中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

バッハ : ガヴォット ~無伴奏チェロ組曲第6番より
     



 次にバッハの2曲ですが、ガヴォットが含まれる無伴奏チェロ組曲第6番は5弦チェロのために作曲された作品です。通常チェロの最高音弦は「ラ」になっていますが、このチェロはその上に5度高い「ミ」に調律された弦が存在します。つまり第1弦はギターと同じ調律になっているということです。現在の多くのチェリストはこの曲を通常のチェロで演奏しているわけですが、そうすると常に高いポジションを使用しなければならず、また和音を構成する音の数も多く(5個の場合もある)、たいへん演奏が難しくなります。もっともそのようなことは微塵も感じさせず、演奏してしまうチェリストも少なくはないようです。


 チェロで弾くと超絶技巧になってしまうこの組曲ですが、少なくとも、このガヴォットに関しては、オリジナルのまま、ほとんど編曲せずにギターで弾けます。もともとの調律がギターに近いせいか、そのままでギターになじんでしまいます。またもともと低音や和音が多く、特に音を追加しなくとも寂しい感じもしません。技術的にも特に難しくなく、もともとギターのために作曲されたのではないかと思うくらいです。チェロのほうがギターの曲をむりやりチェロで弾いているような感じさえします。というわけで、このギターへの譜面は私の編曲ということになるのでしょうが、実際には”編曲”はしていなくて、調性を含めほとんど原曲どおりです。ただしアンドレ・セゴビアは1音高いホ長調に移調し、和音なども追加して演奏しています。そのほうがより華やかに聴こえるからだと思います。


 この曲を今回のプログラムに入れた理由は、大序曲などで入った力や、熱くなった気持ちを押さえる意味と、チューニグを安定させる目的、また聴く人にシャコンヌへの心の準備をしてもらうためです。いろいろな意味で今回のプログラムになくてはならない曲です。


 このガヴォットは特にに難しい曲とは言えないでしょうが、「軽快さ」と「重厚さ」の配分とか、ガヴォットⅠとガヴォットⅡとのテンポの関係とか結構悩みますし、意外と音も外し易く、やはりちゃん弾くのはそう簡単な曲ではないようです。もちろん十分な練習も必要です。


 
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する