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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 昨日(12月6日 日曜日)ひたちなか市アコラで松田弦ミニ・コンサートを聴きました。松田さんは2週間前の11月22日に東京文化会館で行われた第52回東京国際ギター・コンクールで優勝したばかりとのことです。東京国際ギター・コンクールは毎年海外から実力者がエントリーし、このところずっと日本人の優勝者が出ませんでした。村治奏一君が優勝したのはもう10年以上前のことで、今回の松田さんの優勝は奏一君以来ということになります。このコンクールに優勝した日本人のギタリストは、村治奏一君の他、木村大君、村治佳織さん、斉藤明子さん、鎌田慶昭さんなどそれぞれ現在の日本を代表するギタリストになっています。これを機に松田さんもいろいろ忙しくなるでしょうから、今回のコンサートでその演奏を間近で、なおかつ音響のよいところで聴けるということは、本当にラッキーなことだと思います。


 松田さんの演奏はとても清楚で美しいものです。世界でもレヴェルの高いコンクールの優勝者ですから、技術が高いのは当然のことですが、それに加えて音の美しさ、響きの美しさも強く印象に残りました。同じ美しさでもあまり癖のないとても自然な美しさです。古典から現代音楽、リズミカルなものからじっくり歌わせる曲まで、どういった音楽でも対応できる能力も持っていることが感じられました。前述の村治佳織さん、奏一君、木村大君、さらに大萩康司君などともまた違った才能の出現だと思います。


 また松田さんの演奏スタイルは、とても自然なフォームで、特に右手など完全に脱力出来ていて、余計な力も、余計な動きもない感じです。それと松田さんの出すしなやかな音、あるいは表情に富む音楽とは密接な関係があるのでしょう。彼自身の能力が優れているのはもちろんでしょうが、同時に、おそらく小さい時、あるいは若い時から優れた指導者に正しい指導を受けているのではないかと思います。松田さんのような優れたギタリストが育つ背景には、指導者の質の向上も確実にあるのではないかと思います。


 本日演奏された曲は以下のとおりです。



J.ボラック : プレリュード、ガリアルド、クーラント

長岡克己   : ザク

クリーガー  : リトマータ

吉松 隆   : 風色のベクトル


 * アンコール曲として  J.トゥリーナ : セビリア風幻想曲

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