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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

水戸ギター・アンサンブル演奏会


 10月14日(土) 14:00  ひたちなか市文化会館小ホール




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曲目紹介


 水戸ギター・アンサンブル演奏会も、もうすぐになってしまいました。演奏会が近くなると、あっち、こっちいろいろ気になるところや、問題点も多発してくるのは、毎度のことで、そう言うものだと思うしかないですね。 さて、演奏会も近くなったので、この辺で演奏曲目の紹介を行いましょう。

 当日のプログラムにも若干解説は載せますが、スペースも限られるので、あまり無駄話も出来ません。その点、ブログの方が裏話とかも書けますね。興味のある所だけでも読んでいただければと思います。




オットリーノ・レスピギー(1879~1936) : イタリアーナ(古代の舞曲とアリア第3組曲第1曲)



弦楽合奏曲からの編曲

 原曲は16世紀のイタリアのリュート曲で、それを20世紀のイタリアの音楽家、オットリーノ・レスピギーが弦楽合奏用に編曲したものです。ギター独奏でも演奏され、私の教室でも教材として用いています。 今回演奏する編曲は、レスピギーの作品からの編曲で、レスピギーの作品に沿ったものです。



幻想的だった弦のゆらゆら

 話がそれてしまいましたが、私がこの曲を始めて聴いたのは大学生の頃で、友達の部屋で聴いたFM放送だったと思います。電波状態が悪かったのか、原盤の問題か、弦の音がゆらゆらと揺れているような感じで、気持ち悪いといえば、確かにそだったのですが、逆にそれがとても幻想的で魅力的に感じ、早速そのLPを探して購入しました。 



第3曲は有名なシシリアーナ

 その後スコアのほうも入手して、大学時代に、この「第3組曲」の第3曲「シシリアーナ」を編曲して定期演奏会で演奏しました。これが本格的なギター合奏曲の編曲として、私自身では初めてのものとなります。

 原曲ハ短調だったものを3度下げてイ短調にしたのですが、まあ、妥当な選択だったでしょうね。弦楽のスコアをほぼそのままギター合奏に当てはめた訳ですが、50年以上経た今回の「イタリアーナ」の編曲でも、ほぼ同じコンセプト、同じ手法を取っています。

 この曲については当ブログでも何度か書いていますが、作者もわからなければ、曲名もわからないと言う曲で、「シシリアーナ」も「コレンタ」も正しくはないようです。「エスパニョレッタ」が正しいというコメントをいただいたこともあります。きっと正式には「作曲者、曲名不明の作品」なんて感じになるんでしょうね。




レスピギーの作品では変ホ長調となっているが

 さて、「イタリアーナ」 のほうに話が戻りますが、原曲(レスピーギの)では♭3個の変ホ長調ということです(厳密には当時は長調という概念がなかったが)。これは当時のリュートのピッチから来るもので、譜面的にはハ長調と言うことになるでしょうか。

 とは言っても、このピッチの問題は複雑で、確かに譜面上はギターよりも短3度(3フレット分)高かったようですが、当時のピッチは半音程度低かったので、今現在のギターからすれば2フレット分高いということになるでしょうか。



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私のギター合奏へのアレンジ(アルト1、プライム3,CBギター1) ほぼ原曲(レスピーギの)にそったもの



50年以上前の編曲との整合性?

 今回演奏する編曲ではハ長調としていますが、これはシシリアーナをイ短調で演奏したのと整合性があります。まあ、何も50年前に演奏したものと整合性を考える必要はないのですが。



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ギター独奏版(私の教室の教材)



やはり弾きやすい調で弾くのが最もよい

 また、この曲をギター独奏で弾く場合は、変ホ長調ではなく、ニ長調とするのが一般的です。それは前記の通り、当時のピッチは今現在のものより半音程度低いと言うことから来ています。 また、本当にニ長調という訳ではなく、”ニ長調ぽい” ということで、実際にはニ長調とロ短調を行った来たりしていますが、どちらかと言えばロ短調のほうが強いですね。

 というより、ハ長調でも、まして変ホ長調ではギターでは弾きにくく、ニ長調で弾くのが最も弾きやすいというのが、この調で弾く最も大きな理由でしょう。やはり、何と言っても弾きやすい調で弾くのが一番いいのに間違いありません。
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みんなで楽しむオーケストラ


 9月18日(月) ザ・ヒロサワ・シティ会館大ホール

  イバラキ・ニュー フィルハーモニック

  指揮 田口邦生

  ピアノ 仲道郁代





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<演奏曲目>

J.シュトラウスⅡ世 : 「こうもり」序曲
スッペ : 「軽騎兵」序曲
ロッシーニ : 「泥棒かささぎ」序曲

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」

 *前半にはオーケストラについての話しあり




いつの間にかにホールの名前が

 茨城県民文化センターに行くのは、本当に久々ですね。最近、自分関連のコンサートは、ひたちなか市文化会館、または石岡市のギター文化館で行い、聴きに行くことも水戸芸術館となっていて、ここに来るのは本当に久々です。そう言えば、ホールの名前も「ザ・ヒロサワ・シティ会館ホール」となっているですね。この名前に変わってから初めての機会だと思います。

 若い頃はこの水戸市では他にあまりホールがなかったので、よくここに来ましたね。そう言えば大学時代の定期演奏会もここでしたね。その当時は大学のギター部の定期演奏会とはいえ、千人超の人が来てくれました。私もこれまでずっとギターをやっていて、千人以上の観客の前で演奏したのは後にも先にも、この時だけでしたね。

 久々に来て、大きくはあまり変わっていないのでしょうけど、なんとなく椅子の間隔が拡がって、楽に座れるようになった気がします。それに女性用のトイレが増設となったのですね、女性の来場者にとっては、とても嬉しいことなのではないかと思います。




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わが県にも優れたオーケストラが

 この「イバラキ・ニューフィルハーモニック」というオーケストラは2年前に結成されたそうですが、たいへん素晴らしいオーケストラですね、茨城にもこうした実力のあるオーケストラが出来たのは、本当に喜ばしいことだと思います。

 演奏内容につきましては、私ごときが語るものではありませんが、弦の響きがとても美しく、またフル・オーケストラだけにダイナミック・レンジがとても広く、その迫力には圧倒されます。



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美しい皇帝

 ピアノの仲道郁代さんはたいへん著名なピアニストで、ピアノ協奏曲の代表とも言える「皇帝」をじっくりと楽しめました。仲道さんの演奏は直線的と言うより、きめ細かく、柔軟な感じがしました。
アルアイレ奏法 6


私の演奏フォームの遍歴






 前回まで歴史上の大ギタリストやギター界のレジェンドたちの演奏フォーム(右手の)を見ていただきましたが、今回は私自身ののフォームの移り変わりを見ていただきましょう。まずは今現在のものからです。



今現在

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今現在の私の演奏フォーム




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だいぶ捻っていますね。右手が表面板に近いのも特徴





袖、出すぎ?

 ちょっと袖が出すぎているのが気になるところですが、かなり横向きですね、手首を内側に捻って、指は弦に平行に近いくらいです。ラッセルよりもさらに横向きといった感じですね。






1970

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大学2年生、茨城大学ギター部定期演奏会。手首を外側に曲げて、指は弦に直角に近い




当時の標準的なフォームか、渡辺範彦さんに似ている?

 不鮮明な写真で恐縮ですが、写真として残っている私の最も古いもので、1970年、私が大学2年生の時の定期演奏会の写真です。手首を曲げる方向が今と完全に逆ですね、渡辺範彦さんのフォームに近いですが(全体的にも?)、確かにこの当時はこれが標準的なフォームだったと思います。楽器は故富田修氏のものです。






1977年

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ラミレスの6弦、手首はややまっすぐに




手首はややまっすぐ、足はイエペス風?

 1977年、大学を卒業して2年目くらいの頃です。手首はややまっすぐになってきましたね。よく見ると、ギターの持ち方がちょっと違っています(足開き方)、イエペス風と言ったところでしょう。楽器はホセ・ラミレスⅢになりました。この楽器は1973~1981年の期間使いました。





1985年

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ラミレスの10弦




なんと10弦!

 なんと、10弦ギターを弾いていますね、1983~1986年の約3年間ほど10弦ギターを弾いていました。フォームのほうは上のものとあまり変わりません。





1992年

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右手がやや横向きに、ハウザーⅢに変わる、足の開き方もオーソドックスなものに。




被写体の経年変化のほうが気になる?

 なんか、演奏フォームよりも被写体の経年変化のほうが気になるかも知れませんね、でも、そこはちょっと置いておいて、フォームの方に集中してください。 右手のフォームが変わりましたね、現在ほどではありませんが、だんだん横向きになってきました。ただ、この写真はアポヤンド奏法で弾いているところだと思いますので、アポヤンドの場合はあまり横向きになりません。

 また、楽器がハウザーⅢに変わりましたね、足の開き方もオーソドックスなものに戻っています。ギターレストは使っていなくて、足台です。いろいろな意味で、私自身の弾き方や、音色などが変った時期です。




ラッセルの影響で

 1990年頃デビット・ラッセルのリサイタルとマスタークラスを聴き、その影響を受けてフォームなどが変わった時期です。若い頃はお世辞としても音がきれいとはあまり言われたことがなかったのですが、この頃からそういったお世辞も言っていただけるようになりました。



右手が不安定になって

 これ以後、だんだん指が弦に対して平行に近くなってゆき、現在のフォームとなってゆくのですが、だんだん横になった理由としては、音色の問題だけでなく、40代半ばの頃(この写真の3年後くらい)、右手が不安定になり、特にステージではアルペジオや和音が上手く弾けなくなるという現象が起きました。

 一度そうしたことが起きると、負の記憶というか、人前で演奏すると、常にその不安が起きてしまいます。なんとかその不安を取り除かなければならないのですが、そこで、どんなに指が震えても和音やアルペジオが弾ける方法はないかと、いろいろ考えました。




和音が掴みやすくなった

 まずは右手をより表面板に近くする、なるべく弦から離れないようにするようにしました。これだけでもある程度効果はあったのですが、さらに手首をより弦に平行にすることにより、和音が掴みやすくなりました。つまり3本の指をくっつけた状態で弦に当てれば、自然に1,2,3弦の位置にそれぞれの指が行くことになり、和音の際に弦を掴み損ねることが少なくなりました。



他の弦に触れてしまうことも少なくなった

 また、弦を斜め方向に弾くので、実質的に弦どうしの距離が広がり、他の弦を弾いてしまったり、他の弦をひっかけてしまったりすることが少なくなりました。


メンタル的な事が大きいが

 もっとも、こうしたことはメンタル的な事も大きいですから、どんなに指が震えても、自分は問題なく弾くことが出来ると思うと、指は震えなくなるものです。また逆に、指が震えて弾けなくなってしまうかも知れないと思えば、やはり震えてしまうことになります。つまりフォームを変えたことで、自己暗示をかけることも出来たのでしょう。

 と言った訳で、結論からすると、私の場合、今現在のフォームにすることにより、音色や音量、右手全体の安定性など、いろいろな事柄が解決しました。