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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

令和時代のギター上達法 5 押弦3



押弦のトレーニング



ローポジションのほうが

 今回は押弦のトレーニングです。 ハ長調の音階を使って練習しますが、音階練習というと、特に上級者では開放弦を含まない運指での練習をよくやりますが(セゴヴィアのスケールなど)、実際の曲の中ではローポジションで、開放弦を用いて弾く方が多く、また、 また押弦、つまり弦を押さえたり、離したりする練習としてはこの方が効果的です。




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 なるべくゆっくり練習する。4分音符で書いてあるが、全音符くらいの感じでよい。




真上からゆっくり下ろす


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 まず、5弦の3フレット(ド)の真上に薬指を用意する。 そこからゆっくり下ろしていって、3フレット(金属の棒)のすぐ左を軽く押さえる。 押さえるというより弦に触れるといった感じのほうが良い。 

 なお、弦を押さえる場合は、必ず指盤に垂直に指を下ろす。 少しずれた位置から斜めに押さえに行ってはいけません。 これは大原則だと思ってください。





左薬指が弦に触れるのと同時に弾弦する


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 薬指の先端が弦に触れると同時に右指で弦を弾きます。 この時タイミングがずれると音が切れてレガートな演奏が出来なくなります(これについては後述)。 

 そのためには、右指の方は左指で弦を押さえるよりやや早いタイミングで弾くようなつもりで弾くといいでしょう。決して左指で弦を押さえたのを確認してから弾いてはいけません。

 また、正しく薬指の先端の中心で弦を押さえると、前に話した通り、指は60~70度くらいの角度で立ちます。 位置がずれると指が寝てしまいます。 逆にあまり直角に立てても押さえにくくなります。





押さえている力を抜くだけ


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 ある程度音を保ったら(4拍くらい)、次の「レ」を弾くために薬指を弦から離しますが、この時、前に話した通り、指を自分の筋力で上に持ち上げてはいけません。

  押さえている力を抜けば、自然に指は弦から離れるわけです。 ももちろんあまり上に上げてはいけません、弦からせいぜい1cmくらいといったところでしょう。

  薬指が弦から離れたと同時に次の音、つまり4弦の開放の「レ」を弾くわけですが、やはりタイミングがずれると音が切れてしまいます。 


 
まず ”ジャスト” のタイミングで練習

 場合によっては次の「レ」を弾いてから薬指を離す、つまり左指の動きを意識的に遅らせる場合(レガートに弾く)や、逆に薬指を早めに離して音を切る場合もありますが、ここではタイミングを合わせる方法で練習しましょう。

 「離す」と書いてしまいましたが、細かく言うと、弦はフレットから離れるが、指は弦を触れた状態、つまり離すというより力を緩めるだけと言ったほうが良いかもしれません。





4弦の2フレットの真上に中指を用意しておく


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 4弦の開放の「レ」が鳴っている間に中指を4弦の2フレットの「ミ」の真上に用意します。 そこから押さえに行くわけですが、前に言いました通り、必ず指盤に対して垂直方向に下ろして押さえてください。 




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 「ミ」を弾く場合は、「ド」の場合と同様に中指をゆっくりと下ろし、4弦の2フレット(金属の棒のすぐ左)を押さえます。 押さえるというより弦に軽く触れる感じですね。 そして左中指で弦を触れると同時に右指で弾弦する。

 右指の方もいきなり離れた位置から弦を弾くのではなく、いったん弦に触れてから弾きます(これも後述)。





中指は押さえたまま


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 次に4弦の3フレットを押さえて「ファ」を弾きますが、まず「ミ」が鳴っている間に薬指を十分に拡げます。 中指と薬指の間は最も拡げにくく、写真でも私の指はあまり拡がっていません(本来なら3フレットのすぐ左を押さえなければならいが)。

 このように私もあまりよく出来ないのですが、それだけに出来るだけ拡げるトレーニングは必要です(楽に拡がる人もいるが)。

 このように同じ弦の音を弾く場合(上行のみ)、前に押さえた指、つまり中指は離さないで薬指を押さえます。 これは音が切れるのを防ぐ、つまりレガートに弾くためです。 また指のストレッチ的な意味もあります。





力を抜けば自然と


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 次に3弦の開放の「ソ」を弾くのですが、中指と薬指を弦から離すと同時に3弦を右指で弾きます。 両方の指を同時に離すのですから、左手全体の力を抜いてしまえばいいわけです。

 簡単そうなことですが、人間は力を入れるという動作は問題なく出来るのですが、逆に力を抜くという動作が意識的に出来ないこともあるようです。 

 「力を抜いてくださいね」 などと言われることは、日常でもよくありますよね、注射するときとか、自動車教習所とか、ゴルフやテニスでも・・・・・

 一種のメンタル・コントロールですが、これは本当にいろいろな場面で必要なことでしょう。 ギターの練習でも、この ”意識的に力を抜く” ということがよく出てきます。 この機会にこうしたことが抵抗なく出来るようにしたいところです。





どちらかと言えば上級者の方に

 この先は次回やりますが、どうでしたか、ここまで?  メンドクサイ?  確かにそうでしょうね。 しかしレガートな演奏、表情のある演奏、自分の気持ちが伝わる演奏、あるいはミスを少なくするためにはこうしたことがぜひとも必要となるのです。

 今回の内容は、あまりギターを弾いたことがない人でも出来る内容ですが、どちらかと言えば、中級者以上、出来れば上級者、特に ”自称上級者” の方々にぜひともやっていただきたい練習です。 

 大聖堂やアストゥリアスなどに夢中になって取り組むのも悪くはないのですが、発表会やコンサートなどの予定があまりない今現在、こうした本当の基礎から取り組むのが上達への、あるは本当の上級者への最短距離ではないでしょうか。



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