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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

!中村俊三ギター・アルバムCD第2弾発売!



<アランブラの想い出 中村俊三クラシック・ギター名曲選>



 (RECUERDOS DE LA ALHAMBRA  FAVORITE GUITAR PIECES)

 2000円+税  





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<収録曲>  全17曲


1 カヴァティーナ/S.マイヤーズ 
                      
2 アランブラの想い出/F.タレガ  
                     
3 マリーア(ガヴォット)/F.タレガ
                      
4 タンゴ/F.タレガ 
                            
5 アラビア風綺想曲/F.タレガ   
                     
6 入り江のざわめき/I.アルベニス~中村俊三編曲 
               
7 朱色の塔/I.アルベニス~中村俊三編曲 
                   
8 トロイメライ/R.シューマン~タレガ編曲
                   
9 前奏曲第15番「雨だれ」/F.ショパン~タレガ編曲 
              
10 アダージョ・カンタービレ(ピアノ・ソナタ悲愴より)/ベートーヴェン~タレガ編曲 

11 エル・メストレ(先生)/カタルーニャ民謡~M.リョベット編曲 
        
12 盗賊の歌/カタルーニャ民謡~M.リョベット編曲  
             
13 クラベリートス(カーネーション)/J.バルベルデ~リョベット編曲  
    
14 スペイン舞曲第5番「アンダルーサ」/E.グラナドス~リョベット編曲 
    
15 粉屋の踊り(バレエ音楽「三角帽子」より)/M.ファリャ~中村俊三編曲 
    
16 「さくら」の主題による変奏曲/横尾幸弘 
                 
17 禁じられた遊び/A.ルビラ                   


Recording : February ~May 2018   Nakamura guitar studio

guitar 1~2 : P.Jacobson 1986    3~17 : H.HauserⅢ 1983

total time 69:15




クラシック・ギターの代表的な曲

 昨年の<アルベニス作品集>に続くギター・アルバム<アランブラの想い出 中村俊三クラシック・ギター名曲選> を発売しました。

 クラシック・ギターの代表的な曲、「アランブラの想い出」、「禁じられた遊び」、「カヴァティーナ」の他、海外のギタリストにも人気の高い、故横尾幸弘氏作曲の「さくらの主題による変奏曲」。 




意外と録音は少ない

 他に、名曲にもかかわらず、意外と録音される機会が少ない、タレガ編によるショパンの「雨だれ前奏曲」、ベートーヴェンの「悲愴」なども収録しています。




華麗なスペイン音楽も

 さらに華麗なアルベニス、グラナドス、ファリャなどのスペイン音楽。 さらにタレガのオリジナル作品、リョベットのカタルーニャ民謡などを収録しています。


 今回のCDは、タイトルのとおり、クラシック・ギターの有名な曲を集めたもので、聴きなじみのある曲が中心となっていて、どなたにでも気楽に楽しんでいただけるものと思います。




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ハウザーⅢ、およびジェイコブソンで録音

 録音は今年の2月から5月にかけて行ったもので、編集も私自身で行っています。 使用楽器は前回同様ヘルマン・ハウザーⅢですが、一部の曲にはアメリカの製作者、ポール・ジェイコブソン製作の楽器も使用しています。

 CD取り扱いは中村ギター教室、およびギター文化館(予定)ですが、興味のある方は、当ブログへのコメント、およびメール等で問い合わせてください。


 各曲の紹介などは、また次回行います。


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第50回記念 水戸芸術祭 

水戸市民音楽会 



7月15日(日)  13:00~

水戸芸術館コンサートホールATM

 *12:00より木村大ギターコンサート




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50回記念として、茨城県出身のギタリスト木村大さんの演奏も


 毎年水戸芸術館で行われている水戸市芸術祭の水戸市民音楽会ですが、今回は50年記念として、茨城県出身のギタリスト、木村大さんのゲスト演奏も行われます。



往復はがきで応募

 その木村さんのコンサートは市民音楽会に先立つ12:00~12:40分に行われ、入場は無料ですが、往復はがきで事前申し込みが必要となります。 曲目などは「まだ未定ですが、申し込み方法につきましては、画像を拡大してご覧ください。




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 木村大さんのお父さん(義輝さん)と私は以前から友人で、大さんは0歳児の時から知っています。また私の息子(創)と同じ歳で、小さい頃から一緒に遊んだり、また一緒に学生ギター・コンクールなどに出ていました。その結果として、大さんが1位で、創が2位などということがよくありました。



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今回は40団体の出演

 市民音楽会のほうは、今回は前回よりも出場団体が10団体ほど増え、40団体となりました。各団体の演奏時間は7分で、そのインターバルとして2分ほど必要になるので、市民音楽会だけで6時間半ほどかかり、終演時間は19:30となる予定です。 大さんの演奏も含めれば7時間半という、たいへん長いコンサートとなりそうです。




多種多様

 この市民音楽会は、これまでもたいへん様々な楽器の演奏があったのですが、さらに口笛やウクレレなど本当に多種多様なコンサートとなりました。。



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ギター関係も増えた

 また、ギター、マンドリン関係の団体もだいぶ多くなり、10団体近く参加の予定です。 今現在のところでは、水戸ギター・アンサンブルの演奏順は34番ということで、特に順番が変わらなければ、出演時間は午後6時過ぎ頃になる予定です。
第18回水戸ギターアンサンブル演奏会



  2018年9月24日(月 振替休日) 14:00~

  ひたちなか市文化会館小ホール

  入場無料


2017年市民音楽会


9月24日に上記の第18回水戸ギターアンサンブル演奏会を行います。プログラムは以下の通りです。




 ♪♪  第  1  部  ♪♪

    <合奏>
恋は水色(A.ポップ)
オリーブの首飾り(モーガン)
スカボロフェア/詠唱(サイモン&ガーファンクル)

   <小合奏>
カノン(J.パッヘルベル)
花まつり(アルゼンチン民謡)
コーヒー・ルンバ(J.ペローニ)

  <二重奏 中川眞理子  丹朋子>
アリア第4番(F.クレンジャンス)
ロス・マレアドス~酔いどれたち(J.C.コビアン~飯泉編)
ファーウェル(「夏の庭」より S.アサド)

  <独奏 中村俊三>
カヴァティーナ(S.マイヤーズ)




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 ♪♪ 第  2  部 ♪♪

  <ゲスト演奏  森田 晴 (水戸三高在学>
曲目未定

   <6重奏>
アダージョ~アランフェス協奏曲第2楽章(J.ロドリーゴ)
スペイン舞曲第1番~オペラ「はかなき人生」より(M.ファリャ)

  <合奏>
くるみ割り人形組曲より(P.チャイコフスキー)
行進曲
あし笛の踊り
トレパック
花のワルツ




以上の内容ですが、クラシック、ポピュラー、合奏、重奏、独奏など、バランスよく配分されており、多くの人に楽しんでもらえるものではないかと思います。なお今回はゲストとして水戸三高音楽家でギターを学ぶ森田晴(はる)さんに演奏していただきます。 例年通り入場は無料ですので、ぜひご来場いただければと思います。

バッハ:平均律クラヴィア曲集 49


 <オススメCD  チェンバロ編>


クリスティーヌ・ショルンスハイム  2010~2011年録音



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強い表現

 ショルンスハイムは古楽器奏者兼研究者のレオンハルトやコープマンなどの影響を受けていると思われますが、プレー・スタイルはより自由で、また力強さも感じる演奏です。

 ヒューイットが、21世紀におけるバッハ演奏の代表だとすると、チェンバロにおいては、このショルンスハイムがその役割りを担うのではと思われます。

 ただ、チェンバロはピアノとは違い、いわゆる”小技” が効かないだけあって、どちらかと言えば軽妙なヒューイットの演奏に対して、ショルンスハイムの演奏は、力強さを感じます。 濃厚な味わいで、聴きごたえ満点のCDだと思います。





ピーター・ヤン・ベルダー   2008年録音



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親しみやすい

 ベルダーはオランダ出身で、レオンハルト門下のアスぺレンに師事したといことなので、レオンハルトの孫弟子ということになるでしょうか。 ショルンスハイムと同じ傾向のチェンバリストと言っていいでしょう。

 古楽器研究の成果を踏まえた演奏スタイルということになるでしょうが、”第2世代” にあたり、ショルンスハイム同様、比較的自由に演奏している部分もあります。

 ショルンスハイムに比べると、ベルダーの演奏は繊細で柔らかい感じがします。決して強引なことをするタイプではなさそうです。言ってみれば”癒し系”のチェンバリストといった感じです。 ピアニストでいえば、アンドラ―シュ・シフに似た感じがあるかも知れません。



最後はやはり演奏者の性格か

 バッハの演奏というと、時代様式感だとか、対位法だとか、何か頭で演奏し、頭で聴く音楽のように思われますが、こうしていろいろなピアニストやチェンバリストの演奏を聴くと、その違いの最も大きな要因は、結局その演奏家の感性、さらには性格の違いによることが多いような気がします。





<オルガン編>

ダニエル・ボッカチオ  2016年録音



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これしか持っていないが

オルガンの演奏のCDはこれしか持っていないので、ベストかどうかはわかりませんが、なかなかいい演奏だと思います。 最近では、オルガンで演奏した平均律のCDも、これ以外に何種類か出ています。



基本は、やはりチェンバロ曲だが


この曲は、平均律クラヴィア曲集というわけですから、この曲集はオルガンでも、チェンバロでも、またピアノ(バッハの時代でも一応ピアノはあった)でも、鍵盤楽器なら何でもいいと言うことになります。

しかし、オルガン曲であれば、通常足鍵盤がある訳で、もちろんこの平均律曲集には足鍵盤のパートはありません。 またオルガンは教会などにしかなく、個人的に楽しむものではなく、あくまで多数の聴衆の前で演奏する楽器といえます。

その点、この平均律曲集は、個人的に演奏して楽しんだり、また少人数の聴き手(意識の高い)の前で演奏するための曲と考えられます。



オルガンで聴くのも楽しい

そうしたことから、この平均律曲集は、やはりオルガン曲でなく、チェンバロ曲と言えます。 しかしオルガンで演奏してもすばらしい曲はたくさんあり、特にフーガなどではオルガンで演奏した方がずっと内容がわかりやすい曲もかなりあります。 オルガン演奏で、この平均律曲集を聴くのも、たいへん楽しいことではと思います。









評論家によるランキング

平均律曲集の演奏の一般的な評価ということで、2000年頃音楽共社から出版された音楽評論家が選ぶ「21世紀の名曲名盤、究極の決定版100」のランキングも書いておきます。 なおこれは2000年出版ということで、2000年以降に発売されたCDは含みません。



第1位 グレン・グールド(1962~1971年)      得点20

第2位 グスタフ・レオンハルト(1967~1973年)      7

第3位 スビャトスラフ・リヒテル(1972~1973年)     6

第4位 フリードリヒ・グルダ(1972~1973年)       5

第4位 エドウィン・フィシャー(1933~1936年)      5

第6位 アンドラ―シュ・シフ(1984~1985年)       3

第6位 スビャトスラフ・リヒテル(1973年ライブ)      3

第8位 ボブ・ファン・アスぺレン(1987~1989年)     2

第8位 アフェナシェフ(1995年)               2

第8位 トン・コープマン(1992年)              2

第8位 ニコラーエワ(1984~1985年)            2




グールド、ダントツ! 3人束になっても!

要するに、グールドの一人勝ちですね、レオンハルトとリヒテルとグルダが3人束になってかかっても、グールド一人に勝てない! 

でも、こうした声にはあまり左右されずに、皆さんもご自身のベスト・ランキングを作って下さい。



ご精読ありがとうございました。

 49回にわたって書いてきましたバッハ平均律クラヴィア曲集ですが、今回を持って最終回となります。ご精読ありがとうございました。 




 
バッハ:平均律クラヴィア曲集 48


バッハ:平均律クラヴィア曲集CDベスト3




50回近くにわたって書いてきたバッハの平均律曲集ですが、まとめとして個人的に好きなCDを挙げておきましょう。 



<ピアノ編>



第1位  アンジェラ・ヒューイット (1997~1999年録音)



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21世紀型バッハ演奏

 バッハの演奏においては、バロック時代の演奏様式に従った演奏と言うことが、声高に叫ばれるようになって久しく、21世紀目前と言った時期の録音です。

 ヒューイットの演奏は、もちろんそうしたことも考慮しつつも、やはりあくまでピアノの演奏、あるいは自らの感性による演奏ということを主張したもののように思います。

 今現在のピアノ演奏法というのは、バッハの時代から19世紀、20世紀と各時代の演奏法が層のように蓄積されたもとも言えます。 ヒューイットの演奏は、単にバッハの時代の演奏様式だけでなく、そうしたピアノ演奏の歴史を踏まえたものともいえるかも知れません。

 また、ピアノの音の美しさ、音のキレ、音楽のクリヤーさなど、理屈抜きにバッハの音楽を楽しめるCDだと思います。 一般的な評価も高く、21世紀のバッハ演奏では絶対に外せないアルバムではないかと思います。

 なお、以前にも書いた通り、ヒューイットは2008年にもこの平均律曲集の全曲録音を行っており、この作品への強いこだわりが示されています。






第2位  アンドラ―シュ・シフ  1984~1985年録音



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耳になじみやすい演奏

 ハンガリー出身のアンドラ―シュ・シフはグレン・グールドに傾倒し、バッハの主要な鍵盤音楽を録音しています。

 全曲を通してノン・レガート奏法を用い、クレシェンドなど音量の変化は行わないなど、確かにグールド流の演奏法です。 しかし性格がグールドとは全く違うようで、刺激的なところは全くなく、たいへんマイルドな演奏です。

 グールドの場合、ノン・レガートというより、はっきりとスタッカートで演奏し、ややゴツゴツした感じがありますが、シフの場合はきわめて滑らかなノン・レガートなので、限りなくレガートに近いノン・レガートです。

 また録音されたピアノに音も、グールドの場合は、不必要な響きは一切排除し、ほぼ中音域のみの響きとなっていて、もちろん残響などほとんど付けていません。 

 シフのピアノの音は一般的なピアノの録音のように高音域や、残響が豊かなものではないとしても、グールドのもほど音を絞った感じではなく、たいへん自然な響きです。

 聴く人によっては中途半端だとか、エッジが聴いていないとか、自己主張が足りないとか感じる人もいるのではと思いますが、私自身では、このシフの演奏によって、この平均律曲集の楽しさがわかったと言えるもので、とても耳になじみやすい演奏です。

 




第3位  ダニエル・バレンボイム  (2003~2004年録音)



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19世紀からタイムマシンで

 第3位はいろいろ迷ったところですが(別に真剣に考えることでもないのだが)、結果として、19世紀からタイムマシンで21世紀にやってきたような演奏のダニエル・バレンボイムの演奏にしました。

 バレンボイムの演奏は、極端なダイナミックスの変化、バス声部のオクターブ重複、極端に遅いテンポなど、現在のバッハ演奏ではタブーとされていることを、何の呵責もなく行っている演奏です。 

 おそらくこういった演奏を音大の入試でおこなったら、おそらく不合格となるのではと思います。 まさに開き直った演奏と言えます。




世間の声に耳を傾けず

 また録音のほうも残響などをたっぷりと付け、響きとしてはチャイコフスキーか、ラフマニノフと言った感じです。 20世紀末にバッハの演奏の標準形とされた演奏法の真逆を行くものですが、ここまでくれば、もう立派なもの、「恐れ入りました」というしかないのでは。 まさに、世間の声に全く耳を傾けないといった演奏です。

 確かにバレンボイムの演奏は19世紀風なのですが、しかしエドウィン・フィッシャーのようにそれまでの伝統や習慣に従った演奏というより、全く独自の感覚で演奏しているように思います。 いろいろな意味で「我が道を行く」といった演奏だと思います。

 ”良い子のみなさん” にはオススメ出来ませんが、これまで様々な演奏を聴いた方には、つまり大人の音楽ファンには楽しめるCDではないかと思います。
 



さては、アンチ・グールド派?

 チェンバロなど、ピアノ以外の演奏は次回書くことにします。 

 ・・・・・・・・グールドはどうした? 20世紀最大のバッハ演奏家グールドの名が出てこないのはおかしい。 さてはお前! アンチ・グールド派だな! ついに正体をあらわしたな、世紀の大天才の御威光も恐れぬ不敬の輩! 成敗してくれようぞ! そこに直れ!

 いえ、いえ、滅相もございません。 20世紀最大のピアニスト、グレン・グールド様へのリスペクトは、常々欠かしたことはございません。 まことでございます、どうかひらにご容赦を! グールド様の残した録音はバッハ以外のものも含め、ほぼ全部買い揃えており、グールド様のご遺族、およびCBSの関係者の方々には、それなりの額を貢いでおります。  

 確かに最初にグールドの演奏を聴いた時に、なんでこんな変な弾き方するんだろう、何といっても変なうなり声みたいなものが入っているのも気持ち悪い。 それにピアノの音がボソボソ。 なんでこんな演奏がみんないいって言うんだろう? なんて思っていました。




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グールド大明神?



触らぬ神に祟りなし?

 でも ”意識高い系の友達” が 「グールドの演奏は素晴らしい。 グールドは偉大な天才だ。 今や、バッハの演奏はグールド以外に考えられない」 て言うもんだから、たぶん自分の聴く耳が悪いのだろうと思い、それから結構頑張って聴きました。

 また 「グールド本」なるものも多数出ているので、そんなものも読んでみました。 おかげさまで、最近ではそれなりにグールドの演奏を楽しめるようにはなりましたし、なんでそんな変わった弾き方をするのかと言ったことも、ほんの少しわかったような気もします。

 しかし私のようなものが「グールドは素晴らしい」などと申し上げては、真のグールド・ファン、あるいはグールド信奉者の方々に申し訳ない。 グールドは神のようなピアニストですから、ここは 「触らぬ神に祟りなし」 ということで・・・・・  私ごときに順位など付けられるものでは! まあまあ、穏便に!