中村俊三 ブログ

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アルベニス : 朱色の塔


 アルベニスの4曲目は「朱色の塔」です。この曲は「特性的小品集作品92」に含まれますが、ドイツのギタリスト、トーマス・ミュラー・ペリュングがこの曲集全曲をギターに編曲し、CDも出していました。他の曲もなかなか良い曲が多いのですが、アレンジは結構難しく、弾くのはあまり簡単ではありません。ペリュングというギタリストは手も大きいらしく、私などには届かないところがたくさんあります。CDのほうは、今は入手出来なくなっているかも知れません。


 この曲の最初のギターへのアレンジはミゲル・リョベットということになっているのですが、その「リョベット編」とした譜面は実際には見たことがありません。ただ現在出版されているこの曲のギターの譜面は、大きく見ればほぼ同じなので、おそらくそのリョベット版が基になっていると思われます。私が演奏しているものも、その一つです。原曲はホ短調ですが、ギター版はすべてニ短調になっています。今のところ他の調に編曲されたギター版は見たことがありません。


 速いアルペジオに乗せてメロディを歌わせると言う曲で、超難曲ではないとしても、ちゃんと弾くには決して易しいとは言えないでしょう。細かい話になりますが、このアルペジオ・パターンはギター版では若干変更されます。ギターの弦の関係でいえば、オリジナルでは②①③の順になりますが、ギター版では③①②、または③②①の順に変えられます。ちょっとしたことですが、この②①③の順のアルペジオはギターでは弾きにくいのです。リョベットやセゴビアなどの大ギタリストでもそう感じるようです。因みにセゴビアは③②①の順で弾いていますが、③①②の順の方がオリジナルに近く聴こえるので私はこの順で弾いています。


 中間部は長調になって、3連符のアルペジオはなくなるのですが、その代わりポジション移動が激しくなり、音を外さず弾くのはやはり簡単ではありません。曲も盛り上がってきますし、ここで音は外したくないところです(でも時々外れてしまいますが)。一つのフレーズすべて自然ハーモニックスを用いたところが出てきますが、ここなど確かにリョベットらしいところでしょう。


 曲名についてはいろいろなところに書いてあると思いますが、朱色の塔といっても朱色に塗装した塔でなく、夕日に染まって朱色に見える塔といった意味で、アルハンブラ宮殿の別称だそうです。人気曲の一つですが、上手く弾ければカッコよく聴こえると思います。
 
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