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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

アル・アイレ奏法 1



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重要過ぎて敬遠気味

 アル・アイレ奏法と言うのはギター演奏上最も重要な事ですね。実際に二重奏とか合奏でなければ、ほとんどの場合、ギターの音はこのアルアイレ奏法で発音されるわけです。たいへん重要なことなので、これまでちょっと敬遠してきたというか、書くのを躊躇してきましたが、もちろん避けては通れない道、覚悟を決めて記事を書いてゆきましょう。



「空中に」と言った意味だが

 アル・アイレ奏法の意味は皆さんもご存じと思いますが、「空中に」と言った意味で、弾弦後、次の弦に触れずに空中で止まる弾き方です。最も自然な弾き方で、ギターを習ったことない人でも、この弾き方をするでしょう。

 この弾き方は、アポヤンド奏法のように使い方が限定されることなく、単音、重音、和音、アルペジオとほとんどの音形に対応出来ます。たいへん便利な弾き方ですが、技術が完全でない限り、いろいろな問題も発生してしまい、そう言った意味ではアポヤンド奏法に比べて難しい弾き方と言うことになります。 そこで、まずアルアイレ奏法の問題点の列挙から始めましょう。



アルアイレ奏法の欠点



1. 音量が出ない
2. 音質が細い、音色が硬質、ノイズが発生しやすい
3. 弦を弾き間違いやすい
4. 他の弦に触れて余計な音が出やすい
5. 緊張すると弾けなくなることがある
6. 指が震えやすい




技術が完璧であればこうした問題は起こらないが

 たくさんありますね、他にもあるかも知れませんが、もちろんこれは技術が完璧でない場合で、現在の優れたギタリストの場合は、これらすべてを克服している訳です。しかし一般的な愛好者の場合、こうしたことはたいへん問題になる事でしょう。



アポヤンド奏法であればこうしたことはあまり起こらない

 逆に言えば、アポヤンド奏法だとこれらの問題はほとんど起こらないとも言えます。ですから合奏などで単音のみを弾く場合でしたら、アポヤンド奏法のほうが良い結果となります。つまりアルアイレ奏法に比べ、音量が出て、音色もよく、弦の弾き間違えも少なく、隣の弦を鳴らすこともなく、緊張してもそれなりに弾け、指が震えることも少ないと言うことになります。




以前はアルアイレ奏法はやむを得ず使う方法だった

 以前、特に1950年代、60年代ではなるべくアポヤンド奏法で弾き、アルアイレ奏法は和音などどうしてもアポヤンド奏法が使えない時のみ用いるとしていました。今現在では、そうした考えは”古い”ということで、逆になるべくアポヤンド奏法は使わなように、中には”アポヤンド奏法厳禁”と指導している先生もいるとか、いないとか。 でもこうしてみると、以前のようにアポヤンド奏法を主体とする演奏法も、それなりの根拠はありますね。




とは言え、独奏曲ではアポヤンド奏法が使えないことが多い

 しかし独奏曲に関して言えば、アポヤンド奏法が使える部分は非常に限られた部分で、少なくとも9割以上はアルアイレ奏法で弾かなければならないのも事実です。なんとかこれらの問題点を克服して行かなければギターの演奏になりませんね。



あくまで私が行っている方法だが

 こうしたことをこれから書いてゆくのですが、もちろんそれぞれのギタリストでやり方や、考え方が異なると思います。これから書いてゆくのは、あくまで私の対処法、解決法、実践法と言うことになります。私の方法がすべての人に当てはまるわけではないでしょうが、一つの方法として試してみるのも悪くはないのではないかと思います。






<アルアイレ奏法の弾き方> 



1.弦を掴む



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このように一旦、弦のところで指が止まらなければならない(人差し指)



弦を掴まないと弾けない(指先を弦にぶつけてはいけない)

 まず、弦を掴まないと弾けませんね、当たり前のことですが、意外とこれに神経を使わない人は多いです。指で弦を掴まずにいきなり指を弦にぶつけるように弾いてしまう訳ですね、それではコントロールされた音は出ません。

 ギターの音と言うのは、一旦弦のところで指が止まるだけでしっかりした音が出るのですが、指先を一旦弦に当てると言うことで、爪のどの部分を、どのような角度で弦に当てるかなどがわかる訳です。 そうしたことはアポヤンド奏法でも同じなのですが、アルアイレ奏法の場合、そのことが結果に顕著に露われます。



指先の感覚が重要

 爪のどの部分に、どのような角度で当てるといっても、目で見る訳ではなく、指先の触感で感じるわけですから、その触感も育てなければなりません。指を弦にぶつけるような弾き方をしていたのでは、触感が育たなくて、自分の指がどのように弦を捉えているのか判別が出来なくなります。

  レッスンの際でも、指を弦にぶつけるようにして弾いている人は、”指を一旦弦のところで止める” という感覚がまったくわからないようですね、つまり触感がまったく働かないようです。



弦を摑まえるだけの練習もある

 ギターが上手になるためには当然音感が重要なのですが、それに加えて、この触感もたいへん重要です。その触感を育てるためにも、この ”一旦弦のところで指を止める” といったトレーニングが重要です。弦を弾かないで、指先で弦を捉えるだけの練習というもあるでしょう。実際にやっている人もいると聴きます。

 どうしても弦のところで指が止まているかどうかわからない人は、自分の右手を見て、下の写真のように指と弦がくっついているところが見えれば、一旦止まっていると言えます。全く止まっていない場合は、それが見えないはずです。


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このように見えていれば、指が弦のところで一旦止まっていると言える(中指)



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アポヤンド奏法 7



 アポヤンド奏法の使い方いろいろ




プライヴェートな視点で

 前回までは親指のアポヤンド奏法について書きました。親指のアポヤンド奏法が苦手とか、あまり使わないと言う人も少なくないと思いますが、自在に使えると、いろいろ便利なことが起こると言うことです。特に音量や音量バランス、発音の安定性などにはよい効果があるでしょう。

 さて、今回は私のアポヤンド奏法の使い方ということで、一般的というよりは、プライヴェートとな視点で、誰にでも当てはまるというものではありませんが、一つの演奏法として参考にしていただければと思います。



右手のテクニックが完璧であれば不要なことかも知れないが

 もし右手のテクニックが完璧であれば、つまり指先のパワーとコントロールが完璧であれば、アルアイレ奏法でもアポヤンド奏法と同じような音が出せて、アポヤンド奏法の必要は特にないでしょう。確かに最近の優れたギタリストはアルアイレ奏法だけでもほとんどのことが出来てしまうようです。

 しかし私のように指先のコントロールもパワーもイマイチと言う場合には、そういったものを補足する意味で、アポヤンド奏法は重宝です(あくまで「便利」ということで、絶対使わなければならないというこではない)。



作品によって使い分けている人もいるが

 また、ネット動画などを見てみると、最近の優れたギタリストたちでも、アポヤンド奏法はそれなりに使っているようですね、もちろん私とは違う意味で使うのでしょうけど。アナ・ヴィドヴィッチの「アラビア風奇想曲」の動画ではアポヤンド奏法を多用しています。これはおそらくタレガがアポヤンド奏法を多用したということによるものだと思います。こうしたギタリストたちはより一層音楽の表現が深まるように、そうした選択をしているのでしょう。




アポヤンドと言えば禁じられた遊び?

 では、まず手始めに有名な 「禁じらた遊び」 から始めましょう。




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赤い右運指 はアポヤンド奏法の意味。 かつてはこの曲のメロディ(1弦)は必ずアポヤンド奏法で弾かなければならないとされていた。



かつては必須だったが

 この曲は、昔からメロディは 「アポヤンド奏法で弾く」 と言われていましたね、かつては絶対にやらないといけないことでした。私ももちろんそう弾いていましたし、またギターを教えるようになってから、生徒さんにもそのように指導していました。

 今現在ははどうなんでしょうか、他の先生がどのように指導しているのかはよく分かりませんが、アポヤンド奏法にこだわる先生、いや、アルアイレ奏法で弾くべき、あるいはどちらでもいいという先生、いろいろだと思います。



1弦のみアポヤンド奏法だと、低音が不足気味になる

 私の場合は上の譜面のように薬指だけでなく親指もアポヤンド奏法で弾いています。1弦だけアポヤンド奏法だと、バランスが崩れてしまうからですね。この6弦の「ミ」はあまり重要な音ではないように思うかも知れませんが、この「ミ」がしっかりならないと音楽にならなくなってしまいます。

 薬指と親指、両方を一度にアポヤンド奏法で弾くのは、確かに難しく、あまり生徒さんには勧めていませんが、上下の音がしっかりすると、曲も安定しますね。 私の場合、いつ頃からこれをやっているのか記憶が定かでありませんが、子どもの頃独学でやっていた時は両方アルアイレ、大学入ってからは薬指のみアポヤンド奏法だったと思いますので、両方アポヤンドというのはプロになってからと言うことになるでしょう。 低音がよく出ないのが気になって、自然にそうなったのでしょう。



この曲ト長調? それともホ短調?

 この「ミ」がよく聴こえないと言う人もよくいるのですが、この「ミ」が聴こえないとホ短調だか、ト長調だかわからなくなってしまいます。特に一段目は、メロディだけからすればホ短調ともト長調とも判断のつかないもので、6弦の「ミ」が鳴っていなければ、3弦の「ソ」が響いているので、絶対ト長調に聴こえるでしょうね。 まあ、2段目からはメロディの関係でホ短調に聴こえると思いますが。



生徒さんにはアルアイレ奏法を勧めている

 以上のように、この6弦の「ミ」はどうしてもしっかりと鳴らなくてはいけない音なのですが、両方(1弦、6弦)をアルアイレ奏法で弾く場合はバランスも崩れませんから、両方アルアイレというのが最も現実的でしょう。 今現在は私も生徒さんには基本的にはそのように、両方アルアイレ奏法ということで指導しています。 

 時々メロディをアポヤンド奏法で弾く人もいますが、その生徒さんがそれに馴染んでいるであれば、特に異論は挟みません。ただし低音とのバランスには十分注意するようにとは頻繁にアドヴァイスします。



間違えられない曲がある

 ではなぜ、私の場合、1,6弦をアポヤンド奏法で弾いているかと言うと、私もアルアイレ奏法で弾けなくはないですが、私の指のコントロールが完全ではないので、緊張した不安定になってしまい、音抜けやバランスの乱れも生じてしまったりします。 アポヤンド奏法を用いているのは、どんな時に、どんな場所でもそれなりに弾けるようにするためと言うのが、最も大きな理由でしょう。こういった曲だと、ちょっとしたミスも許されませんね、”一応”プロとして。

 


マリア・ルイサ

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一段目と二段目で違ってしまったが

 次は「マリアルイサ」ですが、一段目と二段目で、二段目の二小節目の5弦「ラ」だけ 「赤a」 つまりアポヤンド奏法になってしまいました。間違いと言えば間違いとも言えるのですが、確かになんだかこのように弾いていますね。

 一段目ではその後さらに盛り上がるので、ここはある程度に押さえて弾いているですが、二段目はその後下がるので、こはピークのようになるので、ちょっと頑張って弾いているんですね。上が強くなるので、下もアポヤンドと言うことなのでしょう。



和音の低音のみアポヤンド奏法

 もう一つ特徴的なのが、4段目の最後の和音ですね。この和音のの6弦のみアポヤンド奏法で弾いています。和音を弾く時には通常アルアイレ奏法ですね、それはギター関係者、誰に聴いてもそう言いますよね、常識中の常識と言ったところです。

 だが私はこの低音のみアポヤンド奏法を使います。と言っても本当に同時ではなく、アルペジオ風に弾いています。しかし必要があれば私は4つの音を同時に弾いても、低音のみアポヤンド奏法で弾けます。



曲全体の骨組を作るため

 このような弾き方をしている理由としては、前と同じく、全部アルアイレ奏法だと低音が弱くなってしまうということがあり、低音が弱いと和音自体の力強さが出ません。さらに、アルアイレ奏法(親指)で強く弾こうとすると、5弦などに触れてしまって、余計な音が鳴り、和音が濁ってしまいますので、それを避けると言う意味もあります。

 いずれにしても、この和音は曲全体の中で最も盛り上がらなければならないもので、ここがショボいと曲全体がチョボくなってしまいます。曲全体の構成というか、骨組みを作るためとも言えるでしょう。



4通りいずれも演奏可能

 因みに、私は 

① 親指、薬指、両方アポヤンド
② 親指、薬指、両方アルアイレ
③ 親指アポヤンド 薬指アルアイレ
④ 親指アルアイレ 薬指アポヤンド

この4通りとも自在に出来ます。
新水戸市民会館プレオープンDay 

   6月4日(日) 水戸市泉町




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土足厳禁

 一昨日(6月4日日曜日)、今年の7月開館予定の、水戸市泉町に出来た水戸市民会館のプレオープンDayに行ってきました。出来れば、今年の11月に予定しているICGアンサンブル演奏会で使用したいと思い、その下見も兼ねてと言ことです。 

 このプレオープンDayにはたくさんの人が来ていました。おそらく正式オープン前なので、土足厳禁で、上履き、または靴にカヴァーをしての見学でした。



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エントランス


 なかなかすばらいいですね、エントランスの天井は高く、吹き抜け風で、木材を多用しています。



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大ホール 2000席



 大ホールは2000席と言うことで、座席も足元が広くとってあって、ゆったり出来そうです。オブジェ風の壁も面白いですね。




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小ホール 100~190席 11月16日(木)にICGアンサンブル演奏会を行う予定



 小ホールは一つのフロアーになっていて、多目的と言った感じです。 他に500席の中ホールもあります。




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水戸京成側から。この日は久々に人通りも多い。




小ホールで11月16日(木) ICGアンサンブル演奏会

 今日(6月6日)、ICGアンサンブル演奏会を行うために、11月16日(木)の小ホールを仮予約しました。後日またお知らせしますが、新水戸市民会館を見に来るついでに、ぜひコンサートの方も聴いていただければと思います。