中村俊三 ブログ

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Antich y Tenaから1903年に出版されたタルレガ作品集、第2集には

  前奏曲第6番(ショパン~前奏曲集作品28より)
   同 第7番
   同 第20番
  前奏曲第3番(タルレガ)
   同 第4番
   同 第5番
  ロシータ~ポルカ(タルレガ)
  マリエッタ~マズルカ(タルレガ)
  メヌエット(シューベルト~幻想曲作品78より)
  メヌエット(ベートーヴェン)
  メヌエット(ハイドン)

 以上11曲が収められています。ショパンと自作の前奏曲が3曲ずつと、シューベルト、ベートーヴェン、ハイドンのメヌエットと自作の舞曲風小品2曲というようにまとめられています。3曲ずつの大作曲家の作品の間に自らの作品を5曲挟んだとも言えるでしょうか。自らのオリジナル作品はこのような大作曲家の作品から啓発されたものということを表しているのかも知れません。

 タルレガはショパンの前奏曲集から、この曲集(タルレガ作品全集~今回購入したもの)にあるだけでも6曲編曲しています(他に第4番、第11番、第15番「雨だれ」)。ショパンの作品の中でもこの前奏曲集には興味が深かったのでしょう。タルレガのオリジナルの前奏曲は全部で13曲(生前出版9曲、死後出版4曲)あるようですが、どちらかと言えば番号が若い方、特にこの5番くらいまでが内容が充実しているようです。

 余談にはなりますが、最後の13番はなぜか2曲あり、しかも同じ見開き2ページの紙面に「NO.13」とどちらも明記されて、2曲印刷されています。「最初の」13番はシューマンのピアノ曲からの編曲で、「もう一つ」の13番はバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番からの有名なフーガの断片(7小節と終止のための1小節)です。タルレガの死後の出版ですが、ちょっと不可解なものです。弟子たちにエチュードとして渡したものかも知れません。

 ロシータとマリエッタはタルレガの曲の中でも人気曲になっていますが、やはりこの時点で出版されたものとして、作品そのものも、また譜面もしっかりしています。ロシータは強弱に関しての記号などは記入されていますが、速度の変化に関する記号は全く書かれていません、タルレガの曲といえども、この曲はイン・テンポを基調にしなければならないということでしょうか。マリエッタのほうは曲弱記号もテンポの指示も必要な分だけ書かれています。ロシータの中間部はバランス上リピート記号が付いたほうがよいのではないかとは思いますが、初版の方でも付いていません。でもその辺のところは演奏者の判断にまかされる範囲かも知れません。

 Antich y Tenaの「タルレガ作品集、第2集」の最後にはシューベルトとベートーヴェンとハイドンのメヌエットが1曲ずつ載っています。シューベルトのメヌエットは作品78の「幻想曲」D894 からのもので、セゴビアやブリームも演奏していますから、比較的馴染みのあるものです(とは言っても最近では弾く人は少ないですが)。確かにギターによく合う感じ、情熱的というか、重苦しいというかそんな感じの主部に対して、トリオはふと方の力が抜けるような、あるいはそうした苦しみから解放されるような感じがします。

 ベートーベンのメヌエットは「ピアノのための6つのメヌエットWoO 10」の第3番で、初期の作品だとは思いますが知らない曲です。もちろんこの編曲を聴いたことはありません。第1集の「ラルゴ」よりは弾きやすそうです。

 ハイドンのメヌエットは「牛のメヌエット」と言われる曲なのだそうですが、私自身は知りません。この編曲は現代ギター社の編曲集にも入っています。

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