令和時代のギター上達法
アポヤンド奏法 1

右手の話は避けてきたが
久々の上達法です。ギターを弾くには左手よりも右手がより重要と、これまで言って来ましたが、なだかんだと、右手の話をするのを避けてきました。右手については、弾くのも難しいのですが、やはり話をするのも難しいし、書き始めるとなかなかたいへんになりそうで、ついつい先延ばしにしてきました。
しかしいつまでも避けていると ”やるやる詐欺” てなことになってしまうので、この辺で腹を括って始めることにしましょう。 もちろんですが、これは絶対に正しいとか、だれにでも言えることではありません。 私がこれまでに身に付けたことや、見聞きしたことについての記事と言うことになるでしょう。
歴史的に見たアポヤンド奏法
まず、最初はアポヤンド奏法とアルアイレ奏法についてから始めましょう。 右手の弾き方は、大きくこの二つに分かれますが、ギタリストによっては、これらを区別しないと言う人もいるようです。しかし実際には弾いた後、次の弦に触れるか、触れないかとということで、やはりそのどちらかになるでしょう。
これらの用い方は、その時代ごとに異なります。19世紀と20世紀で異なるだけでなく、この20年、30年くらいでも違ってきています。と言ったことから、まずその歴史的なことから話を始めましょう。
バロック時代ではリュートの演奏に準じたものと思われる
17世紀ではギターは複弦で、どちらかと言えばラスゲアード奏法で、ジャラジャラと弾くほうが中心だったようです。しかしガスパル・サンスやロベルト・ド・ヴィゼーのようにリュート的な弾き方をしている人もいました。おそらくはリュートに準じた弾き方をしていたのではないかと思います。

この絵を見た限りでも、ima はアルアイレ奏法で、親指はアポヤンド奏法と考えられる
アルアイレ奏法が中心だが7、8コース以上の低い弦はアポヤンド奏法も
リュートの場合、動画などで見る限りでは ima は間違いなくアルアイレ奏法で弾いています。 親指については弦によっても違うようですが、だいたい4,5コースくらいまではアルアイレ奏法で、そこから下の弦、特に7コース以下はほぼアポヤンド奏法のようです。
特に弦の数が多い場合は、親指がかなり上の方まで行くので、アルアイレ奏法はかえって難しくなるようです。それにアルアイレ奏法だと、次に弦を鳴らしてしまいがちですし、アポヤンド奏法で弾くことにより消音も出来ます。

これはリュートではなくテオルボ。 14コースだったかな? ギターのように普通に持ったら、ネック(左側)が落ちてしまいますね。この写真ではちょっとわかりにくいですが、ストラップを使用しているようです。
アポヤンド奏法だと二つの音に聴こえてしまう?
そうしたことからして、バロック・ギターではほとんどアルアイレ奏法を使用し、親指のみ場合によってはアポヤンド奏法を使うと言ったことではないかと思います。 因みに、私自身ではリュートを弾いたことがないのですが、リュートなどの複弦の楽器の2弦を im のアポヤンド奏法で弾くと(1弦は通常単弦なので)、ポロンとはっきりと二つの音に聴こえてしまうようです。アルアイレ奏法だとそれは目立ちません。

複弦のバロック・ギター
バロック・ギター バロック・ギターはラスゲアード奏法でかき鳴らすほうが多かったようですが、この絵では通常の弾き方のようです。リュートの弾き方と近かったのではないかと思われますが、やはりその形状からして、手のフォームは若干リュートの場合とは異なるようです。
19世紀に前半ではほとんどアルアイレ奏法
19世紀に入ってもギターの演奏法はほぼ同じだったのではないかと思われます。の両方を用い、人差し指、中指、薬指はアルアイレ奏法と思われます。少なくとも19世紀半ばくらいまでは ima のアポヤンド奏法はあまり使われなかったのでしょう。
親指については、アグアドの教本によれば、親指の第1関節(一番先端の関節)を曲げて弾く方法を取っているで、単音、重音に関わらずアルアイレ奏法で弾いていたと考えられます。他のギタリストもほぼ同様だったのではないかと思います。
中にはアポヤンド奏法を用いていたギタリストも
とは言え、絶対にアポヤンド奏法を使わなかったと断言するのは難しいでしょう。 19世紀半ば、あるは後半になってから突然アポヤンド奏法を使い始めると考える方が不自然で、主流ではなかったとしても、19世紀初頭からアポヤンド奏法で弾いていたギタリストがいたと考えるのが自然と思われます。

キュフナーのアンダンテ 初級の比較的簡単な練習曲だが、部分的に重音となっているところがあり、単音でもアルアイレ奏法が用いられていたと思われる。
アポヤンド奏法 1

右手の話は避けてきたが
久々の上達法です。ギターを弾くには左手よりも右手がより重要と、これまで言って来ましたが、なだかんだと、右手の話をするのを避けてきました。右手については、弾くのも難しいのですが、やはり話をするのも難しいし、書き始めるとなかなかたいへんになりそうで、ついつい先延ばしにしてきました。
しかしいつまでも避けていると ”やるやる詐欺” てなことになってしまうので、この辺で腹を括って始めることにしましょう。 もちろんですが、これは絶対に正しいとか、だれにでも言えることではありません。 私がこれまでに身に付けたことや、見聞きしたことについての記事と言うことになるでしょう。
歴史的に見たアポヤンド奏法
まず、最初はアポヤンド奏法とアルアイレ奏法についてから始めましょう。 右手の弾き方は、大きくこの二つに分かれますが、ギタリストによっては、これらを区別しないと言う人もいるようです。しかし実際には弾いた後、次の弦に触れるか、触れないかとということで、やはりそのどちらかになるでしょう。
これらの用い方は、その時代ごとに異なります。19世紀と20世紀で異なるだけでなく、この20年、30年くらいでも違ってきています。と言ったことから、まずその歴史的なことから話を始めましょう。
バロック時代ではリュートの演奏に準じたものと思われる
17世紀ではギターは複弦で、どちらかと言えばラスゲアード奏法で、ジャラジャラと弾くほうが中心だったようです。しかしガスパル・サンスやロベルト・ド・ヴィゼーのようにリュート的な弾き方をしている人もいました。おそらくはリュートに準じた弾き方をしていたのではないかと思います。

この絵を見た限りでも、ima はアルアイレ奏法で、親指はアポヤンド奏法と考えられる
アルアイレ奏法が中心だが7、8コース以上の低い弦はアポヤンド奏法も
リュートの場合、動画などで見る限りでは ima は間違いなくアルアイレ奏法で弾いています。 親指については弦によっても違うようですが、だいたい4,5コースくらいまではアルアイレ奏法で、そこから下の弦、特に7コース以下はほぼアポヤンド奏法のようです。
特に弦の数が多い場合は、親指がかなり上の方まで行くので、アルアイレ奏法はかえって難しくなるようです。それにアルアイレ奏法だと、次に弦を鳴らしてしまいがちですし、アポヤンド奏法で弾くことにより消音も出来ます。

これはリュートではなくテオルボ。 14コースだったかな? ギターのように普通に持ったら、ネック(左側)が落ちてしまいますね。この写真ではちょっとわかりにくいですが、ストラップを使用しているようです。
アポヤンド奏法だと二つの音に聴こえてしまう?
そうしたことからして、バロック・ギターではほとんどアルアイレ奏法を使用し、親指のみ場合によってはアポヤンド奏法を使うと言ったことではないかと思います。 因みに、私自身ではリュートを弾いたことがないのですが、リュートなどの複弦の楽器の2弦を im のアポヤンド奏法で弾くと(1弦は通常単弦なので)、ポロンとはっきりと二つの音に聴こえてしまうようです。アルアイレ奏法だとそれは目立ちません。

複弦のバロック・ギター
バロック・ギター バロック・ギターはラスゲアード奏法でかき鳴らすほうが多かったようですが、この絵では通常の弾き方のようです。リュートの弾き方と近かったのではないかと思われますが、やはりその形状からして、手のフォームは若干リュートの場合とは異なるようです。
19世紀に前半ではほとんどアルアイレ奏法
19世紀に入ってもギターの演奏法はほぼ同じだったのではないかと思われます。の両方を用い、人差し指、中指、薬指はアルアイレ奏法と思われます。少なくとも19世紀半ばくらいまでは ima のアポヤンド奏法はあまり使われなかったのでしょう。
親指については、アグアドの教本によれば、親指の第1関節(一番先端の関節)を曲げて弾く方法を取っているで、単音、重音に関わらずアルアイレ奏法で弾いていたと考えられます。他のギタリストもほぼ同様だったのではないかと思います。
中にはアポヤンド奏法を用いていたギタリストも
とは言え、絶対にアポヤンド奏法を使わなかったと断言するのは難しいでしょう。 19世紀半ば、あるは後半になってから突然アポヤンド奏法を使い始めると考える方が不自然で、主流ではなかったとしても、19世紀初頭からアポヤンド奏法で弾いていたギタリストがいたと考えるのが自然と思われます。

キュフナーのアンダンテ 初級の比較的簡単な練習曲だが、部分的に重音となっているところがあり、単音でもアルアイレ奏法が用いられていたと思われる。
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