中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 6>

曲目解説


<7重奏>


アストル・ピアソラ : ブエノスアイレスの夏  




「夏」で始まり、「春で」終わる

 タンゴの巨匠、アストル・ピアソラには 「ブエノスアイレスの四季」 という曲があります。 前回お話したヴィヴァルディの「四季」同様に、「春、夏、秋、冬」の4曲からなりますが、4曲続けて演奏する場合の演奏順としては、 「夏、秋、冬、春」 の順に演奏することを前提としているようです。 というのも、暗く、内面的な「冬」で終わるより、活発で明るい「春」で終わった方がまとまりがよいからなのでしょう。


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バージョンによってかなり違う

 この4曲中、「夏」 は最も早く作曲され、おそらくこの「夏」をきっかけとして全4曲作曲することになったものと思われます。 そうしたこともあって、ピアソラ自身、この「夏」は何度か演奏していて、その録音もいくつか残されています。 ピアソラの曲はクラシック音楽ではないので、細かい部分まではっきりと作曲されているわけではなく、即興が入る余地も多く、ピアソラ自身演奏する度に違ったバージョンで演奏しているようです。

 特にこの曲に関してはバージョンによっての違いは大きく、バージョンによっては全く違う曲にも聴こえます(かろうじて素材が同じになっているだけ)。 今回の演奏はおそらく最初のバージョンと思われる、1970年の演奏を基にしています。

 ギター・ソロでは、バルタサール・ベニーテス版とアサド版などがよく演奏されます。 どちらもこの1970年版を基にしているようですが、アサド版は比較的オリジナル(ピアソラ演奏の)に近く、 ベニーテス版のほうはギターで演奏しやすいように大胆にアレンジしています。




結構 ”様” になってきたかな

 今回演奏する私のバージョンは、リヴェル・タンゴ同様、数年前に演奏した時のものです。 この1970年版のエンディングは、各奏者が即興的に演奏している部分となっています。 なかなか面白い部分なのですが、コピーするのが難しく、数年前は何度も何度も書き直しました。 その時苦労した甲斐があってか、今回は結構スムーズに出来て、結構 ”それっぽく” なっています。 ちょっとした聴きどころだと思います。







アストル・ピアソラ : ブエノスアイレスの春



フーガ風に始まる

 前述のとおり、この 「春」 は4曲中、もっとも華やかに出来ているのですが、その分当然のことながら、技術的には難しくなっています。 特に、冒頭は3声のフーガ風で、さらにそのテーマが細かい音符でシンコペーション多用型になっています。 これをきっちり合わせるのはたいへん難しいところです。  でも、このフーガ風の部分には私は全くからまないので、ちゃんと出来ています。  ・・・・・それ、どういう意味?    もちろん信頼できるメンバーが揃っているということで・・・・・・・



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変拍子や、速いパッセージも


 さらに、その箇所以外でも、あちこちに変拍子が出てきたり、細かく、速いパッセージも多く、ちょっと困った曲ではあります。 ちょっと苦労はしましたが、なかなか面白い曲であるのは間違いありません。 スリリング(?)な魅力を感じていただければ。 曲は前後の速い、活発な部分の間に、ゆっくりと歌う部分が挿入されています。

 





<全体合奏>

フェルナンド・ソル : ロンド (ソナタハ長調作品22第4楽章)




独奏曲を合奏曲にした

 最後の2曲は、再び全体合奏(19名による)ですが、この曲は上記のとおり、古典期のスペインのギタリスト、フェルナンド・ソルのギター独奏曲を私がギター合奏曲にしたものです。 ソルはギター曲以外にもオーケストラ曲やオペラ、バレー音楽なども作曲していました。 


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         「ロンド」の原曲




華やかで、キレのある曲に

 この「ロンド」の原曲は軽快で楽しい感じの曲ですが、 合奏曲へのアレンジとしては、ソルのオーケストラ曲をイメージして、華やかで、引き締まったキレのある曲にしたいと考えました。 調をハ長調からト長調に移調し、アルト・ギター、バス・ギターを使用することなどで音域をかなり拡大し、伴奏形も華やかにし、対旋律なども付け加えました。



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         私のギター合奏版



 今年の7月の水戸市民音楽会(水戸芸術館)でも演奏しましたが、なかなか面白くなっていると思います。 ちょっとモーツァルトぽくも聴こえるかも知れません。







アルバート・ケテルビー : ペルシャの市場にて



実際に見てきた訳ではなく

 この曲は、イギリスの作曲家、アルバート・ケテルビーが、1920年にラジオ放送のために作曲した曲で、ぺルシャのとある市場の様子を音楽にしたものです。 「ペルシャの市場の様子」といっても実際に行って見てきたというよりは、想像で書いたものと思われます。 


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古き、よき時代

 ラクダの隊商から始まって、乞食たち、王女様の行列、奇術師、蛇つかい、太守の行列んどが次々に表れ、去ってゆくといった様子が音楽にされています。 たいへんわかりやすく、オーケストラの名曲として親しまれています。 ギター合奏やマンドリン合奏の定番曲にもなっていて、水戸ギター・アンサンブルでもこれまで何度か演奏しています。

 中東というと、今現在ではあまりのどかなイメージはありませんが、”古き、良き時代” ということでしょう。 




明後日となりました

 それでは演奏会は明後日となりました。 ぜひお立ち寄りいただければと思います。 開場は13:30からで、入場無料となっています。    ・・・・・・・え? ブログ読んだら、もう聴きに行った気になれた?  別に行かなくてもいい?     ・・・・・・ま、ま、そう言わず。
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<第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 5>


曲目解説



<二重奏>
アルビノーニ ~ジャゾット編曲 : アダージョ



バロック名曲として人気の作品

 この曲は、バロック時代のイタリアの作曲家、トマゾ・アルビノーニの作品を、20世紀の音楽学者レモ・ジャゾットが編曲したもので、フルネームとしては 「弦楽とオルガンのためのアダージョト短調」 というものです。

 たいへんロマンティックな旋律で、1960年代からバロック音楽の名曲として親しまれてきました。 ギターでは、伝説のデュオ、プレスティ&ラゴヤのレパートリーでもあり、ギター二重奏でもよく演奏されます。


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イムジチ合奏団のバロック名曲集 アルビノーニのアダージョがタイトルとなっている



でもホンモノではなさそう

 しかし、そのアルビノーニの原曲というのは確認されず、現在ではジャゾットの完全なオリジナル作品と言われています。 確かにこの曲はアルビノーニの本当の作品とはだいぶ趣を異にしています。 全体に非常にロマンティックであるのと、和声的にもバロック時代では考えられないものが含まれます。

 1959年に発表された作品のようですが、20世紀前半には、このように過去の作曲家の名を付して作品を発表することが行われ、ギターではマヌエル・ポンセがバロック時代のリューティストのシルビウス・レオポルド・ヴァイスなどの名でいくつかの作品を書いています。

 もっとも、ジャゾットはアルビノーニの研究者だそうで、アルビノーニの名でこの曲を発表したのも、アルビノーニへの敬意の表れかも知れません。


ホンモノのほうも聴いてみて下さい

 確かに法律には抵触せず、一種の ”遊び” として行っていたものと思いますが、音楽史の研究が進んでいる今現在ではこうしたことはあまりなくなりました(たぶん)。 因みにホンモノのアルビノーニの作品にも、親しみやすいものがたくさんあります。 ヴィヴァルディなどに近い作風ですが、ヴィヴァルディよりメロディの動きが柔軟のように思います。 オーボエ協奏曲などが人気があるようです。






J.S.バッハ : パスピエ(イギリス組曲第5番ホ短調より)



バッハのチェンバロ曲から、速い無窮動の曲

 バッハのチェンバロ曲からですが、ほぼ全曲無窮動の音階で出来ています。 パスピエとはフランス起源の3拍子系の速い舞曲のことなので、曲が始まってから終わるまで(約4分くらい)、速いテンポで休みなく弾き続けなければなりません。



ちょっと間違えたからといって

 もちろん、ちょっと間違えたからといって止まったり、弾き直したりすれば、パートナーとずれてしまいます。 それどころか、ほんの一瞬遅れたり、あるいは早いタイミングで音を出したりするだけで二重奏にならなくなります。 



やはりお互いの意思疎通が

 絶対に間違えられない曲ということになりますが、 「仮に、弾き間違えた時でも、なんとか合わせるのが真の実力」 と日頃生徒さんに言っているので、それを実行しないといけませんね。 でも、そう言う時にはパートナーとの意思疎通、および信頼関係が大事になるでしょう。

  原曲はホ短調ですが、今回の演奏ではギターの音域に合わせてイ短調にしてあります。 それでも1stギターは結構高い音域となります。 第1パスピエはイ短調、第2パスピエはイ長調となり、再び第1パスピエに戻ります。






<7重奏>

モーリス・ラヴェル : 亡き王女のためのパヴァーヌ




昨年全体合奏で演奏したが

 亡き王女のためのパヴァーヌは昨年のひたちなかギター合奏フェスティヴァルで、全体合奏(22名)で行ったものです。 でも大人数の合奏では曲に合わないかなと思い、今回は7重奏で演奏することにしました。 また、タイトルの方で、”小合奏” ではなく、”7重奏” としたのは、7人とも基本的にはそれぞれ違ったパートと言うことになるからです。



メンバー一人ひとりの感性が必要

 確かに、このような曲は技術的には難しい曲ではないでしょうが、音楽的には極めて難しい曲でしょう。 メンバー一人ひとりの感性がとても重要となります。 この7重奏は女性4人、男性3人(私を含め) となっていて、どちらかと言えば女性中心のメンバーですが、その女性たちの繊細な感覚はこの曲によく合っていると思います。



よくご存じの曲と思いますが

 曲の説明はあまり必要ないかなと思いますが、ラヴェルの初期のピアノのための作品で、発表当時から人気のあった曲らしく、差ラヴェル自身によるオーケストラ・バージョンもあり、どちらかと言えばオーケストラ曲として知られています。 他にフルートとピアノのためのバージョンもあります。 またギターの独奏や二重奏などでも演奏されています。







アストル・ピアソラ : リベルタンゴ



ヨー・ヨー・マの演奏でも知られるピアソラの名曲

 チェリストのヨーヨーマの演奏で知られ、タンゴの巨匠、アストル・ピアソラの曲としては最もよく知られた曲ではないかと思います。リベルタンゴとは 「自由なタンゴ」 と言った意味で、原曲では冒頭にジャズ風のピアノ・ソロの部分があり、その後にピアソラらしい伴奏音型に乗せて、メロディを歌わせる部分となります。


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 ヨーヨーマの演奏ではピアノ・ソロの部分は省いて、後半部分のみとなっていますが、今回の演奏もそれにならって後半のみとなります。 私たちの方では、この曲を数年前に演奏していますが、アレンジのほうはその時とほぼ同じで、またメンバーのほとんどがその時に演奏しているので、 今回は練習などは、たいへんスムーズに進みました。



特に言うことはなかった

 練習中もほとんど私のほうから指示や注文を出した記憶がありません。 最初からテンポ、音量、タイミングなど自然に出来てしまったような感じがします。 今回自信をもってお聞かせできるのではと、勝手に思っています。



第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 4

 10月2日(日) ひたちなか市文化会館


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曲目解説


<小合奏>
J.S.バッハ : 目覚めよと呼ぶ声あり



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オブリガード旋律の方が有名

 バッハのカンタータ140番のコラール「目覚めよと呼ぶ声あり」からですが、バッハ自身でオルガン曲に編曲しています。 「主よ人の望みのよろこびよ」 と同じく、主旋律のコラールより、バッハが付く加えたオブリガードの旋律の方が印象的で、そちらの方をむしろ主旋律と思っている人も多いのではないかと思います。 バッハの音楽としては、ややシンプルなほうで、このような小規模のギター・アンサンブルによく向いています。



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「目覚めよと呼ぶ声あり」が収録されているクリストファー・パークニングのLP 1970年代には美しい音でたいへん人気があった。


 ギターでは、1970年代にクリストファー・パークニングがLPに録音していました。 実は今回の合奏のアレンジも、オリジナルのオルガン譜からではなく、このパークニングのギター譜からとっています。 パークニングのアレンジは完全なギター独奏ではなく、二重奏の形になっていて、LPでは二重録音の手法を用いています。 






 
ガストン・ローラン : 涙のトッカータ



一応、バロック繋がり(無理やりだけど)

 この8人での小合奏はヴィヴァルディ、バッハとバロック時代の作品となっていますが、この「涙のトッカータ」は1970年代のフレンチ・ポップスの曲です。 一見関係ないようですが、この「涙のトッカータ」はストリングスを中心としたフレンチ・ポップス・オーケストラにロックのリズム、さらに当時流行していたバロック音楽のティストをブレンドしたものです。



トン  トトン

 そんなわけで、一応バロック繋がりとなっています。 「トン  トトン」 と言った感じのベースの音はこの時代たいへんはやったもので、私たちの世代では、たいへん懐かしいものです。 海外のロック・バンドから、グループ・サウンズ、歌謡曲にいたるまで、当時はいたるところでこのリズムが鳴っていましたね。



若い人にはどう聴こえるかな?

 メロディの方もコードをそのまま刻んだような形で、たいへん馴染みやすいものです。  ”歌” というよりは、あくまで器楽的と言えるでしょう。 同世代の方々にはたっぷりと懐かしんでいただければと思います。 ・・・・・今の世代の人にはどう聴こえるのかな?






<二重奏>

ボッケリーニ : メヌエット




ハイドンと同世代の イタリア⇒スペイン の作曲家

 ルイジ・ボッケリーニは18世紀のイタリアの作曲家で、スペインの王宮で活動した人です。 世代的にはハイドンとほぼ同じで、古典派前期といったところでしょう。 音楽史的には重要な音楽家の一人で、残された作品数もかなりたくさんあります。 でもどうでしょうか? 皆さんにはそれほど親しまれてはいないでしょうね、たぶん。


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ギターとの縁は深い

 スペインで仕事をしていたこともあって、ボッケリーニはギターとの縁も深く、確か十数曲ほどギターと弦楽四重奏との作品(ギター五重奏曲)を書いています。 とはいっても弦楽五重奏のチェロ・パートをギタに置き替えたものです。 ボッケリーニの弦楽五重奏曲は、一般の五重奏曲と違い、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2 となっていて、そのチェロの一つのパートをギターにアレンジしたものです。



交響曲もあるが

 ボッケリーニは自らチェロを弾いていたこともあって、チェロ協奏曲もいくつか残されていて、これは時々現在でも演奏されています。 交響曲などもあるのですが、あまり演奏されているとは言えないでしょう。  ・・・・・確か、ギター入りの交響曲もあったような。



このメヌエットだけが有名 ・・・・残念ながら

 そうした中で、この 「メヌエット」 だけは非常にに有名で、ボッケリーニといってもこの曲しか知らないと言う方も多いのではないかと思います。 元々は弦楽五重奏曲の中の一つの楽章ですが、たいへん明るく、軽快な曲で、ピアノやヴァイオリン名曲として多くの人に親しまれています。




第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 3

 10月2日(日) ひたちなか市文化会館小ホール



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曲目紹介


<全体合奏>
ポール・マッカートニー : レット・イット・ビー



頑張ります

 ビートルズの名曲ですね、ビートルズとしても最後の曲になった、などということは、皆さんもご存じと思いますし、あえて説明するまでもなさそうですね。 皆さんそれぞれにこの曲の思い出や、イメージなどがあると思いますので、なんとかそのイメージを崩さずに演奏出来るように頑張りたいと思います。 



織田信長だったら

 解説は以上で終わりですが、例によって、無駄話を少々。 それにしてもこの 「Let it be」 という英語、なんか日本的ですよね。 ネイティヴに英語を話す人にとっては、この言葉がどのように響くのかはわかりませんが、 直訳的には 「なるがままにせよ」 とか 「そのままにしておきなさい」 といった感じなのでしょうか。

 もっと日本語的に訳すれば 「なるようにしかならないわ」 とか 「まあ、しょうがないわね」、 「お手上げだね」 なんて感じでしょうか。 日本語的にはいろいろな言葉が出てきそうですね。 もし織田信長だったら 「是非に及ばず」 でしょうか。



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もし、織田信長だったら「是非に及ばず」と言うところか


途中、ハリスンのソロが入るが

 そういったことでもたいへん私たちには共感が持てる曲なのですが、曲の方でも、真ん中あたりにエレキ・ギターのソロが入ります(たぶんジョージ・ハリスン)。 いかにもエレキらしい感じのソロですが、よく聴くと、あるいは口で歌ってみると何か気が付きませんか?    ・・・・そうです、演歌っぽいですよね、これを氷川きよしさんが歌ったら完全に演歌です。


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ビートルズ時代のジョージ・ハリスン



なぜ演歌とロックで同じ音階を使う?

 私もよくわからないのですが、ロックのエレキ・ソロも演歌も5音音階をよく使います。 特にこのレット・イット・ビーのギター・ソロは完全に5つの音しか出てきません、面白いですね。 因みにロックでは5音音階を ”ペンタトニック・スケール” と言います。






<小合奏>

ヴィヴァルディ : ラルゴ




曲は短い

 この曲から計3曲は8人での演奏となります。 最初の曲はバロック時代のイタリアの作曲家、アントン・ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」の4曲目、「冬」 の第2楽章「ラルゴ」です。 曲名は長いですが、曲の方は短く、約2分ほどの曲です。

 暖炉で暖まりながらうとうととする様子を描いたものとされ、リラックスした感じの曲です。この曲もおそらく皆さんご存じと思いますので、あまり説明の必要はありませんが、 また雑談を少々。



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イムジチ合奏団の「四季」 1960~70年代では、クラシック音楽のLPのベスト・セラーだった


子供の頃はヴィヴァルディなんて名前も聴いたことがなかった

 今でこそ、このヴィヴァルディは一般にも有名で、おそらくバロック時代の作曲家としてはバッハ、ヘンデルに次ぐ知名度で、学校の教科書にも登場しているのではないかと思います。 しかし私が小中学生の頃はヴィヴァルディだの四季など全く、曲どころか名前も聴いたことがありませんでした。 



バロック・ブームの火付け役の一人

 私が初めてヴィヴァルディの曲を聴いたのは大学に入ってからですが、その頃、FM放送で皆川達夫さんがバロック音楽の番組をやっていて、それでバロッック音楽を聴くようになった人も多かったのではと思います。



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皆川達夫著の「バロック音楽」  皆川達夫氏のFM番組でバロック音楽を知った人や、理解を深めた人は多い。



ソフトな語り口とは裏腹に

 皆川達夫さんはバロック音楽ブームの火付け役の一人と言えますが、 皆川達夫さんの著書によれば、FM放送で聴くやわらかい物腰のトーンとは裏腹に、 「私はこれまでヴィヴァルディの音楽に感動を覚えたことはない」 と結構カゲキなことを言っています。

 おそらく当時ヴィヴァルディの「四季」がすごい人気で、どこに行っても四季を聴かされたり、またヴィヴァルディの音楽などを解説しなければならなかったり、とかと言ったことが関係しているのかも知れません。



もし、人気曲になっていなかったら

 もし、ヴィヴァルディの「四季」がクラック音楽のレコード売り上げ第1位になっていなかったら、あるいはヴィヴァルディが相変わらず人には知られていなかったら、きっと、

  「皆さん、あまり聴いたことはないと思いますが、バロック時代のイタリアにヴィヴァルディというたいへん魅力的な作曲家がいました。 特にヴァイオリン協奏曲集「四季」は変化に富んでいて、たいへんすばらしく、一度聴くと、きっと皆さんも好きになるでしょう」  なんて言っていたかも知れませんね。 
第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 2


曲目紹介


イングランド民謡 : グリーン・スリーブス




イギリスはイングランドではない

 ちょっと前、「イギリスがEU離脱」 といったニュースが話題となりましたね。 さらにその前にはスコットランド独立を問う国民投票といった話もありました。 イギリスはこれからどうなるのでしょうね?

 ところで、日本語の ”イギリス” は”イングランド” の訛りですが、実際上の意味合いとしてはイングランドのことではなく、スコットランド、北アイルランド、ウエールズを含む ”グレートブリテン及び北アイルランド連合王国” のことを意味するようですね。 

 本当は同じ単語なのですが、「イングランド」 と言うとイングランド地方を指し、訛って「イギリス」 というと、国名、つまり 「グレート・ブリテン・・・・・・・・」 の意味になるのですね、 なるほど、素晴らしい! (何が?)



スコットランド人からクレーム?

 この「グリーン・スリーブス」はその北部イングランドとスコットランドの境界あたりの民謡らしく、イングランド民謡か、スコットランド民謡か、と言うことは難しいようです。 イングランド民謡とするとスコットランドの方からクレームが付きそうですが、”イギリス民謡” とすれば、スコットランドも含まれるということで、言い訳出来そうですね。 

 ・・・・・でもうっかり、前回 ”イングランド民謡” としてしまったので、このまま行くしかありませんね、スコットランドの皆様、ゴメンナサイ。 




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画像の方はスコットランド(写真と曲とは全く関係ない!)。 グリーン・スリーブスはイングランドとスコットランドをまたいだ地域の民謡らしい。 詳しくはウィキペディアで。



メロディがはっきりしないことがよくある

 さて、この曲は古い民謡ですが、こうした民謡などは、よくメロディがはっきりしないことがよくあります。 特に昔はかなり違ったメロディだったようです。 今現在ではほぼ決まったメロディとなっていますが、細かく見ると、以下のような3種類くらいのメロディとなっています。
 


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①は最も普通だが、よく見ると結構変わっている

 ①は1小節目のファと、3,4小節目のソにシャープが付いています。 今現在では、最も標準的なグリーン・スリーブスで、私の教材でもこの形のメロディとなっています。 聴いた感じ、ごく普通に聴こえると思いますが、よく譜面を見ると、このメロディ、ちょっと変わっています。



普通の短調なのか、ドリア調なのか?

 このメロディ譜を漠然と見ると、普通の短調(イ短調)に見えますが、本当のイ短調の場合はファに#は付きません。 ファに#が付く場合は普通の短調ではなく、教会旋法(ドリア調)と考えられます。 しかし正確にドリア調であるなら、3,4小節目のソに#が付かないことになります。

 つまり、このよく聴く①の形のメロディは、短調なんだか、教会旋法なんだかよくわからない、その中間のメロディということになります。



②はすっきりと普通の短調だが、でも違和感がある

 ②の形は、ファに#が付いていないので、これは、すっきりと、イ短調と言うことになります。 確かに譜面上はすっきりしていて、この形のメロディも実際に聴くことはありますが、なんとなく違和感があります。



③は、よりドリア調的

 ③のメロディは、特に3,4小節目のソに#が付かないので、より一層、教会旋法(ドリア調)的になります。 ドリア調の詳しい説明をすると長くなりますので、やめておきますが(どうしても気になる方はウィキペディアで)、要するに、この形は短調でも、長調でもない、別の音階、また音楽と言うことになります。

 一般に、クラシック音楽やヨーロッパの民謡などは長調か短調となる訳ですが、そうしたものとは若干違い、浮揚感とか、エキゾティックな感じなどがすると思います。 



シャープ付け忘れが気になって要件が頭に入らない

 最初にこの形のグリーン・スリーブスを聴いたのは、たしか電話のオルゴールだったと思います。 呼び出してもらっている間、このオルゴールを聴きながら、 「あれ、このグリーン・スリーブス、音間違っているんじゃないの」 と思い、要件を話している間も、ずっとこの#の付け忘れ(?)がずっと気になって仕方がありませんでした。

 しかし最近ではテレビCMなど、むしろこの形のほうが多くなりました、一つの ”はやり” なのかも知れません。 最近では私の耳も、このメロディに馴染んでしまい、むしろこのほうがしっくりくる感じがします。 なんとなく郷愁を誘う感じでいいですね。




今回のアレンジは


 因みに、それぞれの最後の方、つまり7小節目はすべて同じようにソとファに#が付いていますね、さすがに、この7小節目のソとファの#をとってしまうと終わった感じがしなくなる。

 と言ったわけで、今回の合奏のアレンジは③の形のメロディを採用しています。

<パク・キュヒ ギター・リサイタル> 

    9月25日(日) 水戸芸術館



   =プログラム=

スカルラッティ : 4つのソナタ

タレガ : アランブラの想い出、 アラビア風綺想曲、 椿姫幻想曲

アルベニス : アストゥリアス、 カタルーニャ綺想曲、 コルドバ、 セビージャ

ブローウェル : 旅人のソナタ

バリオス : 森に夢見る

ヒナステラ : ソナタ


 *アンコール曲 ディアンス : タンゴ・アン・スカイ




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満席のATMホール

 キュヒさんのリサイタルを聴くのは一昨年に続き、2度目となります。 約600席ほどのキャパの水戸芸術館ATMホールですが、ほぼ満席で、キュヒさんが、今現在世界的な評価と人気を得ていることを示しています。




やはりスカルラッティは素晴らしい


 若干曲目は違いますが、スラルラッティのソナタで始まるのは、一昨年の日立シビック・ホールでのリサイタルの時と同じですが、やはりキュヒさんのスカルラッティは素晴らしい。 美しく、キレのある音は、この曲にたいへん合っているようです。 決して ”オードブル” と言った感じではなく、これだけでも十分に満足できるものです。 

 最後のヒナステラのソナタも前回聴きましたが、これもたいへん楽しめる演奏、あるいは曲目でした。 キュヒさんも得意としている曲なのでしょう。



これが現在の世界標準?

 トレモロ奏法の名曲とされている 「アランブラの想い出」 と 「森に夢見る」 の2曲を演奏しましたが、そのトレモロの音の美しさについては、言うまでもなく、会場の誰もがそう思ったでしょう。 ただ、最近の若いギタリストの多くは(前に書いたヴィドヴィッチなど)、このように美しいトレモロを演奏しています。 音の美しさに加えて、歌わせ方や音の増減など、そう言った点もたいへん共感しやすいものです。

 前回の書いたような気がしますが、キュヒさんの演奏は、その外見から感じるよりは、ずっと積極的なものと言うことも出来るでしょう。
<第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会>


10月2日(日曜日) 14:00    ひたちなか市文化会館小ホール    入場無料





≪第1部≫      

                    <全体合奏>
イングランド民謡  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  グリーン・スリーブス
P.マッカートニー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ レット・イット・ビー

                    <小合奏>
A.ヴィヴァルディ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ラルゴ (「四季」から「冬」より)
J.S.バッハ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 目覚めよと呼ぶ声あり
G.ローラン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 涙のトッカータ

            <二重奏   中村俊三   中川眞理子>
L.ボッケリーニ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ メヌエット
T.アルビノーニ ~ジャゾット編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アダージョ
J.S.バッハ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パスピエ(イギリス組曲第5番より)




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       7月17日 水戸芸術館




≪第2部≫      

                    <7重奏>
M.ラヴェル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 亡き王女のためのパヴァーヌ
A.ピアソラ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ リベルタンゴ
A.ピアソラ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブエノスアイレスの夏
A.ピアソラ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブエノスアイレスの春

                   <全体合奏>
F.ソル (ソナタハ長調作品22より) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロンド
A.ケテルビー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ペルシャの市場にて




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       9月3日 双葉台市民センター



≪水戸ギター・アンサンブル≫

1982年水戸市の中村ギター教室の生徒を中心に中村ギター合奏団として創立。1990年に水戸ギター・アンサンブルに改称。これまでに16回の水戸ギター・アンサンブル演奏会を行う他、水戸市民音楽会、日本ギター合奏フェスティヴァル、ギターのつどい、ひたちなかギター・フェスティヴァル等に出演。現在約20名で活動。



≪パ ー ト 編 成≫

 

    < 全体合奏 >

◎アルト・ギター(通常のギターよりも音域が5度高い)
         中川眞理子    有我 等     米沢洋樹     吉野智美

◎プライム・ギター1(通常のギター)
         丹 朋子      市毛和夫     清水和夫

◎プライム2        
         鈴木俊彦     及川英幸     赤沼増美     後関信一 

◎プライム3 
         深作純子     山縣滋子     甲斐 洋     奥山 論

◎バス・ギター(4度低い)
         澤畑敦史     関 義孝      根本 滋 

◎コントラバス・ギター(1オクターブ低い)
         佐藤眞美  

◎指揮  中村俊三            ◎コンサート・マスター  中川眞理子



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< 小合奏 >

◎プライム1    米沢洋樹    清水和夫   赤沼増美

◎プライム2    有我 等    鈴木俊彦

◎プライム3    甲斐 洋    中村俊三       

◎バス・ギター   関 義孝




< 7重奏 >

◎アルト・ギター    *中川眞理子  

◎プライム・ギター   中村俊三    吉野智美    丹 朋子    高巣真樹

◎バス・ギター     *及川英幸    

◎コントラバス・ギター   佐藤眞美
      
  *「リベルタンゴ」、「ブエノスアイレスの夏」はプライム・ギター


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演奏会が近づいてきました

 そろそろ水戸ギター・アンサンブル演奏会も近づいてきました。  昨年から全体合奏の練習は水戸市双葉台市民センターで行っています。  この約20名でのアンサンブルは、昨年10月のひたちなかギター合奏フェスティヴァルから行っていますが、水戸ギター・アンサンブル演奏会としては初めてとなります。 これまでとは少し違ったコンサートとなります。



他に小合奏(8名)と7重奏、二重奏

 全体合奏の他には、8名による小合奏と7重奏、二重奏となり、今回は独奏はありません。 独奏のほうは、教室発表会などで行っているので、今回は ”水戸ギター・アンサンブル演奏会” ということで、あくまで合奏中心のコサートとしました。
 
 いつものとおり、次回より演奏曲目について詳しい説明を書いてゆきます。 もちろん入場無料で、特に予約などの必要もありません。 お気軽にお立ち寄りいただければと思います。



駐車場が増設された

 なお、前にも書きましたが、ひたちなか市文化会館は、これまで駐車上の収容台数に限りがあり、大ホールでのイヴェントと重なった場合(土日はほとんど重なる)、かなり混乱が生じ、来場の皆さんにはたいへんご迷惑をおかけしていたのですが、昨年頃より駐車場が増設され、そういった心配もなくなりました。


第2夫人はアメリカ・カルフォルニア生まれ



浮気はしないはずでは?

 正妻の話をしたついでに、私の”第2夫人”の話をしましょう。 前回 「浮気はしない」 と言ったそばから第2夫人の話をするのは何ですが、でも私にとってはとても大事な第2夫人です。  ・・・・いや、いや、楽器の話です、楽器の、 ギターの話ですよ当然。   そんなことわかっている?   それはそうですね。  まあ、そうでしょうが、念のため、一応。




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ポール・ジェイコブソン



アメリカ娘らしく

 私の第2夫人はアメリカ・カルフォルニアのギター制作家、ポール・ジェイコブソンの娘です。 アメリカ娘らしく、体格はやや大きめで、ふくよか、ボリューム豊で、低音もしっかりしていて”安産型”でもあります。 また、たいへん陽気な性格で、何があってもくよくよすることはありません。 



陽気で働き者

 たいへん働き者で、どんな悪条件の場所でも、あるいはどんなレパートリーでも厭わずに仕事を引き受け、しっかりと音を出します。 気品はあるものの、やや神経質で、自分の考えを曲げない正妻、ヘルマン・ハウザーが嫌がる仕事を、何の不平、不満も言わずに快く引き受ける、本当にいい女、いや楽器です。



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どんな会場でも不平、不満を言わずにしっかりと働く。 合奏でもよく使う。




ちょっと”がさつ”

 また、たいへん愛想もよく、誰とでもすぐに打ち解ける性格で、人見知りはしません。 この楽器は、あまり弾き手を選ばず、誰が弾いてもそれなりに音が出ます。 

 ただ、残念ながら、少々 ”がさつ” と言うか、大ざっぱなところがあり、なところがあり、繊細な音楽とか、論理的な音楽などちょっと苦手なところもあります。  また、軽く弾いても思ったよりも音が出てしまい、内緒話が出来ない、いつも ”ぶっちゃけた” タイプです。




大ざっぱだが、感情の起伏は激しく、情にもろい

 そんな大ざっぱな性格なのですが、一方ではたいへん感情の起伏が激しく、音の強弱はかなりはっきり出ます。 特に絶叫型というか、感情を直接ぶつけるタイプの曲はとても得意です。 たいへん曲想が出しやすい楽器でもあり、コンクール向きと言った感じもあります。 実際に創(長男)はこの楽器を用いていくつかのコンクールで優勝したり、入賞しました。




日頃のレッスンや合奏でも

 日頃のレッスンではハウザーも使いますが、どちらかと言えば、ジェイコブソンのほうがよく使っているでしょう。 簡単に音が出るのと、強弱の幅が大きく、曲想の説明のために弾く場合などにはたいへん便利です。 さらに合奏の場合でもその扱いやすさから、ほとんどこちらの方を使っています。 今度の10月2日の水戸GEの演奏会でもこちらを使う予定です。



 



SAKURAI


創がコンクールでいただいた

 ハウザーとジェイコブソンの他に、以前紹介した県内の制作家の高橋達男さんの楽器もあります。 さらに創が1996年のクラシカル・ギター・コンクールでいただいたSAKURAIもあります。 本来この楽器は創のものですが、前述のとおり、創はロマニロスを福岡に持っていっているので、この楽器は私の手元にあります。




素直な音だが、創も私もステージで弾いたことがない

 特に悪い楽器ではなく、素直な音が出ますが、ただ、たいへん個性的な上記の2本の楽器の間で印象が薄くなってしまうのも事実です。 結局のところ創もコンサートなどでこの楽器を使ったことがなく、私もステージで弾いたことがありません。 今はレッスンで外に出かける際に使ったり、たまに生徒さんに貸したりする程度です。


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一度は一軍のマウンドに立たせてやりたいSAKURI



一度は一軍のマウンドに立たせてやりたい

 つまりこの楽器は私の家に来てからずっとバッティング・ピッチャーを黙々と努めてきて、20年間一度も一軍のマウンドに立ったことがない訳です。 このままその人生を終わらせてしまうのもかわいそうなので、一度は一軍の試合に出して上げようかと、最近思っています。 最初で最後の一軍マウンドになるかも知れませんが、近々そうした場が作れればと思います。
ハウザーが戻て来た


 修理に出していたハウザーⅢが戻ってきました。 5月半ばころ出したので、ちょうど4カ月かかったことになります。 費用も結構かかりましたが、日数もかかりました.、やはりギターの塗装はたいへんなのですね。



ハウザーがこんなにピカピカでいいの?

 ハウザーはセラック・ニスではなく、ラッカー系のニスなのだそうで、それを扱っている制作家は少なく、それもあって若干費用と日数がかかったようです。 それにしても見違えるほどピカピカになって帰ってきました。 ハウザーがこんなに光っていていいのかな? と言う感じです。 ハウザー独特の”いぶし銀” といった感じではありません。



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ハウザーがピカピカになって戻ってきた




ボロボロになっていたネック裏も

 ぼろぼろになっていたネックの後ろ側も全くその面影がなくなりました。 ヘッドもきれいになっています。 新車ではないですが、塗装に匂いで、何か、新しいギターのような感じがします。 ただ、本当の新品のハウザーは色がもっと白いのですが、しっかりと経年を感じさせる色はそのままです。



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 修理前  30年弱の酷使でネック裏は塗装がかなりはげ落ちている。



 それにしても、これまであちこちキズだの塗装のはがれだの、よくわからないブツブツだのと、いろいろあった表面版がまるで鏡のように滑らかで、しかも光っています。 間違いなく買ったときより光っています!



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 修理後  そんな面影は全くなっている。



音質の方は

 ところで、肝心の音の方はどうなったかということですが、塗装などをし直すと音が変わると言われています。 そのことはある程度覚悟して修理に出しましたが、特に表面版をニスで固めることになりますから、多少なりとも音が出にくくなることはあると思います。 

 4か月間この楽器を弾いていなかったので、記憶の方もやや曖昧になっていますが、とりあえず弾いてみた感じだと。低音は全く変わらない感じで、高音がちょっと大人しくなった感じがします。 もっともこの4か月間、高音が出るジェイコブスンをずっと使ったいたので、そう感じるのかも知れません。




マイルドになったような気がする

 これまで、この楽器(ハウザーⅢ)は高音がややきつめで、弾き方によってはノイズっぽくなるのですが、そう言った点はいくらか緩和されたように思います。 おそらく細かい(高次の)倍音が押さえられているのかも知れません、なんとなくマイルドになって帰ってきたような気がします。 


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全く化粧っ気のない奥さんが

  まあ、例えれば日頃、家事や育児に追われ、全く化粧っ気のなかった奥さんが、東京の一流ホテルで行われる姪の結婚式に出席するために、高級エステ行き、さらに豪華な貸衣装、気合の入ったお化粧に、付けたことのない香水の匂いをぷんぷんさせながら帰ってきた感じでしょうか・・・・・




なんか、結婚した時の初々しさを思い出すような

 そうなると、なぜか仕草も今日は女性らしい。 また言葉使いも妙に丁寧、いつもは歯に衣を着せず、こちらが落ち込むくらいにずけずけときつい言葉を発するのに、 なんか、結婚した頃の初々しいさを思い出すような・・・・・・・・・   でもしっかりと見るとやはりウン十代には間違いない・・・・・・・     

 いや、いや、一般論ですよ、一般論。  例え、 例えばの話ですよ、 ハウザーの話。   いえ、 いえ、 もちろん私の家の話ではありません、ウチの家内は決してそんな・・・・   くれぐれも誤解のないように。   




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私の正妻はドイツの名門の出

 例えのついでに、このハウザーⅢは1988年に買ってからずっと主要なコンサート、特に ”リサイタル” と銘打った純粋なクラシック・ギターのコンサートでは必ず使ってきました。 つまり私の正妻というわけです。 ドイツの名門家の出で、知性的で気高い気質ですが、それだけにちょっと気難しいところもあります。 





時にはもっと優しくてかわいい・・・・・・


 しかし、その性格をちゃんと理解し、丁寧に相対すれば、こちらのイメージをきっちりと音にしてくれます。  確かに、時にはもっと優しくて、可愛い (もちろん楽器のこと!) 楽器に浮気したくなったりすることが、なかったとは言いませんが、 でもやはり他の楽器だとなかなか自分の思った音が出せず、結局はこの楽器しかないのかな、となります。 




やや性格がわるい?

 ただ、このハウザーⅢはその出目の良さを鼻にかけ、弾き手の実力がないと、相手を見下してしまうところもあります。 弾き方が悪いと、普通の楽器よりさらに汚い音になる傾向もあります。  ハウザーを購入しようと思っている方は、くれぐれもご注意下を!
 
 
<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集>  9


John Williams - Barrios

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しっかりとフレタを持っている



収録曲

アウグスティン・バリオス

大聖堂
マドリガル・ガヴォット
メヌエット
マズルカ・アパショナータ
エチュード
プレリュード
森に夢見る
ワルツ第3番
クエカ(チリ舞曲)
サンバの歌
アコンキーハ
マシーシ
どうか、神のご加護を(最後のトレモロ)
郷愁のショーロ
クリスマスの歌

 1977年  発売





本格的なバリオス人気のきっかけとなったLP

 このLPの話は何度かしていますが、現在のバリオス人気に火を付けたものといえるでしょう。 録音日などは明記されていませんが、国内発売も1977年だったと思います。

 この頃からある程度バリオスはギター愛好家の間で人気が高まりつつありましたが(1950年代くらいまではほとんど弾く人がいなかった)、このLPとほぼ同時期に全音出版からヘスス・ベニーテス編のバリオス全集が出版されたこともあって、バリオス人気は本格的なものへとなってゆきます。

 また録音としても、この頃までにバリオスの作品はある程度録音されていましたが、バリオスの作品のみによるアルバムはこのウィリアムスのものが最初です。 このアルバムにより、これまで一般愛好家には知られていなかった曲なども聴くことが出来るようになりました。

 今日、あらゆるギターの作曲家の中で、バリオスは最も人気のある作曲家(兼ギタリスト)と言えますが、そのことにウィリアムスは非常に大きな貢献をしたと言えるでしょう。



人口的な加工を排した録音、フレタらしさも出ている

 このLPの音質はこれまでのものと違い、残響や高音域を押さえたものになっています。 生音に近い感じになっていると言ってもよいでしょう、ボリュームもかなり押さえ気味になっています。 さらにこの後に録音するポンセの作品集になると、それが徹底し、たいへん困ったことになるのですが、それはまた次にお話しましょう。

 確かにこの録音を聴いていると 「フレタかな」 と言った感じがします。 写真ではくフレタを持っているので間違いなくこのLPはフレタで録音しているものと思いますが  ・・・・・・本当はちがっているかも知れませんね。



ロマンティックなバリオスの音楽とは相性がよい

 ウィリアムスは後年ポピュラー系の音楽に志向してゆきますが、基本的にウィリアムスと言うギタリストはロマンティックなギタリストで、旋律を歌わせるのが得意な人だと思います。 そうしたウィリアムスに、これまた、極めてロマンティックであるバリオスを作品はたいへん相性のよいものです。ここに収録された曲はすべて名演奏といってよいでしょう。



当時は皆開放弦で弾いていた?

 若干余計なことを言えば、前述のベニーテスの譜面で、「クリスマスの歌」のハーモニックス記号が一部脱落しています。 ウィリアムスはこの譜面、またはこの譜面と出所を同じくする譜面を用いていたのでしょう、その本来ハーモニックで弾く部分、を開放弦(譜面上はそう記されている)で弾いていいて、たいへん意味不明となっています。

 今では笑ってしまいそうですが(失礼!)、当時はだれも気が付かず、みんなウィリアムスと同じく開放弦で弾いていました、「なんか変なメロディだな」 と思いながらも。







Manuel Ponce


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ファッションも1970年頃に比べるとやや地味になったが、録音の音質のほうはもっと地味になった


収録曲

マヌエル・ポンセ  

「スペインのフォリア」による変奏曲とフーガ
プレリュード
バレー
3つのメキシコ民謡
ワルツ
3つの歌

 1978年 発売




1970年頃の録音の反動? でもちょっとやり過ぎ!

 先ほども触れたとおり、このLPは非常に音を押さえたもので、残響などは全くなく、高音域や低音域も押さえられ、さらに音量も非常に押さえられていました。 1970年前後のウィリアムスの録音は残響を付け(自然の残響ではなく、装置による)、また高音域も伸ばして、かなり派手な音質となっていましたが、このポンセの録音はそうしたことへの反動と思われます。

 しかしこのLPに関しては、ちょっと度が過ぎているようです。 特にLPの場合はアンプのボリュームを上げると針のノイズが大きくなり、まるでかつてのSP盤のようになってしまいます。 もちろん精度の高い装置を使えばちゃんと聴けるのかも知れませんが、当時私が使っていた装置ではかなりノイズが大きくなって、聴きにくいLPとなっていました。

 このCDでは多少ボリュームをあげてもノイズが出ませんから、そうした問題はありませんが、それでも高音域がカットされたような音なので、一瞬 「耳が変になったかな」 といった感じにはなり、やはり違和感はあります。



でも演奏は秀逸

 しかし演奏の方はたいへん素晴らしく、ポンセの大曲 「スペインのフォリア」 も、その美しさに聞きほれて、所要時間20数分というものを感じさせません。 他の小品も魅力的で、いまさらながら、ウィリアムスがこうした定番的なクラシック・ギターのレパートリーをあまり録音しなかったことが惜しまれます。

 ウィリアムスの師匠であるアンドレ・セゴヴィアはポンセの音楽を愛し、その作品の演奏や録音に力を注ぎました。 このウィリアムスのポンセ・アルバムもその師匠の影響があるのかも知れません。 あまりオーソドックスなギターノレパートリーを演奏しないウィリアムスにとっては、ポンセの作品のみのアルバムを世に出した意味は大きいでしょう。 



師、セゴヴィアとは異なる道を進んだが、共通項は確かに存在する

 ウィリアムスはデビュー当時は ”ギター界のプリンス” と呼ばれ、セゴヴィア門下の優等生として世に出ました。 しかしその後はセゴヴィアとは一線を画する方向へと進み、一部のファンからは失望されたこともありました。 確かにその後の活動はセゴヴィアの方向性とはだいぶ違うものの、このポンセのアルバムは師との共通項の一つなのでしょう。

 またセゴヴィアとは違って現代的なイメージのウィリアムスの演奏ですが、しかし基本はロマンティックで、メロディを歌わせることが得意というわけで、やはりしっかりと師匠の音楽を継承しているとも言えるでしょう。 セゴヴィアとの繋がりを感じさせる演奏、それがこのポンセの作品集のLPなのでしょう。
<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集>  8

John Williams Plays Bach The Complete Lute Music on Guitar


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収録曲

バッハ : リュート組曲全4曲、 プレリーュドニ短調BWV999、 フーガBWV1000、 プレリュード、フーガ、アレグロBWV998

録音 1975年




アグアード ⇒ フレタ ⇒ スモールマン

 ウィリアムスが使用した楽器の話は、前にもしましたが、 大ざっぱに言って、デビュー(1950年代末)から1970年代前半くらいまではアグアード、1970年代半ば頃から1980年代始め頃まではフレタ、それ以降はグレッグ・スモールマンを使用したようです。 

 このLPのジャケットの写真からは、フレタかアグアードかは区別が付きませんが、前回紹介した「さくら」のLPジャケット写真では、明らかにフレタを弾いていますので、そうしたことからすればフレタ使用なのではないかと思います。



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前回紹介した1973年録音の「さくら」のLPジャケットだが、ここに写っているのは明らかにイグナシオ・フレタ

  



プロは聴いただけで楽器がわかる?


 もっとも、 「プロだったら、聴けばフレタかアグアードかなんて、わかって当然!」 なんて言われそうですが、これが残念ながら聴いただけでは全く区別が付きません。 テレビ番組でも、プロ・ヴァイオリニストが、何億円もするストラディバリと安物のヴァイオリンとの区別が付かなかったようですから(そのヴァイオリニストは日頃トラデバリを弾いている)、楽器の音など、それほど簡単にはわかりません。



どれを弾いてもウィリアムスの音はウィリアムスの音

 生演奏でもわからないくらいですから、まして録音となればわかるはずもありません。 また、フレタもアグアードも杉材で、どちらもスペイン系の楽器と言うこともあって、よく似ているといえば似ているでしょう。 また、楽器は弾く人によってかなり変わり、楽器の違いよりも演奏者の違いのほうが、音としては変わるでしょう。 要するに、どの楽器を弾いてもウィリアムスの音はウィリアムスの音ということでしょう。



アグアードだったとは思うが、ただ美しかったことだけが確か

 因みに、私は1971年に虎の門ホールで、ウィリアムスの ”生音” を聴き、その美しさに感動したわけですが、 その時使用した楽器は、聴いた話ではアグアードのようです。 ただ本当に確かめたわけではないので断言は出来ません。 その後ウィリアムスの生音は一般ファンにとっては ”幻” となる訳ですが(リサイタルでもアンプを使うため)、 ウィリアムスの生音は極めて美しかったのは紛れもない事実です。

 


スモールマン使用になってからは生音では演奏しなくなる

 1983年頃からは、CDのジャケット写真からするとグレッグ・スモールマン使用のようです。 スモールマンは他の二つの楽器に比べて異質な音がするので、CDでもある程度判別できます。 特にスモールマンを使用するようになってからはリサイタルなどでもアンプなしには演奏しなくなったようです。  ・・・・・・スモールマンと言う楽器は生でもアンプを通したような音がします(あくまで個人的な感想ですが)。


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ウィリアムスは1983年以降、ほとんどグレグ・スモールマンを使用している




バッハのLPに話を戻す。 ~流麗で完成度の高いバッハの演奏


 話が楽器の方に行ってしまいましたが、演奏の話に戻しましょう。 1975年と言えば、ウィリアムスの円熟期と言ってよく、このバッハのリュート作品全集のLPは完成度の非常に高いものです。 技術的な完成度は言うまでもありませんが、さらにたいへん流麗なバッハを聴かせます。



私自身たいへんよく聴いた演奏

 今現在ではギター、及びリュートによって、このバッハのリュート作品全集がかなりの種類出ていますが、この時点ではこうした全集はほとんど録音されていなくて、そういった意味でも貴重なLPでした。 私自身もギターで弾くバッハのリュート作品としては、これまで最もよく聴いたものかも知れません。 たいへん荘快感のあるバッハの演奏です。



最近の演奏スタイルとは違う


 最近ではこうしたバッハのリュート作品を演奏する場合はそのギタリストなどによって装飾を施したりするのが普通ですが、そうしたものはこの録音にはありません。 この時代にはそうした装飾を付ける演奏まだ主流とはなっていませんでした。 要するに演奏スタイルとしては ”1970年代的な演奏” と言えるでしょう。



フーガBWV1000などが復活したのはたいへん嬉しい

 この2枚組のLPは、後に4つの組曲のみを1枚のCDにした発売されていました。 つまり小プレリュード、フーガBWV1000、プレリュード、フーガ、アレグロが外されてしまったわけです。 今度この全集が出されたことにより、てそれらの曲が復活し、往年のファンとしてはたいへん嬉しいことです。
<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集>  7


John Williams

Ingland Japan Brazil Venezuela argentina&Mexico

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収録曲

日本古謡 ~横尾幸弘  :  さくら
ドッジソン  :  ファンタジー・デビジョンズ
M.ポンセ  :  南のソナチネ
ヴィラ=ロボス  :  ショールス第1番
A.ラウロ  :  ヴェネズエラ風ワルツ第3番
クレスポ  :  ノルティーニャ
V.E.ソホ  :  5つのヴェネズエラのメロディ
A.バリオス  :  パラグアイ風ワルツ

 録音 1973年6月





ジョンが 「さくら」 を弾く?

 このLPの日本での発売は1974~5年頃だったと思いますが、何といってもウィリアムスが日本民謡の 「さくら」 を弾いたということでたいへん話題になりました。 確かに私が子供の頃からギターで 「さくら」 を弾くのは、いわば定番になっていて、いろいろな 「さくら変奏曲」 の譜面が発売されていました。

 私も中学生の頃、その中の一つを弾いていました(クラシック・ギターのレパトリーなどよくわからなかったので)。 最後はトレモロの変奏になっていましたが (当時の「さくら変奏曲」はたいていそうなっていた)、誰の編曲だったか思い出せません。 というよりあまり編曲者など気にしなかったように思いますが、この横尾編でなかったのは確かです。

 確かにギターで 「さくら」 は定番だといっても、それはあくまで日本国内、しかもアマチュア・レヴェルでの話で、外国のギタリスト、しかもウィリアムスのような世界的な超一流ギタリストがこの曲を弾くなどということは、だれも想像しなかったのではないかと思います。 



銀行マン・カット?

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国内盤のLPジャケット。 発売当時は 「ジョンがさくらを弾いた」 ということで話題となった。 ジャケットからもわかるとおり、国内盤ではこの「さくら」全面に出してのリリースだった。 ちょっと気になるのはかなり古い写真を使用していて、発売時にはこんな ”銀行マンスタイル” ではなかった。 他に適当な写真がなかったのだろうか、あるいはこの写真の方が好感度が高いと考えたのだろうか。 ただ、裏面には海外盤でも使われた写真(最初の写真)が載っていた。




クリヤーに、シンプルに演奏している

 ウィリアムスの演奏は、たいへんクリヤーな音で、あまり表情などを付けずにシンプルに演奏しています。 そのことがかえってこの曲の持ち味を出しているようです。 そう言えば確かに、お琴などでは西洋音楽のよううに、フレーズごとにクレシェンドしたり、リタルダンドしたりなど、テンポや音量を変えて、いわゆる ”歌わせる” ということはあまりやらないようですね。 



最も海外で演奏されている邦人ギター作品かも

 因みに、この横尾編の 「さくら」 は新旧2つのバージョンがあって、ウィリアムスは基本的には最初のバージョン(比較的シンプルな方)を用い、新バージョンのほうから一つの変奏のみを演奏しています。 現在ではやや長めになっている新バージョンのほうもよく演奏されるようになりましたが、 多くの海外のギタリストはこの ”ウィリアムス・バージョン” で演奏しています。

 もちろん、この横尾編は、今現在多くの日本人ギタリストによって演奏されるだけでなく、Y.セルシェルやEフェルナンデスなど、多くの著名な海外ギタリストにも演奏されています。 もしかしたら今現在、最も多く海外で演奏されている邦人作品かもしれません。



前回のLPの関係で、スペインもの以外のプログラムとなった

 この「さくら」以外はイギリスのドッジソンと、ポンセ、ラウロ、ソホ、バリオスなど南米の作品となっています。 このLPの前のLPがスペインものだったので、要するにスペイン以外の音楽を集めたLPということなのでしょう。

 ウィリアムスは友人のドッジソンの曲をたいへん積極的に取り上げていますが、現在までは、あまり他のギタリストは彼の作品をあまり演奏しないようですね。 ポンセの 「南のソナチネ」 はセゴヴィア編で、たいへん爽快に演奏しています。 名演の一つではないかと思います。 ヴィラ=ロボスの 「ショールス第1番」 も、個人的に好きな演奏です。



ヴェネズエラ風ワルツ第3番とノルティーニャはウィリアムスの愛奏曲

 ラウロの「ヴェネズエラ風ワルツ」はウィリアムスの好きな曲なのでしょう、この録音以外にも何回か録音しています。 この曲もたいへん爽快な演奏で、譜面に書かれているよる多めに繰り返しを行っていますが、長すぎる感じはしません。

 アルゼンチンの作曲家、ジョージ・ゴメス・クレスポの作品で、セゴヴィア編曲の 「ノルティーニャ」 もこの録音以外にも何度か録音していて、ウィリアムスの愛奏曲の一つと言えます。 ソホの 「5つのベネズエラのメロディ」 は、なかなか親しみやすい曲で、最近では、いろいろなギタリストに演奏されています。



ジョンのパラグアイ舞曲はこのLPのみ

 アウグスティン・バリオスの 「パラグアイ舞曲第1番」 は華やかな曲で人気がありますが、指が拡がらないと弾けない曲です。 かなり左手の負担が大きい曲ですが(右手も結構難しい!)、最近のギタリストにとっては全く問題にならないのでしょうね。 手の小さい私には全く不向きな曲ですが、それでも無理やり弾いています。

 なおあ、ウィリアムスは1977年と1994年にバリオスの作品集を録音し、また他のCDなどのもバリオスの作品を録音していますが、この 「パラグアイ舞曲第1番」 はこの録音が唯一のものと思います。