中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

天地天命に誓い

 このところ、当ブログを読んでCDを注文したと言う話を時々聞きます。なんだかHVM、あるいはBrillantの回し者みたいになってしまっていますが、もちろん天地天命に誓って、該当企業等からの金銭授受など、一切ございません! 
 しかし、生産者と消費者は表裏一体、よい「買い手」がいなければ、よい「売り手」は育たない。皆さんもしっかりと内容を吟味した上で、よいと思ったもの、あるいは気に入ったものはお金を出して買うべきでは、と思います。特にクラシック・ギターなどというマニアックな世界では。 ・・・・・・・やはり回し者かな?



アレッサンドロ・ピッチニーニ 

 さて、次の2枚のCDはルネサンス末期からバロック初期にかけてのリューテスト、アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566~1638年)の作品で、「リュートとキタローネのためのタブラチュア、第1巻、第2巻」となっています。ピッチニーニは名前だけ聞いたことがありますが、その作品を聴くのは初めてです。因みに、ピッチーニ(ピッチンニ)という作曲家もいますが、この人は18世紀後半に活躍したオペラ作曲家で、このピッチニーニとは全くの別人です。



ダウランドにも、ヴァイスにも似ていない

 曲のほうは、結論から言えば今まであまり聴いたことのない感じで、なかなか興味深いものです。ルネサンス的な要素とバロック的な要素とを両方持っている感じで、 時代からすればジョン・ダウランドと同じくらいですが、もちろん印象はかなり違っています。ダウランドの曲はリュート・ソロの曲でもリュート伴奏の歌曲的な要素が強くありますが、このピッチニーニの作品は単旋律的ではなく、より多声部的な感じがあります。またフランスのバロック・リュ-トの作品やヴァイスの作品のような装飾を主とした作風でもないようです。

 ピッチニーニの作品は、曲にもよりますが、しっかりとした対位法で書かれ、また音域も広く使われているのが目立ちます。また、時には現代音楽を思わせる大胆さも感じられます。今まであまり演奏されることが少ないようですが(私が知らなかっただけ?)、ダウランドやヴァイスに比べても決して遜色のない作品群で、もちろんギターで弾いても面白いのではと思います。もしかしたら、当コレクション中、最も興味深いCDかも知れません。



キタローネ = テオルボよりもさらに長い竿

 「キタローネ」というのは長い竿の付いた低音用のリュートで、同種の楽器であるテオルボよりもさらに長い竿が付いています。主にオペラなどの伴奏に使われたようです。リュートは基本的に復弦(2本ずつ弦が張ってある)ですが、このキタローネは単弦だそうです。

 かつては音楽史の本の中でしか出会えなかったこうした作曲家の作品や、写真でしか見られなかった楽器の音が気軽に、しかも優れた演奏と録音で(さらに安価で!)聴けるのですから、確かに時代は変わりましたね。



スカルラッティの12のソナタ

 次の1枚(5枚目)はバロック時代(バッハと同時代)にイタリア、およびスペインで活躍した作曲家のドメニコ・スカルラッティの鍵盤用のソナタをギターで演奏したものです。スカルラッティのソナタもまたギターと相性のよいものです。スカルラッティのソナタは数百曲ありますが、ギターで演奏される曲となるとある程度限られ、K208、K209、K292、K213 などはギターでも比較的よく聴く曲です。K87はかつてジュリアン・ブリームが弾いていた曲でしょうか?

 演奏者の Luigi Attademo (ルイージ・アッタデモ)については詳細はわかりませんが、ドイツのギター製作家、オルテゲス氏の楽器(1994年)を使用しての演奏は、清楚で気品ある美しさ湛えたものです。とてもくつろいだ気分になれる1枚です。
 
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