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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

今年はどんな年だった?



覚えているうちに

 2014年もあと今日1日、いやもう半日とちょっととなりました。 記憶力にも若干かげりも見え始めた昨今(元々あまり良くないが)、 忘れないうちに今年はどんなことをしていたか、おさらいしておこうと思います。 



結弦、佐村河内、消費税、STAP細胞、予選リーグ敗退、大雨、錦織、御嶽山、ノベル賞、衆院選、寒波

 テレビなどでも 「今年の10大ニュース」 などやっていると思いますが、社会全体の今年の出来事と言えば、 まず何と言っても4月から消費税が8%になりましたね、もっと前からだったような実感もありますが、今年の4月からだったのですね。

 全盲の作曲家として人気のあった佐村河内氏のゴースト・ライター事件とか、STAP細胞の件とかは今年の2月から3月にかけてでしたね。 広島市の大雨による土砂災害、また御嶽山の噴火で多くの犠牲者が出てしまいました。 

 スポーツ界ではフギャー・スケートの羽生結弦選手とテニスの錦織圭選手の活躍がたいへん話題になった一方、 サッカー・ワールドカップでは、日本代表は残念ながら1勝も出来ずに終わっていしまいました。 「優勝はブラジルかスペイン」という昨年のわあつぃの予想は全く外れ、結局ドイツの圧勝となりました。

 青色発光ダイオードに関して中村修二氏ほかの3人の日本人学者がノーベル賞を受賞しましたね。 12月には衆議院の選挙もありましたが、選挙前と後で、あまり変わりがないという不思議な選挙でしたね。 また日本海側の地方では12月にしては異例の積雪となりました。





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私のこの1年

 と言ったところが日本全体の出来事ですが、以下、私個人の出来事を順に追ってゆきます。 皆さんには文字通り「他人事」ではありますが、 時間のある方はお付き合い下さい。



Windows8と苦闘

 まず、これは昨年のこととなってしまいますが、昨年の12月にパソコンを買い替え、起動ソフトがWidows8となりました。 結構慣れるまでに時間もかかりましたが、そのおかげで、多少以前よりはパソコンのことがわかるようにはなりました(あくまで以前よりですが)。 


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 今年の1月頃は音楽ソフトの購入の件でPaypal社は、アメリカのソフト会社といろいろやりとりをしましたが、結局のところ手元には届かずじまいになってしまい、結局のところ楽譜のソフトは今現在でも古いパソコンでやってます。 WindowsXPなので、インターネットのラインを繋げずに使用しています。




雪の残る東京で生徒さんの結婚式

 2月には東京で大雪が降りましたが、 その2,3日後に生徒さんの結婚式が東京であって、そこで3曲ほど演奏しました。生徒さんの結婚式に呼ばれるのは何年ぶりでしょう、多分20年以上だと思います。





松村雅亘さんを偲ぶ会(ギター文化館)

  4月13日には今年の1月31日に急逝されたギター制作家の松村雅亘さんを偲ぶ会に出席しました(ギター文化館)。 今年のお正月には年賀はがきもいただいていたので、本当に驚きました。 亡くなる直前までブーシェに関する本の出版に尽力されていたそうです。

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シニア・ギターコンクール(ギター文化館)

 5月4日には例年どおり、石岡市のギター文化館でシニア・ギターコンクールがあり、審査をしました。 ますます出場者が増えて、今年はシニア、ミドルの両方で50人弱となりました。 シニアの部では山崎文郎さん、ミドルの部では坂元亮さんが優勝しました。

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谷島崇徳、中村俊三デュオ・コンサート(ギター文化館)

 5月25日には谷島崇徳さんとのコンサートをギター文化館で行いました。 谷島さんは私の息子とちょうど同じくらいの歳で、まさに歳の差デユオと言った感じでしたが、こうした若い人とコンサートをやるのもなかなかいいものですね。 曲目などもやはりそうした年齢差を反映したものとなりました。


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アコラ10周年記念(アコラ)

 6月28日には「アコラ10周年記念」ということで、宮下祥子さん、谷島夫妻とアコラで演奏をしました。 宮下さんは演奏をしている時には、ある意味女性らしからぬところも感じますが(力強く、理知的と言った点で)、話をしてみるととても女性らしい方ですね。

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水戸市民音楽会(水戸芸術館)

 7月20日にはこれも例年通り、水戸芸術館で水戸市民音楽会があり、水戸ギター・アンサンブルとして出演する一方で、実行委員として裏方をやりました。 コーラス部門と別に開催されるようになって3回目となり、これまではいろいろトラブルもあったのですが、 今回は若干気が抜けるほど、なんの問題もなくスムーズに進行出来ました。


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中村ギター教室発表会(ギター文化館)

 9月28日にはギター文化館で教室の発表会を行いました。会場の関係で独奏と二重奏のみで、約20名の生徒さんが出演しました。 そでで聴いていて 「ここで演奏すると皆いつもより上手に聴こえるなあ」 と感じました(ちょっと失言かな)。

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京都旅行

 11月には家内と2泊3日で京都に行きました。紅葉のピークにはほんの少し早かった感じですが、それでもどこおに行ってもとてもきれいでした。 大勢の観光客がひっきりなしに歩いているにもかかわらず、ゴミ一つ落ちていないのは驚きました。 また伏見街道沿いの大谷茶園というとても小さなお茶屋さんに入って、で抹茶セットを頼みましたが、それがとてもおいしくなお且つ値段もとても安かったのが印象に残っています。

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第16回水戸ギター・アンサンブル演奏会(ひたちなか市文化会館)

 11月30日にはひたちなか市文化会館で第16回水戸ギター・アンサンブル演奏会を行いました。 今回は二つのグループで演奏を行いましたが、次回(2016年予定)は全員、総勢20名前後のアンサンブルでコンサートを行おうかと思っています。

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木村義輝ギター・リサイタル

 12月14日には古くからの友人の木村義輝さんのリサイタルに行きました。 キャパが1000人以上のホールですが、ほぼ満席で、義輝さんの独奏の他、希さん、大君、祐君の4人による親子のアンサンブルもありました。司会者(元茨城放送の飯田利夫さん)の話などもあり、全体で4時間のも迫るというコンサートでした。

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 といったところで、今年もあと9時間ほどとなりました。 来年もまた私、および中村ギター教室、水戸ギタ・アンサンブル、中村俊三ブログをぜひよろしくお願いします。  皆様、良いお年を!

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ギター教室の先生になるには? 8




すべて順調に進んで

 音楽学校も卒業し、海外留学も終え、恩師をはじめ、いろいろな人の尽力もあり、音楽教室、及びカルチャー・センターなどの仕事も決まり、また自宅での教室で生徒さんも集まり始め、ギター教師としての人生も無事スタート!  めでたし、めでたし・・・・・

 仮にこのようにすべて順調に進んで、仕事がスタート出来たとしても、これで「めでたし、めでたし、一件落着」とゆくほど人生そんなに甘くはありません。 むしろここからが問題になる訳です。 最初に言いましたとおり、ギター教室の仕事というのは始めるのは難しくないが、それを続けるのが非常に難しい仕事なのです。

 


音楽的な環境で育った人が多いが

 ギター教師になろうと言う人は、当然小さい頃からギター、あるいは音楽が好きで、感性も豊かで、意欲的に学び、また音楽などに関する潜在能力も他の人に比べれば高いでしょう。 また友達なども音楽をやっている人が多く、家族もまた何らかの形で音楽に接していることが多いでしょう。 

 こういった人がギター教室でレッスンをする際、無意識にその対象を自分のような、あるいは自分の周囲にいるような人を前提としてしまいます。 しかしギター教室にギターを習いに来る人はそうした音楽的な環境に育った人ばかりではありません。

 むしろ 「今まで音楽的なことは何もしてこなかったので、ギターでも始めようと思います」 とか「うちの子は音楽が苦手みたいなので、ギターを習わせようと思います」 などといった理由でギターを習い始める人の方が多いのではないかと思います。



本当にいろいろな人が習いに来る

 さらに、ギターなんて2、3週間もやればたいていの曲は弾けると思っている人、 家での練習など全く考えない人、 楽譜を初めて見たという人、 基礎などどうでもよいから好きな曲だけ教えてほしいと言う人、 生まれて70年間、音楽に関しては全くなにも経験がないと言う人・・・・・・

 もちろんそのギター教師が、すでにギタリストとしての知名度や高い評価などがある場合にはそれなりに選ばれた人が習いにくるでしょうが、一般のギター教室では本当にいろいろな人が習いに来ます。 おそらく初めてギター教室の現場に立った若いギター教師は、このような人たちに戸惑うのではないかと思います。

 特に最近では年齢の高い人が習いにくることが多く、ギター教師の仕事に就くとすぐに、自分の父親、場合によっては祖父と同年代の生徒さんを持つことになります。




そうしたことは学校では教えてくれない

 普通、何かを教える仕事の場合、自分が習ってきたことを、生徒さんに教えることになると思いますが、ギター教室の場合、自分が習ってきたことを教えればよいと言ったことは、あまり通用しません。 おそらくそのギター教師も若い頃自分のギターの先生から楽譜の読み方とかリズムの取り方とか細かく指導された経験はないでしょう。

 また音楽学校などで音楽未経験の人や、高齢者に音楽やギターの弾き方を1から教えるノウハウは授けられてはいないでしょう。 そうしたことは現場で失敗や試行錯誤などを重ねつつ、見よう見まねで体得してゆくしかありません。  



 
これまでの教材は基本的に
 
 確かに、歴史的にこれまでいろいろな作曲家がギターの演奏技術を体得するために練習曲を書き、またいろいろなギタリストがトレーニング法などを提案していますが、それらは基本的に意欲があって、若く、音楽的潜在能力も有していることを前提としたものと言ってよいでしょう。 つまり従来の教材や、トレーニング法では、上手くレッスンが進められないことが多いと言うことになります。 





・・・・・・・・・・・・・




シメもオチもない?

 一応これで「ギター教室の先生になるには」のアンサーが終わりなのですが、 読み返してみると、どうもイマイチ答えになっていませんね。 シメもオチもないし。 なんだか結局自分も若い頃の苦労話みたいになって・・・・・・・

 たぶん今の若い人たちはこうしたことなどさらりとやってしまうのかも知れませんね、器用に。 この記事を読んだ若い人(ホントにいるかどうかはわかりませんが) の多くは、多分ギター教師などなりたくなくなったのではと思いますが、しかしやはり ”街のギター教室の先生”  は非常に重要な仕事であるでしょう。 

 トップ・ギタリストと一般愛好家を繋ぎ、我がギター界の興廃を担う極めて重要な立ち位置なのではと思います(言葉がちょっと古い?)。  

 さあ、君も街のギター教室の先生になろう! 

Q : ギター教室の先生になるには? 7


 前回に記事では、ギター教室の先生になる場合、特に音楽大学などを卒業する必要は必ずしもないが、しかし総合的に音楽を学んだり、他のジャンルの音楽家との交流を持つ意味でも、やはり音楽大学や、音楽専門学校で学ぶことは有益だと言った内容のことを書きました。



コンクールもチャレンジしておきたい

 今回は、まずコンクールについてですが、将来ギターの演奏家として活動することを目指すとすれば、日本国内、および世界の著名なコンクールに出場して一定の評価を得ることは絶対に必要なことでしょう。 ギター教師を目指すと言った場合には、必ずしもその必要はない訳ですが、でも出来ることならやはりチャレンジしておきたいところです。

 もちろんコンクールに出場して入賞などすれば、教師の仕事に就く場合でも有利に働くのは間違いないでしょう。 また仮にそうした結果が出なかったとしても、コンクールに出場するという経験は貴重でしょう。 将来教師の仕事に就いた時に、コンクールを受けたいと言う人を指導する可能性は大きく、そうした場合では自分にコンクール出場の経験があるかないかは大きなこととなるでしょう。



エントリーはしたが、気後れして・・・・

 私自身の話をするのはたいへん恥ずかしいのですが、20代前半の頃、2度ほどコンクールにエントリーし、テープ予選なども通過したのですが、2次予選直前になって、「まだ自分のレヴェルはコンクール出場するほどには達していいない」と思い、欠場してしまいました。 

 もちろん今ではたいへん後悔しています。 仮にコンクールで入賞できなかったとしても、また自分の実力を十分に出せなかったとしても、あるいは他の出場者に比べて自分の能力がはっきりと劣っていたとしても、やはりそのことから学ぶものはたくさんあったのではないかと思います。



代わりに息子が

 その代わりと言っては何ですが、私の場合は自分の代わりに創(長男)が小学生の頃から学生ギター・コンクールに出ていて、最終的にはクラシカル・ギターコンクールや東京国際、ミケーレ・ピッタルーガ(アレッサンドリア)コンクールなどに出場しました。 そうした息子を通して疑似体験したと言え、直接の体験ではないのですが、それによっていろいろ学ぶことが出来ました。 



準備は整った、さて、いよいよ

 さて、小さい頃からギターを習い、プロのギタリストを目指して音楽学校で学び、あるいは海外留学などもし、コンクールにも出場して入賞歴もあるとなれば、いよいよプロのギタリストとしての仕事が始まるわけです。 プロのギタリストといっても主な仕事がCD録音や、リサイタルなどの演奏を主とする場合と、ギター教室、あるいは音楽学校などでギターのレッスンをする場合とがあります。

 しかし前者のような演奏を主とするようなギタリストは、現実には非常に少なく、クラシック・ギターに限定すれば、日本では数えるほどしかいないでしょう。 つまりプロのギタリスト=ギター教室の先生といった式は95パーセントくらいは成り立つわけです。



まず講師の仕事を探す

 そこで、まず講師として受け入れてくれるギター教室や音楽教室を探すわけです。 かつては楽器店などに併設されている音楽教室などが主流で、現在でもそうした教室は健在ですが、他にカルチャ-・センターとか、クラシック・ギター専門店、およびギター関連諸施設といったものが考えられます。

 本人の実力がギター界で高く評価されていたり、海外の有名音楽学校卒業、評価の高いコンクールでの優勝、入賞歴などのキャリアがあれば、自然といろいろなところから講師としての依頼があると思いますが、 そうでない場合は自分の先生などいろいろな人からの紹介と言ったものが重要となるでしょう。



幅広い人脈を持てれば

 直接自分で音楽教室などに当たってみる、いわゆる”飛び込み”という方法もありますが、それによって採用される可能性はあまり高くなく、やはりいろいろな人からの紹介といった形の方が有効でしょう。

 そのためには、ギターを学んでいる間もいろいろな人と交流を深め、人脈を拡げておかなければなりません。これはギター教室の先生だけでなく、どんな仕事にも言えることなのでしょうが、人脈は一つの財産と考えるべきでしょう。



音楽教室の講師と並行して自宅などでも教室を開く

 ギター教室の先生になると言うことは、そうした音楽教室やギター教室で講師として勤める以外に、自宅などで教室を開いて生徒さんを募集する方法もあります。 私含め、多くのギター教師はこの両方を行っています。



インターネットが有効だが、愛好者などに認めてもらうことが重要

 かつては、こうした自宅の教室で生徒さんを集めるのは、宣伝手段などがあまりなく、なかなか難しいところもありましたが、最近ではインターネットを用いて宣伝が出来るようになったので、かつてよりは生徒さんを集めいやすくなっているでしょう。

 こうしたイターネットを通じて多くの生徒さんに来てもらうようにするには、見やすく、魅力的なホーム・ページを作ることも大事ですが、コンサート活動などによって、ギタリストとしての自分の存在をギター愛好者や地域社会に認めてもらいうといったことが最も重要ではないかと思います。

 





木村義輝ギター・リサイタル  ~40周年記念

12月14日(日) つくば市ノバ・ホール





 昨日つくば市のノバ・ホールで木村義輝ギター・リサイタルを聴きました。 プログラムは次のとおりです。



第1部

スペイン民謡 : 愛のロマンス
リンゼー : 雨だれ
サグレラス : マリア・ルイサ
ソル : 月光
ワルカー : 小さなロマンス
ヴィラ・ロボス : 練習曲第11番
アルベニス : 入り江のざわめき、 アストゥリアス


第2部

タレガ : アルハンブラの想い出
日本民謡 : さくら
土沢公典 : 与作
浜 圭介 : 舟歌

<二重奏   希タウトラット、木村祐>
作曲者不明 : ポーランド・パーク
イベール : 間奏曲

<二重奏  木村義輝 木村大>
ディアンス : タンゴ・アン・スカイ

<四重奏  木村義輝、 希タウトラット、木村祐、木村大>
スペイン民謡 : マラゲーニャ

ピアソラ : リベルタンゴ
バリオス : 森に夢見る


アンコール

古賀正男 : 影を慕いて

<四重奏> 
ホワイト・クリスマス



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満席のノバ・ホール

 上記の通り、たいへん盛りだくさんの内容です。 木村義輝さんとは私も長い付き合いですが、このリサイタルは木村さんのギター教師としての40周年記念と言うことで行われたものです。 1000人以上のキャパのこのホールも満席と言った状況で、木村さんの人柄と、のこれまでの長年の活動の積み重ねの表れと言えるでしょう。



ギターをやっている三人の子供たちも

 プログラムにもあるとおり、現在ギタリスト、あるいはギターを勉強中の木村さんの3人の子供たちが共演しました。
長女の希さんは現在ドイツで結婚し、教授活動をしていて、今回は8年ぶりの帰国とのことです。 三男の祐君は現在ドイツのフランツ・リスト音楽院でギターの勉強中。 次男の大君はご存じのとおり、現在日本でのトップ・ギタリストの一人となっています。

 司会は元茨城放送のアナウンサー、飯田利夫さんが行いましたが、演奏の他、トークを含めて4時間に迫るコンサートとなりました。 




ギターの小品、日本の歌

 プログラム中、<>がないものはすべて義輝さんの独奏です。 日本の歌や、リベルタンゴ、マラゲーニャ、ホワイト・クリスマスなどは義輝さん自身の編曲と思われます。 選曲は「雨だれ」など、ギターを習っている人にはなじみの深い曲や、日本の歌、演歌、スペイン、南米の曲など、親しみやすい曲が中心となっています。




しっとりとした独奏と華やかな重奏

 希さんと祐君で演奏された「ポーランド・パーク」はプログラムにも曲名が記されてなく、作曲者名もアナウンスされませんでしたので、作曲者がわかりませんが、なかなか美しい曲です(タンスマンの作品ではなさそうだが)。

  もう一曲は「アントラクト」とアナウンスされましたが、曲はフランスの作曲者ジャック・イベールのフルートとギターのための「間奏曲」でした。 そのフルートとギターのための作品をギター二重奏にアレンジして演奏したものと思われます。

 しっとりとした義輝さんの独奏と、たいへん華やかな子供たちとの重奏といった感じで、たいへんコントラストの聴いたプログラムでした。
Q&A ギター教室の先生になるには 6



正しい、ギター教室の先生のなりかた




 今回は”正しい、ギター教室の先生のなりかた” についてです。 ギター教室の先生になるには、まず当然比較的早い時期からギターを習わなければなりません。 少なくとも10歳前後、広く言えば4~12才くらいといったところでしょうか。

 ただし、小学生や幼児期などからピアノやブラス、ソルフェージュなどを学ぶことで音楽の基礎を身に付けていれば、中学生くらいからギターを始めても問題ないでしょう。



10歳前後までにはギターに触れてほしい

 確かに現在の第一線級のギタリストの多くは、3~5歳くらいからギターを学んでいますが、演奏家ではなく、ギターの指導者と限定すれば、もう少し遅くてもよいでしょう。 むしろ少年期や幼少期にはギターだけに絞らず、他の音楽をやったり、他の趣味をやっておく方が、指導する際にはよいかも知れません。

 一般に絶対音感が育つのは3~5歳くらいと言われますが、私の経験では、リズム感や音色感が育つのはもう少し後、つまり10歳前後くらいのようです。 ギターの場合、演奏するにせよ、指導するにせよ、音色感はとても大事なので、少なくともこの時期にはギターに触れてほしいところです。



あまり性急に将来の目標を決めないほうが良い

 しかしながら、プロの演奏家にせよ、指導者にせよ、この時期(小、中学生)から将来の職業をプロのギタリストのみに絞ってしまうのは、あまりよいことではないように思います。 仮にギターがとても好きで、それに応じた能力も備わりつつあるとしても、まだまだ広い可能性は残しておくべきでしょう。

 現実的には、高校生、あるは大学生となれば、進路もある程度決定しなければならないと思いますが、その時期になれば、いろいろなことを総合的に考慮して、自分の職業を決める判断力も付くのでは思います。



プロのギターリストを目指すのは、個人的にはお薦め出来ない

 しかし私個人的には、ギターを職業にするということは、やはり特殊なことなので、あまり、いや絶対にお薦めは出来ません。 どう考えてもプロのギタリストなど、それにかける才能や労力に見合った収入の期待できる職業ではありません。 もし、将来普通の生活を望むなら、当然他の職業を選択すべきです。

 そうしたことを踏まえて、それでもやはり、ギターの演奏家、あるいは指導者になりたいと思う人(当然それだけの能力が必要だが)、だけが、その道を目指すべきでしょう。



プロのギタリストの90%以上は、レッスンが主な収入源

 さて、何はともあれ、高校生くらいでギターの演奏能力も一定のレヴェルに達し、将来の職業をプロのギタリストに決めたとしましょう。 まだこの段階では演奏家になるか、指導者になるかは決めなくてもよいと思いますが、しかし現実にはギターを職業とする人の90%以上は演奏ではなく、ギターのレッスンを主な収入源としています。

 つまりプロのギタリストのほとんどは”ギター教室の先生”だということになります。 そのことは十分に考慮した上で、この道を目指さないといけません。 



まずは音楽大学か音楽専門学校

 プロのギタリストを目指すと決めた時に、今現在なら、まずやはり音楽大学や音楽専門学校に入学するのが最も良い選択でしょう。 かつてはギターに関しては音楽学校等とはほとんど無縁でしたが、今では音楽大学や音楽専門学校にギター科がかなり存在します。

 音楽大学などでは一般教養や、ギター演奏の実技の他に、ソルフェージュの試験もあるところもありますので、年少のうちからギターのレッスンと合わせて、ソルフェージュを習っておくとよいでしょう。 これはもちろん入試だけでなく、自分の演奏や将来指導者になった時にたいへん役立ちます。



音楽的教養を身に付け、他の楽器の学生との交流もある

 ギターの演奏技術だけだったら、特にこうした音楽学校でなく、個人的に先生についても問題ありませんが、これからのギターの指導者は音楽全体の知識がたいへん必要になってきます。 そうした音楽的教養を身に付ける意味では、こうした音楽学校で学ぶことはたいへん有用でしょう。

 また音楽学校ではピアノや弦楽器、声楽といった他の楽器の学生などとも交流があり、それもまたたいへん貴重なことでしょう。



卒業したからといって、すぐに仕事があるわけではない

 ただしこうした音楽学校を卒業したからといって、すぐに演奏や、教育の仕事に就けるわけではないことは理解しておくべきでしょう。 ギターの世界はよくも、悪くも学歴社会でも、資格社会でもありません。



海外留学も良い

 さらには海外留学するのもよいでしょう。 日本国内でも十分に音楽の勉強が出来ますが、やはり音楽はインター・ナショナルなものですので、海外の生活を経験したり、海外のギタリストの卵たちと交流を持つのはたいへんよいことでしょう。

 海外留学する場合、高校卒業してからすぐに海外の音楽学校に留学する場合と、国内の音楽学校である程度学んだり、卒業したりしてから行く場合とあります。 中には中卒で海外に渡り、高校も海外の高校に入学する人もいます。 



ドイツで先生になる人も

 ドイツなどでは、前にも話した通り、”ディプロマ”という制度があり、これを得るとドイツ国内でギターの指導の仕事に就くことができるようです。 日本人でもディプロマを獲得してドイツでギターの先生になっている人もいます。

Q&A ギター教室の先生になるには? 5



今現在は

 前回は私の経験などをとおして、これまで、特に1960~1970年代頃、どのようにしてギター教室の先生が誕生してきたかをお話しました。 今回は今現在、1990年代以降はどのようになっているか、について書いてゆきましょう。

 1960年代~1970年代では、私も含めて、十分な能力、知識、技術を持たないままギター教師になってしまった人が少なくなかったわけですが、今現在の30~40代のギターの先生は、少なくとも私の知る限りでは、そうした人は非常に少ないようです。

 今現在30代くらいでギターの先生をしている人は、小さいうちから(少なくとも中学生くらいまでに)ギターを習い、 将来プロのギタリストになることを目指して熱心に練習し、さらに音楽学校などで音楽を総合的に学び、海外留学をする人も多く、国内外のギター・コンクールでも入賞している人も少なくありません。




今のギター教師はレヴェルも上がっていて手ごわいライバル


 そういった若い人たちは、ギター教師の仕事に就いてからも積極的にリサイタルやコンサートを行い、また演奏技術もさることながら、音楽的知識、教養もしっかりと身に付けた人が多く、リサイタルを聴いたり、また一緒にコンサートを行ったり、話をしたりなどすると、私の方がいろいろと勉強させられます。

 そういった点で、数十年前と比較すれば、現在はギター教師のレヴェルも格段に上がっていて、ギター界全体を考えるとたいへん心強いところですが、同時に私にとってはそうした若いギタリストたちは手ごわいライバルでもあり、若干複雑な心境でもあります。 



いよいよ”正しいギター教室の先生のなりかた” だが

 さて、今回のテーマも、いよいよ結論ということで、今後ギター教室の先生になりたいと思う人は、どのように学んでゆけばよいかといったことについての話となります。

 ・・・・・あえて断らなくてもよいかも知れませんが、これは国内外で演奏活動を仕事とするような”一流のプロ・ギタリスト”になるため、ということではなく、あくまで”ギター教室の先生”になるための道筋ということです、念のため。

 それでは・・・・ おっと、ここでCM。     ・・・・都合上、本文は次回(出来れば明日)書くことにして、今日はとりあえず、ここまで。
昨日はたいへんありがとうございました。




 昨日(11月30日) ひたちなか市文化会館小ホールで第16回水戸ギター・アンサンブル演奏会を行いました。会場には約120名の方々に聴きに来ていただきました。 本当にありがとうございます。




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アルベニス : カディス、アストゥリアス





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カルリ : ロンド





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ポンセ : エストレリータ    タレガ : ロシータ 






 先日お話したとおり、今回はこれまでのメンバーによるアンサンブルの他に、初めてこの演奏会に出演する人のみのアンサンブルも行ったので、どうなるかなというところもあったのですが、昨年より準備を進め、またそれぞれのメンバーの頑張り等もあり、初めてにしてはまずまずだったかなと思います。

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ヘンデル:サラバンド、モデラート   ルグラン:風のささやき   ビジョルド:エルチョクロ  今回初出演のメンバー







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バリオス : クリスマスの歌、 ワルツ第4番



 


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メンデルゾーン : ベニスの舟歌、春の歌





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バッハ・管弦楽組曲第2番全曲


 バッハの管弦楽組曲はやはり難しかったですね(最初からわかっていたことですが)。 2年越しの練習でしたが、まだまだと言った感じでしたが、でも練習は楽しかったです。 






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今回は総勢18名と、いつもの2倍の出演者数。 次回は全員で一つのアンサンブルを行いたいと思います。



 終わってみれば、当然のことながら、比較的よく出来た曲と、残念ながら練習通りには行かなかった曲。 でも聴いてもらう人に楽しんでいただくのがコンサートの最も大事なこと、予定では次回の水戸ギター・アンサンブルの演奏会は再来年となりますが、次回はいっそう皆さんに楽しんでいただけるコンサートを企画したいと思います。  よろしくお願いいたします。