中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

本 009



今回はミスを少なくするための具体的な例をいくつか挙げて見ます。もし譜例が見にくいときには譜面をクリックしてみて下さい。


1.は初級用のテキストなどによく載っているカルリのイ短調の「アンダンテ」の後半で、ギターを習う人ならたいてい練習したことがある曲だと思います。アルアイレ奏法で音階的なパッセージを弾く時、よく弦を弾き損なってしまったりすることがあると思いますが、この譜例の冒頭の部分を、「i」=右人差し指で始めるとその後がとても弾きにくくなってしまいますが、譜例のように「m」=中指から始めると全く問題なく弾けます。音階的なパッセージの場合、人差し指と中指と、どちらから始めても同じように思うかも知れませんが、そのどちらで始めるかによって弾きやすさがかなり変わることがあります。もっとも全部の音をどちらで弾くか決めるのは(意識するのは)、なかなか難しいかも知れませんが、譜例の冒頭の 「ソ」=「m」 というように、特定の音だけを意識するだけでもよい場合も多いと思います。



2.カルリのハ長調の「ワルツと変奏」の第3変奏からですが、譜例の3小節目の音階も「m」から始めた方が弾きやすいでしょう。特に低音と同時に弾く場合は「m」のほうが弾きやすいと思います(ただし隣接した弦を弾く場合は「i」のほうがよい)。

 5個目の16分音符の「レ」から6個目の「ミ」にかけてはいわゆる「逆指」となるので、それを避けたい時には「ミ」を「a」指=薬指で弾く方法もあると思います。同一指の連続使用は出来るだけ避けた方がよいでしょう。同一指の連続使用がよくないのは弦を弾き間違えるというより、クリヤーな音が出せないという理由のほうが大きいと思います。続けて同じ指を使うということは、しっかりと弦を弾かないことになるからです。



3.ソルのホ長調のワルツですが、これも教材として、あるいは発表会用小品としてよく取上げられる曲です。コンクールの予選課題曲などにもよくなります。譜例は冒頭から5小節目ですが、この32分音符のアルペジオはちょっとした難所で、ミスの可能性の高いところです。3個目の32分音符の「ミ」は、普通では「a」指になるところですが、そう弾くと結構「空振り」が多くなりがちです。以外と「i」指にしてしまった方が確実性が高いようです。練習の時などリラックスしている時には薬指でも問題ないのですが、緊張した時には薬指だと若干不安定になり、i、mだけで弾いたほうが安定感があるようです。



4.ジュリアーニの大序曲からですが、このような曲を弾く人は当然テクニックには自信のある人、このようなパッセージでも指的には問題なく弾ける人が多いでしょう。しかしそのような人でもステージで弾くとなればまた別で、特にコンクールのような緊張した場ではちょっといやなところでしょう。なお且つここはアレグロに入ってすぐのところなので、自信のある人でも気になるところです。

 このような個所のミスは、一見指の問題のように思われるかも知れませんが、私の経験では記憶、あるいは頭の中のイメージが不明瞭になることから起こるような気がします。したがって指のトレーニングも大事なのですが、イメージ・トレーニングはもっと大事になると思います。その場合、このフレーズをまるごと全部イメージするのは難しいので、譜例のように三分割して記憶、あるいはイメージします。電話番号を覚える要領といったらよいと思います。こうすることで記憶の混乱などは少なくなるのではないかと思います。また何かトラブルが発生した時、修正も速いと思います。指のトレーニングの際にも全部続けて弾く練習と、3つの部分に分けて練習するのと両方やってみるとよいと思います。



 *次回はクラシック・ギターの代表的な曲でもあるソルの「モーツアルトの『魔笛』の主題による変奏曲」を例にとります。



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