バッハ:無伴奏チェロ組曲 8
アルマンド
舞曲の中では最初におかれる、ややゆっくりした曲
アルマンドは組曲の最初、あるいはプレリュードの次に演奏される舞曲ですが、音楽之友社の新音楽辞典では、「1550年頃現れた緩やかな2拍子系の舞曲」 と記載されています。
バロック時代の舞曲は、場合によって同じものでも年代や地方によってテンポやリズムが異なることもありますが、アルマンドに関しては、中庸から、やや遅い舞曲と言うことで、ほぼ一致しています。
アルマンドは比較的早い段階から実際に踊られることはなくなり、少なくともバッハの時代には音楽の形式としての意味合いが強かったようです。
また、1750年、つまりバッハの没年頃にはあまり演奏されたり、作曲されたりはしなくなるようです。
バッハのアルマンドは16分音符で書かれることが多い
バッハのアルマンドに関して言えば、4分の4拍子で、多くの場合16分音符で書かれています。 つまりテンポとしてはゆっくりだが、音は細かく、弾く側からすればそれほど遅いという感じでもありません。
また、アルマンドは短いアウフタクト(最初の小節の前に置かれた音符)を持つとされていますが、バッハのアルマンドは16分音符で出来ていることが多いので、アウフタクトも16分音符となることが普通です。

チェロ組曲第1番のアルマンド(私の編曲) 全体が16分音符で書かれ、16分音符のアウフタクトが付くのが特徴。

ド・ヴィゼーのアルマンド ヴィゼーやヴァイスのアルマンドは2拍子が多い

ヴァイスのアルマンド アウフタクトが4分音符や8分音符になることも多い
繊細でしなやか
同じ遅い曲でもサラバンドとはだいぶ性格が異なり、サラバンドはバロック時代の音楽らしく重厚な感じがありますが、アルマンドはもっと繊細でしなやか、流動感に富み、絹のような肌ざわりの音楽だと思っています。
テンポの取り方も遅いというより、落ち着いた感じといえるでしょう。 もちろん慌ただしくなっては絶対にいけません。
こうした中庸なテンポというのはなかなか難しいものですが、演奏者によってもテンポがかなり異なるのも確かです。
アルマンドらしさ
演奏の際には ”アルマンドらしさ” というものが出ないといけませんが、今現在、日常的にアルマンドを聴いたり踊ったりということは、普通なかなかない訳ですから、”アルマンドらしさ” を理解するのはたいへん難しいことでしょう。
しかし幸いに現在ではバッハ、および同時代の作品はCDなどで聴くことが出来ますので、こうした作品に取り組む前に、やはりなるべくたくさんそうしたものを聴いて、アルマンドとはどういう曲なのかということを理解するようにしないといけないでしょう。
また、チェロやギターの演奏だけでなくチェンバロやオルガンなどの、鍵盤音楽、あるいは声楽曲なども聴く必要があるでしょう。
基本が出来ていないと音楽にならない
それにしても、このアルマンドと言う曲はレッスンが難しい曲ですね。 技術的にはそれほど難しくないことが多く、確かに音だけは出せるのですが、前述のように、アルマンドらしさからはとはかけ離れたものになってしまうことがよくあります。
まず、技術的に音階をレガートに演奏する能力がなければ、こうした曲は弾けませんが、さらに旋律を柔軟に歌い上げるために、音量の増減や自然なテンポの伸縮も身に付けなければなりません。
つまり、アルマンドは、音を出すだけならそれほど難しくない曲が多いですが、ギター演奏の基本が出来ていないとなかなか音楽にはならないタイプでしょう。
・・・・・そんなこと、アルマンドに限らない話とですね。
アルマンド
舞曲の中では最初におかれる、ややゆっくりした曲
アルマンドは組曲の最初、あるいはプレリュードの次に演奏される舞曲ですが、音楽之友社の新音楽辞典では、「1550年頃現れた緩やかな2拍子系の舞曲」 と記載されています。
バロック時代の舞曲は、場合によって同じものでも年代や地方によってテンポやリズムが異なることもありますが、アルマンドに関しては、中庸から、やや遅い舞曲と言うことで、ほぼ一致しています。
アルマンドは比較的早い段階から実際に踊られることはなくなり、少なくともバッハの時代には音楽の形式としての意味合いが強かったようです。
また、1750年、つまりバッハの没年頃にはあまり演奏されたり、作曲されたりはしなくなるようです。
バッハのアルマンドは16分音符で書かれることが多い
バッハのアルマンドに関して言えば、4分の4拍子で、多くの場合16分音符で書かれています。 つまりテンポとしてはゆっくりだが、音は細かく、弾く側からすればそれほど遅いという感じでもありません。
また、アルマンドは短いアウフタクト(最初の小節の前に置かれた音符)を持つとされていますが、バッハのアルマンドは16分音符で出来ていることが多いので、アウフタクトも16分音符となることが普通です。

チェロ組曲第1番のアルマンド(私の編曲) 全体が16分音符で書かれ、16分音符のアウフタクトが付くのが特徴。

ド・ヴィゼーのアルマンド ヴィゼーやヴァイスのアルマンドは2拍子が多い

ヴァイスのアルマンド アウフタクトが4分音符や8分音符になることも多い
繊細でしなやか
同じ遅い曲でもサラバンドとはだいぶ性格が異なり、サラバンドはバロック時代の音楽らしく重厚な感じがありますが、アルマンドはもっと繊細でしなやか、流動感に富み、絹のような肌ざわりの音楽だと思っています。
テンポの取り方も遅いというより、落ち着いた感じといえるでしょう。 もちろん慌ただしくなっては絶対にいけません。
こうした中庸なテンポというのはなかなか難しいものですが、演奏者によってもテンポがかなり異なるのも確かです。
アルマンドらしさ
演奏の際には ”アルマンドらしさ” というものが出ないといけませんが、今現在、日常的にアルマンドを聴いたり踊ったりということは、普通なかなかない訳ですから、”アルマンドらしさ” を理解するのはたいへん難しいことでしょう。
しかし幸いに現在ではバッハ、および同時代の作品はCDなどで聴くことが出来ますので、こうした作品に取り組む前に、やはりなるべくたくさんそうしたものを聴いて、アルマンドとはどういう曲なのかということを理解するようにしないといけないでしょう。
また、チェロやギターの演奏だけでなくチェンバロやオルガンなどの、鍵盤音楽、あるいは声楽曲なども聴く必要があるでしょう。
基本が出来ていないと音楽にならない
それにしても、このアルマンドと言う曲はレッスンが難しい曲ですね。 技術的にはそれほど難しくないことが多く、確かに音だけは出せるのですが、前述のように、アルマンドらしさからはとはかけ離れたものになってしまうことがよくあります。
まず、技術的に音階をレガートに演奏する能力がなければ、こうした曲は弾けませんが、さらに旋律を柔軟に歌い上げるために、音量の増減や自然なテンポの伸縮も身に付けなければなりません。
つまり、アルマンドは、音を出すだけならそれほど難しくない曲が多いですが、ギター演奏の基本が出来ていないとなかなか音楽にはならないタイプでしょう。
・・・・・そんなこと、アルマンドに限らない話とですね。
スポンサーサイト