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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

アルアイレ奏法 4


いろいろなギタリストの右手のフォーム 3






アリリオ・ディアス(1923~2016)

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セゴビア風でパワフルな演奏

 ディアスの演奏は録音でしか知りませんが、パワフルでヴィルトーゾ的な演奏です。セゴヴィアのマスター・クラスではアシスタントも務めていて、演奏スタイルはセゴヴィアに近いものもありますが、直接セゴヴィアのレッスンは受けていないそうです。アントニオ・ラウロの作品の浸透にも努めていて、セゴヴィアがラウロの曲を演奏しているのもディアスの影響ではないかと思います。

 写真で見るディアスのフォームはほんの少し手首を曲げて、指が直角に弦に当たるようになっていますが、セゴヴィアほどは捻っていません。確かにパワフルな音が出そうですね。






ジュリアン・ブリーム(1933~2020)


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故人になってしまいましたが

 ギター界の情報に疎くてたいへん恐縮なのですが、ジュリアン・ブリームもすでに故人となっていたのですね、今回の検索でわかりました。ブリームの活動のピークは1960年代から1980年代といったところで、1990年代後半からは活動が少なくなっていたようです。私が持っているCDの最も最近の録音は1993年(ソナタ集)のものです。 リサイタルの方は1970年代と80年代に2回ほど聴きましたが、もちろんたいへん美しい音でした。



結構角度を付けている

 これまでのギタリストに比べると、指を弦に対して直角ではなく、ある程度の角度を付けて、弦にやや斜めに当たるようにしています。ブリームは美しい音だけでなく、多彩な音を出していましたが、このフォームは柔らかい音を出すときのものでしょう。






ジョン・ウィリアムス(1941~)



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かつてのギター界のプリンスはご存命

 ジョン・ウィリアムスは1960年代にはギター界のプリンスと呼ばれ、20世紀後半を代表するギタリストの一人ですが、ご存命のようですね。 ただ、やはり今現在は演奏活動をあまり行っていないようです。

自然なフォームですが、弦に当てる角度は直角に近いです。動画などで見ると、各指が完全に独立して動いていて、アルアイレ奏法主体の演奏ですが、アポヤンド奏法もそれなりに使っています。非常にクリアーで、力強い音ですね。



生演奏なのに生音が聴けない?

 ウィリアムスといえば、活動の後半はリサイタルにアンプを使用していたことで知られています。これはウィリアムス・ファンからすればあまり有り難くないことで、なぜ生演奏なのに生音が聴けないのかという不満も多かったようです(私もそう思った一人だが)。

 ウィリアムスの音であれば多少大きなホールで聴いても、十分に音が通るのですが、ウィリアムスはある時期から頑なにそれを守っていました。 従ってウィリアムスの生音を聴いたことのある人は、今では少なくなっていると思いますが、それは本当に美しいものでした。





マヌエル・バルエコ(1952~)

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私より若い世代、フォームが自然

 バルエコは私より一歳年下なんですね。ここから私より若い世代のギタリストとなります。バルエコのフォームもたいへん素直なフォームですね、まったく曲げたり、ひねったりはしてません。音色云々というより、合理性からこのフォームになっているのでしょう。 今ではバルエコのようなギタリストは少なくありませんが、デビュー当時は新時代のギタリストとして注目されていました。






デビット・ラッセル(1953~)

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強く影響を受けた

 1980年代の半ば頃、私もラッセルの重厚な音をCDで聴いた時には衝撃を受けました。どんな弾き方をしているのかなと、その頃来日した時の東京でのリサイタルとマスタークラスはすべて行きました。 私自身の音楽的な表現法とか、音の出し方などには、デビット・ラッセルの影響が強くあります。



セゴヴィアなどとは逆方向に手首をやや曲げて、弦に斜めに爪を当てている

 それまで、なんとなく弦に対して斜めに弾いてはいけないような風潮があって、私も当時は今よりも直角に近いフォームで弾いていました。私としてはそれまでも多少斜めの方がよいのではと思っていましたが、ラッセルの演奏と言葉でそのことの確信が持てました。ラッセルは弱音であれば直角でもよいが、強音になればなるほど角度を付けなければならないと言っていました。

 また、音楽的な表現、特に19世紀のロマン派の音楽の表現法についても、マスタークラスでわかりやすく説明していて、デビット・ラッセルのマスター・クラスではたいへんいろいろなことを学びました。





イェラン・セルシェル(1955~)

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ガシガシ弾かないところがいい

 セルシェルのフォームも自然ですね、手首などを全く曲げないところはバルエコと同じです。ただ、バルエコよりはタッチが柔らかいですね。こうした一流のギタリストは皆、メチャクチャ指が動くのですが、セルシェルはあまりガシガシ弾かないところがいいですね。バッハやソルの曲などもゆったりと弾いてます。セルシェルの音楽は肩に力の入らない、癒し系の音楽と言えるでしょう。


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