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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

2021年  こ今年のまとめ




今年もコロナに明け暮れ

 さて、この2021年、令和3年もあと1日とちょっととなりました。 本当に残念ながら今年も昨年に引き続きコロナ・ウィルスに明け暮れた年となってしまいました、特にオリンピックのあった8月は凄かったですね。その結果予定していたコンサートなどもだいぶ中止になってしましたが、そうした中止になったイヴェントも含め恒例の今年のまとめをしたいと思います。



オリンピック

 日本全体としての話題はまずは8月に行われた東京オリンピック。 ホームとあって、日本人施主の活躍が目立ち、メダル獲得数などでは史上最高となりました(具体的な数字はわすれましたが)。

 特にスケート・ボードなど若い人の活躍が目立ちましたね。海外からの渡航者をだいぶ制限したようですが、それでも前述のとおり、8月のコロナ感染者はたいへん多くなってしました。



大谷、藤井

 アメリカでの大谷選手の活躍は常にテレビやネットなどで話題でしたね。アメリカ国内でもたいへん話題となり、また人気選手にもなったようです。

 将棋の藤井聡太4冠の活躍も凄まじいものでした。私もネットで藤井4冠の対局中継や解説動画を頻繁に見るようになって、将棋のことはあまり詳しくわからないながら、すっかり藤井ファンの一人になってしまいました。藤井4冠の思考力には本当に驚かされますが、考えるのと、考え続けるのが楽しいようですね。

 「脳も筋肉で出来ている」 なんて例えもありますが、マラソンと同じでたくさん考えると、考え続けられるスタミナも付くようですね。ただ走ることなどと決定的に違うのは、体力のトレーニングには限界があって、やり過ぎると故障してしまう。でも考える方は考え続けても脳が故障することはなさそうですね。脳のトレーニングには限界がないのかも。

 総選挙とか、首相交代といったこともありましたね、あと、真子さまの結婚とかも話題となりました。あらためて皇室はどうあるべきかということを考えるきっかけになったと言えるでしょう。



 さて、それでは中村ギター教室、水戸ギター・アンサンブルなど私の周辺のまとめをしましょう。




4月 

 4月25日にひたちなか市文化会館で予定していた中村ギター教室発表会はコロナ感染者多数の状況で中止となってしまいました。水戸ギター・アンサンブルの練習の方は4月10日から一応スタートしましたが、次の予定日の4月24日には市民センターが使えなくなり、次に練習出来たのは5月23日でした。





5月9日(日)  ムジカ響きコンサート

つくば市ノバ:ホール別館小ホール


つくば市の鶴田昭則先生の主宰する音楽グループ 「ムジカ響き」 のコンサートに出演させていただきました。 鶴田先生の伴奏で「湯の町エレジー」、「影を慕いて」 の2曲と独奏で「アストゥリアス」、「入り江のざわめき」 でした。鶴田先生は私より年長であるにも関わらず、たいへん美しいテノールの声をもっています。





6月20日  中村俊三ギター・リサイタル

ひたちなか市文化会館小ホール

 これも中止の可能性が高かったのですが、この時期感染者数がそれほど多くなかったので、十分な対策としたうえで、実行(強行?)となりました。こうした状況でしたので、来場していただいた方のいつもよりは少なかったのですが、それでも70人くらいの方々に聴いてもらいました。本当にありがとうございました。


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中村俊三ギター・リサイタル (2021年6月20日 ひたちなか市文化会館) のチラシ



 内容はバッハの無伴奏バイオリン・パルティータ第2番全曲(シャコンヌ付き)、グラナドスの誌的ワルツ集全曲など、昨年中止のリサイタルを受けたものだったので、かなり重厚なものとなりました。 ”歳(70歳)の割にはパワフル” といった感想もいただきました。


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CD:バッハ作品集  曲目:無伴奏バイオリン・パルティータ第2番、チェロ組曲第1番他   演奏:中村俊三   2021年6月発売

 また同時にこのパルティータを含むCD:「バッハ作品集」 も発売しました。





7月24(土)~7月25日(日)  水戸市民音楽会  

 水戸芸術館ATMホール


 昨年は中止となりましたが、今年は実施となりました。といってもコロナの感染状況は昨年よるさらに悪くなり、それでもこの時はそれほどもなかったのですが、この後急激に感染者が増え、8月には全国で25000人を超える状況になったことは皆さんの知る通りです。予定の時期がもう少し遅かったら中止もあったでしょう。

 実施されたと言ってもかなり変則的な開催となり、基本的に無観客、少数の団体(2~3)ずつ会場に入って演奏するといった形になりました。 マスクや着用、使用したものや床の消毒も1団体ごとに行われました。

 いつもですと私たち実行委員はステージ袖などで何らかの仕事をしているのですが、今回は全部の団体を客席で聴くことになりました。チューニングや練習府風景なども見られて、そういった点ではかえって勉強になりました。





10月

 10月23日に予定していた水戸ギター・アンサンブル演奏会は残念ながら中止となってしました。 これは8月以降市民センターが使用不可となってしまい、合奏の練習が出来なくなってしまったからです。 これも昨年の中止を受けて、この時期であれば問題なく出来るのではと思って会場を予約したのですが、また出来なくなるとは思いませんでした。 これで水戸ギター・アンサンブル演奏会は2年続けて中止となってしまいました。

 また一昨年までやっていた茨城大学ギター部同期のメンバーによるICGアンサンブルの演奏会も2年続けて中止です。





中村俊三ブログ

 イヴェント関係とすると今年はこれくらいしかないといった寂しさです。 当ブログのほうでは今年1月より、以前(10年ほど前)書いた中村俊三のギター上達法」のリニューアル版である「令和時代のギター上達法」を書き始めました。いろいろ別の記事も挟みつつ、今後何年間かにわたって書いてゆこうと思います。

 また3~4月にかけてはマイケル・ソントン著の 「水戸攘夷~近代日本はかくして創られた」 にそって水戸や水戸学のことを書きました。 私も水戸に来て50年以上となりますが、これまで水戸学とか弘道館とか、水戸についての知識がほとんどなかったので、これを機に勉強しました。

 私の職場が弘道館のすぐ近くだったにもかかわらず、弘道館にも初めてゆきました。 なかなか良いところです、周辺もかなり整備されてきれいになっています。 水戸のことをよく知っている人も、知らない人もぜひ行ってみて下さい。

 それでは、今年も当ブログを読んでいただき、本当にありがとうございました。コロナ感染がまたじわじわと増えてきて、嫌な予感もしますが、来年もまたよろしくお願いいたします。

 それでは皆様、よいお年を。
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令和時代のギター上達法 29


スラー奏法 2




そういえばクリスマス

 そういえば、今日はクリスマス・イブですね。 だからどした? と、最近はずっとそんな感じで、今日もいつもとと全く変わらない1日でしたす。

 とりあえず年内の仕事は終わりでしばらく年末年始の休みとなります。 普通の人よりは長めの休みですが、私もすでに70歳を超え、通常であれば定年退職と言うことなので、この程度のことはいいでしょうか。 最も若い頃からあまり働いていませんが。

 そろそろ恒例の「今年のまとめ」を書く時期ですが、それは次回、あるいは次々回にして、今回は上達法の方を書きましょう。 ・・・・・今年もちょっと寂しいまとめになりそうですね。




押弦の場合と同じことも多いが

 ギターのスラー奏法においては上行と下行では別の動作となりますが、まずは上行、つまりハンマリング・オンの方から話を始めます。 

上行のスラー奏法は、 「真上から振り下ろす」 とか 「裏側の親指が手の中心になるように」 と言ったことは前に書いた「押弦」の場合と同じです。 最も大きな違いと言えば、通常の押弦の場合は 「ゆっくりと弦に触れるように押さえる」 ということでしたが、 スラー奏法の場合は素早く 「叩く」 ようにするとと言うことです。



中指
中指で叩くところ。 上行スラー(ハンマリング)の場合も押弦と同じく ”真上から” 叩かなければならない。 親指の位置にも注意。この場合親指は中指のちょうど裏側にならなければならない(金床の役割をする)。



薬指
薬指で叩くところ。 親指は薬指の裏側にならなければならない。



スピードが必要~力ではない

 「押さえる」 のではなく、「叩く」 訳ですから振り下ろす 「スピード」 が必要と言うことです。 逆に言えば通常の押弦はゆっくりとした動作でやらないといけないということです、決して叩いてはいけません。

 つまり上行のスラー奏法は、ただ後続の音を右手で弾かないというだけではなく、全く別の動作であることは意識しておく必要があるでしょう。 ただし必要なのは弦を叩く「スピード」であって、決して「力」ではありません。

 人によってはその区別が難しいこともあるようです、時々叩くのではなく、無理やり指を強く指盤に押し付けるようにする人も見かけます。こうした人は力を入れている割には指の動きがゆっくりです。

 このようにしてはどんなに力を入れたとしても音は出ません、素早く弦を叩くというとと、力を入れて弦を押さえるということは全く別のことです。 力を入れずに ”軽く叩く” といったイメージを掴んでください。



中指後
中指で叩いたところ。 ”指先の中心” で叩かなければならい。



薬指後
薬指で叩いたところ




左親指は金床の役割

 それ以外のことについては確かに通常の押弦と同じで、斜めからではなく、「真上から叩かなければならない」、 「指先の中心で弦を叩かなければならい」、 「必ず親指が左手の中心になければならい」  などと言うことになります。

 親指については、スラー奏法の場合、「左手の中心」 というより、「叩く指の真下」 に置くといった方が良いでしょう。 金槌で釘を打つ時、何もないところでは打てませんね、金槌を打った衝撃を受け止める 「金床」 が必要となります。 その金床の役割をするのが左手親指となります。

 つまり中指で叩く時には中指の裏側、薬指で叩く場合は薬指の裏側となります。 小指の場合はなかなか小指の真裏には親指が行きませんが、なるべく近づけます。 人差し指の場合は特に意識しなくても親指は適正な位置に来るでしょう。



スラー奏法たる所以

 スラー奏法の場合、押弦と違い右手の弾弦とタイミングが狂って音が切れると言うとはありません。 誰がやっても必ず音が繋がるわけですね、それがスラー奏法のスラー奏法たる所以です。

 逆に言えば通常の弾き方、つまり左で音程を変え、右指で弾弦するということは誰がやっても、どんなに高い技術を持っている人が弾いても、かならず少しは音が切れるということになります。もちろん問題はその ”程度” で、人間の耳には切れて聴こえない程度に弾ければよいということになります。



先行音を短くしてしまう人が多い

 そのようにスラー奏法では音が切れるということはないのですが、その代わりに、通常の弾き方で左手を先に動かしてしまう人は、スラー奏法においては当然ながら先行の音を短くしてしまいがちです。

 その結果、スラー奏法を用いると滑らかにきこえるはずですが、音の長さが揃わず、かえってギクシャクした感じになってしまうこともよくあります。 そういった意味でも通常の押弦の際に左右のタイミングを合わせるということは大変重要なことです。

 スラー奏法を用いる場合も当然ながら、自分の音を良く聴く必要があります。 このように先行の音を短くしてしまう傾向のある人はその音をやや長めにする必要もあるでしょう。 私自身もスラー奏法の先行音は必ず長めに取るようにしています(以前からそうしているので、今現在はあまり意識しないが)。




スラー先行音
矢印のスラー先行音を短くしてしまう人が多いので、やや長めに取るようにするといい。




出る出ないはコントロールの問題

 上行のスラー奏法はよく音が出る時と、そうでない時があります。 下行のスラーよりもそのバラつきは大きいかも知れません。 そのバラつきの主な原因は正確に指先の中心がが弦にあたるかどうかと言ったことにあります。 ほんの少し叩く場所が中心からずれただけで音がよく出なくなります。

 常に正確に指先の中心で弦を叩けるようにトレーニングして行かなければなりませんが、これは地道にトレーニングすれば誰でも出来ることなので、忍耐強くやりましょう。 上行スラー奏法は力ではなく、あくまでもコントロールです。
令和時代のギター上達法 28


スラー奏法 1



スラー奏法とは

 一般的に 「スラー奏法」 とは 「なめらかに、音を切らないように弾く」 と言った意味ですが、ギター演奏においては右手で弾弦せずに左手で音を出す方法を言います。 私の教材では下のように説明しています。



スラー奏法
中村ギター教室教材 「レッスン5」 より  上段=ハンマリング、 下段=プリング



上行スラー=ハンマリング、 下行スラー=プリング

 上のように音が上行する場合には左指で弦を叩き、下行の場合は左指ではじきます。 クラシックギターの場合はどちらも ”スラー奏法” と呼びますが、アコーステック・ギターやエレキ。ギターの場合は ”ハンマリング・オン” と ”プリング・オフ” というように言葉を使い分けています。

 またアコースティック・ギターなどの場合は、通常弧線によるスラー記号の他、「h」 や「p」 などアルファベットも添えられます。 確かに ”叩く” のと ”弾く” のでは全く違う動作なので、このほうがわかりやすいですね。




ハンマリング
南沢大輔編「イマジン」より アコースティック・ギターの場合はこのように表記されることが多い。因みに「g」はグリサンド。


 

他の楽器の場合

 スラー奏法はピアノやバイオリン、フルートなどギター以外の楽器でもあります。 そして、スラー奏法はそれぞれの楽器でそれぞれ異なった方法があります。

 バイオリンであれば弓を動かす方向を変えずに演奏し、フルートならタンギングや息継ぎなどを行わずに、キーを押す指の動きだけで音を変える、ピアノなら次の鍵盤を叩くまで前に弾いた指を離さない、など言ったことろでしょうか(他の楽器を演奏したことがないので、詳しくは分かりませんが)。



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フルートのスラー奏法は指を変えるだけ?



 ギターやバイオリン、フルートなどのように発音と音程の決定を別の動作で行う楽器では、発音の動作はそのままで、音程を決定する動作のみを行うということになるでしょうか。 ピアノや、ハープのように発音と音程の決定を同じ動作で行う楽器では、特別な奏法という訳ではなく、鍵盤を叩くタイミングの取り方や消音の仕方などで行います。




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レガート(スラー)奏法と言えばバイオリンのほうがご本家か



ギターの左手は音程を決めるだけでなく、発音もしなければならない

 「ギターはバイオリンやフルートと同じく発音と音程の決定を別の動作で行う」 と書きましたが、実はスラー奏法に関して言えばそうも言えない部分もあります。

 ギターは形としてはバイオリンと似ていますが、スラー奏法に関してはバイオリンと異なり、バイオリンの場合は右手のボウイングを変えずに左手で押さえる位置を変えればスラー奏法になるのですが、ギターの場合は左指の押さえるフレットを変えるだけでは音は出ません。

 ギターのスラー奏法は最初に書いた通り左手で押さえるフレットを変えるだけでなく、叩いたり、はじいたりする動画が必要となります。つまりギターの場合の左手は音程を変える変えるだけでなく、発音もしなければならないということになります。



ギターのスラー奏法は限定的にしか使えない

 またギターの場合、長い音をスラー奏法で弾こうとすると、すでに余韻も小さくなっていますから、あまり音が出ません。また弦が変わった場合もスラー奏法が出来ません(場合によって無理やりやる=後述)。 さらに一つのフレーズなど、長い区間や、たくさんの音にスラー記号が付くと実質上スラー奏法が出来なくなります。

 フルートなどでも、あまりスラー奏法が長く続くと息が続かなくなってしまいますが、通常メロディは歌と同じようにフレーズと言って、必ず切れ目があるので、スラー奏法を行いたくても出来ないということはないでしょう(多分)。

 ギターのスラー奏法というのはどんな場合にでも行えるわけではなく、ある程度限定されてしまうのも特徴です。 したがってギターにおいては、スラー奏法が使えない場合、代替えの方法が必要となります。



スラー奏法ではない ”スラー的な弾き方” もある

 では、長い音や弦が変わる場合、あるいはたくさんの音など、スラー奏法が使えない時、それでも ”スラー奏法的” な弾き方が要求される場合はどうしたらよいか?

 これはピアノと同じように 「前の音が消える前に次の音を弾く」 といったような弾き方をするしかありません。 つまりギターというのはバイオリン的なものとピアノ的なもの両方の性格があるのですね。

 ”前の音が消える前に” ということは実際には少しの時間両方の音を ”重ねる” ということになります。 同一弦の場合にはこれが出来ませんが、同じ弦であれば実際のスラー奏法、弦が変わる場合はこの”少し音を重ねる弾き方” というように実際にはこの二つの方法使い分けて演奏したりもします。 

 一つのフレーズなど、比較的長い区間の音をスラー奏法で弾く場合はこういった方法を取るわけですが、 特にギタリストでない作曲家の作品を演奏する場合、付けられたスラー記号はギターの ”スラー奏法(叩いたり、はじいたりする)” を意味するというより、滑らかに弾くことを要求していることが多いので、実際にスラー奏法を用いるか、あるいは通常の弾き方でより滑らかに弾くかといったことは演奏者の判断となります。



あえて響きを残すことも

 スラー的な弾き方をする場合、「少しの時間音を重ねる」 と言いましたが、とは言っても、あまり長い時間重ねると隣どうしの音が重なって不協和音となってしまいますので注意も必要です。 

 しかし、ギターの場合、余韻と言ってもピアノほど大きくありませんから、それほど不快ではなく、むしろそれを意識的に響かせ、一種のハーモニーとすることもよくあります。 こうしたことは特に高音弦(1~3弦)の場合にはよく使われますが、低音弦の場合は濁りが大きいので、やはり注意が必要でしょう。



21世紀型ギタリスト

 いずれにしてもこの ”スラー奏法を使わないスラー的な弾き方” は弾く人の感性によるところが大きく、通常のスラー奏法よりはハードルは高いです。 言い忘れましたが、スラー奏法の場合、音を繋ぐだけでなく、強弱のコントロールも必要となります(後続の音のほうが小さくなる)。

 レガート(スラーと同義語)、マルカート、 スタッカート、 スタッカートシモ などの弾き方が自在に出来るようになるのは感性とトレーニングが必要ですが、それが出来る人が本当の実力者なのでしょう。

 もっとも、最近ではこうしたアーテキュレーションを完全に行えるギタリストもたいへん多くなりました。 21世紀のギタリストとしては、当然出来なければならないことなのでしょう。

 今回は一般論となりましたが、次回は具体的な話にしましょう。







令和時代のギター上達法 27





ちょっと間が空いてしまったが

このところ記事の更新の間が空いてしまいましたね、相変わらず仕事の方はそんなに忙しくはないのですが、種々の楽譜を作ったりで、忙しいような、ヒマなような。 まあ、絶対にやらなければならないことは特にありませんが(この記事を含め)。

 前回まで和音の押え方の話をしましたが、これまで左手関連の話が続いています。 しかしこのタイトルの記事の最初の方で言った通り(なぜ右手で弾くのか?)、ギターを弾く場合は右手の方がより重要なわけです。





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家の周辺の空き地はこれまで篠竹などが覆い茂っていたが、地主さんが最近刈り取って、随分と風景が変わった。教室に来た人が「どうしたんですか?」 なんて言うが、他家の土地なのでよくわからない。10年に一度くらい刈り込むようだ、本文には全く関係ないが。





和音がきれいに、正しくなるかどうかは右手の方が大きいが

 前回の和音の話しにしても、和音が正しく、きれいに鳴るかどうかは、左手よりは右手に大きく関与します。 したがって本来であれば右手の話から始めるべきなのですが、でも右手の話は結構面倒! 特に文章で表現するのは大変難しいです。 そんなわけで比較的話がしやすい左手の方から始めたわけです。 タイトルの方も ”和音の弾き方” ではなく ”和音の押え方” でしたね。





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 いつの間にか栗の木が大きくなっていて、これまで季節には小さな実をつけていた。 食べるにはちょっと小さいが、栗がなっているのを見るのはなんとなく楽しかったので、ちょっと残念な感じも。




それ以上に耳

 さらに言うなら、和音がちゃんと出せるかどうかは、左右の指の問題より ”耳” の問題がずっと大きいです。 指がよく動くかどうかと言うことよりも、和音を聞き取る力があるかないかと言うことに尽きるでしょう。

 それはもちろん和音に限らずギターを弾くこと自体が耳の問題となり、当然と言えば当然でしょう。 しかし実際にはこのことを理解している人はそう多くありません。少なくともこれまで多くの人のレッスンをしてきた限りではそのように感じます。

 おそらく多くの人は言葉の上ではそのことを理解していても、実際にギターを弾きだすと、音を聴くことよりも指を動かすことに全力を集中してしまうのでしょう。



音は目では見えない

 よくレッスン中に 「そこの音出ていますか、よく聴いてください」 なんて言っているそばから、「あの、ここ何の指で弾くんですか?」 といった言葉が返ってきたりします。

 また、「そこの音違っていませんか?」 などと言うと、楽譜と自分の左手を交互に ”目で” 確かめたりします。 「いや、後からではわかりません、弾いている時に合っているかどうか、耳で確かめてください、目で音は見えません」    ・・・・なんてレッスン中によくある風景ですね。

 確かに人間、目に見えないものには反応しにくいnですね、さらに音楽なんて、音響そのものよりも、その音の向こう側がもっとも大事なんでしょうけどね・・・・・・・



リュートの騎士さんありがとうございます

 なんかグチっぽくになっちゃったので、話を変えて、前回の記事で、「私は手が小さく、指が届かないので、ソルのハ長調のソナタの 『ロンド』 は弾けない」 と書きましたが、リュートの騎士さんから、「ソルの時代の楽器を使うと楽に弾ける」 と言ったコメントをいただきました。 確かにそうですね、ラコートは弦長が短いだけでなく、ネックも細いので、現在の楽器よりも押さえやすいです。

 私は19世紀初期のスタイルの楽器は持っていないのですが、高橋達夫さんの 「トーレス採寸モデル」 と言う楽器を持っています。トーレスは確かに19世紀のギター制作者ですが、ラコートなどの19世紀初期制作家とはやや異なり、20世紀の楽器の基なる制作家と言われています。

 ラコートほど小ぶりではないが、現在の楽器よりは全体に小さい感じでしょうか。 これで弾くと、私でも例の 「ロンド」 もそこそこ音が出ます。



たいへん励みになります

 リュートの騎士さんはその名前の通り、古楽器に精通した方と思われますが、私のブログを大変よく読んでいただいています。また時々このようにコメントもいただいています。本当にありがとうございます!

 定期的に私のブログを読んでくださる方がどれくらいいるのかわかりませんが、このように真剣に読んでいただいている方がいるのは確かで、なんとなく始めたブログですが、気持ちを引き締めて今後も記事を更新してゆきましょう。




次回からはスラー奏法の話

 言い忘れましたが、次回からはまた左手の話で、「スラー奏法」について書いてゆきたいと思います。