中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

ミスしても止まらないためには

止まりたくて止まっているわけでは

 前回は、間違えたからといって演奏を中断したり、また弾き直しをしてはならないという話をしました。しかしそういう場合でも、弾いている本人としては止まりたくて止まっている訳ではないしょう。気が付いた時には指が止まっていたり、自分の意志に反して同じ個所をもう一度弾いていたりするものです。確かにミスをしても止まったり、テンポを乱したりせずに先に進むということは決して易しいことではありません。でもギターを弾く上で、ミスは完全には避けられないものとすると、ミスをする度に止まったり、戻ったり、テンポを乱したりしていたのでは演奏になりません。ギターが弾けるようになるためには、多少トラブルがあっても先に進められる力を身に付けなければなりません。それもたいへん重要な能力の一つだと思います。今回はそういったことを身に付けるための練習法について、具体的に話しを進めます。


ミスしても2,3個先の音まで弾く
 
 大部分の生徒さんはミスをした時、その瞬間に指を止めてしまいます。予定と違った音が出たり、また予定の音が出なかったりすると反射的に指が止まってしまう訳です。ギターをやっている人なら誰しも経験のあることだと思います。しかしそうした時、なんとかがんばって2,3個先の音まで弾くようにします。2,3個弾けなければ1個でもよいでしょう。多少リズムなどが乱れたとしても、ともかくミスした瞬間、あるいはミスした音でやめないことが重要です。そのまま最後まで弾ければさらによいかも知れませんが、そう出来なくても、まずはミスした瞬間に反射的に指が止まるのを防げばよいでしょう。


自分の意志で止まる

 2,3個弾いたところで中断するなら、それほど問題になりません、つまり中断する場合は通常に「弾けている音」のところで中断するわけです。その場合ですと、もしその先へ進もうと思えば進むことも出来ると思います。またこれが一番重要なことですが、中断は「自分の意志」で行うということです。つまり「止まってしまう」のではなく自分の意志で「止める」ということです。自分の意志で「止める」ということは、逆に自分の意志で「止まらない」こともできるからです。


ゆっくり、出来るだけ一定の速さで

 もっとも初見に近い状態とか、まだその曲がほとんど弾けていない場合などでは、一定の速さで弾くことそのものが難しいと思いますので、その場合はまた別と考えてよいでしょう。練習の段階によっては、特に先に進むことを優先させずに、楽譜をよく読んだり、音を耳で確かめたり、運指などをじっくり考えてよいと思います。しかしある程度弾けるようになったら、本当にゆっくりでよいですから、出来るだけ一定の速さで練習するようにしましょう。仮にその曲がテンポの速い曲だからといっても、最初から速く弾こうとすると、止まったり、戻ったりが多くなるだけでしょう。


少し先の音符を読む

 また楽譜を見ながら弾く場合(視奏)は、今弾いている音ではなく、少し先の音符を見るようにします。そのことにより、現在弾いている音に何かトラブルがあったとしても、その先の音を弾くことが出来ると思います。もっともそのことは止まらないためにというより、指の動きを滑らかにしたり、またミスそのものをなくすことにもつながるので、ぜひ実行してみて下さい。暗譜で弾く場合も同じで、現在弾いている音の少し先の音を記憶から呼び戻すようにします。これは譜忘れの防止にも繋がると思います。


通し練習と部分練習

 また曲全体の「通し練習」と、難しい個所などの「部分練習」は必ず分けて行うべきだと思います。「通し練習」の時はいろいろミスがあったとしても、出来るだけ止まったり、やり直したりはしないで、ちゃんと最後まで弾くように心がけます。どんなトラブルがあっても最後まで弾くという習慣はとても大事だと思います。また逆に、部分練習の際には問題の部分だけを取り出し、運指や、指の動かし方など、細部に至るまで徹底してチェックしてみるとよいでしょう。しかし現実にはこれらの全体と部分をごちゃ混ぜに練習してしまう人はとても多いと思います。最初から最後まで弾くつもりだったのに、ある個所が気になりそこをなんども繰り返して練習し、しばらく先に進んでまた別の個所でひっかり、結局最後まで弾かずに止めてしまった、などということはよくあることではないかと思います。自分が今何の練習をしているかということは、常にはっきりと意識しておきたいものです。

 
音符の数だけ合わせる

 補足的なことになりますが、この「止まらずに弾く」練習としては、私が大学のギター部時代に時折やっていたことですが、「初見の二重奏」などは効果的だと思います。当時たまたま部室に二重奏の楽譜があったりすると、ギター部の仲間と「これやってみようか」と、突然二重奏を始めたりしました。私も相手の方もそんなに初見力があるわけではありませんから、弾けるところのほうが少ないくらいなのですが、弾けるところはそれなりに弾き、16分音符が続くようなところは適当に音符の数だけを合わせます。1小節でしたらとりあえず、4×4=16個の音をだいたいの音形にあわせてデタラメに弾いてしまいます。難しい和音などでは、その中の弾ける音だけ拾った弾いたり、また低音だけ弾いたり、押さえ方が違う思うときは弦をちゃんと押さえずに、適当に弾いたりします。難しいからといってそこでやめてしまうと、もちろんその先が続かなくなってしまいます。難しいところはとりあえずやりすごして(口で歌ってしまうという手もありますが)、また弾けるところに来たら気持ちよく弾けばよいと思います。皆さんも機会があったらやってみて下さい。
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