令和時代のギター上達法 ~ギター演奏の新常識
セーハ(ceja) 1
日本語ぽい響きだが
「令和時代のギター上達法」も前回の記事からだいぶ間が開いてしまいましたね、内容が内容なだけに一気に書き続けるのは大変なので、これからも休み休みやってゆきます。
前回までは「押弦」ということでお話ししました。 ただ押さえて離すという動作は単純なようで、ギターを弾くことの第1歩です。ここで誤ったスタートをすると今後の上達に支障をきたします。 ぜひ正しい押弦を身に付けてください。
さて、今回も左手関連なのですが、人差し指で複数の弦を押さえる 「セーハ」 についてです。 セーハというとなとなく「制覇」なんて感じで日本語みたな響きがありますね、私も最初はそう思っていました。 もちろんこれは日本語ではなくスペイン語で 「ceja」 と綴ります。
国民性の違い?
辞書で意味を調べてみると ceja とは 「眉毛」 のことらしく、カポタストの意味もあるようです。 確かにスペイン式のカポタストは眉毛っぽい感じもします。 他に英語で 「barre」 (バレー)という言葉もありますが、クラシック・ギターではスペイン語の「ceja」という言葉を使う方が一般的です。
「barre」 のほうは 「バー」 つまり棒という言葉から来て、人差し指を棒状にするというような、わかりやすい表現ですね。 一方、「ceja」 のほうはちょっと捻った表現ですね、なんとなくその言語の傾向とか国民性みたいのが表れています。

スペイン式のカポタスト 確かに眉毛っぽくも見えるが。 セーハという言葉はこの「眉」から由来しているらしい、スペインらしい例えかな
セーハが出来なくてギターをやめる?
「ギターを始めたのだけれど、セーハが出来なくてやめた」 などと言う話を聞くことがあります。 確かに手が小さく、力のない人にとっては、当初セーハは難しいこともあります。 でもそれは最初のうちだけで、練習の方法さえ正しければ次第に音が出てくるようになるので、特に難しいということでもありません。
と言いつつも、私は10歳頃から、かれこれ60年ほどギターをやっていますが、セーハは今でも苦手です。 私の指は短いだけでなく、細くて肉があまりなく、握力もないので、セーハはいつも苦労します。 ギターを弾くのに腕力や握力入らないと普段言っていますが、セーハだけは多少力が必要なようです。
私の場合はギターを弾き始めて2年間くらい(小学生の間)は単旋律しか弾かなかったので、セーハが出なくてギターをやめるということはなかったのですが、私も単旋律ではなく、弾き語りなどのコードからギターを初めていたら、きっとFコードが出ないからとギターを早々にやめていたかも知れません。やはりギターは単旋律から始めるのがいいようですね。
そんなセーハが苦手な私がセーハについて書くのも何ですが、でも苦手だからこそわかることもあり、そのあたりを書いてゆこうと思います。
セーハのみの場合
まずはセーハのみの和音から始めましょう。 。

運指とかセーハの記号の説明はいいですね? 「C.5」というのは5フレットセーハといった意味です。 全部の弦を押さえますが、実際に弾くのは①②③と⑥弦です。 ④弦と⑤弦は弾いてはいけません。 ・・・・そんなこと言われなくてもわかっているかな? でもたまに押さえた以上は全部の弦を弾いてしまう人もいる。
因みにセーハで押さえる和音はフレットが違っても同じ形であれば、同じ種類の和音となります。 この場合はマイナー・コードですが、どのフレットで押さえても同じ形で押さえればマイナーコードとなります。
この形の場合、5フレットセーハはAmで、3フレットセーハはGmです。 ただし開放弦を含む場合はたとえ同じ形の押さえ方でも同じコードになりません。 ・・・・それもわかっている?
人差し指をまっすぐにする
実際に押さえ方としては、まず人差し指をまっすぐに伸ばし、どの弦も均等に力が加わるようにします。確かに④弦と⑤弦は強く押さえなくてもいいのですが、そこだけ力を入れないということも難しいので(一応頭には置いておいた方がいいですが)、均等に押さえると考えていいでしょう。

人差し指をまっすぐにして、フレットギレギレのところを押さえる。 音が良く出ないからと言って無理に力を入れると指が曲がってしまい、さらに出なくなる。
無理に力を入れると人差し指が曲がってしまう
肉厚の指で、ある程度握力のある人でしたら、人差し指をまっすぐにするだけで、①②③⑥弦の音が出ると思います。 しかし音が良く出ないからと言って、あまり指に力を入れると指が曲がってしまい、③弦などが出なくなってしまいますので、有る程度の力は必要ですが、必要以上に力を入れてはいけません。
フレットから離れないように、やや斜めにする
上手く音が出ない場合は、まず押さえている位置を確かめましょう。 人差し指は単音の時と同じくなるべくフレットの近くを押さえなければなりません。セーハではやはり一つ一つの弦に加える力は弱くなってしまいますので、フレットから少しでも離れると音がでなくなったり、ノイズが発生したりしてしまうでしょう。
また逆にフレット上に人差し指が ”乗る” 位置では直接指が振動している弦に触れることになり、音がぼやけてしまいます。 さらには人差し指を左方向に少し傾けるといいでしょう。
それでも出ない場合は気にしない!
それでもよく出ない場合は、あまり気にしないようにしましょう。 多少音が出なくても押さえ方さえ正しければいずれは出るようになるので心配ありません。
音が良く出ないからと言って渾身の力で弦を押さえると、形を崩したり、よくない押さえ方が身についてしまうので、気にしないで形だけ整えておきましょう。 いい加減なようですが、これが大正解です!
レッスンの際、小学生などにはセーハの形だけ覚えて、音は出なくてもよいと説明します。 それでもたいてい1年か2年すると何の問題もなく出るようになります。 ・・・・子供の場合はそうしたことを素直に受け入れてくれるのですが、大人の場合はあまり聞いてくれないことがよくあります。 そう言った言い方はただの方便だと解釈するのかもしれません。
3弦までのセーハ

原則的には使う弦まで
セーハは常に全部の弦を押さえる訳ではなく、部分的な場合もあります、実際の曲の中ではこのほうが多いです。 この場合、上と同じく全部の弦を押さえても音には変わりありませんが、3本の弦だけ押さえればよいところを6本押さえる訳ですから、無駄な力を使ってしまうことになります。
何弦まで押さえるかは、基本的に使う弦までとなります。ただし人差し指の関節と関節の間は音が出にくいですから、重要な音がそこに来てしまう場合、それを避けるために深めに押さえたりすることはあります。
手をネックから少し離す
このように部分的なセーハをする場合、手全体をネックから少し離さないと人差し指がまっすぐになりません。 3弦までのセーハでも人差し指はまっすぐになっていないといけません。
全部の弦のセーハは出来るのだけれど、この部分的なセーハが出来ないという人は結構います。 これは人差し指の問題より、手全体の位置が良くないことが多いです。

3弦までしか使わない場合は3弦までセーハする。 この場合手全体をネックから離す(ちょっとやり過ぎていいるが)
音を出すことばかりに気を取られてはいけない
音が出ないと、音を出すことばかりに気を取られ、ひたすら強く押さえることだけをやってしまう人は少なくありません。 上手く行かない場合、まず押さえる形を意識しましょう。
特に通常の押さえ方(セーハでない)からこの部分的なセーハに移る場合、まずは手の位置をネックから2~3センチ程度離さなければならないのですが、これがなかなか出来ないというか、そういったことに意識が行かないことが多いです。
因みに全部の弦をセーハする場合は、手の位置があまり変わらないので(ネックの近くでいいので)、かえって出来る人が多いようです。

無理やり音を出そうとすると、こんな風に人差し指の関節(第2)が曲がってしまう

さらに親指にまで力が入ってしまってこんな風に押さえる人も少なくない
やはり左手親指の問題
押弦のところでも話しましたが、左手の親指の位置は大変重要で、いつも押さえやすい位置になければなりません。 しかし多くの人は左手の親指は”使わない”と思っていて、なかなか親指に意識が行かないようです。
手全体をネックから離すということは、親指がネックの下のほうに(1弦側)移動しなければならないのですが、それがなかなか出来ないようです。
セーハ(ceja) 1
日本語ぽい響きだが
「令和時代のギター上達法」も前回の記事からだいぶ間が開いてしまいましたね、内容が内容なだけに一気に書き続けるのは大変なので、これからも休み休みやってゆきます。
前回までは「押弦」ということでお話ししました。 ただ押さえて離すという動作は単純なようで、ギターを弾くことの第1歩です。ここで誤ったスタートをすると今後の上達に支障をきたします。 ぜひ正しい押弦を身に付けてください。
さて、今回も左手関連なのですが、人差し指で複数の弦を押さえる 「セーハ」 についてです。 セーハというとなとなく「制覇」なんて感じで日本語みたな響きがありますね、私も最初はそう思っていました。 もちろんこれは日本語ではなくスペイン語で 「ceja」 と綴ります。
国民性の違い?
辞書で意味を調べてみると ceja とは 「眉毛」 のことらしく、カポタストの意味もあるようです。 確かにスペイン式のカポタストは眉毛っぽい感じもします。 他に英語で 「barre」 (バレー)という言葉もありますが、クラシック・ギターではスペイン語の「ceja」という言葉を使う方が一般的です。
「barre」 のほうは 「バー」 つまり棒という言葉から来て、人差し指を棒状にするというような、わかりやすい表現ですね。 一方、「ceja」 のほうはちょっと捻った表現ですね、なんとなくその言語の傾向とか国民性みたいのが表れています。

スペイン式のカポタスト 確かに眉毛っぽくも見えるが。 セーハという言葉はこの「眉」から由来しているらしい、スペインらしい例えかな
セーハが出来なくてギターをやめる?
「ギターを始めたのだけれど、セーハが出来なくてやめた」 などと言う話を聞くことがあります。 確かに手が小さく、力のない人にとっては、当初セーハは難しいこともあります。 でもそれは最初のうちだけで、練習の方法さえ正しければ次第に音が出てくるようになるので、特に難しいということでもありません。
と言いつつも、私は10歳頃から、かれこれ60年ほどギターをやっていますが、セーハは今でも苦手です。 私の指は短いだけでなく、細くて肉があまりなく、握力もないので、セーハはいつも苦労します。 ギターを弾くのに腕力や握力入らないと普段言っていますが、セーハだけは多少力が必要なようです。
私の場合はギターを弾き始めて2年間くらい(小学生の間)は単旋律しか弾かなかったので、セーハが出なくてギターをやめるということはなかったのですが、私も単旋律ではなく、弾き語りなどのコードからギターを初めていたら、きっとFコードが出ないからとギターを早々にやめていたかも知れません。やはりギターは単旋律から始めるのがいいようですね。
そんなセーハが苦手な私がセーハについて書くのも何ですが、でも苦手だからこそわかることもあり、そのあたりを書いてゆこうと思います。
セーハのみの場合
まずはセーハのみの和音から始めましょう。 。

運指とかセーハの記号の説明はいいですね? 「C.5」というのは5フレットセーハといった意味です。 全部の弦を押さえますが、実際に弾くのは①②③と⑥弦です。 ④弦と⑤弦は弾いてはいけません。 ・・・・そんなこと言われなくてもわかっているかな? でもたまに押さえた以上は全部の弦を弾いてしまう人もいる。
因みにセーハで押さえる和音はフレットが違っても同じ形であれば、同じ種類の和音となります。 この場合はマイナー・コードですが、どのフレットで押さえても同じ形で押さえればマイナーコードとなります。
この形の場合、5フレットセーハはAmで、3フレットセーハはGmです。 ただし開放弦を含む場合はたとえ同じ形の押さえ方でも同じコードになりません。 ・・・・それもわかっている?
人差し指をまっすぐにする
実際に押さえ方としては、まず人差し指をまっすぐに伸ばし、どの弦も均等に力が加わるようにします。確かに④弦と⑤弦は強く押さえなくてもいいのですが、そこだけ力を入れないということも難しいので(一応頭には置いておいた方がいいですが)、均等に押さえると考えていいでしょう。

人差し指をまっすぐにして、フレットギレギレのところを押さえる。 音が良く出ないからと言って無理に力を入れると指が曲がってしまい、さらに出なくなる。
無理に力を入れると人差し指が曲がってしまう
肉厚の指で、ある程度握力のある人でしたら、人差し指をまっすぐにするだけで、①②③⑥弦の音が出ると思います。 しかし音が良く出ないからと言って、あまり指に力を入れると指が曲がってしまい、③弦などが出なくなってしまいますので、有る程度の力は必要ですが、必要以上に力を入れてはいけません。
フレットから離れないように、やや斜めにする
上手く音が出ない場合は、まず押さえている位置を確かめましょう。 人差し指は単音の時と同じくなるべくフレットの近くを押さえなければなりません。セーハではやはり一つ一つの弦に加える力は弱くなってしまいますので、フレットから少しでも離れると音がでなくなったり、ノイズが発生したりしてしまうでしょう。
また逆にフレット上に人差し指が ”乗る” 位置では直接指が振動している弦に触れることになり、音がぼやけてしまいます。 さらには人差し指を左方向に少し傾けるといいでしょう。
それでも出ない場合は気にしない!
それでもよく出ない場合は、あまり気にしないようにしましょう。 多少音が出なくても押さえ方さえ正しければいずれは出るようになるので心配ありません。
音が良く出ないからと言って渾身の力で弦を押さえると、形を崩したり、よくない押さえ方が身についてしまうので、気にしないで形だけ整えておきましょう。 いい加減なようですが、これが大正解です!
レッスンの際、小学生などにはセーハの形だけ覚えて、音は出なくてもよいと説明します。 それでもたいてい1年か2年すると何の問題もなく出るようになります。 ・・・・子供の場合はそうしたことを素直に受け入れてくれるのですが、大人の場合はあまり聞いてくれないことがよくあります。 そう言った言い方はただの方便だと解釈するのかもしれません。
3弦までのセーハ

原則的には使う弦まで
セーハは常に全部の弦を押さえる訳ではなく、部分的な場合もあります、実際の曲の中ではこのほうが多いです。 この場合、上と同じく全部の弦を押さえても音には変わりありませんが、3本の弦だけ押さえればよいところを6本押さえる訳ですから、無駄な力を使ってしまうことになります。
何弦まで押さえるかは、基本的に使う弦までとなります。ただし人差し指の関節と関節の間は音が出にくいですから、重要な音がそこに来てしまう場合、それを避けるために深めに押さえたりすることはあります。
手をネックから少し離す
このように部分的なセーハをする場合、手全体をネックから少し離さないと人差し指がまっすぐになりません。 3弦までのセーハでも人差し指はまっすぐになっていないといけません。
全部の弦のセーハは出来るのだけれど、この部分的なセーハが出来ないという人は結構います。 これは人差し指の問題より、手全体の位置が良くないことが多いです。

3弦までしか使わない場合は3弦までセーハする。 この場合手全体をネックから離す(ちょっとやり過ぎていいるが)
音を出すことばかりに気を取られてはいけない
音が出ないと、音を出すことばかりに気を取られ、ひたすら強く押さえることだけをやってしまう人は少なくありません。 上手く行かない場合、まず押さえる形を意識しましょう。
特に通常の押さえ方(セーハでない)からこの部分的なセーハに移る場合、まずは手の位置をネックから2~3センチ程度離さなければならないのですが、これがなかなか出来ないというか、そういったことに意識が行かないことが多いです。
因みに全部の弦をセーハする場合は、手の位置があまり変わらないので(ネックの近くでいいので)、かえって出来る人が多いようです。

無理やり音を出そうとすると、こんな風に人差し指の関節(第2)が曲がってしまう

さらに親指にまで力が入ってしまってこんな風に押さえる人も少なくない
やはり左手親指の問題
押弦のところでも話しましたが、左手の親指の位置は大変重要で、いつも押さえやすい位置になければなりません。 しかし多くの人は左手の親指は”使わない”と思っていて、なかなか親指に意識が行かないようです。
手全体をネックから離すということは、親指がネックの下のほうに(1弦側)移動しなければならないのですが、それがなかなか出来ないようです。
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