アポヤンド奏法 6
親指のアポヤンド奏法
アストゥリアス

アルベニスのアストゥリアスも親指が大活躍
激しい曲で人気がある
親指のアポヤンド奏法の続きです。クラシック・ギターでは人気曲、アルベニスの「アストゥリアス」も親指中心の曲ですね。アルベニスの曲の中で、と言うよりクラシック・ギター曲全体の中でも1,2を争う華やかな曲です。 華やかな曲と言うより、激しいとか、情熱的とかと言いた方が相応しい曲でしょうか。
もっと派手な曲弾け!
私が若い頃、お店でギターを弾いていたことがあります。ギター曲は静かな曲が多く、よくお客さんから 「そんな暗い曲弾いていないで、もっと派手な曲弾け!」 と言われることがありました。そんな時よくこの曲弾いたものです。 当時レパートリーも狭かったこともあって、他には 「粉屋の踊り」 とか、 「入り江のざわめき」(弾き方にもよるが) くらいだったでしょうか。
でも、そんな曲弾いていると、今度は 「うるさいから、もっと静かな曲弾け」 とか 「そんな知らない曲ばかり弾くな」 とか・・・・・
お世話になっている
何はともあれ、この 「アストゥリアス」 はクラシック・ギターのことを知っている人でも、知らない人でも、あるいは音楽に詳しい人でも、そうでない人にでも受けがよく、さらにはどのような場でも弾ける曲で、たいへんお世話になっています。
テンポを上げることよりも、音量を上げることの方が難しい
もちろん華やかに聞えるためには、それなりのテンポで弾かないといけませんが、それ以上に音量を上げないといけません。この曲の場合、速く弾くことよりも、音量を上げることの方がずっと難しいでしょうね。 よく和音だけ大きくて、親指で弾く主旋律のほうは全然聴こえない演奏なんてよくありますね。
親指のアポヤンド奏法が必要
この低音(低音弦)のメロディを強く出すにはアポヤンド奏法を用いる以外にありません。アルアイレ奏法でも十分に音が出せる人もいますが、そういう人は決して多くありません。
かなり速いが
この曲(中間部以外)のテンポとしては、四分音符=110~130くらいで弾く必要があると思いますが、私はだいたい126くらいで弾いています。 因みに音楽の友社のピアノの譜面では、「スペインの歌」が132、「スペイン組曲作品47」で138となっています(ただしアルベニス自身のものではないかも)。
この曲で親指のアポヤンド奏法の練習をするのもよい
こうしたテンポで親指をアポヤンド奏法出弾くのは確かに難しいところですが、もともとアポヤンド奏法は指の動きは小さいので、正しい弾き方をすれば不可能なものではありません。この曲を通して親指のアポヤンド奏法の練習をするのもたいへんいいのではないかと思います。
一般的な編曲
若干余談になりますが、25小節から一般の編曲ではこのようになっています。この編曲につては以前にも書きましたが、1950頃までに編曲されたもので、以前この編曲者の名前が現代ギター誌に書いてありましたが、その記事が手元になくて、私自身ではわからなくなってしまいました。セゴヴィアはこのアレンジを基に演奏していますが、和音などは原曲よりに修正しています。

一般的に演奏されるアストゥリアスのギター版。 スペインのギタリストによるアレンジで、かつて現代ギター誌にそのギタリストの名前があったが、その記事が手元にないので、私自身ではわからなくなってしまった。セゴヴィア編とされることもあるが、セゴヴィアの編曲でないのは確からしい。
セゴヴィア編ではない
「セゴヴィア編」として出版されているものもありますが、セゴヴィアの編曲ではないようです。細かくみれば、若干理不尽というか、共感出来ないところもありますが、現在ギターで演奏されるアストゥリアスはこのアレンジの影響を受けていると言ってもいいでしょう。私の編曲もまたしかりです。
25小節から伴奏は2弦の連打となっているが
さて、この編曲の25小節からの伴奏部はこのように、2弦を連打するようになっています。原曲ではオクターブの重複となっているところですが、音量や華やかさを増すためにこのようなアレンジになっていると思われます。
私は同音ではなく、オクターブとしている
一方、次は私のアレンジです。

私のアレンジ。 25小節から同音ではなく、一オクターブ離れた音にしている。このことにより、ノイズが軽減され、テンポも音量も上がった
25小節からを、2弦の連打ではなく、オクターブにしています。この理由はいくつかありますが、まず同音だとテンポが」上がらない、それから音量もあまり出ない、さらには同じ弦を速く続けて弾くと爪に当たってノイズが発生する、あるいは大きくなるといった理由です。右手については明かにこの方が弾きやすいです。
速く弾くなら、同じ弦をひくより、アルペジオ風に違う弦を弾いた方が速く弾けるわけですね。また、この方法だと2弦ではなく、1弦の「シ」を弾くので、聴こえやすくなって、結果的に音量も上がります。
元々はノイズを軽減するためだったが
この方法にした最も大きな理由は爪のノイズなのですが、若い頃はこのノイズがほとんど気になりませんでした。 気にならなかっただけかも知れませんが、年齢が高くなって、プラスティックの付け爪を使うようになってから、それが目立つようになりました。 あれやこれやその対策を考えたのですが、この方法が最もノイズが軽減に効果的でした。
一挙三得!
しかし右手が弾きやすくなる分、その負担は左手に来るわけで、左手は結構難しくなります。もとももと2弦の開放弦を連打するようにアレンジされているのも、左手の負担を少なくするためと思われます。 私自身としては左手には問題なかったので、この方法を用いています。 この方法だと、ノイズが少なくなるだけでなく、音量とテンポが上がると言うオマケまで付いてきて、まさに一挙三得というところです。
親指のアポヤンド奏法
アストゥリアス

アルベニスのアストゥリアスも親指が大活躍
激しい曲で人気がある
親指のアポヤンド奏法の続きです。クラシック・ギターでは人気曲、アルベニスの「アストゥリアス」も親指中心の曲ですね。アルベニスの曲の中で、と言うよりクラシック・ギター曲全体の中でも1,2を争う華やかな曲です。 華やかな曲と言うより、激しいとか、情熱的とかと言いた方が相応しい曲でしょうか。
もっと派手な曲弾け!
私が若い頃、お店でギターを弾いていたことがあります。ギター曲は静かな曲が多く、よくお客さんから 「そんな暗い曲弾いていないで、もっと派手な曲弾け!」 と言われることがありました。そんな時よくこの曲弾いたものです。 当時レパートリーも狭かったこともあって、他には 「粉屋の踊り」 とか、 「入り江のざわめき」(弾き方にもよるが) くらいだったでしょうか。
でも、そんな曲弾いていると、今度は 「うるさいから、もっと静かな曲弾け」 とか 「そんな知らない曲ばかり弾くな」 とか・・・・・
お世話になっている
何はともあれ、この 「アストゥリアス」 はクラシック・ギターのことを知っている人でも、知らない人でも、あるいは音楽に詳しい人でも、そうでない人にでも受けがよく、さらにはどのような場でも弾ける曲で、たいへんお世話になっています。
テンポを上げることよりも、音量を上げることの方が難しい
もちろん華やかに聞えるためには、それなりのテンポで弾かないといけませんが、それ以上に音量を上げないといけません。この曲の場合、速く弾くことよりも、音量を上げることの方がずっと難しいでしょうね。 よく和音だけ大きくて、親指で弾く主旋律のほうは全然聴こえない演奏なんてよくありますね。
親指のアポヤンド奏法が必要
この低音(低音弦)のメロディを強く出すにはアポヤンド奏法を用いる以外にありません。アルアイレ奏法でも十分に音が出せる人もいますが、そういう人は決して多くありません。
かなり速いが
この曲(中間部以外)のテンポとしては、四分音符=110~130くらいで弾く必要があると思いますが、私はだいたい126くらいで弾いています。 因みに音楽の友社のピアノの譜面では、「スペインの歌」が132、「スペイン組曲作品47」で138となっています(ただしアルベニス自身のものではないかも)。
この曲で親指のアポヤンド奏法の練習をするのもよい
こうしたテンポで親指をアポヤンド奏法出弾くのは確かに難しいところですが、もともとアポヤンド奏法は指の動きは小さいので、正しい弾き方をすれば不可能なものではありません。この曲を通して親指のアポヤンド奏法の練習をするのもたいへんいいのではないかと思います。
一般的な編曲
若干余談になりますが、25小節から一般の編曲ではこのようになっています。この編曲につては以前にも書きましたが、1950頃までに編曲されたもので、以前この編曲者の名前が現代ギター誌に書いてありましたが、その記事が手元になくて、私自身ではわからなくなってしまいました。セゴヴィアはこのアレンジを基に演奏していますが、和音などは原曲よりに修正しています。

一般的に演奏されるアストゥリアスのギター版。 スペインのギタリストによるアレンジで、かつて現代ギター誌にそのギタリストの名前があったが、その記事が手元にないので、私自身ではわからなくなってしまった。セゴヴィア編とされることもあるが、セゴヴィアの編曲でないのは確からしい。
セゴヴィア編ではない
「セゴヴィア編」として出版されているものもありますが、セゴヴィアの編曲ではないようです。細かくみれば、若干理不尽というか、共感出来ないところもありますが、現在ギターで演奏されるアストゥリアスはこのアレンジの影響を受けていると言ってもいいでしょう。私の編曲もまたしかりです。
25小節から伴奏は2弦の連打となっているが
さて、この編曲の25小節からの伴奏部はこのように、2弦を連打するようになっています。原曲ではオクターブの重複となっているところですが、音量や華やかさを増すためにこのようなアレンジになっていると思われます。
私は同音ではなく、オクターブとしている
一方、次は私のアレンジです。

私のアレンジ。 25小節から同音ではなく、一オクターブ離れた音にしている。このことにより、ノイズが軽減され、テンポも音量も上がった
25小節からを、2弦の連打ではなく、オクターブにしています。この理由はいくつかありますが、まず同音だとテンポが」上がらない、それから音量もあまり出ない、さらには同じ弦を速く続けて弾くと爪に当たってノイズが発生する、あるいは大きくなるといった理由です。右手については明かにこの方が弾きやすいです。
速く弾くなら、同じ弦をひくより、アルペジオ風に違う弦を弾いた方が速く弾けるわけですね。また、この方法だと2弦ではなく、1弦の「シ」を弾くので、聴こえやすくなって、結果的に音量も上がります。
元々はノイズを軽減するためだったが
この方法にした最も大きな理由は爪のノイズなのですが、若い頃はこのノイズがほとんど気になりませんでした。 気にならなかっただけかも知れませんが、年齢が高くなって、プラスティックの付け爪を使うようになってから、それが目立つようになりました。 あれやこれやその対策を考えたのですが、この方法が最もノイズが軽減に効果的でした。
一挙三得!
しかし右手が弾きやすくなる分、その負担は左手に来るわけで、左手は結構難しくなります。もとももと2弦の開放弦を連打するようにアレンジされているのも、左手の負担を少なくするためと思われます。 私自身としては左手には問題なかったので、この方法を用いています。 この方法だと、ノイズが少なくなるだけでなく、音量とテンポが上がると言うオマケまで付いてきて、まさに一挙三得というところです。
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