中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

どちらが勝っても初優勝

 ウルグアイ、オランダ、ドイツ、スペインと、4強の残ったのは結局チームとしての強さのあるチームでしたね、古豪ウルグアイは準決勝で涙を飲みましたが、本当に強いチーム。虚飾を廃し、ただワールド・カップに勝つことだけを目指したチーム。「俺たちのサッカーは遊びじゃねえ」と言っているようです。オランダ戦でも最後まで食い下がり、終了間際の得点は見事と言えます。

 ドイツはこのところ優勝こそありませんが、日韓大会から3回連続してベスト4以上と、毎回強いチームを作ってきます。その中でも今回は守備にも攻撃にも圧倒的な強さで、イングランド、アルゼンチンと強豪をなぎ倒してきました。クローゼのしぶとい得点に加え、エジルなどの新しい力が目立ちました。

 オランダは「日本が10回戦っても1回勝てるかどうか」と言われたチームですが、日本と親善試合をした頃はまだチームとしてのまとまりはいま一つといった感じもしました。しかしワールド・カップに入ってから1戦ごとに強さも、まとまりも出てきた感じです。オランダはこれまで出場32チームのうち、唯一すべての試合で勝利しています。このまま無敗のままで、このワール・カップを終えるのでしょうか。

 その強いドイツを、持ち前のパス・ワークで翻弄したのがのがスペイン。得点こそコーナー・キックからでしたが、ドイツ陣内で何度も見せる速くて正確なパス回しはただ驚くばかり、やはり他のチームとは次元が違う。オッズでは優勝の確率が最も高いとされながらも、テレビなどではスペインの優勝を予想する人は意外と少ない。ワールド・カップでは勝てないスペインというイメージが強いのかも知れません。

 しかし今回のスペイン・チームは、終盤になっても運動量が落ちず、前線でもボールを執拗に追いかける姿が見られます。勝利への執念も十分といった感じで、ある意味、予想を裏切ってここまで来ました(初戦でスイスに負けた時には「やはり」といった感じでしたが)。

 決勝はオランダ=スペイン。 スペインが「無敵艦隊は勝てない」というこれまでの歴史を塗り変えるのか、はたまた独立戦争の再現どばかりに、オランダが強国スペインを撃破するのか・・・・  答えはもうすぐですね。




ラグリマ


 今回の楽譜はラグリマです。ラグリマは前回のアデリータとは姉妹のような関係にあり、短調と長調がちょうど逆の関係になっていますが、リピートとダ・カーポの付いた16小節と、曲の構成は同じになっています。おそらくタレガもそれを意識して作曲したと考えられます。



作曲、出版年代ははっきりしない

 曲としてはこの2曲確かに似ているのですが、楽譜に関して言えば若干異なる点もあります。前述のとおり、アデリータは1902年にタレガの作品のとしては最初に出版されたものの一つで、タレガ自身により入念に校訂されたと思われます。一方ラグリマの方は正確な出版年代が不明(私がわからないだけかも)で、1908年~1920年に出版されたとされています。カタログに書かれた順番からすれば、やや早いほうで、タレガの死の前後かもしれません。


 作曲されたのは1893年にロンドンに滞在した時とされている新聞記事もあるようですが、信憑性は少ないようです。この記事は1915年に書かれたもので、少なくともその時点でこの曲が「アルハンブラの想い出」などと共に、ギター愛好者間に浸透していたのは確かでしょう。またこの曲はここに挙げたもの以外に、フォルテアによる別バージョンもあるそうです。


tarrega 004


「重箱の隅」で恐縮ですが

 この譜面はそのアリエール社から出版されたもの(初版)のコピーです。この譜面を詳しく見てゆくと、些細な問題なのですが、1小節目の1拍目と、3小節目の1拍目では桁(音符の横棒)の掛け方が違っています。曲全体からすれば1小節目は、当然3小節目のように書かなければならないところです。ミスといえばミスなのですが、この1拍目の4弦の「ミ」を譜面どおりに8分音符で弾く人はいないでしょうから、実際に演奏する場合は特に問題にはならないでしょう。というよりそんなことに気付かず弾いている人も多いのではないかと思います(こんなことにイチャモン付けるのは私くらい?)。


 さらに2小節目と4小節目の3拍目の「シ」の音符の「棒」の付けかたが違っていて、2小節目の本来4小節目のように書かれるべきでしょう。また7小節目の3拍目の「シ」にも4小節目のように下向きに棒が書かれるべきと思います。このようなことは本来あえて指摘すべきことではないのですが、この譜面の性格という意味では若干考慮すべき点もあります。


「アデリータ」と比べると

 タレガはそうした細かい譜面の書き方にはあまりこだわらなかった、と考える人もいるかも知れませんが、それについては「アダリータ」の譜面をもう一度見るとわかります。アデリータの1~3小節目の低音にはなんと棒が上下に付いていて、低音部と中音部を兼ねていることを表しています。このようにタレガは出版の際にはこうした「声部分け」には細心の注意を払っていることがわかります。


 これらのことは、この「ラグリマ」の譜面が直接タレガの手を経て出版されたわけではないことを示すものともいえます。もちろん出版年代からして、その可能性は高いのですが。またこの出版譜の基となった譜面も、タレガが出版を想定して書いたものではないということも言えるかも知れません。



楽譜の信頼度「A」

 これらのことを総合するとこの譜面の信頼度というか、タレガの意思の反映度といった点では「シングルA」といったところと思います。それほどいい加減なものではありませんが、さりとて入念に書かれたものでもない。もちろんその評価はあくまこの譜面の「信頼度」であって、曲の内容についてではありません。内容について言えば、「アデリータ」よりも優れている点もかなりあるように思います。
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