中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

スミス・ブリンドル作曲「黄金のポリフェーモ」

 タレガの次にヴィラ・ロボスやバッハなどの譜面の話をしようかと思ったのですが、このタイトルもずいぶん長くなってしまったので、それらの作曲家についてはまた別の機会にしまして、最後に、ちょっと話が飛びますが現代の作品の譜面、スミス・ブリンドルの「El Polifemo de Oro~黄金のポリフェーモ」の話をして、この「楽譜を読む」を閉じたいと思います。



今年唯一の独奏 = 9月18日ひたちなか市文化会館

 この数年”それなりに”がんばって練習やら、コンサートやらやってきた反動でしょうか、今年の私は、昨年の12月以来全然人前で独奏を行わず、またあまり集中した練習などもやらず、なんとなく、だらだらとした生活を送っています。今年の唯一の独奏をする機会というのが、9月18日の「ひたちなかギター・フェスティヴァル」ということになります(15分だけですが)。当日の演奏予定曲目としては、この「黄金のポリフェーモ」の他、ジョン・ダウランドのプレリュード、ファンシー、エリザベス女王のガリヤルドで、結果的にはイギリスの作曲家の作品ということになりました。



あれこれ弾いているうちに

 今年になってからは、気の向くまま、昔買った楽譜などをあれこれ弾いていましたが、まずテデスコの「プラテーロと私」や「タランテラ」などに興味がゆき、次に気持ちが止まったのが、この「黄金のポリフェーモ」です。この「黄金のポリフェーモ」は1956年にイギリス人の作曲家、スミス・ブリンドルが、ガルシア・ロルカの詩をもとに作曲した曲です。



20代の頃ジュリアン・ブリームのLPで

 「ポリフェーモ」とはギリシャ神話に登場する一つ目の巨人だそうで、曲のほうは無調で4つの楽章からなります。この曲を私が初めて聴いたのは1972~3年頃だったと思いますが、ジュリアン・ブリームのLPで聴きました。このLPは「コンテンポラリー・ミュージック」と題され、他にブリテンの「ノクターナル」やヴィラ・ロボスの練習曲(第5、7番)、マルタンの「4つの小品」などが入っていました。当時私が何度も繰り返して聴いたLPの一つです

 
ポリフェモ



書いてあるとおりに弾けばよいのだけれど

 上の楽譜はこの「黄金のポリフェーモ」最初の楽章です。古典的な曲の場合は、これまで話してきたとおり、当時の演奏スタイルとか、楽譜を読む場合の常識とか、習慣とか、そういったものをある程度身に着けておかないと正確には楽譜が読めないといったことを話しました。その点この楽譜は一見難しそうですが、そういった要素は少ないので、まずは「楽譜に書いてあるとおりに」弾けばよいということになります。

 その代わりに「言葉」による書き込みが多いのに気付くと思います。言語としては主にイタリア語が使われていますが、ギターの奏法などに関しては英語も使われています。運指を書き込んだジュリアン・ブリームによるものなのでしょうか。



語学力が必要になるが

 古典の曲の場合、楽譜に書き込まれる言葉は、音楽用語として限定されたものになるので、イタリア語で書かれているからといって、特にイタリア語がわからなければ楽譜が読めないと言うことはありません。しかしこの曲では普通音楽用語として用いられない言葉もいろいろ出てくるので、語学に弱い私としては若干困りますが、幸いに文章として書かれるわけではなく、単語だけなので辞書を引けばある程度わかります。


 Adagioの前についている「Ben」は、「よく」といったような意味で、「しっかりと遅く弾く」といったような意味になるのでしょうか。その下に書かれている「tastiere」は「指板」といった意味で、「指板にかかるくらい左の方で、柔らかい音で弾く」といった意味です。「pont.」は「ponticello」の略で、それと反対の「駒(ブリッジ)のほうで硬い音で弾く」。

 下から2段目に英語で書かれている「bring out F to F#」は 「ファ#までファを保持する」と言った意味でしょうか。ブリームが書いたのかも知れません。



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