令和時代のギター上達法 2
左利きの場合は?
左利きの人はギターを逆に持ったほうがよい?
前回の話で、ギターは利き手の方で弾いたほうがよいとことを書きましたが、そのことからすれば左利きの人は左手で弦を弾いて、右手で押さえるようにギターを持つほうがよいということになります。
左利きの人はだいたい10パーセントくらいなんだそうですが、そうすると10人のうち一人は反対にギターを持つことになります。 しかしどうでしょうか、実際にはそんなに逆持ちの人見かけませんね。
私の教室でもこれまで少なくとも数百人から千人弱くらいの人を教えていますが、これまで逆持ちの方は3人だけでした。 その他、大学時代のギター部の仲間でも、あるいは他の愛好団体の方、聴きに行ったコンサートやコンクールなどでも逆持ちの人は大変少ないです。
つまり左利きの人のほとんどは利き手でない方の右手で弦を弾いているということになります。 理屈からすれば左利きの人は左手で弦を弾くべきなのですが、なかなかそう出来ない事情もあります。
左利きの人手でも最初に出会うのが右利き用
その理由はいろいろありますが、まず私たちが目にするほとんどのギターは右利き用だということです。
左利きの人でも、最初に出会うギター、例えば家族の誰かが弾いていて家にあるギター、あるいは知人、友人がギターを持っているギター、楽器店などで見たり試奏したりするギター、これらはほぼすべて右利き用でしょう。
左利き用のギターはあることあるのですが、たいへん数は少なく、私自身でも目にする機会は非常にすくないです。
体験レッスンの時に右利きか、左利きか確認することはない
私の教室でも、体験レッスンに来た方で全くギターを弾いたことがなく、楽器も持っていない場合、当然のごとく右利き用のギターで弾いてもらっています。
「あなたは右利きですか、左利きですか?」 なんて確認してからギターを持ってもらうことはありません。 仮に左利きだとわかった場合でも、やはり右利き用のギター手渡すでしょう、左利き用のギターなどありませんから。
おそらくどのギター教室も同じかなと思いますが、少なくとも今現在では、左利きだから左利き用のギターを使用するというような考えはあまり一般的ではありません。
全くギターを弾いたことがなければあまり変わりがない
左利きの人でもあまり左用のギターを使わない理由に、今お話しした通り、左利き用のギターは非常に少ないということが挙げられますが、 ギターを初めて弾く場合、結局のところ押さえるほうも弾くほうもそれなりに難しいので、全くギターに触れたのない人であればどっちでもあまり変わらないと言うこともあります。
しかし逆に何年間か左、あるいは右持ちでギターを弾いていた場合、左右を持ち替えるのはかなり難しくなります。 私など子供のころからギターを弾いているので、左右で指先の形が違ってしまい、今から逆に持ってギターを弾くことは絶対にできません。
左利きの人は右手もある程度使える人が多い
前回の話と矛盾しますが、特に最初の段階であれば左右で、それほど難しさに差はなく、また左利きの人はたいていの場合、子供のころからある程度右手も使うようにしていることが多く、左右どちらでも字が書けたり、箸を持つことができたりする人も多いようです。
左利きといってもかなり個人差があり、どちらも使えるが、どちらかと言えば左のほうが使いやすいといった人から、絶対に左手でなければいろいろなことができない”コア” な左利きの人までいるようですが、 私の知る限りでは前者のほうが多いようです。
ハウザー、フレタなど世界の銘器は弾けない
次に左利き用のギターを使用した場合、やはりいろいろ不便なことが起きてしまいます。 まずは人からギターを借りることができないのでどんな場合でも自分の楽器を持って歩かなければならない。 また店でよさそうな楽器を見かけても、見るだけで、試奏することができない。
またハウザーやフレタ、ブーシェといった現代の銘器、さらにはトーレス、ラコートといった19世紀楽器などもすべて右利き用ですから、弾くことができず、例え高額をはたいてそうした銘器を買ったとしても、家に飾っておいて、ギターをやっている友人などが来た時に弾いてもらうしかありません。
もちろんギター文化館の所蔵楽器なども試奏できませんし、所蔵楽器によるコンサートも依頼されることはないでしょうね。
特にクラシック・ギターは左用が少ない
また左用の楽器がお店の店頭にあることはほとんどありません。 それでもエレキやアコースティック・ギターはそれなりにあり、ネットなどでも購入できるようですが、クラシック・ギターとなると非常に少なく、基本的に特注するしかないでしょう。

ポール・マッカートニーやジミ・ヘンドリックスが逆持ちなのは有名 (写真はギターでなくベース)。 ポピュラー系の愛好者の中にはマッカートニーの影響か、逆持ちはカッコイイと右利きなのにわざわざ逆持ちにする人がいるとかいないとか。 クラシック・ギターに比べればアコースティック・ギターやエレキ・ギターは左用の楽器もそれなりに販売されているようだ
弦を逆に張る方法もあるが
もっとも、通常の右利き用のギターの弦を反対に張ることで、即席の左用のギターとなり、 とりあえずはそれで弾ける場合もあります。
しかし、ギターは左右対称には作られておらず、特にブリッジの高さが1弦側と6弦側で異なり、6弦のほうはフレットにぶつかってノイズ化発生し、1弦側は弦高が高すぎて弾きにくいということも起こります。
その他の点、例えば指盤やネックも左右で微妙に違うとか、さらに内部構造などもすべて逆になってしまい、いろいろな面で弦を逆に張ると不都合なことが起きてしまいます。

クラシック・ギターのブリッジ。 6弦側が高くなっている。 弦を逆に張ると低音弦はフレットにぶつかってノイズを発生し、1弦などは弦高が高くなりすぎて押さえにくくなる。
エレキやアコースティックの場合は基本的に弦を反対には張れない
クラシック・ギターはまだ一見左右対称に見えるので若干の不都合があっても弦を逆に張ることができますが、エレキ・ギターやアコースティック・ギターなどでは見るからに左右対称ではないので弦を逆に張ること自体が不可能となります。
そういった関係で、やはり逆持ちの場合は左用のギターを買わないといけません。

アコースティック・ギターのブリッジは斜めになっていることが多いので、弦を逆に張るのは不可能。 エレキは楽器の形状自体が非対称。
ネックどうしがぶつかる?
さらに合奏や二重奏の場合、右隣の人のネックが当たりそうになります。 通常より右側の間隔を少し空ければよいのですが、合奏などの場合、そういったことは通常あまり考慮せずいすを並べますから、自分でいすをちょっとずらさないといけないでしょう。 足台も当然反対側に置かれているでしょうね。

なんとなくネックがぶつかりそう。 これまでの発表会に出た人の中で逆持ちの人はこの写真の人だけ(1980年代の発表会)。
レッスンもたいへんやりにくい
もう一つ、これは教室でのレッスンの際なのですが、まず言葉として弦を弾く方を「右手」という習慣がついていますから、弦の弾き方に問題があると、「右手のほうが・・・・・」 なんて言いかけて 「あ、すみません左手です」 なんて言いなおすことが頻繁に起きます。 長い習慣でどうしても弾く方の手を「左手」とは言えないんですね。
生徒さんのほうでもそれはわかっていて、左右を逆にして話を聞いているかもしれませんね。 当ブログを読んでいる逆もちの方は、今後左右変換して当ブログを読んでください。
またレッスンでは通常私は生徒さんの左側に座り、ネック側から生徒さんが弾くのを見ているのですが、左利きの人だとこれも逆になってしまいます。
一般的にギター教師は生徒さんの左側に座りますが(逆に座る人はあまり見かけない)、その方が生徒さんの右手も、左手もよく見えるからです。 反対側からだと、特に右の指先(弾く方の)が見えにくくなります。
それに、どうも逆だと視覚的にピンと来なくて、そのフォームがいいのか、悪いのかよくわからなくなってしまいます。
レッスンの時にも、「ちょっと持ち方がおかしいと思うんだけど、どこが悪いのかな」 と生徒さんのネックを持ち上げたり、おろしたり、前に出したりなどしても、なかなか良いフォームにたどり着けません。 どうやっても弾きにくそうに見え、またどちらの指も、なんか変に見えます。
左利きではないが
さきほどこれまで逆持ちのかたを3人教えたことがあるといいましたが、この3人のうち、左利きは一人だけで、他の二人の方は実は右利きでした。
その二人とも左指の関節が自由にならず、複数のフレットを押さえることができなかったので、逆に持つようになったのですが、弦を弾くことに関しては、その左手でもなんとか出来るようでした。
そういった理由からの逆持ちだったのであまり難しい曲は弾けませんでしたが、初級程度、つまり単旋律に若干和音が入ったような曲なら弾くことができました。
結果、多くの場合左利きの人でも右利き用のギターを使っている
以上のことから、10パーセント存在すると言われる左利きのほとんどの人は右利き用のギターで弾いているわけですが、そうした方々は利き手でない方で、より重要な”弦を弾く”行為をしていることになります。
そうすると、特に右手(弦を弾く方の)のテクニックや、あるいは音楽的な表現に右利きの人にくらべ不利なことが起こりうるということになります。 その可能性は十分にありと思います。
木村大君も左利きだが
私が知っているギタリストで通常の持ち方をしながらも左利きだという人に、木村大君がいます。 ご存じのとおり、大君は速弾きで有名ですが、その ”利き手でない” 右手はメチャクチャ動きます。 利き手の左手(フレットを押さえる)も相当速いですが。
大君に関しては左利きによる不利な面など、音楽性にしろ、技術にせよ全く感じさせないですね。

木村大君の左利きだが、”利き手”でない右手はメチャクチャ動く
左用のギターを使うよりも問題は少ない
今のところ、左利きの人が利き手でない右手でギターを弾くようになったために、なかなかギターが上達しなかったというれいはあまり聞きませんし、また私が教えた生徒さんでもそうした例はあまりありませんでした。
前に言ったような ”完璧な左利きの” 人だと、そうしたことが起こることがあると思いますが、そうした人にはこれまで出会ったことがありません。
多くの場合左利きの人が右用のギターで弾いてもそれほど問題がおきにくく、またその方が左用のギターを使用した場合に比べ、不都合な点も起きにくいので、こうした現状になっているのでしょう。
将来は?
しかし、これは現在までの話で、理屈からすれば左利きの人は左用のギターを弾いた方が良いということになるので、いずれは楽器屋さんでも10本に1本は左用の楽器を置くようになるかもしれません。
またギター教室で初めてギターを弾く人に右利きか、左利きか確認して、左利きの人は左用の楽器で体験レッスンなどを行うようになるかもしれません。
今現在の状況はともかく、理念上は利き手で弦を弾く方が合理的なのは間違いないことですから。
左利きの場合は?
左利きの人はギターを逆に持ったほうがよい?
前回の話で、ギターは利き手の方で弾いたほうがよいとことを書きましたが、そのことからすれば左利きの人は左手で弦を弾いて、右手で押さえるようにギターを持つほうがよいということになります。
左利きの人はだいたい10パーセントくらいなんだそうですが、そうすると10人のうち一人は反対にギターを持つことになります。 しかしどうでしょうか、実際にはそんなに逆持ちの人見かけませんね。
私の教室でもこれまで少なくとも数百人から千人弱くらいの人を教えていますが、これまで逆持ちの方は3人だけでした。 その他、大学時代のギター部の仲間でも、あるいは他の愛好団体の方、聴きに行ったコンサートやコンクールなどでも逆持ちの人は大変少ないです。
つまり左利きの人のほとんどは利き手でない方の右手で弦を弾いているということになります。 理屈からすれば左利きの人は左手で弦を弾くべきなのですが、なかなかそう出来ない事情もあります。
左利きの人手でも最初に出会うのが右利き用
その理由はいろいろありますが、まず私たちが目にするほとんどのギターは右利き用だということです。
左利きの人でも、最初に出会うギター、例えば家族の誰かが弾いていて家にあるギター、あるいは知人、友人がギターを持っているギター、楽器店などで見たり試奏したりするギター、これらはほぼすべて右利き用でしょう。
左利き用のギターはあることあるのですが、たいへん数は少なく、私自身でも目にする機会は非常にすくないです。
体験レッスンの時に右利きか、左利きか確認することはない
私の教室でも、体験レッスンに来た方で全くギターを弾いたことがなく、楽器も持っていない場合、当然のごとく右利き用のギターで弾いてもらっています。
「あなたは右利きですか、左利きですか?」 なんて確認してからギターを持ってもらうことはありません。 仮に左利きだとわかった場合でも、やはり右利き用のギター手渡すでしょう、左利き用のギターなどありませんから。
おそらくどのギター教室も同じかなと思いますが、少なくとも今現在では、左利きだから左利き用のギターを使用するというような考えはあまり一般的ではありません。
全くギターを弾いたことがなければあまり変わりがない
左利きの人でもあまり左用のギターを使わない理由に、今お話しした通り、左利き用のギターは非常に少ないということが挙げられますが、 ギターを初めて弾く場合、結局のところ押さえるほうも弾くほうもそれなりに難しいので、全くギターに触れたのない人であればどっちでもあまり変わらないと言うこともあります。
しかし逆に何年間か左、あるいは右持ちでギターを弾いていた場合、左右を持ち替えるのはかなり難しくなります。 私など子供のころからギターを弾いているので、左右で指先の形が違ってしまい、今から逆に持ってギターを弾くことは絶対にできません。
左利きの人は右手もある程度使える人が多い
前回の話と矛盾しますが、特に最初の段階であれば左右で、それほど難しさに差はなく、また左利きの人はたいていの場合、子供のころからある程度右手も使うようにしていることが多く、左右どちらでも字が書けたり、箸を持つことができたりする人も多いようです。
左利きといってもかなり個人差があり、どちらも使えるが、どちらかと言えば左のほうが使いやすいといった人から、絶対に左手でなければいろいろなことができない”コア” な左利きの人までいるようですが、 私の知る限りでは前者のほうが多いようです。
ハウザー、フレタなど世界の銘器は弾けない
次に左利き用のギターを使用した場合、やはりいろいろ不便なことが起きてしまいます。 まずは人からギターを借りることができないのでどんな場合でも自分の楽器を持って歩かなければならない。 また店でよさそうな楽器を見かけても、見るだけで、試奏することができない。
またハウザーやフレタ、ブーシェといった現代の銘器、さらにはトーレス、ラコートといった19世紀楽器などもすべて右利き用ですから、弾くことができず、例え高額をはたいてそうした銘器を買ったとしても、家に飾っておいて、ギターをやっている友人などが来た時に弾いてもらうしかありません。
もちろんギター文化館の所蔵楽器なども試奏できませんし、所蔵楽器によるコンサートも依頼されることはないでしょうね。
特にクラシック・ギターは左用が少ない
また左用の楽器がお店の店頭にあることはほとんどありません。 それでもエレキやアコースティック・ギターはそれなりにあり、ネットなどでも購入できるようですが、クラシック・ギターとなると非常に少なく、基本的に特注するしかないでしょう。

ポール・マッカートニーやジミ・ヘンドリックスが逆持ちなのは有名 (写真はギターでなくベース)。 ポピュラー系の愛好者の中にはマッカートニーの影響か、逆持ちはカッコイイと右利きなのにわざわざ逆持ちにする人がいるとかいないとか。 クラシック・ギターに比べればアコースティック・ギターやエレキ・ギターは左用の楽器もそれなりに販売されているようだ
弦を逆に張る方法もあるが
もっとも、通常の右利き用のギターの弦を反対に張ることで、即席の左用のギターとなり、 とりあえずはそれで弾ける場合もあります。
しかし、ギターは左右対称には作られておらず、特にブリッジの高さが1弦側と6弦側で異なり、6弦のほうはフレットにぶつかってノイズ化発生し、1弦側は弦高が高すぎて弾きにくいということも起こります。
その他の点、例えば指盤やネックも左右で微妙に違うとか、さらに内部構造などもすべて逆になってしまい、いろいろな面で弦を逆に張ると不都合なことが起きてしまいます。

クラシック・ギターのブリッジ。 6弦側が高くなっている。 弦を逆に張ると低音弦はフレットにぶつかってノイズを発生し、1弦などは弦高が高くなりすぎて押さえにくくなる。
エレキやアコースティックの場合は基本的に弦を反対には張れない
クラシック・ギターはまだ一見左右対称に見えるので若干の不都合があっても弦を逆に張ることができますが、エレキ・ギターやアコースティック・ギターなどでは見るからに左右対称ではないので弦を逆に張ること自体が不可能となります。
そういった関係で、やはり逆持ちの場合は左用のギターを買わないといけません。

アコースティック・ギターのブリッジは斜めになっていることが多いので、弦を逆に張るのは不可能。 エレキは楽器の形状自体が非対称。
ネックどうしがぶつかる?
さらに合奏や二重奏の場合、右隣の人のネックが当たりそうになります。 通常より右側の間隔を少し空ければよいのですが、合奏などの場合、そういったことは通常あまり考慮せずいすを並べますから、自分でいすをちょっとずらさないといけないでしょう。 足台も当然反対側に置かれているでしょうね。

なんとなくネックがぶつかりそう。 これまでの発表会に出た人の中で逆持ちの人はこの写真の人だけ(1980年代の発表会)。
レッスンもたいへんやりにくい
もう一つ、これは教室でのレッスンの際なのですが、まず言葉として弦を弾く方を「右手」という習慣がついていますから、弦の弾き方に問題があると、「右手のほうが・・・・・」 なんて言いかけて 「あ、すみません左手です」 なんて言いなおすことが頻繁に起きます。 長い習慣でどうしても弾く方の手を「左手」とは言えないんですね。
生徒さんのほうでもそれはわかっていて、左右を逆にして話を聞いているかもしれませんね。 当ブログを読んでいる逆もちの方は、今後左右変換して当ブログを読んでください。
またレッスンでは通常私は生徒さんの左側に座り、ネック側から生徒さんが弾くのを見ているのですが、左利きの人だとこれも逆になってしまいます。
一般的にギター教師は生徒さんの左側に座りますが(逆に座る人はあまり見かけない)、その方が生徒さんの右手も、左手もよく見えるからです。 反対側からだと、特に右の指先(弾く方の)が見えにくくなります。
それに、どうも逆だと視覚的にピンと来なくて、そのフォームがいいのか、悪いのかよくわからなくなってしまいます。
レッスンの時にも、「ちょっと持ち方がおかしいと思うんだけど、どこが悪いのかな」 と生徒さんのネックを持ち上げたり、おろしたり、前に出したりなどしても、なかなか良いフォームにたどり着けません。 どうやっても弾きにくそうに見え、またどちらの指も、なんか変に見えます。
左利きではないが
さきほどこれまで逆持ちのかたを3人教えたことがあるといいましたが、この3人のうち、左利きは一人だけで、他の二人の方は実は右利きでした。
その二人とも左指の関節が自由にならず、複数のフレットを押さえることができなかったので、逆に持つようになったのですが、弦を弾くことに関しては、その左手でもなんとか出来るようでした。
そういった理由からの逆持ちだったのであまり難しい曲は弾けませんでしたが、初級程度、つまり単旋律に若干和音が入ったような曲なら弾くことができました。
結果、多くの場合左利きの人でも右利き用のギターを使っている
以上のことから、10パーセント存在すると言われる左利きのほとんどの人は右利き用のギターで弾いているわけですが、そうした方々は利き手でない方で、より重要な”弦を弾く”行為をしていることになります。
そうすると、特に右手(弦を弾く方の)のテクニックや、あるいは音楽的な表現に右利きの人にくらべ不利なことが起こりうるということになります。 その可能性は十分にありと思います。
木村大君も左利きだが
私が知っているギタリストで通常の持ち方をしながらも左利きだという人に、木村大君がいます。 ご存じのとおり、大君は速弾きで有名ですが、その ”利き手でない” 右手はメチャクチャ動きます。 利き手の左手(フレットを押さえる)も相当速いですが。
大君に関しては左利きによる不利な面など、音楽性にしろ、技術にせよ全く感じさせないですね。

木村大君の左利きだが、”利き手”でない右手はメチャクチャ動く
左用のギターを使うよりも問題は少ない
今のところ、左利きの人が利き手でない右手でギターを弾くようになったために、なかなかギターが上達しなかったというれいはあまり聞きませんし、また私が教えた生徒さんでもそうした例はあまりありませんでした。
前に言ったような ”完璧な左利きの” 人だと、そうしたことが起こることがあると思いますが、そうした人にはこれまで出会ったことがありません。
多くの場合左利きの人が右用のギターで弾いてもそれほど問題がおきにくく、またその方が左用のギターを使用した場合に比べ、不都合な点も起きにくいので、こうした現状になっているのでしょう。
将来は?
しかし、これは現在までの話で、理屈からすれば左利きの人は左用のギターを弾いた方が良いということになるので、いずれは楽器屋さんでも10本に1本は左用の楽器を置くようになるかもしれません。
またギター教室で初めてギターを弾く人に右利きか、左利きか確認して、左利きの人は左用の楽器で体験レッスンなどを行うようになるかもしれません。
今現在の状況はともかく、理念上は利き手で弦を弾く方が合理的なのは間違いないことですから。
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