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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

本日はありがとうございました。


 本日の「中村俊三ギター名曲コンサート」にご来場下さった方々、今日は本当にありがとうございます。  何分平日の午後ということで、来ていただける方も決して多くはないだろう、せいぜい4~50人くらいの方々かな、と思っていたのですが、実際にはその倍の100人くらいの方々に来ていただきました。 嬉しい誤算です。 本当にありがとうございました。

 私自身、これまでいろいろなコンサートを行ってきましたが、今回のコンサート、ちょっとした新しい試み、これまではあまりやってこなかった形のコンサートと言えます。 特に独奏に関するコンサートでは、これまで結局のところ”自分の弾きたい曲を弾く”といった形であったことは否めないと思います。

 そうした私のわがままに付き合っていただける、心温かい人だけを対象としてコンサート、あるいはリサイタルを行ってきたとも言えます。 たとえ数は少ないにしても、本当に音楽を通じて気持ちが多少なりとも通じ合えれば、それはそれで、確かに重要なことではあると思いますし、そうしたコンサートは、それはそれで今後も続けてゆきたいとは思います。

 しかし私自身をプロのギタリストと言っても差支えないのであれば、やはりより多くの人にギター演奏を楽しんでもらう機会を作ることはぜひとも必要だろう、そう考えて計画したのが今回の名曲コンサートです。

 しかし音楽の好みは人それぞれ全くことなり、どんなに頑張っても、また私の能力が今の何倍も高かったとしても、会場に来たすべての人を満足させるなどと言うことは不可能なことです。 3分の2、いや2分の1、あるいは3分の1だろうか、 でもやはり一人でも多くの人に楽しんでもらう努力は怠るべきでない!

 まずは、はやり私の演奏を聴いてもらった方々に感想なり、意見、リクエストなどを聴くのが第一歩かなと言うことで、今回は珍しく(私のコンサートにしては)来場していた方々にアンケートをお願いしました。

 そのアンケートについては、まだざっと目を通しただけなのですが、改めて人それぞれ好みや考え方、感じ方は違い、すべての人というより、より多くの人に楽しんでもらうと言ったことも、非常に難しいことなんだなと感じました。

 皆さんが丁寧に書いていただいた回答をさらによく見直して次回のコンサートを計画してゆきたいと思います。 本日は本当にありがとうございました。

 
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中村俊三ギター名曲コンサート 8  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>


曲目紹介  情熱のスパニッシュ・ギター
    J.マラッツ : スペイン・セレナード   I.アルベニス : アストゥリアス   M.ファリャ : 粉屋の踊り




定番に勝るものなし

 コンサートの最後はやはりスペイン音楽ですね。 いつものことになってしまいますが、定番に勝るものなし・・・・・・
タイトルのように今回は特に”熱い”3曲を選びました。

 ホアキン・マラッツはアルベニスやグラナドスと同じく、19世紀末のスペインの作曲家兼ピアニストです。 この「スペイン・セレナード」はF.タレガのギターへのアレンジで、ギターではたいへん人気のある曲ですが、原曲のピアノでは、残念ながらほとんど演奏されないようですね。



ギター界の一発屋?

 またギターにおいてもマラッツの曲はこのスペイン・セレナード以外はほとんど演奏されることはなく、私も他にどんな作品があるのかよくわかりません。 だんだんには情報も入るようになるのではと思いますが・・・・・・



今回もアレンジ変更

 アルベニスの「アストゥリアス」につてはギターでは非常に有名な曲なので、あまり説明はいらないかも知れませんね、当ブログでも何回か取り上げています。 強いて言えば、今回は(今回も?)、今までとちょっとアレンジを変えて、一部和音を原曲と矛盾がないように変更したり(セゴヴィア風に)、 より華やかに、ノイズも少なくなるように工夫しています。
 

アルベニス


 このアストゥリアス、私の場合、ほぼ毎回演奏するたびに、多少なりともアレンジや運指を変えています。 一種の病気かな・・・・・・



ギターに還元?


 ファリャの「粉屋の踊り」はバレエ音楽「三角帽子」からのもので、原曲はオーケストラです。 アレンジは私のものですが、この曲、意外とよいアレンジがありませんね。 前の2曲以上にフラメンコそのものと言った感じで、フラメンコの曲をオーケスラ用に作曲したとも言えます。


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 したがって、この曲をギターで演奏するのはごく自然なこととも言えるでしょう。 最後に踊り狂って終わるあたりは演奏していても血圧が上がりそうですね。 私の場合、普段血圧がかなり低いので、まあ、大丈夫だと思いますが。


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明後日になりましたが、今からでも

 以上で曲目解説が終わりですが、コンサートもいよいよ明後日となりました。 それなりに面白いコンサートになるのではと思いますので、 興味のある方は是非ご来場下さい。 当日売りは1800円ですが、明日(26日)まで予約受け付けております。 予約の場合は1500円です。
<中村俊三ギター名曲コンサート 7  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>

曲目紹介   タンゴの魅力  R.エルビン : 奥様、お手をどうぞ
                   ロドリゲス : ラ・クンパルシータ 




ギターでタンゴというと最近では

 この曲から後半となりますが、まず有名なアルゼンチン・タンゴの曲を2曲演奏します。 どちらも私がよく演奏する曲で、それぞれ1920年代の曲です。 最近、ギターでタンゴというと、何といってもピアソラの曲がよく演奏されるのですが、こうした古くから親しまれている曲をギターで弾くのもなかなかよいものです。



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歌とリズムのキレ

 どちらも私自身の編曲ですが、「奥様、お手をどうぞ」は甘く歌うメロディを中心に、 「ラ・クンパルシータ」 はリズムのキレが出るようにアレンジしてあります。 なお「ラ・クンパルシータ」とはパレードの意味で、「思い出がパレードのようによみがえる」 といったような曲だそうです。





オーケストラ曲をギター1本で   ムソルグスキー : 展覧会の絵より ~プロムナード、古城、ビドロ他


元々はピアノ曲のための組曲

 「展覧会の絵」 はロシアの作曲家ムソルグスキーが、亡くなった友人の遺作展の中から、10枚の絵の印象をピアノのための組曲として作曲したものです。 その後フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルがオーケストラに編曲し、原曲のピアノよりもオーケストラで演奏されることのほうが多くなり、一般にはオーケストラ曲として知られています。


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通常技巧で

 ギターのほうでは1980年に山下和仁さんが超絶技巧を用いて全曲ギター独奏で演奏して話題となりました。 今回のコンサートでは、この組曲の中から「プロムナード」、「古城」、「ビドロ」など、約8分ほどにまとめて演奏します。 もちろん ”超絶技巧” ではなく ”通常技巧” で。
<中村俊三ギター名曲コンサート 6  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>

曲目紹介    弾厚作 : 君といつまでも




高度経済成長期真っ只中

 「悲しき口笛」から16年経った1965年に、この曲が生まれます。 前年(1964年)には東京オリンピックが行われ、前後して東海道新幹線も開通、この時代は世に言う 「高度経済成長期」 真っ只中となります。 


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 白黒テレビから始まった各家庭への家電製品の浸透も、炊飯器、洗濯機、冷蔵庫、ステレオ、カラーテレビと進んでゆきます。 給料は毎年上がるのが常識で、あまり豊とは言えない私の家でも、年ごとに”おやつ”が豊富になってきて、自由に食べられるようになった記憶があります。


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幸せな時代の幸せな歌

 年ごとに日本は豊かになり、としごとにいろいろなものが増えてきた時代で、誰もが明るい未来を信じていたとても幸せな時代・・・・・・・   ということで、当時の大スター 「若大将」 こと加山雄三さんが作曲して歌った 「君といつまでも」 がこの時代を代表する歌かな、ということで、この歌をチョイスしました。


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当時シンガー・ソング・ライターは珍しかった

 「弾厚作」 は加山さんのペンネームで、 当時は歌手が曲も作ると言うことが珍しく、また 「幸せだなあ、ボクは君といるときが・・・・  」 といったセリフ入りでも話題となりました。 映画の大スターで、大歌手、さらに作曲家という加山さんの多才ぶりを示した曲と言えるでしょう。



最も明るく響く調で

 3連符の伴奏に乗って晴れやかで、おおらかな歌が歌われますが、そのシンプルな美しさが損なわれないように、アレンジのほうも極めてシンプルなものにしました。 またキーもギターでは最も明るく響くイ長調を選びました (オリジナルはト長調)。 ギターのみで演奏してもなかなか美しい曲です。









曲目紹介   伊勢正三 : 22才の別れ



嵐が過ぎ去って


蜈ィ蜈ア髣倥・蟄ヲ逕溘◆縺。



 「22才の別れ」 は「君といつまでも」から10年ほど経った1975年に、当時の人気フォーク・グループ「かぐや姫」のメンバーだった伊勢正三さんの作曲と歌でヒットしました。 その間、1970年前後は学生運動の嵐が巻き起こり、それが1972年の浅間山荘事件、集団リンチ事件という衝撃的な結末を迎えます。


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買占め? 買いだめ?

 気が付いてみると「高度経済成長期」はいつの間にか終わり、 その象徴的な出来事として中東戦争を引き金として起こったオイル・ショックなどがありました。 トイレット・ペーパーを買占めに走るなどという、後から考えると滑稽な現象もありましたね。



和製フォークの誕生

 それまでいろいろな意味でハイテンションだった日本全体が、やや落ち着いた時代へとなって来たのでしょう。 そんな時代に流行ったのが、この「22才の別れ」などの、いわゆる「和製フォーク」と呼ばれた歌です。 



世界平和よりも

 フォーク・ソングというと、当初は反戦運動などと深いつながりがありましたが、その担い手である当時の若者たちも学生運動の終焉とともに気持ちも内向きとなってきて、日本の将来や、世界平和などから恋愛や別れなど、身近な事柄を歌をするようになってきます。

 この伊勢正三さんの「22才の別れ」の他、 吉田拓郎さんの「旅の宿」、 南こうせつさんの 「神田川」、 さだまさしさんの「精霊流し」などがその代表でしょう。 また曲名からもわかるように 「和」 のテイストも盛り込んであります。 


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5年間付き合った彼と

 この「22才の別れ」は 、17歳の頃から5年間付き合っていた彼と結婚を機に別れることになった女性の気持ちを、シャッフルした(音符の長さを2対1にすること)アルペジオにのせて歌います。 たいへんフォーク・ギターぽい伴奏ですが、まさにこの時代を代表する歌と言ってよいでしょう。
<中村俊三ギター名曲コンサート 5  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>

 曲目紹介    よみがえる昭和の名歌  ~ ① 万城目正 : 悲しき口笛 




ふとメロディが浮かんできたのが

 今回のコンサートでは、皆さんも思い出深いと思われる昭和の歌を3曲ほど弾いてみたいと思いました。 まず1曲目として私が生まれた頃、つまり1950年前後の曲として何が良いかなと思ったのですが、ふとメロディが浮かんできたのがこの曲でした。



古いラジオから聴こえてきた

 おそらく私が小学校に入学する前後くらいだったと思いますが、母が手内職などしながら古いラジオを聴いていました。 その時よくこの曲がラジオから聴こえていたような記憶があります。


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当時家にあったものとはちょっと違いますが、だいたいこんな感じのラジオからこの曲が聴こえていた


 その古いラジオは、まるで宝石箱のような形をしていて、時々調子が悪くなって、兄がよく分解していました。 もちろん真空管式です。 購入した当時(戦前)はそれなりの価格のものだったのかも知れません。



ひばりさんのデビュー曲で、映画の挿入曲

 この「悲しき口笛」は昭和の大歌手、美空ひばりさんの事実上のデビュー曲だと言うことは皆さんもご存じと思います。 改めて当時の映像などを見てみると、11才頃の美空ひばりさんが、燕尾服にシルクハットという姿でパーティ会場のようなところで歌っています。 映画の中の1シーンで、ダンス・ホールのようです。



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悲しき口笛を歌う美空ひばりさん。 11~12才頃



名探偵コナン?

 小さい女の子がそんな恰好して歌っているのは七五三ぽくってかわいらしいのですが、しかし歌の方はすっかり大人。子供にしてはかなり低い音域で歌っています。 まさに 「見た目は子供、中身は大人」 といったところでしょう。



チャンバラ・シーン

 ついでに他の映像も見てみたのですが、演歌、歌謡曲、ポップス、ジャズ、など様々な歌を歌っていて、その上手さはあえて私がコメントするまでもないでしょう。 それらの中でチャンバラをしているシーンに目が留まりました。 



キレキレの動き、ノーカット、長回し!

 あまりにもキレのよい動きなので、代役の人がやっているのかなと思いましたが、どう見てもひばりさん本人のようです。 さらにその殺陣のシーンはかなり長く続き、なおかつノーカットのワン・シーンです。 こうした場合、ちょっとしたミスがあれば当然取り直しになってしまうはずで、つまりかなり速い動きの殺陣を、長い時間にわたってノーミスでやっていることになります。



すべてが超一流

 もちろんひばりさんは、当時人気女性歌手で、間違ってもアクション俳優や殺陣師ではないはずですが、どう見ても人気歌手が話題性的に殺陣をやっていると言った感じではありません。

 こんなことに感心してはいけないのでしょうが、何事にも真剣に立ち向かい、なおかつ超一流でなければならないと言う、ひばりさんの性格と才能がよくわかる映像だと思いました。 まぎれもなく昭和の大スターですね。




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イントロが流れると、こんな風景を思い出す人がいるかも


イントロを聴くだけで戦後の風景が

 さて、曲のほうですが、当時流行したと思われるブルース調の曲で、そのイントロ(口笛による)はいかにも昭和20年代といった感じがします。 このイントロを聴くだけで戦後間もない頃の風景や暮らしが浮かんでくるようですね。  ・・・・・・私自身は戦争が終わってから6年後に生まれていますが。

 曲の後半では、さらにブルースぽさが出るようなアレンジにしてみました。 なかなかギター・ソロにも合う曲です。
 
<中村俊三ギター名曲コンサート 4  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>

  曲目紹介   ニーノ・ロータ : 太陽がいっぱい




映画音楽というと、やはり1950~1970年代

 映画音楽は、当然映画が出来てから今日まで100年近くにわたってあるのでしょうが、 でも私たちの世代(over60)ではやはりこの時代、つまり19650~70年代くらいのもののイメージがあるでしょう。 この「太陽がいっぱい」は1960年の映画で、ご存じ、名優アラン・ドロンの主演で人気となった映画です。


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イタリア映画音楽の巨匠

 音楽はイタリアの映画音楽の巨匠、ニーノ・ロータ作曲によるものですが、8分の6拍子のアルペジオに乗って流れるメロディは、まさに青く輝く地中海を彷彿させますね。 ロータは他に「ゴッド・ファーザー」、 「ロミオとジュリエット」、 「ジェルソミーナ」 などのテーマも作曲しています。



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昔こんなレコード(ドーナツ盤)が家にあったような。 B面の「アフリカの星のボレロ」もなかなかよい曲



オレはクラシック音楽の作曲家だ!

 ロータはまぎれもなく映画音楽の巨匠であるのですが、 でも本人は 「オレはクラシック音楽の作曲家だ!」 と主張しているそうです。 確かに交響曲や室内楽なども作曲していて、そうしたCDも発売されています。 私自身これらの曲は聴いたことがないので、ぜひこの機会にCDを取り寄せて聴いてみたいと思います。  ・・・・・・この記事適当に終わらせて、早速注文しようかな・・・・
 





  アントン・カラス : 第3の男

 と思ったけど、その前に、もう一曲紹介書いておきます。 こちらも有名な映画音楽で映画の発表は1949年です。 モノ・カラーの映画で、地下道を走りまわるシーンが印象的ですね。 

 音楽の方はアントン・カラスがツィター(ツィッターではない!)という楽器で演奏しています。 ギターに似た名前ですが、実際はギターとハープの合いの子みたいな楽器で、音色もチョット似た感じがあります。 


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ツィター  ・・・・「ツィター」で検索しても、どうしても「ツィッター」が出てしまう



子供の頃聴いた記憶で

 今回演奏するものは私のアレンジですが、子供の頃よく聴いたLPの記憶で編曲しています。 だいたい30年くらい前に編曲したものですが、それから基本的にはほとんど変わっていません。 結構それっぽくなっていると思います。

 最近ではこのメロディは、やはりビールのCMの印象が強いですね。
<中村俊三ギター名曲コンサート 3  5月27日(水)ひたちなか市文化会館>

  曲目紹介  フェルナンド・ソル : モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲




特に有名なアリアではない

 この曲についても以前に紹介していいるので、特に今回付け足すこともないのですが、何といっても古典期の作品で、狭い意味でもクラシック・ギター(厳密にはクラシカル・ギターかな)の代表曲でしょう。

 もとのメロディは 「なんと素晴らしい鐘の音」 と怪物たちが躍りだす歌で、モーツァルトらしく、美しく、かわいらしい曲です。 しかし、たいへん短くそんなに目立つ曲ではないのですが、よくこんな歌にソルは目がいったなと思います。



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メロディを自分流に変えて用いている

 ソルはこの歌をそのまま主題にしたわけではなく、付点音符などを多用した自分流のメロディに変えて変奏曲にしています。 モーツァルトの書いた元のメロディを譜面に書くとこんな感じでしょうか。


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本家ベートーヴェンも作曲している

 これはこれでなかなか美しい曲ですが、ソルは、さらに自分らしく、活気あるメロディにしたかったのでしょう。 ちなみにソルは「ギターのベートーヴェン」と言われることもありますが、本家ベートーヴェンも「魔笛」のアリアを主題とした変奏曲を作曲しています。 こちらはチェロのための曲で、パミーナとパパゲーノが歌う有名な二重唱をテーマにしています。

 一般のクラシック音楽ファンが 「『魔笛』の主題による変奏曲」 と聴くとたいていベートーヴェンの方を思い出すでしょう。  ・・・・一般の音楽ファンと、このソルの「魔笛・・・・」の話をする時には、必ず「ソル作曲の」と付けましょう。

<中村俊三ギター名曲コンサート   5月27日(水) ひたちなか市文化会館>

曲目紹介 2

F.タレガ : アランブラの想い出




タレガはこの曲を弾いていた?

 この曲も当ブログの読者の方々にはあまり説明の必要がないと思いますが、一応今まで書いたことなどをまとめておきます。 この曲は1889年、つまりタレガが亡くなる10年前にグラナダを訪れた時に書いたとされています。

 当初の曲名は幻想曲「グラナダ」 といったようなものだったそうです。 「アランブラの想い出 Recuerdos de la Alhambla」 として出版されたのは1907年頃とされています。 タレガの生存中から人気のあった曲だったそうですが、タレガのリサイタルのプログラムにはこの曲らしいものは見当たりません。



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くわえタバコでギターを弾くタレガ。 こんな感じで生徒の前でアランブラの想い出を弾いていたかも知れない



 つまりアラビア風綺想曲などと同様、公式には演奏はしていなかったようです。 もちろんそれはプログラムなどが残る公式のリサイタルについてで、 自宅などで生徒子や愛好家の前では、他のタレガの作品同様、よく演奏されたのかも知れません。 また生徒たちへのレッスンでも、生徒の演奏を聴くよりも、自分で演奏することの方を好んだようです。






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アランブラ宮殿があるグラナダ



イスラム人の最後の拠点

 アランブラ宮殿の方もよくご存じと思いますが、スペインでのイスラム勢力の最後の拠点となったグラナダの小高い丘の上にある宮殿です。 その成立は一言では言えず、8世紀頃からイスラム人により軍事施設、つまり砦として建てられ、徐々に豪華な宮殿へと作り替えれれていったようです。 グラナダがヨーロッパ人(スペイン王権)よって奪回されてからもカルロス1世などにより手が加えられていったようです。

 有名な建物としては、「ライオンの間」、 「アラヤネスのパティオ」、 「パルタル庭園」 ・・・・・・・・



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パルテル庭園


講釈師、見てきたような嘘を言い

 ・・・・こんな説明をしていると、私自身が何度もここに行っていて、現地ガイドなみに詳しいように聴こえますね。 確かに当ブログでも、またコンサートの時でも、またレッスンの際などにこのアランブラ宮殿について説明したりしています。 しかし残念ながら本当は1度も行ったことはなく、全部どこかに書いてあることをそのまま写したり、しゃべったりしているだけです。 ゴメンナサイ    ・・・・・・まさに ”講釈師見てきたような嘘を言い” ですね。



最近では”アランブラ”と表記されることが多いが

 ところこの話も当ブログでよくやっていますが、 ちょっと前までこの曲を「アルハンブラの想い出」 と表記されることが多かったのですが、最近ではほとんどのコンサートのプログラムなどに「アランブラの想い出」と表記されることが多くなっています。 そうしたことに従い、当ブログでも最近ではこのように表記しています(当ブログを始めた頃はまだ”アルハンブラ”だったかな)。

 これはスペイン語では”h”は発音せず”アランブラ”になるからです。 スペイン語の発音すべてカタカナで表記すれば ”レクエルドス・デ・ラランブラ” となるようです。 冠詞(la)が付くので”ラランブラ”となるようです。



”アルハンブラ” でも悪い訳ではない

 ただし、アラビア語では ”アル・ハムラー” と言うそうですので、”アルハンブラ” と言う表記も全く根拠のないものではないようで、決して間違いというわけでもなさそうです。 要するに”アランブラ” は”アル・ハムラー”のスペイン訛りというわけですから。

    ・・・・・これもどこかに書いてある話です。  一応、チリの人にこの曲の正しい発音を聴いたことがあるのですが、だいたいこんなように発音していたような。


<中村俊三ギター名曲コンサート>
    2015年 5月27日(水) 開演14:30 開場14:00
    ひたちなか市文化会館小ホール

♪6本の弦が奏でる美しき名曲のひと時with talk♪

    前売り、予約 1500円  当日 1800円



       <演奏曲目>

★クラシック・ギター究極の名曲
   練習曲 ~禁じられた遊びのテーマ(A.ルビラ)
   アランブラの想い出(F.タレガ)
   魔笛の主題による変奏曲(F.ソル)

★永遠のスクリーン・テーマ   
   太陽がいっぱい(N.ロータ)
   第3の男

★よみがえる昭和の名歌
   悲しき口笛(万城目正)
   君といつまでも(弾
   22歳の別れ(伊勢正三)

★タンゴの魅力
   奥様お手をどうぞ(R.エルビン)
   ラ・クンパルシータ(G.M.ロドリゲス)

★オーケストラ名曲をギターで
    「展覧会の絵」より(ムソルグスキー)

★情熱のスパニッシュ・ギター
   スペイン・セレナード(J.マラッツ~タレガ編)
   アストゥリアス(I.アルベニス)
   粉屋の踊り(M.ファリャ)  




あと2週間

 5月27日に予定している「中村俊三ギター名曲コンサート」も、あと二週間とちょっととなりましたので、いつものように演奏曲目の紹介を行います。 

 今回のコンサートはチラシにあるとおり、6つのカテゴリに分け、いろいろなジャンルの曲を演奏します。 「ギター名曲」といっても、本当のギター曲、つまりギターのオリジナル曲もあれば、もともとギターには関係ないが、ギターで弾くと、あるはギターで弾いても面白いと言った曲とになります。



厳密には「ギター名曲コンサート」ではないが

 確かに厳密には「ギター名曲コンサート」とはなりませんが、でも「アストゥリアス」や「スペイン・セレナード」など、元々はギター曲ではないが、ギター曲として有名で、よく演奏される曲もあります。 ファリャの「粉屋の踊り」も含め、この3曲などオリジナルの形で演奏されることの方が稀でしょう。

 このように「ギター名曲」にはグレー・ゾーンが広いのですが、それがまたギターの特徴でしょう。 まあ、まあ、カタイことヌキにして、今回演奏する曲はすべて 「ギター名曲」 ということにしてしまいましょう。




クラシック・ギター究極の名曲

 それでは、まず「クラシック・ギター究極の名曲」ということで3曲演奏します。 これらの曲は正真正銘ギター曲で、最初からギターのために作曲された曲で、またクラシック・ギターの曲としては特別知名度の高いものです。



「禁じられた遊び」は最も知名度が高いと思われるが

 私のように毎日イヤというほどギターに接していると、こういった曲など誰でも知っているような錯覚を起こしてしまいますが、一般の人(特にクラシック・ギターに興味ない人)にクラシック・ギターの曲名を挙げてもらっても、なかなか曲名が出てこないのが実情でしょうね。

 その前に 「クラシック・ギター」 というジャンルがあること自体が、たぶんピンとこないでしょう。 ギターにはエレキとアコースティックしかないと思っている人も少なくありません。

 そんな中でも(年配の人中心に)、とりあえず出てくるのがこの「禁じられた遊び」ということになるのでしょう。 仮に曲名はわからなくても、この曲を聴かせると 「どこかで聴いたことがある」 と言う人は多いのではないかと思います。 もっとも、クラシック・ギターのコンサートに来る人限定で考えれば、まず知らない人はいないと考えてよいでしょう。 



正真正銘ギターのための曲

 確かにこの曲(禁じられた遊び)の知名度が高いことはわかるが、「でもこの曲は映画音楽だし、またスペイン民謡とも言われているので、少なくともクラシック・ギターの曲ではないのでは」 と思う方もいるでしょうね。 しかし、当ブログでも何回か書いているとおり、この曲はまぎれもなく、正真正銘のクラシック・ギターの曲です。



作曲された当時から人気があった

 この曲は19世紀のスペインのギタリスト、アントニオ・ルビラにより1870年頃、練習曲として作曲された、などと言うことはもう皆さんもよくご存じでしょう。 たいへん美しいメロディの曲で、なおかつそれほど難しくないので、この曲は作曲された当時からギターを習っている人から、たいへん人気があったようです。



ギター曲として初めて録音された曲

 その第一の証拠として、この曲は、1900年頃ギター曲としては初めて録音されています。 この当時はエジソンが蓄音機を発明したばかりの頃で、録音と言っても円盤ではなく、ワックス・シリンダー、つまり瘻管による録音です。 現在CDとしてそれが入手出来ますが、ザーザーという凄いノイズの彼方からやっとこの曲のメロディのみが聴こえてくるといったものです。


スペイン国内ではその頃からすでに作曲者がわからなくなってしまった

 しかしこの頃にはすでに作曲者がわからなくなってしまったようで、その録音にも肉声で、「ソル作曲 練習曲」とアナウンスされています。 しかしそれはあくまでスペイン国内での話で、南米ではちゃんと「アントニオ・ルビラ作曲 練習曲」として楽譜も出版されています。 その譜面は現代ギター誌2012年5月号に掲載されています。



1952年に映画「禁じられた遊び」のメイン・テーマとして使われた

 この曲が1952年にフランス映画「禁じられた遊び」のメイン・テーマに使われたことは皆さんもよくご存じと思いますが、イエペスがこの曲の作曲者がわからなかったのは無理からぬことでしょう。 もしかしたら、イエペスはこの曲を楽譜で覚えたのではなく、耳で覚えて弾いていたのかも知れません


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日本で公開された時のポスター


ルネ・クレマン監督がこの曲を選んだ

 ちなみにこの曲をメイン・テーマに採用決定したのはイエペスではなく、監督のルネ・クレマンだそうです。 イエペスにレパートリーをいろいろ弾かせて、それらの中からルネ・クレマン監督が映画のシーンに合いそうな曲を選んだのだそうです。 つまりこの曲はルネ・クレマンの好みだったと言うことになるのでしょう。



作曲者がわからないのは都合が良い?

 もっとも、ちょっと勘ぐれば、作曲者がわからないということは、著作権など考えると都合がよかったのかも知れません。 確かに他に使われた曲も古い曲で、著作権には縁のない曲となっています。 ・・・・・・何といってもイエペスにすべての音楽を担当させたのも予算の関係だったようですから。
<第10回シニア・ギター・コンクール 第1回チャンピオン大会>


 昨日に引き続き、石岡市ギター文化会館において、歴代の優勝者による<第10回シニア・ギター・コンクール 第1回チャンピオン大会>が行われました。 出場者は以下の11人の方です。


佐々木みこと (第7回ミドル優勝)  演奏曲 : ガヴォット(バッハ)、魔笛の主題による変奏曲(ソル)
黒江春海   (第4回シニア)            アベ・マリア(グノー)、 愛の歌(メルツ)
三谷三恵   (第8回ミドル)            樅の木(シベリウス)、 ワルツ第3番(バリオス)
長塚 彰   (第5回シニア)            魔笛の主題による変奏曲(ソル)
種谷信一   (第6回シニア)           心静かに(アセンシオ)、 アラビア風綺想曲(タレガ)
坂本 亮   (第9回ミドル)            想いの届く日(ガルテル)
村上尚代   (第5回ミドル)            リエンダ(マンホン)
山崎文郎   (第9回シニア)           主題と変奏、終曲(ポンセ)
浮海祥治   (第10回ミドル)           フーガBWV998(バッハ)
鈴木幸男   (第4回ミドル)           プレリュード、サラバンド、ジグ(ポンセ)
川田隆夫   (第1回ミドル、第3回シニア)  椿姫の主題による幻想曲(アルカス)



 結果の方は、5名の審査員と26名の会場の聴衆との評価を総合する形で出されました。 さすがの高レヴェルでの競い合いとなりましたが、優勝はマンホンの難曲をたいへん美しく演奏した村上尚代さんとなりました。 低音などの細部にもよく神経が行き届いていたと思います。

 第2位は北海道の佐々木さんで、以前に聴いた魔笛よりも格段に良くなったように思います。 第3位はミドル、シニアの両部門で優勝している川田さんで(川田さんも北海道)、椿姫幻想曲を高いレヴェルで演奏していました。

 第4位はひたちなか市の鈴木さんで、ポンセの3曲をたいへん美しい音で演奏していました。 以下第5位山崎さん、第6位種谷さんといった結果になりました。 このチャンピオン大会はまた5年後の第15回に行われるとのことです。

<第10回シニア・ギター・コンクール>

  石岡市ギター文化館


 第10回シニア・ギター・コンクールの結果を報告します。 順位は以下のとおりです。

シニアの部(55才以上)

第1位 堀田京子  千葉県  ロマンセ・クリオージョ(ホルヘ・モレル)
第2位 鈴木幸男  茨城県  グラナダ(アルベニス)  エチュード第6番(ヴィラ=ロボス) 
第3位 黒田公子  埼玉県  プレランブロ(ポンセ)
第4位 上原和男  千葉県  アリアと変奏(フレスコバルディ) ダンサ・ポンポーザ(タンスマン) 
第5位 山本英雄  茨城県  アラビア風綺想曲(タレガ) 
第6位 長谷川武  東京都  さくらによる主題と変奏(横尾幸弘)
第7位 相川 明   東京都  ムーンタン(ヨーク)



ミドルの部(35~54才)

第1位 浮海祥治  愛知県  フーガBWV998(J.S.バッハ)
第2位 伊藤 円  神奈川県  想い出(アサド)  スケルティオ・ワルツ(リョベット) 
第3位 増田泰隆  石川県  ソナタ第3番Ⅱ、Ⅲ(ポンセ)
第4位 山岸協慈  新潟県  黒いデカメロンⅡ、Ⅰ(ブローウェル) 
第5位 廣岡甲太郎  群馬県  エストレリータ(ポンセ) アラビア風綺想曲(タレガ)
第6位 松田利枝  滋賀県  愛の歌(メルツ) ラ・ミラネーゼ(クレンジャンス)





 シニアの部の予選は28名のエントリーでしたが、課題曲がソルの「アンダンティーノ ホ長調」で、この曲には出場者たちもやや苦戦していたようです。 音価などを正確に弾くだけでもなかなか難しく、さらにフレージングや、ソルらしい溌剌感などを表現するにはかなりの実力が必要でしょう。

 第1位の堀田さんは音色も美しく、声部の弾き分も良く出来ていて、たいへん美しい演奏でした。 第2位の鈴木さんはグラナダのメロディをたいへんよく歌わせており、エチュードも勢いのある演奏でした。 第3位の黒田さんはたいへん実力のある方だと感じました。若干の混乱がなければさらに上位の可能性があったでしょう。




 ミドル・エイジの予選課題曲の「アデリータ」は愛好者にとってもなじみの深い曲と思いますが、予選出場に当たっては改めて譜面を読み直し、低、高音のバランス、強弱や音色の対比、フレージングなど、改めて考え直す必要もあるでしょう。

 第1位の浮海(うかい)さんはしっかりと低音の上に音楽を作っていたのが印象的でした。 ただアレンジについては疑問の声もありました。 2位の伊藤さんはアサドの曲を美しく歌わせ、リョベットの難曲を破たんすることなく弾ききっていました。 3位の増田さんはポンセのソナタを的確な技術で弾きこなしていましたが、第2楽章などもっと自由に歌わせても良かったかなと思いました。

シルビウス・レオポルド・ヴァイス : リュート協奏曲集

5声の協奏曲ハ長調SC.90
協奏曲ニ短調SC.58
リュートとフルートのための協奏曲ヘ長調SC.9
合奏協奏曲変ロ長調SC.57
協奏曲ヘ長調SC.53
リュートとフルートのための協奏曲変ロ長調SC.6

 リュート : Richard Stone
Tempesta di Mare
2004年録音 Chaconne



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ヴァイスは協奏曲も作曲していたようだ

 またヴァイスのCDですが、最近ではヴァイスに関するCDがいろいろ市場に出回って、情報が増えてきました。 ヴァイスのリュート独奏のための組曲が、少なくとも100曲以上あるとか、ヴァイスは代々伝わるリューテストの家系に生まれ、ヴァイス(シルビウス・レオポルド)以外の一族の作品も数多く残されているとか、 リュート独奏作品だけでなくリュートとフルートとのための作品、 リュートを含む室内楽、 リュートと弦楽のための 協奏曲なども作曲していたなど、最近知りました。



リュートのパート譜しか残されていない

 しかしその協奏曲やフルートとの二重奏などはリュートのパート譜しか残されていなくて、前回のCDのフルートとの二重奏曲のフルート・パート、今回の協奏曲の弦楽パートはリュートのパート譜をもとに現代の音楽家などが再現したものです。



当時のドレスデン宮廷にはバッハがうらやむほど優れた音楽家たちが集まっていた

 ヴァイスがその生涯の後半の仕事場はドレスデンの宮廷だそうですが、そのドレスデンびは当時優れた音楽家たちが集まっていました。 その中にフリードリヒ大王のフルート教師を務めるヨハン・ヨアヒム・クヴァンツがおり、その関係でリュートとフルートのための作品が生まれたのでしょう。

 J.S.バッハは当時ライプチヒでカントールを務めていましたが、出来ればドレスデンで仕事がしたかったようです。 バッハはヴァイスとも親交がり、お互いに行き来していたようで、ヴァイスの作品をフルートとチェンバロのための曲に編曲しています。 ヴァイスにはバッハも一目置いていたようです。



ヴィヴァルディの協奏曲のようにシンプルではない

 さて、このCDには弦楽、及びフルートなどとの協奏曲が収められていますが、前述のとおり、弦楽パートなどは残されてなく、現代の音楽家によって後から再現されたものです。 同時代のリュート協奏曲といえば、まずアントン・ヴィヴァルディのもが思い出されます。

 ヴィヴァルディの協奏曲のリュート・パートは単旋律的で、単純明快なものですが、ヴァイスのリュート・パートは基本的に独奏曲と変らず、やや複雑なものです。 その結果(録音の仕方にもよるが)ヴィヴァルディの曲のように明快とは行かず、ちょっと”もごもご”した感じがあります。



イタリア風に仕上がっている?

 リュートのソロ・パートは基本的に独奏曲とあまり変わらないのですが、再現された弦楽パートはなんとなくヴィヴァルディやアルビノーニのようなイタリア風の協奏曲の感じに聴こえます。 おそらく再現の際にそうした作品を参考にしたのでしょう。 

 この再現がヴァイスのオリジナルとどれくらい近いのかはわかりませんが、いずれにしてもちょっと不思議な感じに聴こえます。    ・・・・・・でもやはりヴァイスを聴くなら独奏曲でいいかな・・・・