中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

CD20 ロドリーゴ : ギター協奏曲集   ~アルフォンソ・モレーノ  ロドリーゴの3つの協奏曲

 そう言えば最初に挙げたCDの曲目リストにこのCDだけ抜けていました(HMVのコメントは間違いが多い!)。曲目は有名な「アランフェス協奏曲」、「ある貴紳のための幻想曲」、「ある宴のための協奏曲」の3曲で、最初の2曲については説明不要と思いますが、「ある宴のための協奏曲」は1982年の作曲ということなので、ロドリーゴが80歳を越えてからの作品ということになります(ホアキン・ロドリーゴ 1901~1999年)。ファリャの「7つのスペイン民謡」に出てくる旋律などを基にしているようです。

 モレーノのパワフルな演奏は、ポンセの協奏曲の場合と同じなのですが、やはり同じく音質はあまりよくありません。録音の関係ということにしておきましょう。



CD21 バリオス : ギター曲集    ~再びフォルホースト

 再びエンノ・フォルホーストの登場ですが、このギタリストはこのコレクションで私が初めて聴く人と思っていたら、私のCD棚に「バリオス・ギター曲集Ⅱ ~ナクソス盤」というのがありました。以前に何枚かのCDと一緒に取り寄せて、後で聴いてみようと思っているうちに忘れてしまったようです。だんだん自分で持っているCDも管理できなくなっているかな? 

 こちらのブリラント盤の方が「バリオス曲集Ⅰ」にあたり、1994年に録音されていて、このギタリストのデビュー盤にあたるそうです。なぜか二つのレーヴェルをまたいでバリオス全集を録音しています。「デビット・ラッセルに関係があるのかな?」と前に書きましたが、確かにデビット・ラッセルに師事したと書かれています。

 演奏内容は、バッハの時と同じく、とてもがっちりとした音楽作りです。曖昧さとか、ごまかしはなく、作曲家が残した音符と、そこから帰結される作曲家の考えやイメージを現実の音にしてゆく、といったタイプのギタリストのようです。また歌わせ方はあくまで自然で、無表情でもなく、また極端な感情移入も避けられています。このバリオスの演奏からはより真面目さが感じとれます。確かにデビット・ラッセルに近い音質や音楽へのアプローチがみられ、「さらに真面目なデビット・ラッセル」といったところでしょうか。もちろんデヴィット・ラッセルもたいへん真摯な態度で音楽に取り組むギタリストですが、それでもまだラッセルの演奏には、多少なりとも「遊び」や「即興性」みたいなものも感じます。このフォルホーストの演奏ぶりは、そのラッセル的な方向性の中から、枝葉的なものを切り捨て、より純化したような音楽に感じます。
 
 一曲目の「ワルツ第3番」はバリオス自身の演奏を基にした譜面のようですが、中ほどで、普通「シ♭」で演奏される音を「シ-ナチュラル」で弾いているところがあります。改めてバリオス自身の演奏を聴いてみましたが、何といっても”ものすごい”音質(もちろん良くない方)で、なお且つその音が2回とも不明瞭に弾かれていて、よくは聞き取れないのですが、やはり「ナチュラル」になっています。 譜面の方もよく見てみると、和声法的にも「ナチュラル」と考えた方が妥当性があるようです。他の部分もバリオス自身の演奏にかなり忠実に弾かれ、そんなところにも「真面目さ」が出ているのでしょうか。因みに、ウィリアムスやラッセルなど他のギタリストのほとんどはその部分を「シ-♭」で弾いています。

 「パラグアイ舞曲第1番」はめずらしい二重奏バージョンで演奏しています(共演は Hein Sanderink)。また前述のナクソス盤の「バリオス曲集Ⅱ」の方にはタレガの「ラグリマ」をテーマにした変奏曲が収録されています。12分ほどの結構長い曲で、初めて聴きますが(本当はもっと前に聴いているはず!)、なかなか面白い曲です。
 
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