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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

中村俊三ギター・リサイタル 6月9日 ひたちなか市文化会館 3



<曲目紹介>

ジュリアーニ : ヘンデルの主題による変奏曲




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ヘンデルの主題による変奏曲
ジュリアーニの「ヘンデルの主題による変奏曲」 主題と6つの変奏からなる。 見た目やさしそうで、ジュリアーニの曲としては取っ付きやすそう




ヘンデルのハープシコード組曲第5番の「エアと5つの変奏」 から主題をとった

 プログラム前半のスカルラッティの二つのソナタの次は、マウロ・ジュリアーニの 「ヘンデルの主題による変奏曲」 です。ジュリアーニについては皆さんもよくご存じと思いますので、紹介は省きますが、この曲はヘンデルのハープシコード組曲第5番の 「アリアと5つの変奏」、いや英語的には 「エアと5つの変奏」 と言うべきでしょうか。その曲から主題をとったものです。

 この第5番ホ長調は、8曲からなる 「ハープシコード組曲第一集」 に含まれていますが、第二集以降については番号の付け方がよく分からないということは、前回のリサイタルの時の「サラバンド」のところで書きました。ヘンデルのハープシコード組曲は全部で十数曲ほどあるようですが、それは数え方で異なるようです。




「調子の良い鍛冶屋」としてよく知られた曲

 この「エアと5つの変奏」は「調子の良い鍛冶屋」として知られていて、ピアノでもよく演奏されています。 ジュリアーニがテーマとして用いていることからしても、この曲は当時から人気があったようです。因みに、「調子が良い」 というのはリズム的という意味ではなく、「響きが良い」といった意味のようです。



編曲ではない

 題名の通り原曲も変奏曲ですが、ヘンデルの作品はその主題を用いたということで、変奏自体はジュリアーニが独自に作曲したものとなり、編曲ではありません。つまりテーマ以外はヘンデルのきょくとは違うということです。下の譜面は、そのヘンデルの原曲です。




ヘンデル アリア

ヘンデル : ハープシコード組曲第5番の「アリア」。 ジュリアーニの譜面と音符の種類が違うが、それよりも小節線が意味不明! 1小節目も不完全小節ということだろうか?



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ヘンデルの肖像画は、なんかバッハよりも偉そう! というか金持ちぽい!




8分音符を4分音符に書き換えている

 ホ長調ということで調が違いますが、ジュリアーニは8分音符を4分音符に書き換え、さらに4分の2拍子に変えています。単なる楽器の移し替えではなく、”編曲” といった感じですね、当時としてはこうしたことが常識のようです。



小節線が変!

 それにしてもこの譜面、小節線がちょっと変ですよね、しっかりと4分の4拍子の表記があるにもかかわらず、1小節目が3拍しかない! 1小節目も不完全小節ということだろうか。それにリズム的に言っても、この小節線は納得が行かない!

 そこで、編集者が短い線で ”本当の” 小節線を書き入れています。これなら意味がわかりますね、ジュリアーニもこのように解釈しているようです。おそらく当時の音楽家もそうしていたのではないかと思います。

 おそらく繰返しの関係などで、このように書いたのかも知れませんが、それでもなぜヘンデルがこのような書き方をしたのか、私にはよくわかりません。とりあえず、この件についてはこれ以上触れないでおきますが、聴いた感じではそんなに複雑な曲ではありません。




ジュリアーニの譜面はわかりやすい

 ともかく、ジュリアーニはシンプルに書き換えてくれていますね、これでも聴いた感じはほぼ同じものに聴こえます。ジュリアーニの作品は、譜面を見た感じでは弾きやすそうに見えますね、少なくとも取っ付き難いとか、どう弾いていいか分からないと言って点はありません。



簡単そうに見えるけど

 確かに、ローポジションが中心なので、初見でも結構弾けそうですが、しかし実際に弾いてみると見た目ほど簡単ではありません。私も結構苦労しています。こういう曲ほど、指の”さばき”がよくないと快適に聴こえませんね、弾きやすそうだから、とりあえず今度弾いてみようかなんて、軽い気持ちで行くと、後半などグダグダになって、”どつぼ”にはまることもあります。ただし、元々完璧な技術を持っていれば、その心配はありませんが。 
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