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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

令和時代のギター上達法 34



いつ何時

 ウクライナでの戦争が始まってから一か月以上となりますが、依然として激しい戦闘が続いています。民間人を含む多くの死傷者が出て、多くの街が破壊されていますが、なかなか早期に事態が収拾する見通しはなさそうです。大変残念ながら、世界には話し合いが出来る人と、そうでない人がいるようです。

 こうした状況を見ると、日本の場合でも平和憲法とか日米安保条約とか、もしかしたらこれが最も大きいことか知れませんが、海に囲まれた国なので、幸にも第二次大戦後は直接戦争に巻き込まれたことがないのですが、しかしこの先いつ何時、何があってもおかしくないというところかも知れません。 そうなった場合は、やはり自分の身は自分で守らなければならないということになるのでしょうか。

 最近の科学技術の進歩は目覚ましいものがあるのですが、社会とか政治とかといったものの進歩はなかなか遅々として進まないものですね、人間が本当の意味で高度な文明社会を築くには、まだまだこの後何世紀も必要なのかも知れません。

 


グリサンド奏法 3 


前打音(小音符)からのグリサンド



前打音(小音符)からのグリサンド

 今回は前打音(斜線付きの小音符)からのグリサンドです、これもよく使われますね。言うまでもないことかも知れませんが、小音符は音が小さいのではなく、時間が短い、つまり速く弾くということです。

 小音符というのは基本的に時間が与えられていません。あくまで正式の音符ではなく,仮の音符ということですね。 しかし全く時間がないと、物理学的にも音は聞えませんから、その時間は通常、主音符、つまり次の音符(通常の音符)から若干時間をいただくことになります。

 軒先を借りるというか、主音符の居候みたいなものですね。ですから小音符としてはそれほど時間を使う訳には行かず、なるべく速く主音符に進まなければなりません。

 小音符は、場合によっては次の音符ではなく、その前の音符から時間をもらうこともあります、19世紀の音楽にはよくありますね。そうした場合は多少ゆっくり弾いてもいいでしょう。

 また小音符の中には斜線の付かない「長前打音」というのもありますので、すべての小音符が短いわけではありません。バッハなどのバロック時代の楽譜では斜線付きの小音符は、逆にあまり使われませんの要注意です。




弾いてすぐにグリサンドするので

 ちょっと話がそれましたが、この前打音からのグリサンドは弾いてすぐにグリサンドを行う、つまり余韻が大きいうちにグリサンドをするので、グリサンドの音は出しやすいです。またいかにもグリサンドらしい感じも出ます。



グリサンド前打音1

小音符はなるべく軽く、触れる程度に押さえ、主音符のところで強く押さえるようにすると、主音符がちゃんと聞こえ、またキレのあるグリサンドになる。 逆に小音符を強く押さえると ”粘っこい” グリサンドになる。



 上のように 「ソ#」 → 「ラ」 のように1フレット分のグリサンドは音もよく出て、技術的にもあまり問題は起きないでしょう。 このようなケースでは、裏側の親指は移動せず、手首の回転だけで行うとよいでしょう。



3フレット以上のグリサンドの場合

 「ファ」→「ラ」 と 「ラ」→「ド」 のように3フレット以上のグリサンドとなると、後続の主音符がなかなか出にくくなります。 出ないからといって力任せに弾くと、小音符の方だけ出て、肝心の主音符の方がますます聞えなくなるということも起きます。



小音符は軽く押さえ、主音符のところで強く押さえる

 そうならないためには、まず小音符の方をなるべく軽く、押さえるというより触れる程度にします。裏側の親指はネックから少し浮かすといいでしょう。その状態から素早く左手を移動し、主音符のところでやや強く押さえるようにします。このようにすることで主音符もしっかりと鳴ってくれると思います。

 また小音符は前述の通り、あまり時間をかけてはいけない訳ですが、強く押さえるとどうしても動きが鈍くなり、遅くなってしまいます。キレよくグリサンドを弾くためにも、小音符のほうは軽く触れる程度で、強く押さえてはいけません。



小音符はちゃんと鳴らなくて良い

 それでは小音符がちゃんと出ないのではないかと思う人もいると思いますが、小音符はあくまで仮の音符ですからちゃんと鳴らなくてよいわけです。 

 エレキギターの場合は、こうしたケースではにグリサンド記号のみで小音符は書かれません。 どこからでもよいから適当なところからグリサンドしなさいということですね、そうしたものを 「グリス・アップ」 と言います。 確かにどのフレットからグリサンド始めても、聴いた感じはあまり変わりないです。

 


グリサンド前打音2



やはり下行の場合は少ない

 グリサンドは上行の場合は音を出しやすいが、下行の場合は音が出にくいということを前に書きましたね。やはりこの前打音からのグリサンドも上行の場合のほうが多く、下行の場合は少ないです。



次回はタレガのグリサンド

 グリサンドと言えば、クラシック。ギターではやはりタレガというイメージがありますね。 タレガは種々のグリサンドを用いていて、それらを使い分けられないとタレガらしくならないので、次回にはタレガのグリサンドについて、まとめることにしましょう。   ・・・・・気が変わるかも知れませんが。
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甲斐洋ギター・コンサート

 4月17日(日) 14:00

 会場:Marisのアトリエ

 入場無料(要予約)

 予約、問い合わせ TEL 029-274-3723 甲斐




<曲目>

ジュピター(ホルスト)
セレナーデ(シューベルト)
雨だれ(リンゼー)
悲しみの礼拝堂(ゴメス)
ラグリマ(タレガ)
アメイジング・グレイス(イギリス民謡)
オーバー・ザ・レンボー(ハーライン)
マイウェイ(リーバー)
月光~二重奏(ソル~フォルティア)



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 私の生徒さんの甲斐洋さんが、ひたちなか市のMarisのアトリエでコンサートを行います。甲斐さんは今年で80歳になりますが、64歳の時から私の教室でギターを学んでいます。曲の背景や、歌詞などを思い浮かべながら演奏したいとのことです。 定員は20名ほどで、入場は無料ですが、予約が必要だそうです。なお甲斐さんのコンサート終了後には自由演奏があります。
ムジカ・ひびき コンサート

 3月5日(土) つくば文化郷・ギャラリー長門屋




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会場の「つくば文化郷」は明治維新頃建てられた旧家の建物




世界はたいへんな事に

 いつのまにか世界は大変なことになってしまいましたね。これまでも世界では地域的な紛争など絶えることはなかったのですが、今度のウクライナの争い、残念ながらすでに戦争といってよい段階になってしました。 どんな戦争も正当化は出来ないと思いますが、それでもやむを得ない戦争というのもあるでしょう。しかし今度のロシアによるウクライナ侵攻は全く一方的なもので、一般の理解を超えたものでしょう。

 確か、30年前にソ連が崩壊して、ロシアもいよいよ自由で平和な国になるのではと思っていたら、いつの間にかスターリン時代に逆戻りですね。プーチン大統領の手法はまさに第2次大戦中の発想で、21世紀とは思えません。

 この先世界はどうなるかなど、私などにはわかりませんが、コロナで世界中の人がダメージを受けているところに、さらに追い打ちをかける形になってしまいましたが、これもなかなか早期には解決しないことは覚悟しなければならないところかもしれません。また私たちの出来る範囲で苦しんでいるウクライナの人々への支援をしなければならないでしょう。 今後物価高など我が国でもいろいろ影響が出てくるでしょうが、なんとか第3次大戦に発展しないことを祈るだけです。



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鶴田昭則先生の主宰する音楽団体

 さて、そんな中、昨年も出演させていただきましたが、昨日つくば市吉瀬の「つくば文化郷・ギャラリー長門屋」において 「ムジカ・ひびきコンサート」に出演しました。

 「ムジカひびき」は土浦市の鶴田昭則先生の主宰する音楽団体で、今回のコンサートは鶴田先生のテノールを主に、私のギター独奏も4曲ほど演奏させていただきました。またピアノ伴奏として大野恵美さん、川井道子さんが出演されました。

 プログラムの前半は「南欧の名曲」ということでピアノ伴奏でのイタリア歌曲と私のスペインのギター曲。 後半は「日本の歌」で、私の独奏で「さくら変奏曲」、鶴田先生のテノールで、「椰子の実」、「旅人の歌」、「白鳥の歌」、「湯の町エレジー」、「別れの一本杉」で、この中の「湯の町エレジー」と「別れの一本杉」は私もギター伴奏として参加させていただきました。



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概ね好評をいただいたのだが

 比較的小さなギャラリーで20名ほどの方々に聴きに来ていただきましたが、たいへん熱心に聴いていただき、また温かい拍手もいただきました。 皆さまからは概ね好評をいただきましたが、ただ残念なことに「湯の町エレジー」で、私のギターのチューニングが乱れ、鶴田先生はじめ、皆様に本当にご迷惑をかけてしました、本当にあってはならないことと思っています。

 一応プロなので言い訳は出きないのですが、皆さんの参考のために言い訳しておきましょう(それも言い訳?)。 昨日使った弦は少し前から張っておいたもので、一週間ほど前の音合わせの時にも、ややハイポジションが狂い気味とは思ったのですが、まあ、許容範囲かなと、そのまま本番で弾きました。
 


ハイポジションの音程にこだわったのが


 すると、どうも当日はハイポジションと開放弦の差が大きく感じ、特にハイポジションが特に独奏の際に狂い気味に聴こえます。 そこである程度開放弦を下げ気味にして、ハイポジションの狂いが目だたないようにしました。

 これが失敗というか、ちょっとやりすぎで、開放弦を下げ過ぎてしまったようです(演奏前に一応ピアノとピッチを確認したのだが、低めにしたつもりだったので)。実際に演奏が始まり、途中からピアノが入ると、4弦がピアノと全然違う!



怖いですね

 ギターだけで弾くのだったらなんとかごまかしが利いたのですが、間奏はピアノと被る形になっていて、ちょっとバレバレ。 途中、音が切れのを覚悟でなんとか4弦を上げ、後半は何とか目立たなくなりましたが、久々(?)のチューニング・ミスです。怖いですね、チューニング・ミスは。   ・・・・戦争よりはましか。