中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 このぺースで1枚1枚紹介していったらなかなか終わらないので、残り3枚はなるべく手短に紹介します(可能ならばですが)。


           CDウィリアムス 003

 JULIAN & JOHN    ジュリアン・ブリームとジョン・ウィリアムスの二重奏

2台のギターのための組曲(ウィリアム・ローズ~ブリーム編)、 二重奏曲ト長調(カルリ)、 アンクラージュマン(ソル)、 コルドバ(アルベニス~プホール編)、 ゴエスカス間奏曲(グラナドス~プホール編)、 スペイン舞曲第1番(ファリャ~ブリーム編)、 亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル~ブリーム編)



 次のCD(元LP)は上の写真のように、オリジナルでは「ジュリアン&ジョン」というタイトルの二重奏です。たしか邦題では「ジュリアン&ジョン 世紀の二重奏」といったものだったと思います。そのタイトルどおり当時の大人気ギタリスト二人が二重奏を行うということでたいへん話題になりました。またこの中に収録されているソルの「アンクラージュマン」が、このLPをきっかけにたいへん人気が高まり、多くののギター・ファンに弾かれるようになりました。当時、大学のギター部では、ピンク・レディではないですが、ブリーム派とジョン派に分かれて、「なりきり」ブリームやジョンが出現しました。いずれにしてもこのLPによって二重奏のスタンダード・ナンバーみたいなものが出来たのではないかと思います。


 ギター二重奏のもいろいろな形があると思いますが、①二人のうち一人のギタリストが完全に主導権をとり、もう一人のギタリストがそれを補助するような形、②能力的にも音楽的にも同質的な二人が統一した音楽を作る場合、③同等な実力の二人がそれぞれの個性をぶつけ合うもの、などがあると思います。このジュリアン&ジョンの場合は強いて言えば③に当たると思います。特に同じメロディを交互に弾く形のアンクラージュマンではそれが言えると思いますが、しかし全体的に聴けば、決してお互いが一歩も引かずに自己主張しているわけではなく、協調し合って一つの音楽を作ろうという意思は十分に感じられます。しかし細かいところのニュアンスや感じ方、音色などは元々全く別なので、結果的に差が出てしまうのではないかと思います。


 確かにこのLPが発売された頃は、それぞれかなり違う個性と感じたのですが、今回久々に聞いてみると意外と二人とも近い感じで、おおまかに言えば似たような演奏スタイルに感じました。その後ブリームやウィリアムスなどとはかなり違うスタイルのギタリストを聴くようになったからかも知れません、確かに同時代のギタリストなのでしょう。日本人どうしでは全く違う顔に思えても、外国人からみれば似たように見えるのと同じかも知れません。


 このLPの正確なデータはありませんが、複製のジャケットの裏には「1972年」と書いてあります(虫眼鏡で見ないと読めません)。これは録音ではなく、発売の年かも知れません、記憶では1972年には発売されていたような気がします。ブリームとウィリアムスはその後1974年にスタジオ録音、1978年にライブでの二重奏の録音をしています。




           CDウィリアムス 001

    アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)、ギター協奏曲(ヴィラ・ロボス)
     共演 ダニエル・バレンボイム指揮 イギリス室内管弦楽団


 
 次のCDは1974年の録音で、アランフェスとヴィラ・ロボスの協奏曲です。ウィリアムスは3回アランフェスを録音していて、最初は1965年前後(おそらく)、共演はユージン・オーマンディ指揮、フィラディルフィア管弦楽団(B面はテデスコのギター協奏曲第1番)。2度目がこのバレンボイム盤、3回目が1983年で、共演がルイ・フレモー指揮フィルハーモニア管弦楽団となっています。この2度目のバレンボイム盤はウィリアムス33歳の時で、いわば壮年期の演奏と言えるでしょう。演奏は3種のうちで最も力強く、ヴィルトーゾ的なものになっています。また録音も「スパニッシュ」のところで言ったとおり、高音域を若干増幅した感じでかなり華やかなものです。ちょっと金属的にも聴こえますが、「活きのよい」感じです。


 ヴィラ・ロボスの協奏曲は後に「フレモー盤」と組み合わされて国内盤CDとして発売されていましたから、所有している人も多いのではないかと思います。ギター協奏曲で最も人気があるのはもちろんアランフェス協奏曲ですが、このヴィラ・ロボスの協奏曲は、「ある貴紳」、「テデスコ」、「ポンセ」などと共にNo.2候補の一つだと思います。皆さんのNO.2は何ですか? 


 この「バレンボイム盤」のアランフェスの方は、少なくとも国内盤としてはCD化されてなく、貴重なものです。私もLPは持っているのですが、現在LPはなかなか聴けないので久々の再会となりました。音楽全体のまとまりとしては「フレモー盤」に軍配が上がるかも知れませんが、ちょっと「やんちゃ」なウィリアムスが聴けて、なかなか面白いと思います。





            CDウィリアムス

       Vn. イツァーク・パールマン  G. ジョン・ウィリアムス

ジュリアーニ : ヴァイオリンとギターのための大ソナタホ短調作品25
パガニーニ : ヴァイオリンとギターのためのカンタービレ、チェントーネ・ソナタ作品64-1、ソナタホ短調作品3-6、ソナタ・コンチェルタータイ長調



 5枚目は1975年に録音された、有名なヴァイオリストのイツァーク・パールマンとのデュオで、ジュリアーニとパガニーニの曲のCDです。ジュリアーニの二重奏曲はかなりの大曲で、個人的には、かつてフルーティストの方と(酒井美穂さん)演奏会でやったことがあり(若干手を加えればフルートでも演奏できます)、思い入れのある曲です。4楽章構成の堂々とした古典的なソナタで、聴き応えも、弾き応えも十分にあります。この種の曲では一般に娯楽的な軽めの曲が多いのですが、この曲はかなり力の入った曲で、なかなか優れた曲だと思うのですが、残念ながら録音は少ないようです。

 パガニーニの曲では一昨年のリサイタルで私が弾いた、「カンタービレ」や「ソナタ作品3-6」などもこのCDに収められています。パガニーニのこの種の曲では、ほとんどの場合華やかなヴァイオリン・ソロに、和音を添えるだけのギター伴奏といった形になっていますが、「ソナタ・コンチェルタータ」は両者対等な形で書かれていて、ギターの方も結構目立つようになっています。またここには収録されていませんが、「大ソナタイ長調」は全く逆にギターが中心で、ヴァイオリンが軽く音を添えるだけになっています。


 といった訳で一通り紹介が終わったのですが、それぞれが個人的に思い入れの深いものだったので、手短に紹介できなかったのがちょっと反省材料です。それにしてもこの5枚がまとめて(1枚がではない!)2000円弱と言う価格ですから、本当にお薦めのアルバムです。因みにこのCDはHMVで取り扱っていますがGGショップなどでは取り扱っていないようです。詳しくはインターネットなどで調べてみてください。
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