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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

第2回ICGアンサンブル演奏会

 11月21日(木)  石岡市ギター文化館



ご来場ありがとうございました

 昨日ICGアンサンブル演奏会を行いました。 ご来場下さいました方々、本当にありがとうございます。

 今年も昨年と同じメンバー(7人)で演奏会を行いましたが。同じメンバーでアンサンブルが出来たということは、それだけでも今の私たちには幸せなことと言えるでしょう。




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今年の写真が手もとにないので、昨年の写真だが、会場もメンバーも全く同じなので今年のコンサートもこんな感じ。、



さらに一歩前に進めて

 内容としては、昨年よりちょっとボリュームも増えましたが、昨年久々にギターに振れたメンバーもだいぶギターに馴染んで来たかなと思います。

 今回は二重奏やソロ、あるいはアルト・ギターなど、現役時代にはやらなかったことも経験するようにもなりました。

 今後は現役時代の勘を戻すというより、さらに一歩前に進めて、いっそう幅広く、充実したアンサンブル、あるいは演奏会にして行ければと思っています。
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「マチネの終りに」のサントラ盤




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2週間ほどして

 またまた「マチネ」関連の記事ですが、今月早々に注文していた 「マチネの終りに」 のサントラ盤CDが届きました。

映画を見てすぐに注文したのですが、約2週間ほどかかりました。 やはり通常のクラシック・ギターのCDとは売れ行きが違うのでしょう。

 収録曲は前回書きましたが、あらためて書いておきましょう。



01 大聖堂 第1楽章 (A.バリオス)
02 大聖堂 第3楽章 (A.バリオス)
03 幸福の硬貨(菅野祐悟)
04 The Future Changes The Past (菅野祐悟)
05 無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番BWV1004よりクーラント (J.S.バッハ)※
06 シチリアーナ (O.レスピーギ)※※
07 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりプレリュード (J.S.バッハ)※
08 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりジーグ (J.S.バッハ)※
09-20 ソルの主題による変奏曲 (M.リョベート)
21 ガヴォット・ショーロ (ヴィラ=ロボス)
22 詩的ワルツ集 No.1 Melodico (E.グラナドス)※
23 アストゥリアス (I.アルベニス)※
24 無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007よりプレリュード (J.S.バッハ)※
25 幸福の硬貨組曲 (菅野祐悟)

 03と25の演奏は福山雅治、 06は荘村清志、 他はすべて福田進一



テデスコのソナタを弾いているのはフランスの新鋭、ティボー・ガルシア

 そう言えば、映画に登場したギター曲のうち、テデスコのソナタは収録されていませんが、これは映画の中で新鋭ギタリストが演奏している曲で、実際に弾いているのはフランス出身の ティボー・ガルシア という新鋭ギタリストだそうです(ネット情報によれば)。

 そういった事情でこのCDには収録されていないようです。 因みに小節の中ではポーランド出身のギタリストとなっていて、特に名前は書いてありません。

 映画の中で、この新鋭ギタリストがどのように紹介されていたかは覚えていないのですが、おそらく実名で紹介されていたのではと思います。

 さらに、映画の中では蒔野がこのギタリストに 「とても素晴らしい」 と声をかけたのですが、その新鋭ギタリストが素っ気ない態度だったので、蒔野が気を悪くしたと言ったように描かれていました。

 小説のほうでは、それに若干続きがあって、後でそのギタリストが 「あのマキノに誉められた」 と仲間のギタリストたちに自慢げに話していたとなっています。



ティボー・ガルシアはプレスティ流?

 このティボー・ガルシアの演奏動画をネットで見てみると、右手のフォームは、今時のギタリストにしては珍しくかなり手首を曲げて弾くものになっています。

 「プレスティの技法云々」と書いてありましたから、おそらくパリ・コンセルバトワールで、イダ・プレスレィの夫だったアクサンドロ・ラゴヤに師事したのでしょう。

 このようなフォームだと、通常かなり硬質な音になるのですが、見た感じでは、爪の使い方は通常とは逆に、爪の小指側から弦に当てていて、やはり爪と弦とはある程度角度を保つようになっているのではないかと思います。

 しかしやはり今現在多くのギタリストがやっているものからすれば、かなり弦と平行に近い角度で爪を当てているようです。

 当然のことながら、映画の中でのティボー・ガルシアの音は、自らの音なのでしょう。



新たに録音

 話がちょっと逸れましたが、福田先生はこれらの曲のほとんどをすでに録音していて、CDとして発売されているのですが、このCD、つまり映画の音源は、それらとは別のものです。

 映画の中で蒔野が弾いている設定になっている曲については、その場面にあわせてテンポなどを設定し直す必要があると思います。

 しかし単にBGM的に使われている曲もあり、そうした曲はこれまでのCDの音源でもよかったはずですが、すべて新たに録音し直しているようです(諸事情もあるのかも知れませんが)。



ゆっくり目に演奏している曲が多いが

 これまでの録音に比べると、このCD(映画)の演奏はかなりゆっくり目になっているものが多く、特に「ガボット・ショーロ」は癒しの音楽として使われいるので、かなり遅めのテンポです。

 バッハの曲もこれまでの録音に比べるとやや遅めです(アレンジも若干違っている)。



「ソルの主題による変奏曲」はかなり速い

 しかし、リョベットの「ソルの主題による変奏曲」はかなり速いテンポで演奏されています。 おそらく蒔野のヴィルトーゾぶりを表現するためと思われます。

 福田先生のこれまで録音したCDをすべて持っているわけではないのですが、この曲の録音は初めて聴きました。 録音としては初めてなのでしょうか。



表情豊か

 福山雅治の演奏は、気持ちアコースティック・ギターぽいところも感じますが(曲の関係?)、強弱などの変化もあり、たいへん表情のある演奏です。

 最後のトラック25の「幸せの硬貨組曲」はオーケストラ入りとなっています。



”指パク”は思ったより難しい

 試しに大聖堂をこのCDの音に合わせて弾いてみたのですが、これがなかなか難しい、どうしてもずれてしまいます。

 映画の中ではピッタリ音と映像が合っているのですが、それにはかなりの能力、または努力が必要でしょう。


第2回ICGアンサンブル演奏会

 11月21日(木) 13:30   石岡市ギター文化館




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 昨年から始めました茨城大学ギター部の同期の卒業生によるギター・アンサンブル 「ICGアンサンブル」 の第2回目演奏会を行います。

 出演者は昨年同様、私を含めて7名で、曲目は次の通りです。


<合奏(7名)>
真珠とり(ビゼー)
涙のトッカータ(ローラン)
マラゲーニャ(ラミレス)
コーヒー・ルンバ(ペローニ)


<二重奏>
インベンション第1番、第7番(バッハ)


<独奏>
ていんさぐぬ花(沖縄民謡)
枯葉(コスマ)


<4重奏>
見上げてごらん夜の星を(いずみたく)


<合奏(7名)>
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章(モーツァルト)
フーガBWV578(バッハ)
リュートのための協奏曲ニ長調(ヴィヴァルディ)全3楽章


その他に独奏、あるいはパーカッションなどで、私たちとは別世代のOBにもゲスト出演していただきます。



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昨年の第1回ICGアンサンブル演奏会


昨年は、本当に久々にギターを弾いたというメンバーもいたのですが、今回はすくなくともそれから1年経ち、多少は勘も戻ったかなというところですが、今回も結局本番前日を含めて練習する機会は3回(1泊ですが)ということで、あまり十分とは言えないところです。


映画「マチネの終りに」 追加情報



曲名は前回のとおり

 またまた「マチネの終りに」ですが、前回書けなかったことの追加情報です。

 まず、映画に登場した曲の件ですが、一応前回の記事のとおりでした。 ・・・ネットで調べたところでは。



「不明な曲」 は The Future Changes The Past  (菅野祐悟)

 前回 「不明な曲」 としたものは 「幸福の硬貨」 と同じく菅野祐悟作曲の 「The Future Changes The Past」 という曲のようです。 前回も触れた「未来は過去を変える」といった意味ですね。



サントラ盤も出ている

 サントラ盤もすでに発売されていて、前回書いた曲がそのまま収録されています。 現在取り寄せ中で、まだ聞いてはいませんが、そのサウンドトラック盤の曲目は次のようになっています。


01 大聖堂 第1楽章 (A.バリオス)
02 大聖堂 第3楽章 (A.バリオス)
03 幸福の硬貨(菅野祐悟)
04 The Future Changes The Past (菅野祐悟)
05 無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番BWV1004よりクーラント (J.S.バッハ)※
06 シチリアーナ (O.レスピーギ)※※
07 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりプレリュード (J.S.バッハ)※
08 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりジーグ (J.S.バッハ)※
09-20 ソルの主題による変奏曲 (M.リョベート)
21 ガヴォット・ショーロ (ヴィラ=ロボス)
22 詩的ワルツ集 No.1 Melodico (E.グラナドス)※
23 アストゥリアス (I.アルベニス)※
24 無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007よりプレリュード (J.S.バッハ)※
25 幸福の硬貨組曲 (菅野祐悟)


福山雅治(ギター) O3, 25

福田進一(ギター) 01, 02、 04~25、荘村清志(ギター) Tr-06

※福田進一編曲   ※※荘村清志編曲




「幸福の硬貨組曲」もある

 大聖堂は第2楽章抜きなのですね、確かに映画には出てきませんでしたが、時間的に余裕があれば入れておいてほしかったところです。 もちろん全曲版になっている福田進一録音のCDは別に発売されています。

 25は 「幸福の硬貨組曲」 となっているので、 03とは違うバージョンみたいですね、これも福山が弾いています。



「幸福の硬貨」は林そよか作曲のものもある

 なお、CDとしては他に作者の平野啓一郎監集で福田進一演奏のCDも2種類出ています。こちらは映画ではなく小説を基にしたもので、曲目などは一部を除いて異なっています。

 またこちらの「幸せの硬貨」は林そよか作曲で、映画版とは全く違う曲です。 つまり「幸せの硬貨」は小説版と映画版と、二種類あることになります。



楽譜は今現在どちらも入手不可能

 楽譜については、林そよか作曲版は出版されていたのですが、現在は在庫切れのようです。 菅野祐悟作曲のほうはまだ出版されていないようです。



さっそく、耳コピー動画も

 ネット動画にはすでにこの菅野版を耳コピーしたという演奏があります。 アップした日にちがほぼ公開日(11月1日)ですから、映画を見て即、耳コピーしたのかな? いや、CDの発売が10月30日となっていますからCDでコピーしたのでしょうね、そして映画で運指を確認したとか。 それにしても凄いですね。




映画の中のCDのジャケットに出演

 原作の主人公蒔野聡史のモデルとなり、また映画の中でもほとんどの曲を演奏し、また福山雅治のギター演奏の指導もしたという福田先生も、この映画の中のどこかに出てくるのかなと思っていたのですが、映画の中のCDのジャケットとして名前と写真がほんの少し出ていました。 もう少し”ちゃんと”出ても良かったかなと思います。



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一般に高音域を上げる

 映画の中のギターの音ですが、これは一般のCDなどと同じく高音域を増幅したものとなっています。 生のクラシック・ギターの音は中音域が太いのですが、それだと沈んだ感じに聴こえるというので、一般に高音、低音域を増幅してより華やかに、よりプレミアム感が出るようにしています。




脳内イコライザー?

 この映画で最初にギターの音が聴こえてきた時には、エレキ・ギターぽく聴こえたのですが、しかし聴いているうちに特に違和感なく、普通のクラシック・ギターに聴こえてきます。 脳内イコライザーが働くのでしょうか。

 ついでながら、個人的にはクラシック・ギターは中音域の魅力だと思うので、私が作ったCDでは高音域を増幅せず、より生に近いものとなっています。



クラシック・ギターの演奏の基本に沿っている

 映画の中で演奏される「幸福の硬貨」は福山自身の演奏ということですが、表情もあってなかなか素晴らしいものです。 

 大聖堂のエンディングでは左手のポジション移動が難しいところですが、見た感じでは左手は非常に正確に動いています。 またアルペジオ風のところの右手のフォームも安定したフォームでしっかりと弦を捉えているように見えます。

 見た限りではクラシック・ギターの演奏の基本をしっかりと踏まえたものとなっています。 こう言った点からも福山の ”本気度” が窺われます。
 


あらためて、拍手とブラボー

 くり返しになりますが、クラシック・ギターをこれだけ真正面から描いた映画は、おそらく日本では始めてでしょう。

 改めて原作者の平野啓一郎氏と映画関係者、福山雅治とその共演者、そして原作にも映画にも大きな力となった福田先生はじめ多くのギター関係者に、拍手とブラボー!
ギタルラス・デ・プラタ  KAHON  ジョイント・コンサート


  11月4日(月)  つくば市 ノバ 小ホール



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 つくば市のノバ小ホールで行われた 「ギタルラス・デ・プラタ」 と「KAHON」 の二つのギターサークルのジョイント・コンサートに行きました。 演奏曲と演奏者は次の通りです。




Ⅰ 合同
鱒ます元気  F.シューベルト
ソナタ     F.カルリ Op.21-2
ファンダンゴ  L.ボッケリーニ


Ⅱ Guitarras de Plata
トルコ行進曲   ベートーヴェン
悲愴第2楽章   ベートーヴェン
グラナダ       アルベニス 
オリエンタル   グラナドス
 
  
Ⅲ KAHON
ウェストサイド・ストーリー
ボヘミヤン・ラプソディ
 

Ⅳ 合同
サザエさん
踊るポンポコリン
ゲゲゲの鬼太郎
ひょっこりひょうたん島
フィドル・ファドル


Guitarras de Plata   圷英子   内田信洋   細川千恵子

KAHON      圷英子   木坂恵子   熊谷義直   高橋美千代






 ノバの小ホールは初めて行きましたが、ギターにはちょうど良いところですね。 知り合いの人もたくさん来ていて、ほぼ満席となっていました。

 3人と4人のギター・サークルですが、それぞれの演奏の他、6人(一人重複のため)での合奏もありました。




アニメ関係のクイズ・タイムも

 最後のステージではアニメ主題歌を演奏しましたが、それに因んでクイズなどもあり、楽しいコンサートとなっていました。

 なお、圷さんの二人のお孫さんもクイズのお手伝いとして参加しました。
映画 「マチネの終りに」 を観てきました



ヴェネツィア国際映画祭_2017




 今日 (11月1日 金) 水戸内原イオンのTOHOシネマズで、映画 「マチネの終りに」 を観てきました。 やはり、まずはギターに関する話から始めましょう。 まずこの映画に登場したギター曲は次の通りです。


アウグスティン・バリオス : 大聖堂(第1、第3楽章)
J.S.バッハ : プレリュード、 ジグ (無伴奏チェロ組曲第3番より)
バッハ : クーラント (無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番より)
バッハ : プレリュード (無伴奏チェロ組曲第1番より)
ミゲル・リョベット : ソルの主題による変奏曲
カステルヌオーボ・テデスコ : ソナタ「ボッケーリーニ讃」第1楽章
エイトール・ヴィラ=ロボス : ガヴォット・ショーロ
アルベニス : アストゥーリアス
エンリケ・グラナドス : 詩的ワルツ集
作者不明 : コレンタ(シシリーアーナ)
菅野祐悟   : 幸せの硬貨
他不明 1曲




「幸せの硬貨」 は本当に福山雅治のギター演奏

 この曲目リストを見ただけでも、この映画が普通の映画ではないことがよく分かると思います。 この中で「幸せの硬貨」は架空の映画のテーマ曲ですが、映画の中での演奏は福山雅治自身となっています。

 もちろん映像上だけでなく”音”も福山雅治の音という訳です。  ・・・・・福山さんを呼び捨てではいけないかも知れませんが、超有名人なので、このほうがいいでしょうか。

 作者不明の「コレンタ(もしくはシシリアーナ)」は映画の中では蒔野の師である祖父江が弾いているもので、実際には荘村清志さんが弾いているようです。 それ以外の曲は、すべて福田先生(福田進一)が弾いています。



ブラームスの間奏曲を聴きたかったのだけれど

 細かく見れば、小説の方とは曲目が若干違っていますが、重要なカギとなる曲については同じとなっています。 バークリーやブローウェルの曲は出てきませんでしたが、もしかしたら著作権云々に関係あるとか?

 この小説の冒頭で小峰洋子が蒔野が弾いたブラームスの間奏曲がとても良かったと言っているのですが、この曲は登場しませんでした。 ブラームスのギター編曲もちょっと興味があったのですが、これって、だれか弾いている人いるんでしょうかね? 



決して簡単なことではない

 映像的には福山雅治は大聖堂とガボット・ショーロを弾いているのですが、これはやはり ”見事” と言っていいでしょう。 もちろん実際には弾いていなくて、福田先生の音に合わせているだけなのですが、これが簡単などといったら大間違い!



弾き真似できるくらいなら、本当に弾ける

 これはとても難しいことです。日頃ギターを教えていると、指の動きを真似するということが如何に難しい事かということがよくわかります。

 レッスン中 「私の動きを真似してください」 などと言っても出来る人はほとんどいません。 指の動きが真似できる人は、間違いなく本当に弾けるでしょう。

 確かに福山雅治は元々ギターを弾いていますが、それでもクラシック・ギターとエレキ、あるいはアコースティック・ギターは異なります。 特に右手の動きは全く別と言っていいでしょう。



アップ1
指の動きを合わせるのは決して簡単なことでない



満点!

 大聖堂など、福田先生の通常の演奏からすればややゆっくり目ですが、それでも結構なテンポの演奏にも関わらず、福山雅治は完璧に指を合わせています。 左右両方の手とも正確に動いていて、福山が弾いている実際の音も、福田先生のそれにかなり近いのではと見えます。

 ガヴォット・ショーロもややゆっくり目ですが、運の動きはたいへん正確です。 もちろん「幸せの硬貨」は自分自身の音なので、”かぶせ”には全く問題ありません。 福山のこの曲の演奏はシングル盤として発売もされているようです。

 結論として、見た目、つまり映像上ではアマチュアのギタリストでなく、ちゃんとプロのギタリストの弾き方になっています。福山雅治のクラシック・ギター演奏については、満点を付けていいのではないでしょうか (私が採点してはいけないが)。

 期待通りの名演技だと思います。 もちろんのことですが、顔と手を別撮りするといった、一般によくやる姑息な方法はこの映画では一切行われていません、念のため。



マニアには見逃せないところ

 楽器はイグナシオ・フレタを用いています。 その特徴のヘッドやモザイクがはっきりわかるように映され、これもマニアとしては見逃せないところでしょう。   ・・・祖父江は桜井?



止まる個所は映画の方がリアル

 例の大聖堂の途中で譜忘れして止まる話ですが、確かに小説と同じく、この曲の途中で蒔野が止まるわけですが、その止まる場所は小説とは異なっていました。

 小説ではやや不自然なところで譜忘れするのですが、この映画で止まる場所は自然です。 映画で止まった時、私も 「次何だっけ?」 とちょっと考えたくらいですから。



大人の事情?

 ストーリーの話が後になってしまいましたが、ストーリー的には大筋では小説にそっていますが、異なる部分はかなりあります。 

 小峰洋子がテロに巻き込まれるのは小説ではイラクですが、これはパリに置き換えられています。 イラクではロケが難しいでしょうから、この辺は ”大人の事情” ということでやむを得ないところかも知れません。



やはり小説のほうが説得力がある

 でも、小説の終盤のところが大きく変更されているはちょっと残念に思いました。 ストーリー的にも小説のほうが自然で説得力があるように思います。 また2時間という枠に収めるために、小節に描かれているかなりの部分を切り捨てているのも ”モッタイナイ” ところです。

 ただ、「過去は変えられるもの、過去は未来によって変わるもの」 と言ったことはこの小説のウラ・テーマみたいなものと思いますが、そのことは映画でもしっかりと主張されていました。



文庫本も出ている

 やはり映画は映画、小説は小説ということで、この映画を見た人は小節も読むべきでしょう。 この小説はすでに文庫本にもなっていて850円(税抜?)で買えます。 同じ階の本屋さんにありました。



ギター愛好者の皆さんは

 ところで、公開初日なので、相当混むのかなと思っていたのですが、良くも悪くも、全く混んでいないというか、観客席はちょっと寂しい感じでした、皆さん、ギター愛好者の皆さん、は必ずこの映画を観に行きましょう!


 曲目、忘れているの、ひとつくらいあるかな?  だいたいこんなものだったと思うんだけれど。


 あ、そうそう、これらの曲目のうち、チェロ組曲第3番(バッハ)、詩的ワルツ集(グラナドス)、大聖堂(バリオス)は来年4月の私のリサイタルで弾きます。 福山の顔を思い浮かべていただけるとありがたいのですが   ・・・・・それは無理か。
「マチネの終りに」観に行きます



ヴェネツィア国際映画祭_2017



今日から公開

福山雅治主演、天才ギタリスト蒔野聡史を主人公とした映画「マチネの終りに」がいよいよ今日から公開ですね。

早速今日の夕方観に行きます。映画館に行くなんて、本当に久々ですね。

本当にしばらく行っていないので、どうやってチケット買ったりするのかよくわかりません。

どれくらい混むのか、ちゃんと入場できるのかもよくわかりませんが、とりあえず行ってみましょう。



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前代未聞

それにしても朝日新聞(他の紙でも?)2ページ広告とか、CMもすごいですね。

感想は観てからということですが、これだけ本格的にクラシック・ギターを扱った小説も、映画も前代未聞なのは確かです。

あまり本格的に取り扱い過ぎて、かえって心配です。  ・・・・皆さん、ついて行けるかな?