「マチネの終りに」のサントラ盤
2週間ほどして またまた「マチネ」関連の記事ですが、今月早々に注文していた 「マチネの終りに」 のサントラ盤CDが届きました。
映画を見てすぐに注文したのですが、約2週間ほどかかりました。 やはり通常のクラシック・ギターのCDとは売れ行きが違うのでしょう。
収録曲は前回書きましたが、あらためて書いておきましょう。
01 大聖堂 第1楽章 (A.バリオス)
02 大聖堂 第3楽章 (A.バリオス)
03 幸福の硬貨(菅野祐悟)
04 The Future Changes The Past (菅野祐悟)
05 無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番BWV1004よりクーラント (J.S.バッハ)※
06 シチリアーナ (O.レスピーギ)※※
07 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりプレリュード (J.S.バッハ)※
08 無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009よりジーグ (J.S.バッハ)※
09-20 ソルの主題による変奏曲 (M.リョベート)
21 ガヴォット・ショーロ (ヴィラ=ロボス)
22 詩的ワルツ集 No.1 Melodico (E.グラナドス)※
23 アストゥリアス (I.アルベニス)※
24 無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007よりプレリュード (J.S.バッハ)※
25 幸福の硬貨組曲 (菅野祐悟)
03と25の演奏は福山雅治、 06は荘村清志、 他はすべて福田進一
テデスコのソナタを弾いているのはフランスの新鋭、ティボー・ガルシア そう言えば、映画に登場したギター曲のうち、テデスコのソナタは収録されていませんが、これは映画の中で新鋭ギタリストが演奏している曲で、実際に弾いているのはフランス出身の ティボー・ガルシア という新鋭ギタリストだそうです(ネット情報によれば)。
そういった事情でこのCDには収録されていないようです。 因みに小節の中ではポーランド出身のギタリストとなっていて、特に名前は書いてありません。
映画の中で、この新鋭ギタリストがどのように紹介されていたかは覚えていないのですが、おそらく実名で紹介されていたのではと思います。
さらに、映画の中では蒔野がこのギタリストに 「とても素晴らしい」 と声をかけたのですが、その新鋭ギタリストが素っ気ない態度だったので、蒔野が気を悪くしたと言ったように描かれていました。
小説のほうでは、それに若干続きがあって、後でそのギタリストが 「あのマキノに誉められた」 と仲間のギタリストたちに自慢げに話していたとなっています。
ティボー・ガルシアはプレスティ流? このティボー・ガルシアの演奏動画をネットで見てみると、右手のフォームは、今時のギタリストにしては珍しくかなり手首を曲げて弾くものになっています。
「プレスティの技法云々」と書いてありましたから、おそらくパリ・コンセルバトワールで、イダ・プレスレィの夫だったアクサンドロ・ラゴヤに師事したのでしょう。
このようなフォームだと、通常かなり硬質な音になるのですが、見た感じでは、爪の使い方は通常とは逆に、爪の小指側から弦に当てていて、やはり爪と弦とはある程度角度を保つようになっているのではないかと思います。
しかしやはり今現在多くのギタリストがやっているものからすれば、かなり弦と平行に近い角度で爪を当てているようです。
当然のことながら、映画の中でのティボー・ガルシアの音は、自らの音なのでしょう。
新たに録音 話がちょっと逸れましたが、福田先生はこれらの曲のほとんどをすでに録音していて、CDとして発売されているのですが、このCD、つまり映画の音源は、それらとは別のものです。
映画の中で蒔野が弾いている設定になっている曲については、その場面にあわせてテンポなどを設定し直す必要があると思います。
しかし単にBGM的に使われている曲もあり、そうした曲はこれまでのCDの音源でもよかったはずですが、すべて新たに録音し直しているようです(諸事情もあるのかも知れませんが)。
ゆっくり目に演奏している曲が多いが これまでの録音に比べると、このCD(映画)の演奏はかなりゆっくり目になっているものが多く、特に「ガボット・ショーロ」は癒しの音楽として使われいるので、かなり遅めのテンポです。
バッハの曲もこれまでの録音に比べるとやや遅めです(アレンジも若干違っている)。
「ソルの主題による変奏曲」はかなり速い しかし、リョベットの「ソルの主題による変奏曲」はかなり速いテンポで演奏されています。 おそらく蒔野のヴィルトーゾぶりを表現するためと思われます。
福田先生のこれまで録音したCDをすべて持っているわけではないのですが、この曲の録音は初めて聴きました。 録音としては初めてなのでしょうか。
表情豊か 福山雅治の演奏は、気持ちアコースティック・ギターぽいところも感じますが(曲の関係?)、強弱などの変化もあり、たいへん表情のある演奏です。
最後のトラック25の「幸せの硬貨組曲」はオーケストラ入りとなっています。
”指パク”は思ったより難しい 試しに大聖堂をこのCDの音に合わせて弾いてみたのですが、これがなかなか難しい、どうしてもずれてしまいます。
映画の中ではピッタリ音と映像が合っているのですが、それにはかなりの能力、または努力が必要でしょう。