中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

今日(7月6日)、つくば市、ノバ・ホールで村治奏一ギター・リサイタルを聴きました。曲目は以下のとおりです。

F.ソル : 第7幻想曲 作品30

G.レゴンディ : 序奏とカプリス 作品23       

J.S.バッハ : シャコンヌ BWV1004

G.レゴンディ : ノクターン「夢」 作品19   

I.アルベニス : セビーリャ

A.バリオス : ア・ミ・マドレ  過ぎ去りしトレモロ

アーレン/武満徹編 : オーバー・ザ・レインボー

ジョビン-モラエス/ディアンス編 : フェリシダーヂ


 *アンコール曲として

R.ディアンス : フォーコ(リブラ・ソナチネより)

F.タルレガ : アルハンブラの想い出


 奏一君の演奏は去年の12月以来と言うことになります。前回は本当に久々に奏一君の演奏聴いたので(CDなどを別にすれば)、以前とはずい分違った感じで、数段成長した姿に驚きました。今回はある程度様子もわかっていたので、その分落ち着いてじっくりと聴けました。

 今回のプログラムは前回にも増して、古典やロマン派の音楽に重点を置いたものになっています。最近の若いギタリストは現代的でおしゃれな曲を弾くのが本当に上手になっていますが、こうした19世紀くらいまでの音楽に正面から取り組む人は、決して多くはないと思います。技術や感性だけでは済まない点もあるのでしょう。

 レゴンディの2曲の演奏は奏一君ならでは演奏で、華麗で、なお且つ表情の変化にも富むものでしたが、今回特に印象的だったのはソルの曲で、和声の動きや変化を、聴く人にたいへんよくわかるように演奏していたことです。何か和音の中の一つ一つの音の役割を考え、それに応じた音を出しているような感じでした。決して和音のバランスがよいとか、低音がきちんと鳴っているとかいったようなレヴェルではないように感じました。

 バッハのシャコンヌを、奏一君は原曲(ヴァイオリン)の譜面をそのまま、低音を付け加えたり、オクターブ下げたリしないで演奏しています(6弦も「ミ」のまま)。1998年に東京国際ギター・コンクールで優勝した時からそう弾いていたと思います。全体にとてもさわやかなシャコンヌになっていましたが、低音を付加しない分だけ、どうしても和声感が出にくいと思いますが、余韻を残したり、重ねたりしながらそれを補っていたように思いました。

 アルベニスのセビーリャは私などにとっては相当な難曲ですが、奏一君にとっては普通の曲でしょう、確か小学生の頃から弾いていたように記憶しています。この曲では奏一君の「熱い」一面も聴けました。バリオスも得意なレパートリーなのでしょう、ア・ミ・マドレは音色にとても気を配った美しい演奏、過ぎ去りしトレモロはトレモロの1音1音に神経の行き届いた演奏でした。

 最後に演奏したフェリシダーヂはやはりすばらしく、拍手もひときわ大きかったようでした。アンコール曲として演奏されたフォーコはかなり速く演奏されましたが、決して暴走ではなく、適度な速さに感じました。この曲はエンディングが面白いのですが、その「特殊効果音」もよく出ていて、とても楽しめる演奏でした。アルハンブラの想い出は2小節の「序奏」付。

 奏一君は今後しばらくはニューヨークに本拠をおいて活動してゆくとのことです。しばらくはアメリカと日本を行ったり来たりしながら演奏活動ということになるそうですが、国内でのコンサートも今後増えてゆくでしょう。

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