fc2ブログ

中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

中村俊三ギター・リサイタル 6月9日 ひたちなか市文化会館 4



フェルナンド・ソル : モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲作品9




弾き方の話を中心に


 この曲については、当ブログでも何度か書いてきました。ちょっと前の記事の「グレーな音符たちのその後」でも書いています。今回は譜面の問題は置いておいて、弾き方についてを中心に書いてゆきましょう。

 この曲は一般的に、パリで出版されたメソニエ~ユージェル版を基にしていて、現代ギター社版(下の譜面)もその一つですが、パリで出版される前に、スペインで出版された初版も存在するようですね(ネット情報では)。

 私自身では50年以上前(18歳頃)に始めた曲で、その間何度も演奏していますから、もう練習などしなくても、いつでも楽に弾けるはずなのですが、なかなかそうは行きませんね。ちゃんと練習しないとなかなか弾けない曲です。





序奏




魔笛序奏
現代ギター社版 冒頭の和音は親指でアルペジオ気味に弾いても構わないが   



アルペジオ記号がないが

 では、まず序奏の冒頭ですが、6個の音の和音となっています。このようにギターの場合、6個の音の和音は親指でアルぺジオ的に弾くのが一般的で、そうした場合、アルペジオ記号(縦の波線)が付けられるのですが、それは省略されているのでしょう。はっきりとした意図でアルペジオ記号を付けなかったのかどうか、つまり必ず6個の音を同時に弾くようにという意図なのかどうかはよくわかりません。



軽快なテーマとのコントラストを考えて同時に発音している

 私自身では同時に弾く方法を取っていますが、そのほうが緊張感が出て、軽快なテーマとのコントラストが生きるように思うからです。また この序奏とオペラ「魔笛」の序曲との関連はないようですが、この序奏がオーケストラ曲をイメージしているのは確かなように思うので、そう考えても冒頭の和音を同時に発音する方が良いのではと思います。




親指の関節を使って

 しかし6個の音を同時に弾く場合は(下からpppima)、バランスを取るのが少し難しくなります。特に④弦の「ミ」は出しにくいですが、①と⑥弦にも「ミ」があるので、それほど問題にはならないでしょう。でも④⑤⑥弦の音をバランスよく発音するには、親指の関節の動きを使って弾くとよいと思います。




音価は正確な方が良い


 2段目の最後の小節からは3連符となりますが、そこまでの部分とテンポが変わらないように気を付けないといけませんね。また、3連符の二重付点音符が重なる部分も出てきます。ここを正確な音価で弾くのはなかなか難しいところですが、出来る限り正しく弾いた方が良いと思います(厳密でなくてもよいと言う人もいるが)。



魔笛序奏3連符
正確には、16分音符の「ソ」の前は12分の1拍、後ろは12分の3拍となる。確かに正確にこのようには弾けないが、決して3連符の中央ではない。



 譜面の方にはあまり立ち入らないということですが、一番下の段のところの赤矢印は明かに「シ」の間違いでしょう。




主題




魔笛主題1
主題の前半 この装飾音を書かれた通りに演奏するのはなかなか難しい。




かつての巨匠たちは

 序奏に続くく主題では、2小節目の装飾音が難しいですね。確かに譜面に書かれた通りの音価で弾くのは 難しいところです。セゴヴィアやイエペスは、この箇所というより、曲全体をルバート気味に弾いていて、楽譜に書かれた音価とはあまり関係なく弾いています。かつてはそれが当たり前のように思われていました。




曲柄からすればイン・テンポのほうがよい

 しかし曲全体としては軽快で、シンプルな曲なので、若干のリタルダンドなどはあったとしても、全体的にはインテンポを基調とした演奏の方が耳に馴染みやすいでしょう。




前倒しして

 この装飾音の個所については、多くのギタリストはこのようにその前の16分音符を、下の譜面のように切り詰め気味に弾いているようです。意識的にそう弾いている人も、また無意識にそう弾いている人もいるでしょう。 確かにこのように弾けば、後続の装飾音の付いた付点音符を長くすることが出来て、比較的楽に弾けます。



魔笛主題2
多くのギタリストはこのように、前の音符を切り詰めて弾いている。確かに付点音符ぽくは聴こえるが




でも、私は

 しかし一つの区切り(モチーフ)の終わりを短く切り詰めてしまっては、やはり窮屈感が出ますので、避けたいところです。そこで私は次ように、ここは5連符風に弾いています。確かに付点音符らしくはなくなりますが、かなり記譜に近い音価になります。




魔笛主題3
    私はこのように、5連符的に弾いている
スポンサーサイト



コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する