中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

昨日(8月22日)石岡市ギター文化館で、「佐藤純一&タケオ・サトー ジョイント・コンサート」を聴きました。

 佐藤純一君については、おそらく皆さんもご存知と思います。現在はギター文化館の講師をやめていますが、FM放送のパーソナリティーを務めるなど、いっそう幅広く活動しているようです。

 タレガの「グラン・ホタ」からコンサートが始まりましたが、楽器の特徴もあってか、技巧的で華やかな曲というより、優雅で繊細な感じの演奏でした。いろいろな特殊奏法も、なかなか効果的に面白く演奏されています。続いてジブリの曲=「風の谷のナウシカ」、「海の見える街」、「となりとトトロ」が演奏されましたが、こちらは伴奏を抑えて、メロディを歌わすことに集中している感じでした。

 次にタレガ編のショパンのノクターン(Op.9-2)が演奏されました。このアレンジはただピアノの原曲をギターに移し変えただけでなく、随所にギター的なパッセージが挿入されていて、美しくメロディを歌わせるだけでなく、ギターのテクニックを聴かせる曲にもなっています。佐藤君はそうした難しいパッセージも、まるで何事もなかったかのように、力まず、さらりと弾いています。

 さらにアニメのテーマから、今度はディズニーの曲で「美女と野獣」、「ホール・ニュー・ワールド」、星に願いを」が演奏され、そして最後にマヌエル・ポンセの「南のソナチネ」が演奏されました。

 佐藤(純一)君のプログラム全体を見ると、クラシックの3つの大曲の間に、アニメのテーマを2組、3曲ずつ挟むといった構成で、本格派の曲と、カジュアルな曲とのバランスをうまくとったプログラミングと思いました。

 さすがにこの暑さでは、演奏もたいへんだったと思いますが、演奏そのものにはそうした影響は感じられませんでした。



 タケオ・ペーター・サトー君はドイツ在住のギター制作家のカズオ・サトー氏の子息で、私自身は彼がまだ10代半ばの頃、1999年の東京国際ギター・コンクールの時に、その演奏を聴いています。4位入賞だったと思いますが、その繊細な感性が印象的でした。

 最初にバッハのプレリュード(二長調 BWV998)が演奏されました。彼の演奏を聴くのはその時以来と言うことになりますが、当然当時とは演奏は変わっているでしょう。父であるカズオ・サトー氏の楽器から出る音は質感のある音で、演奏内容も、持ち前の感性を、技術と知性がしっかりとサポートしていて、美しく、かつ充実したバッハといった感じでした。

 次に武満徹の「エキノクス」が演奏されました。自らが生まれ育った国ドイツの音楽と、父の生まれ育った国日本の音楽をそれぞれ一曲づつ演奏したわけですが、それぞれを同じようにたいへん美しく、しかし全く異なる性質の音楽として演奏していました。

 武満の音楽は幽玄の世界とでも言うべく、日本の伝統的な情緒を表現した音楽と言えます。特に日本的な作曲技法を用いているわけではないと思いますが、このような音楽はヨーロッパには存在せず、やはり日本的な音楽としか言いようがないのでは。でもやはり武満の音楽は美しい! 理屈ぬきで!

 さらにその後武満編の「イェスタディ」、バリオスの「マシーシ」、ジュリアーニの「ロッシニアーヌ第5番」、タレガの「グラン・ワルツ」、トゥリーナの「ソナタ」と続きましたが。もちろんどの曲のすばらしいものでした。アンコールとしてホルヘ・モレルの「ダンサ・ブラジレイラ」が演奏されましたが、現代の青年らしく、たいへん生き生きとしたリズムで演奏していました。

 最後に両「サトー」の二重奏で、カルドーソの「ミロンガ」が演奏されました。因みに両「サトー」君、苗字は同じですが、特に親戚関係などはありません。
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