中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

昨日(9月28日 日曜日)ギター文化館で福田進一ギター・リサイタルを聴きました。なんといってもわが国のトップ・ギタリストの福田進一だけあって、会場は超満員でした。曲目は以下のとおりです。


武満徹 : 森のなかで

グラナドス : スペイン舞曲第5、12、1番

アルベニス : セビーリャ、アストゥリアス



武満徹 :フォリオス

J.S.バッハ : シャコンヌ

ブローウェル : ハープと影~武満徹へのオマージュ



アンコール曲

ヴィラ・ロボス : ワルツ・ショーロ

ファリャ : ドビュシーの墓に、 粉屋の踊り

ブローウェル : 11月のある日

ディアヴェリ : メヌエット(ソナタ第2番より)



 最初に演奏された武満の「森のなかで」は作曲者の最後のギター曲だということで、音楽的には高度な内容の曲と言ってよいと思いますが、難しい曲ながらも、美しい曲だと思いました。また福田氏の演奏はその武満の音楽の真価を十分に引き出したもののように感じました。「フランス印象派の音楽と日本の伝統文化の融合」ということが言えるのかも知れませんが、やはり武満徹独自の響きの世界とも言えるでしょう。この曲の中心になっている「レ♭」はドイツ語読みで「des」となり、「死」を暗示したものと福田氏からの説明がありました。


 グラナドスのスペイン舞曲は、もともとはほの暗いスペインの「影」を感じさせる曲だと思うのですが、福田氏の演奏は速いテンポで軽快な舞曲の側面が強調されています。アルベニスの2曲も同様に速いテンポで軽快に演奏されました。


 武満徹のもう一つの作品「フォリオス」は作曲者の最初のギター曲で、バッハに因みドイツ語読みで「B、A、C、H」の4つの音が中心になっているそうです。最後のところでは謎解きのようにバッハのマタイ受難曲の一部が現れます。「森のなかで」は純粋に響きの世界といった感じですが、こちらは「音の動き」の方に重点があるように感じました。


 バッハのシャコンヌは福田氏自身の編曲で低音の追加以外に装飾なども自由に付け加えられていました。勢いのある演奏でした。


 最後はキューバの作曲家、レオ・ブローウェルの武満徹に因んだ曲ですが、聴いた感じではブローウェルの音楽そのものといった感じに聴こえました。


 アンコールには上記の5曲が弾かれ、コンサートの「第三部」といった感じで、超満員の聴衆もそれぞれとても満足したのではないかと思います。コンサート終了後はギター製作家のカズオ・サトー氏も加わり、愛好者たちとの歓談となりましたが、両氏から音楽論や楽器論などを伺い、同席した愛好者にはとても刺激になったと思います。


 余談ながら福田先生には息子(創)が長い間お世話になり、いろいろ問題児ながら本当によく面倒見て下さいました。それは決して言葉で言えるものではないのですが、先生には私も数年ぶりにお会いし、そのお礼やら、お詫びやら申し上げました。
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