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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

ICGアンサンブル演奏会 



 11月16日(木) 14:00   水戸市民会館小ホール(4階)  

 入場無料 





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あれから50年

 昨年に引き続き、茨城大学クラシック・ギター部1972年度卒業生によるギター・アンサンブルである、「ICGアンサンブル」 演奏会を行います。 1972年度卒業ということは正確には1973年の3月卒業と言うことになりますが、私の場合は二年ほど余計に大学にいたので、1975年、つまり1974年度卒業となります。

 メンバーの方は、中村俊三、和田晴夫、谷津登喜子、圷英子、堀内眞理子、佐々木廣子、福間敏明(写真左から)、の発足以来の7人。曲目は以下の通り。




【合奏】

第3の男(カラス)
ランナウェイ(井上忠夫)
リベルタンゴ(ピアソラ)
マンボNO.5(プラード)
サライ(弾厚作、谷村新司)
いい日旅立ち(谷村新司)
目覚めよと呼ぶ声あり(バッハ)
歌劇「カルメン」より間奏曲、闘牛士(ビゼー)



【二重奏  圷英子 中村俊三】

セレナードイ長調作品96-1(カルリ)



【独奏  中村俊三】

椿姫幻想曲(タレガ)
アストゥリアス(アルベニス)





新市民会館

 多様なジャンルの曲が並んでいますが、各人の希望に従って、こんな感じになりました。 会場はこれまで石岡市のギター文化館を使用していましたが、今年7月に新水戸市民会館が開館ということで、早速そこでやることにしました。この水戸市泉町に新しく建てられた市民会館には大、中、小の三つのホールがあり、この小ホールは4階にあって、音楽ホールというよりは多目的スペースといった感じです。 ギターのコンサートとしては程よい広さだと思います。




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新水戸市民会館  水戸市泉町京成百貨店向かい





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小ホール  多目的で、常設のステージなどはない。 収容観客数は100人チョット





間違っても千波の方には!

 音響などについては、やってみないとわかりませんが、何と言っても多目的スペースなので、若干割り引いてイメージする必要もあるかなと思います。まだこの新市民会館に来たことのない方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会に見に来ていただき、そのついでにちょっとコンサートのほうにも立ち寄っていただければ。 

 大丈夫だとは思いますが、間違っても千波の方には行かないで下さいね!
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第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会  ありがとうございました





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ひたちなか市文化会館




たくさんの方々に

 昨日(10月14日)第19回水戸ギターアンサンブル演奏会を行いました。ご来場くださいました方々、本当にありがとうございました。 久々の水戸ギター・アンサンブル演奏会ということもあってか、約130名超の方にご来場いただきまして、とても嬉しく想っています。準備の不備等で、パンフレットをお渡しできなかった方もいらっしゃったとのことで、まことに申し訳ありませんでした。





オリジナル曲演奏しちゃいましたが

 なかなか思うようには出来なかったところもありましたが、プログラム内容も、以前にくらべて充実して、また引き締まったものだったとは思います。私のオリジナル曲も無理やりプログラムに入れてしまいましたが、ほぼ私のイメージ通りに演奏してくれたと思います。





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「ベニスの謝肉祭」は暗譜するだけでも大変な曲、弾くのはもっとたいへん





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3曲目のラ・クンパルシータはきもちよく弾けたけど・・・・・暴走気味?




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アンクラージュマンとスペイン舞曲も、まあ、良かったんじゃないでしょうか(録音聴いていないけど)




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カルリの協奏曲はなかなか充実した曲で、ギター合奏にもよく合います。いずれまたやってみたい曲ですね。




これから録音をよく聴いて

 それぞれの曲についてはこれから録音を聴きなおして、今後の演奏内容の向上に役立てたいと思います。    ・・・・アンコールの「エレクトリカル・パレード」は明かにリハーサルのほうがよかったかな、主力プレーヤーの疲労?





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ご来場のみなさま、誠にありがとうございました。    ・・・・・直也! マスク取れ!

第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会


10月14日(土) 14:00    ひたちなか市文化会館小ホール




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曲目解説



F.カルリ : ギターとオーケストラのための協奏曲ホ短調作品140




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カルリといえば練習曲で有名だが

 クラシック・ギターをやっている人なら、フェルナンド・カルリはよく御存知ですね、特にギター教室でギターを習った人なら、その練習曲を学んだ人は多いのではないかと思います。 このカルリの作品が比較的よく初、中級の教材に用いられるのは、やはりその弾きやすさにあるでしょう。ソルはもちろん、カルカッシなどの練習曲より弾きやすいといえます。



練習曲のイメージとはだいぶ違う作品

 そのフェルナンド・カルリが作曲した協奏曲ですから、当然、あまり難しくなさそうに思われますが、この協奏曲はそうしたやさしい練習曲のイメージからは遠いもので、かなり本格的で、聴きごたえのある作品です。

 短調の曲ですが、メロディも美しく、勢いや、情熱的なところとか、爽快感もあって、なかなか魅力的な曲です。カルリは他にイ長調の協奏曲もありますが、インパクトとしては、このホ短調の方があるのではと思います。 今のところ、実際に演奏される機会は多いとは言えませんが、もっと演奏されてよい作品でしょう。



単一楽章の曲だが、3楽章ぽくなっている

 この協奏曲は、一見3楽章構成のように見える(聴こえる)のですが、実際は単一楽章の曲で、ソナタ形式による「主題提示部」、「展開部」、「再現部」の3つの部分に区切りをつけて疑似的な3楽章というような形になっています。演奏時間はペペ・ロメロのCDで約18分ですが、水戸GEの演奏では、ちょっとゆっくりになりますので、20分くらいです。



ギター合奏との相性はいいのでは

 一曲の協奏曲としてはやや短め、一つの楽章としは長い曲ということになるでしょうか。原曲は小編成のオーケストラ(オーボエ、ホルン各2,弦5部)とギター独奏ということになりますが、水戸GEの演奏ではギター・ソロはオリジナル通り、オーケストラ部分はギター合奏で演奏ということになります。

 ギター合奏との相性からすれば、やや小ぶりなこともあって、他のギター協奏曲に比べると、演奏しやすいのではと思います。もちろんソロの難易度は高いのですが、オーケストラ部分は、やさしいとは言えませんが、極端に難しいわけではありません。



展開部はゆっくりとした”第2楽章”的

  当時(19世紀)の協奏曲の習慣に従って、冒頭にかなり長めのオーケストラ部分(ここではギター合奏)の後、ギターソロが登場します。第2部にあたる展開部はテンポのゆっくりした部分で、通常の協奏曲の第2楽章的です。前後の部分とは別の素材で出来ていて、展開部とはいっても主題の展開ということではなく、挿入部分と言えるでしょう。

 第3部は再現部ということで、第1部と同じ素材で出来ていて、第2部と第3部へは続けて演奏されます。 ギターソロを担当するのは、二重奏のところでも紹介した久保田浩君です。



明日となりましたが

 さて、それでは明日と言ことになりますが、第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会、足をお運びいただけましたら幸いです。
第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会


 10月14日(土) 14:00  ひたちなか市文化会館小ホール



曲目解説




<二重奏>   中村俊三   久保田浩

F.ソル : アンクラージュマン作品34




技術よりも魂で

 後半のプログラムは、まず私と久保田浩君の二重奏です。久保田君は1980年代の初め頃私のギター教室にお母さんと一緒に習いに来ました、その時、確か小学5年生だったと思います。お母さんは残念ながら数年ほど前に亡くなられました。久保田君は当時、なんでも簡単に覚えてしまう、いわゆる優等生タイプではなかったのですが、その頃から強い意志みたいなものが感じられましたね。

 高校二年生の時学生ギター・コンクールの高校生の部で優勝したことがあります。学生ギターコンクールとはいえ、高校の部ともなれば、かなりレヴェルは高く、技術だけで言えば久保田君以上の出場者もいましたが、久保田君の場合、技術よりも ”魂” でもぎ取った優勝とも言えるでしょうか。 ・・・・・・本人はどう思っているかな?



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私との二重奏は初めて

 今現在は久保田君も50才前後となるのでしょうか、高校卒業と同時に私の教室はやめていて、数年前に水戸ギター・アンサンブルに復帰しました。そして、今回の二重奏の実現となった訳です。そう言えば以前、中、高生の頃二重奏をやったことがなかったので、今回初めてのこととなります。



「励まし」という意味の

 1曲目は、ギター二重奏曲としては名高い、ソルの「アンクラージュマン」です。アンクラージュマンは 「En couragement」 という
フランス語で、「元気づけ」 とか 「励まし」といった意味です。ギターを習っている人(特になかなか上手にならない人?)を元気づけるためといことらしいです。

 もともと、1stパートは旋律のみで、2ndパートは伴奏のみとなっていて、そのメロディ・パートを生徒が、伴奏パートを先生が弾くように出来ているそうなのですが、このメロディ、そんなに簡単ではありません! ・・・・・ソル自身が思う程。

 かえって伴奏パートのほうが易しいくらいで、単旋律だから易しいなんてことはないですね。どうもソルと言う人は、自分以外の人が、どれが難しくて、どれが易しいのか、よくわからない人だったようですね。




パートが交換されているが

 もっとも、今現在市販されている譜面は、すべてメロディと伴奏が交互に出てくようになっています。これはアグアドがそのように書き直して出版したからということのようですが、この情報はかなり古いもので、誤りの可能性もありますので、正しい情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、コメント下さい。

 確かに、パートの受け渡しなど、やや不自然なところもあって、あとからパートを入れ替えたということは、十分にうなづけます。同じソルの二重奏曲で、「幻想曲作品54bis」 も同様のことがなされているのですが、こちらの方ははっきりと「コスト編」とされています。またオリジナル版(パートの交換がない)も入手できます。



ブリーム、ウィリアムス
アンクラージュマンは1970年代のブリームとウィリアムスのデゥオで人気曲となった



1970年代にたいへん話題になったデゥオ

 この曲に関しては1970年代の初め頃、”驚異のデゥオ” と謳われたブリームとウィリアムスの二重奏で人気が出ましたね。私たちの世代では特に印象に残るLPです、青春の思い出の一つでしょうか。もちろん今現在でもCDで入手できます。







エンリケ・グラナドス : スペイン舞曲第7番「バレンシアーナ」



グラナドスの代表作

 グラナドスの代表作とも言えるのがこの曲を含む「⒓のスペイン舞曲」ですね、特に5番は原曲のピアノやギターなどで有名です。グラナドスには「ゴエィスカス」という、もう一つの代表作もありますが、こちらのほうはギターではあまり演奏されません(間奏曲が二重奏で演奏されたりするが)。他にも歌曲からの編曲で「ゴヤの美女」、初期の作品で「詩的ワルツ集」などが良くギターで演奏されます。



リョベットによるソロ版もあるが

 この第7番「バレンシアーナ」は第5番「アンダルーサ」同様、リョベットが独奏にアレンジしていますが、あまり演奏されませんね、独奏だとかなり難しいからなのでしょう。それにしてもリョベットの作品は難しいですね。最近は「ソルの主題による変奏曲」などがよく演奏されますが、譜面を見たり、CDを聴いたりした限りでは、難しそうで、とても自分で弾く気にはなれません。



5弦=ソ、6弦=レにしている

 私の二重奏版は原曲通りのト長調で、第2ギター(私が担当)は ”ト長調調弦” つまり5弦=ソ、6弦=レを採用しています。 技術レヴェルとしてはそれなりには難しいですが、可能な範囲です。軽快なテンポで、まさにスペイン舞曲らしい曲です。

 

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バレンシアは南スペインの古い都市



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最近はこんなのもあるようですね、芸術科学都市というようですが。




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バレンシアというと、やっぱりオレンジかな


第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会


 10月14日(土) 14:00 ひたちなか市文化会館小ホール


曲目解説 4



<5重奏>   中村俊三   中居直也   佐藤眞美   及川英幸   萩野谷稔(コントラバス・ギター)

5.R.エルビン(中村俊三編曲) : 奥様お手をどうぞ 



 この後の3曲は上記の出演者による5重奏となります。因みに上記のうち左の4名(中村~及川)は通常のギター(プライム・ギター)で、萩野谷のみコントラバスギター(一オクターブ低い音域)となります。



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奥さま
「奥様お手をどうぞ」の最初のページ


ドイツの作曲家による作品

 この「奥様お手をどうぞ」は言わずと知れたタンゴの名曲ですね。タンゴと言えばアルゼンチンということになって、次の「ブエノスアイレスの夏」や「ラ・クンパルシータ」もアルゼンチンの作曲家によるものです。いかし、この曲の作曲のエルビンはドイツ人で、1920~30年代ではヨーロッパ、特にドイツでこうしたタンゴが流行し、たくさんの曲が生まれています。



旋律に重きが置かれている

 こうしたものを「コンチネンタル・タンゴ」(大陸タンゴ)と呼ばれていて、この曲もその一つです。また、こうしたタンゴの多くは映画のために作曲されており、この曲もサイレント映画のために作られた曲のようです。

 同じタンゴといっても、アルゼンチン・タンゴとは雰囲気が違っていて、アルゼンチナ・タンゴはリズム、コンチネンタル・タンゴは旋律のほうに重きが置かれているようです。

 






6.A.ピアソラ(中村俊三編曲) : ブエノスアイレスの夏


タンゴのイメージを一新

 ピアソラは、今や、アルゼンチン・タンゴを代表する作曲家兼、タンゴ奏者となっています。 それまでタンゴというのは基本的なコードと比較的シンプルなリズムで出来ていましたが、ピアソラの作品は変化に富むコードとリズムで、それまでのタンゴのイメージを一新したと言ってもいいでしょう。

 ピアソラは1921年の生まれで、1940年前後から音楽活動を始め、1960年代くらいかタンゴ奏者、及び作曲家として評価を得て、知られるようになったようです。1992年に亡くなっています。



一般に知られるようになったのは1980年代以降

 ギター界で知られるようになったのは1980年代で、アサド兄弟や、ジョン・ウィリアムスなどがピアソラの曲を演奏していました。私の場合は、確か、1980年代後半の来日コンサートのライブ映像がテレビで放映され、それで初めてピアソラの音楽を知りました。 なんかずいぶん変わったタンゴだなと思いました。

 さらに一般に知られるようになったのは1990年代にチェロ奏者のヨーヨー・マが演奏するりベルタンゴがテレビCMで放映されるようになってからだと思います。 今現在でもリベルタンゴはピアソラの代表作となっていますね。



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夏
ブアノスアイレスの夏の最後のページ。 元のバージョン(1970年)では、最後の方に長いアドリブの部分があるが、この編曲では手短にまとめている。


4曲の中では最も早く作曲された

 ピアソラには「ブエノスアイレスの四季」と言う、春、夏、秋、冬 4曲からなる連作がありますが、その中でこの「夏」が最も早く作曲されました。おそらくこの「夏」の反響、あるいは手ごたえが良かったので、他の3曲も作曲されたのではないかと思います。 ギター独奏のほうでもセルジオ・アサドやバルタサール・ベニーテスなどの編曲があり、よく演奏されています。



1970年のライブ盤からのコピー

 この曲はピアソラ自身でもよく演奏していて、ライブ録音も複数残されていますが、今回の演奏の下になったのは1970年のライブ録音で、この曲としては比較的初期のバージョンとなるようです。 

 オリジナルの編成は、ピアソラの弾くバンドネオンにヴァイオリン、ピアノ、エレキギター、エレキ・ベースが加わった5重奏となっています。 今回の演奏ではギターのみの5重奏と言うことになりますが、ギターのみでその雰囲気を出すのはなかなか難しいところですね。





7.G.ロドリゲス(中村俊三編曲) : ラ・クンパルシータ


誰もが知っている

 たいへん有名な曲ですね、仮に曲名を知らない人でも、なんとなくは聴いたことがあるのではないかと思います。タンゴの代名詞のような曲ですね。1910年代に作曲された曲で、原曲は比較的シンプルに出来ています。こうした曲はアレンジ次第ということになるのでしょうね、通常、編曲は演奏するバンドごとに異なります。



クンパル
「ラ・クンパルシータ」の最後のページ。 どちらかと言えば勢い重視


 私は独奏でもよくこの曲を弾くのですが、その独奏バージョンは軽快で、シンプルなアレンジです。この5重奏版もイメージ的にはその独奏バージョンに近く、一気に駆け抜けるようなものとなっています。因みに曲名の「ラ・クンパルシータ」は仮装行列と言った意味のようです。







第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会


 2023年 10月14日(土)14:00    ひたちなか市文化会館小ホール



曲目解説




4.F.タレガ : ベニスの謝肉祭(パガニーニの主題による変奏曲)   独奏  中居直也



原曲はナポリ民謡

 原曲はパガニーニの作品と言うことになっているのですが、メロディ自体はナポリ民謡として当時から有名だった曲のようです。当時多くの作曲家がこの主題を使って変奏曲などを作曲していたのですが、その中でこのパガニーニの作品が最も有名になったので、「ベニスに謝肉祭」と言うと、このパガニーニの作品を示すことになったようです。



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グリッサンドの変奏は同じ感じ

 タレガはこのテーマを用いて変奏曲を作曲したわけですが、主題はパガニーニのものと同じでも、変奏は独自に作曲したものと言っていいでしょう。ただ、グリッサンドの変奏などは、パガニーニのものとほぼ同じですね。

 この曲はタレガの愛奏曲とも言うべきもので、自らのリサイタルでは、グラン・ホタ(曲名はスペイン幻想曲など、別の場合が多かったが)とセットで、必ず演奏していました。それだけに譜面の方も複数残されているようですが、今回の演奏では現代ギター社版で、それの基なったものは1910~1920年にスペインで出版された初版のようです。



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ショパンも書いている

 この版は序奏とテーマ、それに12の変奏からなりますが、タレガの友人であるセベリーノ・ガルシア・フォルティアの変奏も一部含まれているとのことです。

 余談にはなりますが、ピアノのショパンも同じようにパガニーニのこの曲をもとに変奏曲を書いています。19歳の頃の作品だそうですが、しっかりとショパンの音楽になっていますね(当然かもしれないが)。ショパンの7歳頃の作品も聴くことが出来ますが、ショパンは最初からショパンの感じがします。

 私たちが知っている歴史上の大作曲家には、天才などとと言う言葉はあまり意味をなさないのですが、でも、やっぱりショパンは天才ですね!




かなりの難曲だが

 演奏の方は中居直也です。彼のことは4才の頃からギターを教えていて、この曲(かなりの難曲だが)も、確か中学生の頃演奏したと思います。その後はしばらくギターを中断していて、その間、ブラスバンドやオーケストラでトランペットを吹いていました。最近またギターを弾くようになって、私が言うのなんですが、上手くなりましたね!



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第19回水戸ギター・アンサンブル演奏会

  2023年10月14日8土)  ひたちなか市文化会館小ホール




2.作者不詳 : グリーン・スリーブス (17世紀のリコーダーとグランド・バスのための作品)


有名な曲だがメロディは演奏や、譜面ごとに少し違っている

 2曲目はイギリス民謡として有名なグリーン・スリーブスです。民謡と言っても、実際には歌ではなく楽器による演奏の方がよく聴き、だいたい16世紀ころから伝わっていると言われています。おそらく多くの人はそのメロディを知っているのではないかと思います。とは言っても、良く聴くとそのメロディは演奏によって微妙に違いますね、#があったり、なかったりとか。



もともと低音しか決まっていなかった

 もともとははっきりとメロディが決まっているわけではなく、低音の進行、つまりコード進行が決まっているだけと言われています。つまり私たちが知っているグリーン・スリーブスのメロデイは、その低音の上に付けられた上声部の一つと言うことになるようです。 もともとはいろんなメロディのグリーンスリーブスがあったと言うことになりますね。



この編曲のもとはリコーダーと低音のためのもの

 今回演奏するもの、つまり私がアレンジしたものの原曲は、17世紀にリコーダーとグランド・バスのための作品と言うことになります。グランド・バスと言うのは英語の「通奏低音」のことのようです。通奏低音はドイツ語で「ゲネラル・バス」、イタリア語では「バッソ・コンティヌオ」ということでしょうか。下がその原曲の譜面です。




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今回のグリーン・スリーブスの編曲のもとになった譜面。 アルト・リコーダーとグランドバスのために書かれている。この作品はフルートなどでもよく演奏される




リコーダーの先生に伴奏を頼まれて

 私がなぜこの譜面を持っているかと言うと、30年くらい前でしょうか、学校関係の講習会に呼ばれた時、その時一緒になったリコーダーの先生に頼まれて、その伴奏部分を演奏したことがあるからです。 その時、この譜面が事前に送られてきて、譜面には低音しかありませんが、それに適当に音を加えてほしいとのことでした。練習は演奏の前に一回だけ行うとのことでした。

 それで私方でも各変奏(14個)の性格を考えて、変化をつけながら編曲して(もちろん練習もして)その講習会に臨んだのですが、事前の練習で、リコーダーの先生が吹き始めて、びっくり! 私達、ギターをやっている者からするととんでもなく速いテンポなのです。



そんなに速いんですか?

 「え? そんなに速いんですか?」って言うと、 「え? そうですか? この曲、普通これくらいのテンポですけど」 と軽く言われてしました。「もっとテンポ遅くしてもらえませんか」 とはいえず、結局、家で書いたり、練習したりした編曲はチャラにして、ただシンプルに和音とアルペジオだけの伴奏に終始しました。



ギターの常識は通用しない

 ともかく、ギター以外の人と一緒にやる時は、ギターの常識は通用しませんね。そうしたこともたいへん勉強になでしょうけど。もちろん今回の演奏はそのめちゃ速いテンポではなく、ギター関係的に、一般的なテンポです。




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今回演奏する私の編曲。 編成はアルト・ギター、プライム・ギター3パート、コントラバスギターとなっている。



和音や、声部を追加している

 原曲では低音とメロディしかないので、それではギター合奏にはなりませんから、それに和音や声部を付け加えてアレンジしました。テーマに当たるメロディは私たちが知っているグリーン・スリーブスのメロディと少し違いますが、雰囲気としては同じですね。多くの人はグリーンスリーブスとわかるのではないかと思います。 このメロディは冒頭だけでなく、何度か登場します(原曲にはないが)。




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第9変奏付近。だいぶ厚めに音、あるいは声部を付け加えている。よく見ると(聴くと)リズムもちょっと悪戯している。



リズムにも変化を加えている

 変奏によっては、音をだいぶ厚めに加えていますが、リズムに変化を加えて部分もあります。ルネサンス舞曲風の感じも出しているところもあるのですが、そんなところも楽しんでいただければと思います。







3.中村俊三 : ギター合奏のためのパッサカリアホ短調(2020)



なんと、私のオリジナル!

 3曲目は、なんと私の作品ですね、パッサカリアというのは主にバロック時代の曲種で、低音の主題による変奏曲で、シャコンヌなどとほぼ同じものです。パッサカリアとか、シャコンヌというと、なんとなく重厚なイメージですが、もともとはそういう訳ではなく、気楽で楽しいシャコンヌやパッサカリアもたくさんあります。



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私が作曲した「ギター合奏のためのパッサカリアホ短調」 8小節の低音の旋律をもとにした変奏曲。 冒頭の部分はバロック音楽ぽい




もともと重厚と言った感じではなかったが

 こうした曲が重厚なイメージになったのは、やはりバッハの影響ですね、バッハはあまりシャコンヌとかパッサカリアは作曲せず、有名なものとしては、それぞれ一曲ずつした作曲していないのですが、それが有名になってしまったために、こうした曲が重厚なイメージになってしまったのでしょう。

 とは言っても、この私のパッサカリアも 「ペザンテ」 ということで、その重厚なイメージを借りて作曲しています。 もちろんバロック風のところもありますが、次第に時代不詳的になって行きます。




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一段目は4声になって、バロックぽさの延長だが、次第に時代不詳的になって来る。



パッサカリアは通常転調しないが

 通常、パッサカリアはずっと同じ低音の流れが続くので、転調と言うことは基本的にないのですが(ヴァイスのパッサカリア、バッハのシャコンヌなども基本的に転調しない)、私の作品では途中で調が迷子になってしまいます。




水戸ギター・アンサンブル演奏会で、はじめてのギター合奏オリジナル作品

 ちょっとした悪戯で作った感じも否めませんが、ギター合奏というと、オリジナル(ギター合奏のために作曲された曲)は皆無で、ほぼすべて編曲作品となります。ちょっと大げさな表現とはなりますが、19回に及ぶ水戸ギター・アンサンブル演奏会において、初めてのギター合奏オリジナル作品の演奏と言うことになります。 もちろん世界初演!