中村俊三 ブログ

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イサーク・アルベニス : コルドバ

 後半の5曲目はアルベニスのコルドバです。また曲名からですが、コルドバはグアダルキビール川(舌を噛みそうな名前ですが)の中流にある人口数十万の都市です。私自身は行ったことがありませんが、市内にはローマ時代の橋が残されていたり、また14世紀くらいまではイスラム人が支配し、回教寺院なども残されているそうです。


 この曲はその回教寺院の鐘の響きで始まります。主部は3拍子で8部音符の伴奏に乗ってメロディが現れます。浜田滋郎氏によれば、この伴奏のリズムは「バンドブレ」という舞曲のリズムだそうです。ギターに適したリズムといえ、曲全体もギター的な感じがしますが、この曲をギター独奏で弾くようになったのは以外と最近で、1969年にジョン・ウィリアムスがレコーディングして以来だと思います。もっとも二重奏ではエミリオ・プホールが編曲していて、演奏もしていたと思います。独奏では技術的に難しいと考えられていたのでしょう。確かにウィリアムスのLPの解説にも「超難曲」と書かれていたような気がします。


 実際には編曲のしかたにもよりますが、私のようなものでも弾いているわけですから、他のアルベニスの作品と比べて特にギターでは難しいということでもないでしょう。もちろん易しいということもありませんが、編曲で無理しなければ他のアルベニスの曲が弾ける人なら弾けるのではないかと思います。


 私の場合、最初に聴いたのはそのウィリアムス盤だったと思います。しばらくしてブリームとウィリアムスの二重奏盤も出ました。その頃はまだギター独奏の譜面が出ていなかったので、原曲のピアノの譜面を買い、それを自分でギター二重奏用に編曲し、ギター部の仲間と弾いたりしていました。その後全音出版から阿部保夫編の譜面が出て、独奏でも弾き始めるわけですが、その時にはすでに原曲のイメージがあったので、目では阿部編を見ているのですが、実際はそれを自分なりに編曲しなおした形で弾いていました。そうしないと弾けない個所もあったので。


 メロディは4分音符中心、伴奏は8分音符中心と、確かに特に難しいと言うわけではないのですが、これをギター独奏で弾くと、なかなか思ったようには行きません。細かいことですが、メロディが単独の場合、低音と同時の場合、中声部の和音と同時の場合などでどうしても音量や音色が変わってしまい、また左手が難しい個所はなかなかレガートに弾けなかったりなど、一応音は出せたとしてもなかなか音楽的には上手くゆかなかったりします。


 ピアノで弾けば右手はメロディ(ほとんどオクターブ・ユニゾンになっていますが)、左手は伴奏とはっきりしているので、特に技術的に難しい点はそれほどないと思いますが、ギターでは結構これが難しいのです。確かにアストゥリアスの方が聴いた感じ難しそうでも、奏法上はギターによく馴染みます。


 と言うわけで、この曲を弾くのに超絶技巧が必要な曲ではないのですが、音楽的に、要するに聴いてよい感じに弾くには、やはりそれなりの力と努力が必要という、当たり前の結論にんまってしまいました。また上手く弾ければギター曲として優れた曲になるということも同じでしょうか。
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