令和時代のギター上達法 21
調弦とピッチの話 9
440と442、どっちがいいの?
大きな違いはない
これまで今現在ではギターを弾く場合にピッチを440にする人と、442にする人がいることを書いてきましたが、では結論として、どちらを選択すればよいのかという話になります。
ここまで書いてきて何ですが、それはなとも言えない、というかどっちでもよいのではないかと思います。 強いて言えばピッチを高くすることでギターの音が華やかに聞えたり、また低くすることで落ち着いた音になるということはあるでしょう。
しかし440と442の違いだとその差ははっきりと出るほどでもありません。 確かに世の中には非常に音感のいい人がいて、440と442の違いを即座に聞き分けて、全く違う感じに聞える人もいると思いますが、そうした人はごく少数で、私の周囲にもそのような人はあまりいません。
しかし445以上になると
もっとも、これが445以上とか430台とかになればその違いがわかる人も多くなってくるでしょう。 445以上になればやはり高めに感じで、よくいえば華やかに、逆に言えばキンキンした感じになります。また弦の張も若干強くなって弾いている感じも変わってきます。
435以下になっても違和感を感じる人が多いでしょう。音がぼんやりとした感じになります。弦の ”肌触り” も変わってきます。
あくまで個人的にですが、私自身でチューナーなどを使わないでチューニングした場合、だいたいこの範囲(435~445くらい)に収まります、というかこれくらいの誤差が出てしまいます。 ・・・・・・・いや、もっと狂う時もあるかな?
プロのギタリストとしては若干誤差が多いですね、でも私自身からするとこの範囲であれば独奏を弾く時にあまり違和感はない訳です。
半音以上変えると音の鳴り方が変わる
さらに半音以上上げたり下げたりするとどうなるかと言うことですが、当然誰が聴いても低く聞こえる訳ですが、それ以外にも、前にも当ブログで書いた通り、ギターは(他の楽器も?)音によってよく鳴る音と鳴らない音があり、そのさはかなり大きいものです。
半音以上上げたり下げたりすると、「鳴る音」 と 「鳴らない音」 が入れ変わってしまい、違う楽器になったような感じになります。
私のハウザーでは「シ」が鳴って「ド」が鳴らないのですが(特に1弦の場合)、半音低くチューニングすると、いつもは鳴らないはずの「ド」 が鳴りだして、いつもしっかりと鳴る「シ」が詰まり気味になってしまいます。
ギター曲ではハ長調とへ長調とかの曲は少なく、通常 「ド」 はあまり重要とは言えません。 むしろ 「シ」 のほうが大事な音になることが多いので、これではかなり弾きにくくなってします。
つまり一人で弾く場合では440でも442でもどちらでもいいが、それ以上高くしたり、低くしたりすると違和感が出ます。
また、古楽器演奏の場合は半音下くする(前に数字を書き間違えましたが415くらい)チューニングもありますが、そういったものはまた別の話となるでしょう。
合奏などの場合は
少なくとも一人で弾く場合は440と442どちらでもよいのですが、合奏や二重奏の場合はそんなこと言っていられません。 二重奏などでそれぞれが440と442と異なるピッチで演奏し始めたりすると、かなり狂って聴こえます。
いつも一緒に弾いている人だったら当然損なことあまりないと思いますが、初めての人などと合わせた場合、たまにそんなことも起きます。
合奏の場合でも新しく加入した人など、440に合わせる人がいて(私の水戸ギター・アンサンブルでは442)、そんな時 「あれ、だれか ちょっと変な人がいるな」 みたいな感じになります。 しかし私ではなく、もっと音感の優れた指揮者だったら、「○○さん、ピッチが440になっていますよ」 と具体的に言うのでしょうね。 ・・・・・それが本当の指揮者!

水戸ギター・アンサンブルは2000年より442のピッチにしている。 たまに440の人もいるが・・・・・
どちらかに決めなければならない
と言ったわけで、複数の人でギターを弾く場合は440か442かは大きな問題になってします。 こうした場合では必ずどちらかに決めなければなりません。
どうやって決めるかというと、結局のところは多数決的に決めるか、そのグループの指揮者やリーダーなど、影響力の強い人の判断で決まるのでしょうか。
前にもいいましたとおり、ギター以外のクラシック音楽ではほぼ442に統一されています。我が国ではピアノの基本的なピッチが442と言う理由もあります。
それに従い今現在の多くのクラシック・ギタリストは442こピッチを採用しているようです。海外の方も見てもCDなどからすればほぼ442のようです。
クラシック系は442、ポピュラー系は440
しかしポピュラー系のギタリストは440が主流とされています。確かめてはいませんが、アコースティック・ギター関係のネット動画では 「ギターのチューニングを行う時には、まずピッチを440に合わせます」 と何のためらいもなく言っているので、それが普通なのでしょう。
そんなわけで、同じギターでもクラシック音楽寄りの人、および団体では442を採用、ポピュラーの傾向の強い人や団体は440となることが多いようです。 またクラシック・ギターでも年齢が高い人は440、若い人は442と言ったところでしょうか。
音楽史的に将来を見据えると
いずれにしても、自分の取り巻く環境を考え、都合のよい方を取ればよいのではと思います。まさに 「郷に入れば郷に従え」 といったことでしょうか。
今現在、全国のギター教室や、ギター愛好会などでは442と440が、だいたい同数くらいなのではと思います(統計は取っていませんが、感覚的に)。 ただ何となく世界の情勢や音楽の歴史などか考えると次第に442の方向に進むのではと思っています。
そんなわけで、私の中村ギター教室や水戸ギターアサンブルでも2000年よりピッチを442にしています。
調弦とピッチの話 9
440と442、どっちがいいの?
大きな違いはない
これまで今現在ではギターを弾く場合にピッチを440にする人と、442にする人がいることを書いてきましたが、では結論として、どちらを選択すればよいのかという話になります。
ここまで書いてきて何ですが、それはなとも言えない、というかどっちでもよいのではないかと思います。 強いて言えばピッチを高くすることでギターの音が華やかに聞えたり、また低くすることで落ち着いた音になるということはあるでしょう。
しかし440と442の違いだとその差ははっきりと出るほどでもありません。 確かに世の中には非常に音感のいい人がいて、440と442の違いを即座に聞き分けて、全く違う感じに聞える人もいると思いますが、そうした人はごく少数で、私の周囲にもそのような人はあまりいません。
しかし445以上になると
もっとも、これが445以上とか430台とかになればその違いがわかる人も多くなってくるでしょう。 445以上になればやはり高めに感じで、よくいえば華やかに、逆に言えばキンキンした感じになります。また弦の張も若干強くなって弾いている感じも変わってきます。
435以下になっても違和感を感じる人が多いでしょう。音がぼんやりとした感じになります。弦の ”肌触り” も変わってきます。
あくまで個人的にですが、私自身でチューナーなどを使わないでチューニングした場合、だいたいこの範囲(435~445くらい)に収まります、というかこれくらいの誤差が出てしまいます。 ・・・・・・・いや、もっと狂う時もあるかな?
プロのギタリストとしては若干誤差が多いですね、でも私自身からするとこの範囲であれば独奏を弾く時にあまり違和感はない訳です。
半音以上変えると音の鳴り方が変わる
さらに半音以上上げたり下げたりするとどうなるかと言うことですが、当然誰が聴いても低く聞こえる訳ですが、それ以外にも、前にも当ブログで書いた通り、ギターは(他の楽器も?)音によってよく鳴る音と鳴らない音があり、そのさはかなり大きいものです。
半音以上上げたり下げたりすると、「鳴る音」 と 「鳴らない音」 が入れ変わってしまい、違う楽器になったような感じになります。
私のハウザーでは「シ」が鳴って「ド」が鳴らないのですが(特に1弦の場合)、半音低くチューニングすると、いつもは鳴らないはずの「ド」 が鳴りだして、いつもしっかりと鳴る「シ」が詰まり気味になってしまいます。
ギター曲ではハ長調とへ長調とかの曲は少なく、通常 「ド」 はあまり重要とは言えません。 むしろ 「シ」 のほうが大事な音になることが多いので、これではかなり弾きにくくなってします。
つまり一人で弾く場合では440でも442でもどちらでもいいが、それ以上高くしたり、低くしたりすると違和感が出ます。
また、古楽器演奏の場合は半音下くする(前に数字を書き間違えましたが415くらい)チューニングもありますが、そういったものはまた別の話となるでしょう。
合奏などの場合は
少なくとも一人で弾く場合は440と442どちらでもよいのですが、合奏や二重奏の場合はそんなこと言っていられません。 二重奏などでそれぞれが440と442と異なるピッチで演奏し始めたりすると、かなり狂って聴こえます。
いつも一緒に弾いている人だったら当然損なことあまりないと思いますが、初めての人などと合わせた場合、たまにそんなことも起きます。
合奏の場合でも新しく加入した人など、440に合わせる人がいて(私の水戸ギター・アンサンブルでは442)、そんな時 「あれ、だれか ちょっと変な人がいるな」 みたいな感じになります。 しかし私ではなく、もっと音感の優れた指揮者だったら、「○○さん、ピッチが440になっていますよ」 と具体的に言うのでしょうね。 ・・・・・それが本当の指揮者!

水戸ギター・アンサンブルは2000年より442のピッチにしている。 たまに440の人もいるが・・・・・
どちらかに決めなければならない
と言ったわけで、複数の人でギターを弾く場合は440か442かは大きな問題になってします。 こうした場合では必ずどちらかに決めなければなりません。
どうやって決めるかというと、結局のところは多数決的に決めるか、そのグループの指揮者やリーダーなど、影響力の強い人の判断で決まるのでしょうか。
前にもいいましたとおり、ギター以外のクラシック音楽ではほぼ442に統一されています。我が国ではピアノの基本的なピッチが442と言う理由もあります。
それに従い今現在の多くのクラシック・ギタリストは442こピッチを採用しているようです。海外の方も見てもCDなどからすればほぼ442のようです。
クラシック系は442、ポピュラー系は440
しかしポピュラー系のギタリストは440が主流とされています。確かめてはいませんが、アコースティック・ギター関係のネット動画では 「ギターのチューニングを行う時には、まずピッチを440に合わせます」 と何のためらいもなく言っているので、それが普通なのでしょう。
そんなわけで、同じギターでもクラシック音楽寄りの人、および団体では442を採用、ポピュラーの傾向の強い人や団体は440となることが多いようです。 またクラシック・ギターでも年齢が高い人は440、若い人は442と言ったところでしょうか。
音楽史的に将来を見据えると
いずれにしても、自分の取り巻く環境を考え、都合のよい方を取ればよいのではと思います。まさに 「郷に入れば郷に従え」 といったことでしょうか。
今現在、全国のギター教室や、ギター愛好会などでは442と440が、だいたい同数くらいなのではと思います(統計は取っていませんが、感覚的に)。 ただ何となく世界の情勢や音楽の歴史などか考えると次第に442の方向に進むのではと思っています。
そんなわけで、私の中村ギター教室や水戸ギターアサンブルでも2000年よりピッチを442にしています。
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