすると、普通細くて硬い音になってしまいます。 それを避けて、大きくても柔らかく美しい音を出すには爪をさらに弦に対して斜めにする(指を弦に対して平行に近くする)とよいでしょう。

 また当ブログでも何度か書いたとおり、弦を”しっかりと掴んでから弾く” つまり弦を離れた位置から”叩く”ように弾くのではなく、一旦爪と指先が弦に触れてから弾くようにします。



手のひら全体を弾きたい弦に近づけるのが重要!

 また、アルアイレ奏法の場合、特に重要なのは”手のひら全体”をなるべく弾きたい弦(この場合①弦)に近くするということです。 手が弦から離れるということは指の関節がやや伸びた状態になるということで、これでは十分に弾く力を弦に伝えられません。 またこの状態で強く弾こうとすると隣の弦まで弾いてしまうことになります。 

 また手が弦から離れれば、当然それだけ指先のコントロールが悪くなり、”空振り”なども増えてしますし、また手のひらの上下動が大きくなってしまいます。 このような弾き方の場合、特に緊張した場では指が震えたり、不安定になり、思うように弾けなくなることもあります。



レッスンの際にもよく言っていることだが

 こうしたことは、私の教室でも常に言っているのですが、実際にはこれが出来ない人はかなり多く、その原因としては、手が弦に近いと窮屈になり、弾きにくく感じる人が多いからだろうと思います。



近めのボールはホームランにしやすい?

 プロ野球の大打者はインコースの体に当たりそうなボールを、腕をうまく折りたたんでしっかりとバットの芯にあて、ホームランに出来るのだそうです(もちろん聞きかじった話ですが)。 普通の人では、体に近いとこのボールを打とうとすると、窮屈になってバットが降りにくく、空振りか、バットの根本に当ててしまうでしょう。

 しかし体に近いボールというのはバットが振れさえすれば、当てやすく、また回転力も付くのでボールもよく飛び、当たった場合はホームランにはなりやすいのでしょう。 もっとも当てられたとしても普通はファウルになってしまう訳ですが、それをホームランにするのが大打者なのでしょう。

 それとこのアルアイレ奏法の件とはよく似ていると思います。 手を弦に近づけると確かにちょっと弾きにくく感じますが、近いところのほうが力が入りやすく、また弦を確実に捉えられます。 他の弦も一緒に弾いてしまうことまなく、また弦を掴みそこなうことも少なくなります。



実は私もアルアイレ奏法が上手く出来なかった

 実は私は比較的最近までアルアイレ奏法が下手で、コンサートなどではよく空振りしたり、音が細くなってしまい、したがって、重要な音はほとんどアポヤンド奏法を使っていました。 

 いろいろ試行錯誤した結果、最近(10数年くらい前から)このようなことを心がけるようになり、かなり改善され、今ではある程度アルアイレ奏法でも安定し、重厚な音も出せるようになりました。 また一時期ステージでは思うように弾けないこともありましたが(右指が不安定になって)、それもかなり改善されたと思います。




低音の付いた音階練習

 なお、アルアイレ奏法の音階練習としては、下のような低音を伴うものの練習も非常に重要でしょう。 これはかなり実践的な練習です。



F.カルリの「ワルツと変奏」

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F.カルリの「ニ長調のワルツと変奏」の第2変奏。 左右どちらの指にもたいへんよい練習で、特に時間をかけて練習したい曲。



M.ジュリアーニのエチュード

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M.ジュリアーニの付点音符の練習曲だが、右手の練習にも良い。 上下ともにクリヤーで美しい音、なおかつ付点音符のリズムを切れの良く刻めればかなりのもの。



M.カルカッシの「25のエチュド集」より

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カルカッシの「25の練習曲集」の第14番。 これを速めのテンポでクリヤー、かつレガート、さらに美しい音で弾ければ上級者(抑揚なども付けられればさらによい)。




<音階練習の仕方 4>



 前回の音階練習はハ長調の簡単な音階練習、および拍子を刻みながら正確な音価(音符の長さ)を取る練習などについてでした。  今回はハ長調だけでなく、いろいろな調の音階練習や、譜面を読みながら弾く練習などについて話をします。


折り返しなどの付いた音階練習


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譜面を読みながら弾く練習

 上の譜面はカルカッシギター教本からの音階練習ですが(最後の和音を省略)、ストレートに上下するだけでなく、若干”折り返し”が含まれています。 ということは記憶では弾きにくく、楽譜を見ないとなかなか弾けないと思います。 つまり譜面を目で追いながら弾く練習にはたいへんよいものだと思います。


かつてはこれが出来なかった

 実は私が大学のギター部に入った当初、こうしたものを譜面を目で追いながら弾くことが出来ませんでした。 それまでは曲はすべて暗譜して弾くのが当然だと思っていたので、どんな簡単なものでも初見、あるいはよく覚えていない状態で弾くということは想定外で、全く出来ませんでした。 

 特にニ長調(#二つ、下に譜例)などは瞬時に、どの音に#が付くかわからず、結局暗譜して弾いた覚えがあります。 



手当たり次第、何でも弾いていたので

 しかしその当時は、弾けるとか、弾けないとか、ポピュラーだとか、クラシックだとか、合奏、二重奏、練習曲と、何でも構わず楽譜さえあれば手当たり次第に弾いていたので(その結果左手の甲が腫れてしまったが)、だいたい3か月くらいで、簡単なものなら初見で弾けるくらいになりました。

 先輩などからは「そんなにいろいろ同時に練習してはいけない、もっと曲を絞って1曲ずつ丁寧に練習したほうがよい」といったことをアドヴァイスされた記憶もありますが、こういった練習(いわゆる乱読というか)も時には悪くないのでしょう。

 

必ず読める速さで弾く

 話がそれてしまいましたが、上の譜例のようなものは、初級から中級くらいにかけての譜面を読む練習としては最適でしょう。 譜面を読むスピードはかなり個人差がありますが、必ず自分が読める速さ、実際には本当に読める速さよりも少し遅めに弾いてください。

 そのスピードの目安としては一定のテンポで弾けるかどうかということで判断して下さい。 特に同じ音を弾き直したり、前に戻ったりしている場合は自分の読める速さ以上の速さで弾いていることにになりますので、その場合は必ずテンポを落として練習してください。

 くどいかも知れませんが、”読める速さ”で練習しないと譜面を読む練習にはなりません。



出来れば1小節先を読む

 あまり譜面を読むのが得意でない人は、本当に一個、一個の音符を読んで音を一つ弾いてゆく感じになると思いますが、ある程度読める人は、1小節くらい先を読みながら弾くようにして下さい。 こうしたことはギター以外の楽器、特にピアノなどでは普通に行っていることだと思います。

 

ギターでよく使われる調の音階練習を行う

 このカルカッシギター教本の第1部には、ハ長調の他に、ト長調、 ニ長調、 イ長調、 ホ長調、 ヘ長調、 イ短調、 ホ短調、 ニ短調、 の計9個の調の練習があり、それぞれに同様な音階練習があります。 これらの9個の調はギターではよく使われる調なので、必ず練習する必要があるでしょう。



カルカッシギター教本~ニ長調

 このカルカッシ教本についてはおそらくギター愛好者の皆さんには身近なものと思いますので、あえて譜面を載せなくてもよいかも知れませんが、ピンとこない人もいるかも知れませんので、若干譜例を載せておきましょう。


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各調の音階やカデンツァは記憶していなければならない

 上は先ほど話に出たニ長調の音階ですが、1段目のようなもの、つまりニ長調の音階そのものは覚えておかなければなりません。 これは音楽の基礎理論にもつながるので、仮にも上級者を目指すなら必ず覚えておかなければならないでしょう。

 次のカデンツァ(終止法)も和声法の基礎なので、同様に覚えておく必要があるでしょう。 なお、私の教材ではこのカデンツァは若干簡略化して、よく使われる形に直してあります。

 こうした話をすると「音楽理論は苦手なので」 という人も少なくありませんが、最小限、各調の主和音くらいはすぐに言えるようにしたいものです。 これは音楽理論と言った大げさなものではなく、ただの常識と考えて下さい。



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最初のいくつかの音階を練習すれば

 イ長調の場合はポジション移動があるので注意しましょう。 でも上の二長調をしっかり練習すれば、その延長なのでそれほど難しくないでしょう。 

 確かに9個の調の音階をすべて覚えて、その応用練習を譜面を見ながら弾けるようになるのはちょっとたいへんな感じもあるかも知れませんが、 最初のいくつかを練習すれば、後は意外と簡単に出来るようになると思います。 私の記憶でも若干苦労したのは前述のニ長調くらいまでで、その後はあまり苦労した記憶はありません。 



いろいろ違った音階練習をする必要がある

 一般に音階練習というと、たいてい特定のもの(例えばハ長調の音階とか、半音階とか)を何度もも繰り返して練習することが多いようです。 確かに指の基本的なメカニックの練習ということであれば、指の動きの方に集中するために、同じもので練習した方がよいのですが、 しかし音階練習の目的はそれだけではありません。



本当は脳でギターを弾いている

 ギターを弾くには指の動きも大事だが、それ以上に考える能力、つまり能の瞬発性も重要です。 ギターは一見指で弾いているように思われますが、実際はすべて脳でコントロールしていて、”脳で弾いている”といってもよいくらいです。

 ただ同じ音階何回も、あるいは何年も繰り返して練習していたのでは脳の方はほとんど働かなくなります。 そういった意味で、調や運指の違う音階をたくさん練習することは非常に重要なことです。 「音階練習=同じものを何回も弾く」といった練習だけではいけません。
<音階練習の仕方 3 > 




前回、前々回の話が重要

 「音階練習の仕方」と言うことになっていますが、まだ本当に音階練習の話になっていませんね。 でも前回、前々回のような、言わば”下準備”がとても大事なことです。 音階練習といってもただやればよいものではありません。それどころか、正しくない方法で長く練習すると上達の可能性自体がなくなってしまうでしょう。



自分の音を聴きながら練習することはもっと重要

 では、前回、前々回のように正しい右手、左手の使い方が出来たら、いよいよ本当に音階練習となります。 さらに音階練習と言えど、音をよく聴いて練習するのは、非常に大事なことです。 どんなに熱心に練習しても、しっかりと自分の音を聴きながら行わなければ、これもまたほとんど効果はないでしょう。





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5つの音だけの練習


簡単なものから始めよう

 上の譜面は前々回のものとあまり変わりませんが、まずこんな練習から始めましょう。 「ドレミファソ」そ5つの音だけの練習ですが、上達のためには、このようになるべく簡単なものから始めるのがよいと思います。  弾き方については前回、前々回にお話しましたが、たいへん重要なことなので、あえてまた書いておきましょう。 




前に書いたことだが

 まず、左の人差し指と薬指は正確に1フレットと3フレットまで拡げておき、演奏中に左右に動いてはいけません。 弦を押さえる動作はゆっくりと触れるように押さえ、指で弦を叩くように押さえてはいけません。 

 また弦から指を離す動作もなるべくゆっくりし、指を1センチ以上弦から離なさず、出来れば5ミリ程度にします。  前に話した通り、指を弦から離す場合、筋力で指を上方に持ち上げるのではなく、押さえている力をただ抜くだけで離します。

 弦は指先の中心で押さえるとか、フレットのすぐ左を押さえるなどということも写真付きでお話したと思います。 


 右指も前回の写真で説明したとおり、正確な位置、適切な角度で弦を捉え、次の弦まで押し付けるようにして音を出します。 まずはアポヤンド奏法で練習する方がよいと思いますが、余裕が出来たらアルアイレ奏法でも練習するとよいでしょう。



左右のタイミングが合わないと滑らかな演奏にならない

 また左右の指の動きも正確に合わせないとレガート(滑らか)な演奏は出来ません。 そして何よりもしっかりと自分が出している音をよく聴き、美し、クリヤーで豊かな音が出ているかどうか、 レガートな演奏になっているかどうかよく確かめながら練習するのが最も重要です。

 以上のことが上手く出来たら、少し音を増やして、下のような練習をすると良いでしょう、要領は同じです。



①~③弦の音階

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①~⑤弦の音階
 
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ポジション移動を含む音階
 
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ポジション移動の際にも人差し指は弦からはなさない(ただし力は抜く)。 親指も正確な位置に移動(親指は一旦ネックから離す)。


 上は第5ポジションへの”ポジション移動”を含むものですが、 ポジション移動の場合は人差し指はが弦から離さないようにします。 その反対に、裏側の親指は移動の際にはネックから離し、正確な位置、つまり薬指の裏側付近に来るように移動します。 この親指が上手く移動出来ない人は少なくありません。

 以上のことが出来きたら、次は正確なテンポ、正確な音価(音符の長さ)で弾くことにポイントを絞って練習します。 これまでのように4分音符で正確なテンポで弾けたら、次に8分音符、16分音符、さらに3連符で練習してみるとよいでしょう。

  



8分音符による音階

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  まずは体で(具体的には足で)テンポを取りながら弾くとよいと思いますが、この8分音符の場合、拍の裏側、つまり足が上がる時を特に意識して弾くとよいでしょう。 この”拍の裏側”が意識できるようになるとテンポ感、拍節感なども身についてくるでしょう。




16分音符による練習

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1拍に4個弾く”と言う感覚を身に付ける。




3連符による練習
 
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3連符の場合、1回ごとに拍の”頭”が変わり、やや難しい。



メトロノームを使った練習も、 ただし常に使うのは良くない

 体で拍子を取りながら弾くことが出来たら、メトロノームを用いて練習するのもよいでしょう。 ただし常にメトロノームを使って練習するのは良くありません。 というのも、時にはじっくりと自分の音を聴いて弾くのがたいへん重要だからです。 

 つまり音階練習は様々な方法で練習すべきなのです。 テンポの練習ということに絞っても、 ①足で拍子をとる  ②メトロノームを使う  ③メトロノームも用いず、足でも拍子をとらず、自分の音をよく聴きながら練習する(でも正確なテンポで)  などの方法があるでしょう。



<音階練習の仕方 2>


今回は右手の話

 前回は左手の話が中心でしたが、今回はギターを演奏するには左手よりもさらに大事な右手の話です。 最近のクラシック・ギターの傾向として、アル・アイレ奏法が中心に使われ、かつてほどアポヤンド奏法は重視されなくなっていますが、はやりアポヤンド奏法は非常に重要な奏法で、当然のことながら、アポヤンド奏法も、アルアイレ奏法もどちらでも美しく、しっかりした音が出せるように練習しないといけません。



実際にはアルアイレ奏法の方が多く用いられるが、アポヤンド奏法から始めよう

 実際の演奏、特に独奏では圧倒的にアルアイレ奏法の方が用いられるのですが、練習としてはアポヤンド奏法から始めるのが合理的でしょう。 アポヤンド奏法は音階や単音の場合、アルアイレ奏法よりも弾き易く、安定感もあります。 弦の弾き間違えや、他の弦を鳴らしてしまうことも少ないでしょう。 



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人差し指で①弦をアポヤンド奏法で弾くところ。 親指は⑥弦に添えておくと右手全体が安定し、弦の弾き間違えがなくなる。 この写真では見づらいが、弦に対して垂直ではなく、斜めに指をあてる。 私の場合は45度くらいにしている。



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黒いところが人差し指の爪が弦にあたるところ。 



上から押さえつけたり、叩きつけてはいけない

 アポヤンド奏法は爪の当たる部分や、その角度などが適切なら、それほど難しくはありません。 指先、および爪が弦にふれたら、そのまま次の弦まで指先を押し付ければよい訳です。 ただしあまり指を横に倒して、上から押さえつけるようにしたり、離れた位置から弦を叩きつけるように弾いてはいけません。 



弦は水平方向に振動させる

 ギターの弦というのは、指板にたいして垂直方向に振動させるとノイズが発生して、音が汚くなります。 弦はなるべく指板に対して水平方向に振動させるのがよいと思います。 

 蛇足ですが、右指は特に音階などの場合、基本的に同じ指で連続して弾かずに、人差し指と中指で(場合によってはa-i、a-m、p-i)交互に弾くと言うのは、ギター演奏の常識となっています。







親指のアポヤンド奏法はたいへん重要

 親指のアポヤンド奏法は、他の指の場合よりも重要で、ギターを上手に弾きたければ、ぜひとも身に付けなければなrません。 いわゆる上級者でもこの親指のアポヤンド奏法が上手く出来ない人もいますが、その場合はいろいろなところで支障をきたすでしょう。



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親指で⑥弦をアポヤンド奏法で弾くところ。 先ほどとは逆に人差し指などを高音弦に触れておくとよい。 ただしあまり強く握らないようにする。 親指のアポヤンド奏法は非常に重要なので楽に出来るようになるまでトレーニングしなければならない。 爪を使う場合、爪の先端が弦に接触している状態から弦を弾かなと、爪が引っかかったり、ノイズが発生したりする。



弦の間だけを動く

  写真のように、親指のアポヤンド奏法で⑥弦を弾く場合、⑥弦を弾いた後、親指が⑤弦で止まるわけですが、この時右手全体が動いてはいけません。また上から押さえつけるというより、親指の先が ”⑥弦と⑤弦の間だけ動いて、⑤弦で止まる” と言った感じです。 



肘や手首が動かないように、アルペジオの場合も重要

 この場合い、肘や手首を動かさずに、親指の付け根の関節を動かす動作で弦を弾きます。 この関節を自由に動かせない人は多いのですが、ぜひともトレーニングしていただきたいと思います。 親指のアポヤンド奏法は、アルペジオの場合にもたいへん重要なので、再三ですが、音階練習の際にしっかりと練習しておくべきでしょう。